Dell G3 15シリーズ(3579)のレビュー GTX 1050や GTX 1050Tiを搭載!お手頃な15.6型ゲーミングノート
Gデルが販売するノートPC、Dell G3 15シリーズ(3579)のレビューです。
Dell G3 15シリーズ(3579)は、ゲーミングブランドのDell Gシリーズにてラインアップされている15.6型ゲーミングノート。
同じくデルのゲーミング上位ブランドである「ALINWARE」ほどのスペックは必要としない、気軽に遊べるゲーミングノートをお探しの方に向くモデルです。
今回の G3は、Dell Gシリーズで提供されている中では下位にあたりますが、最大では第8世代のCore i7や GTX 1050 Ti(4GB)を搭載するモデルも提供されるなど、多くのゲームを快適にプレイすることができる性能を持ちあわせています。
ゲーミングPCによくある機能の多くが省かれてはいるものの、性能や価格を考えた場合、コストパフォーマンスは十分に高いといえるでしょう。
今回は、Core i7-8750Hや GTX 1050 Ti(4GB)を搭載する上位のプラチナモデルを使用してみましたので、その特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。
【Dell G3 15シリーズ(3579) レビュー記事目次】
Dell G3 15シリーズ(3579) 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・ Dell G3 15シリーズ(3579) まとめ
【同シリーズの記事】
・Dell G5 15シリーズ(5587)のレビュー
・Dell G7 15シリーズ(7588)のレビュー
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Dell G3 15シリーズ(3579) 筺体外観・インターフェース
Dell G3 15シリーズ(3579)の筐体外観をチェックします。
ゲーミングPCとしては低価格帯の製品であり、上位クラスのPCの筐体のようにメタル系素材が多用されているわけではありませんが、色味や質感などは洗練されているように感じる筐体です。
厚さ22.7mmと 15.6型のゲーミングノートにしては薄いためか、置いていて圧迫感を感じさせないところも良いです。
以前掲載した Dell G7シリーズ(Dell G7 15シリーズ(7588)のレビュー)に比べると、細かい部分のデザインがやや簡素になってはいるのですが、普通にきれいなビジュアルのノートだと思います。
天板の様子。
写真はリーコンブルーと呼ばれるカラーのモデルです。
ブルーというより、グレー系のシルバーにやや青っぽさをプラスしたような渋めの色味で、天板の中央にはブルー系のカラーをベースとする鏡面仕上げのDELLロゴが配置されています。
重みのある天板カラーと、透明感あるロゴカラーの対比が美しいです。
本製品ではこのリーコンブルーのほか、リコリスブラックや アルプスホワイトカラーを採用するモデルも提供されています。
天板はサラッとしたマットな質感に仕上げられており、指紋汚れが目立ちにくいです。
天板中央のDELLロゴ。
ターコイズブルーのような、やや緑色を帯びたブルーカラーが取りいれられています。
厚さ22.7mmとやや薄型。
最近はゲーミングノートでも薄型筐体を採用している製品は多く、本製品くらいのサイズは珍しくはないのですが、薄すぎず厚すぎずといった具合で使いやすいです。
薄いとどうしても内部の熱が気になってしまいますし、逆に厚みがありすぎるとパームレストの位置が高くなるため、操作がしづらくなってしまうんですよね。
筺体全体を背面から。
筺体を正面から。
電源オン時とオフ時の様子です。
高級感があるとまではいえないものの、天板やキーボード側面の質感やカラーが統一されているため、垢抜けた印象を受けます。
ディスプレイには、15.6型ワイドフルHD(1920×1080)のIPS非光沢液晶を採用。
ゲームプレイに不便のない画面サイズと解像度に加え、目に負担が少ない非光沢の液晶を採用するなど、多くの方に使いやすい仕様です。
IPS方式の液晶を採用しているだけあり、視野角は広いです。
やや角度をつけて画面を閲覧しても、見え方は大きくは変わりません。
全体的に若干色が浅いような感じはしますが、ほどほどに鮮やかでゲームプレイはもちろん、写真や動画編集にも利用しやすい液晶です。
ディスプレイ上部には、HD(720p)対応のWebカメラとデジタルマイクを内蔵、また下部にはDELLのロゴがプリントされています。
DELLのロゴなど、上位のDell G7の方がデザインに凝っている印象です。
Dell G7のディスプレイ下のロゴ
ディスプレイの最大開閉角度は、約135度
可動域はほどほどに広く、ディスプレイの角度調整を行うのに不便はありません。
筐体側面に配置されている、インターフェースの内容をチェックします。
左側面の様子。
電源コネクター、HDMI 2.0、LAN、USB3.1×2基(PowerShare対応)、ヘッドフォン&マイクのコンボポートを搭載。
右側面にはSDカードスロット、USB2.0、セキュリティロックケーブル用のスロットが並びます。
正面側には何もなし。
背面にも何もありません。
左端の方に、シリーズ名であるG3の文字がプリントされています。
サイズの大きいノートであるのにもかかわらず、光学ドライブは搭載されていません。
また本製品が下位モデルであるからか、DELL G7シリーズには搭載されていた Type-C端子なども見当たりませんが、利用に支障がない程度には端子の内容は充実しています。
筺体底面側の様子。
写真は上が筐体背面、下が正面側となります。
最近のPCに多い、一枚板の構造を持つ底面カバーを採用しています。バッテリも完全に内蔵されているため、外側からは取り外せません。
底面カバーの正面寄りの位置に、Waves MaxxAudio Proに対応するスピーカーが内蔵されています。
スピーカーはこの2基のみですが、音質はそこそこ良いです。
PCのスピーカーだけでも、ゲームのサウンドを十分に楽しめます。
Waves MaxxAudio Proによる補正によって、このクオリティを実現できているのかもしれません。
サウンドの微調整を行える、Waves MaxxAudio Pro専用のサウンドユーティリティがプリインストールされている
PCと、同梱されていた電源アダプター&電源ケーブル。
電源アダプターの仕様は19.5V、6.7Aで130W。
製品ページを見る限りでは、どの構成を選んでもこの電源アダプターが付属するようです。
キーボードの操作性
Dell G3 15シリーズ(3579)に搭載されているキーボードの操作性をチェックします。
防滴設計の日本語キーボードや、その右側にはテンキーを配置。
キーサイズや配列、機能など、キーボードは上位のDell G7と基本変わらないようです。
本製品ではこの日本語キーボードのほか、カスタマイズでは英語版のバックライト付きキーボードを選択できます。
キーピッチは標準的なサイズですが、ストロークは浅め。
打鍵時にキーボード底面に若干のたわみが感じられはしますが、使いづらいほどではありません。
使いづらい点をあげるとすれば、BackspaceやEnterキーが特殊な形状となっていることに加えて、その右側にテンキーがある関係でBackspaceがやや打ちづらいです。
特に、はじめて本製品を利用される方には違和感があるかもしれませんが、しばらく使っているうちに慣れると思います。
キートップ部分を拡大。
フラットな形状、かつマットな質感を持つ素材を採用しており、指紋汚れが目立ちにくいです。
キーボード右上には指紋センサーを兼ねた電源ボタン。
Windows Helloを利用した指紋認証によるログインが可能です。
なお、電源ボタンの側にみえる指紋の絵柄はデザインではありません。シールであり、簡単にはがせます。
キーボード左上には、G3の文字をプリント。
細かいストライプによるシャープな雰囲気のデザインを、キーボード面全体に施してあります。
ボタン一体型のタッチパッドを搭載。
ブルーカラーのラインが、タッチパッドを縁取るように施されています。
高級感あるカット加工が施されていた Dell G7のタッチパッドに比べると、いささかデザインがチープな感じはするものの、これ単独で見れば悪くないです。
使用感については、パッドの面積はそこそこ広く指を動かしやすいですし、ボタンも適度に柔らかく、普通に使いやすいタッチパッドだと感じます。
また、テンキーの影響で左寄りになったキーボードのホームポジションに合わせ、タッチパッドにもやや左寄りの配置が採用されているためか、タイピング時に手のひらが頻繁に触れてしまうようなこともありませんでした。
重量
Dell G3 15シリーズ(3579)の重さをはかってみました。
PC本体の重さは2423g。
15.6型のゲーミングノートとしては軽い方です。
といっても、最近のゲーミングノートには軽いものが増えており特別珍しくはありませんが、軽いと場所移動が簡単に行えるため、なにかと便利です。
Dell G3 15シリーズ(3579) 構成内容とその特徴について
掲載しているDell G3 15シリーズ(3579)の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【Dell G3 15シリーズ(3579) の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-8750H(2.20~最大4.1GHz/6コア)
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢、IPS
グラフィックス GeForce GTX 1050 Ti (4GB)
メモリ 8GB(8GB×1、DDR4 2666MHz)
ストレージ 128GB SSD(M.2 SATA/SK hynix製)+ 1TB HDD(5400rpm/Seagate製)
無線 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 5.0、2.4&5GHz
バッテリ 56Wh、4セルバッテリ
サイズ 380×258×22.7(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.53kg
カラー リーコンブルー
ソフトウェア マカフィー リブセーフ (12ヶ月間更新サービス)
標準保証 1年間 引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年07月22日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home 64bit、Core i7-8750H、GTX 1050 Ti(4GB)、8GBメモリ、128GB SSD&1TB HDDという構成内容のモデルです。
本製品では大きく分けて第8世代のCore i5やCore i7、またGTX 1050(4GB)やGTX 1050 Ti(4GB)を搭載する構成が提供されており、掲載モデルは現時点で提供されている中では上位構成にあたります。
4Kのような高解像度環境でのゲームプレイは難しいですが、多くのゲームタイトルを快適にプレイできる性能を持ちあわせていることが伺える内容です。
上位のDell G5や G7と比較すると、グラフィックスがエントリークラスのモデルのみであったり、メモリやストレージにおいても若干選択肢が狭められている感じではあるものの、低価格帯のゲーミングノートとしては悪くありません。
ほとんどのモデルで、SSDとHDDの2ドライブ構成を採用している点も良いです。
なお、上位のDell G7にはネットワークコントローラーとしてKiller LANが搭載されていましたが、今回のG3には搭載されていませんでした。
以下、Dell G3 15シリーズ(3579)で提供されている主な構成です。
あくまでも構成のバリエーションを書き出しているだけであり、以下にあげたパーツを自由に組み合わせられるわけではないため、ご注意ください。
液晶
・15.6型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢、IPS
CPU
・Core i5-8300H(2.30~最大4.0GHz/4コア)
・Core i7-8750H(2.20~最大4.1GHz/6コア)
グラフィックス
・GeForce GTX 1050(4GB)
・GeForce GTX 1050 Ti(4GB)
メモリ
・8GB(4GB×2、DDR4 2666MHz)
ストレージ
・128GB SSD + 1TB HDD(5400rpm)
・256GB SSD
ボディカラー
・リコリスブラック
・リーコンブルー
・アルプスホワイト
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
SSDには、SK hynix製の「SC311」という128GB M.2 SSDが、HDDにはSeagate製の「ST1000LM035-1RK172」という1TB HDD(5400rpm)が搭載されていました。
小容量SSDと、大容量HDDのコスパの高い2ドライブ構成です。
搭載されているSSDは、書き込みが読み込みスピードに比べると少し遅くはあるのですが、体感では高速。サクサク作業が行えます。
HDDの方にデータをたくさん保存できるため、ゲームはもちろん、写真や動画といったサイズの大きなファイルの保存にも困りません。
Dell G3 15シリーズ(3579)では、ほかに256GB SSD単体のストレージ構成を提供していますが、見る限りではほとんどのモデルが、この128GB SSD&1TB HDDの2ストレージを採用しているようです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているDell G3 15シリーズ(3579)で実施したベンチマークテストの結果です。
NVIDIAコントロールパネルの3D設定にて、優先するグラフィックスプロセッサを「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」に設定したうえで測定しています。
【CrystalDiskMark】
左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720、1920×1080/標準品質、ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080、3840×2160(DirectX 11/高品質(ノートPC))
【FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION】
上から軽量品質、標準品質、高品質(1920×1080/フルスクリーン)
【CINEBENCH R15】
3DCG作成ソフト、CINEMA 4Dを使用したベンチマークテスト
第8世代のCore i7、またグラフィックスにはGTX 1050 Ti(4GB)を搭載しており、さまざまなゲームタイトルのプレイに向く性能を持ちあわせています。
フルHDの解像度、標準的な画質設定なら、多くのゲームを快適にプレイできるでしょう。グラフィックスだけではなくCPU性能も高く、写真・動画編集などにも向いています。
消費電力・温度
Dell G3 15シリーズ(3579)のアイドル時、およびベンチマーク実行時(FF XIV)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度は50%に、またグラフィックスに関しては、NVIDIAコントロールパネルの3D設定で優先するグラフィックスプロセッサを「自動選択」に設定したうえで測定しています。(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 113W
※実際の値は若干上下します
アイドル時の消費電力は、ゲーミングでないノート並に低いですが、GTX 1050 Tiを搭載しているため、ベンチマーク実行時は電力消費が増加します。
以下はアイドル時、高負荷時(FF XIVを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
高負荷な状態が続くと、CPU温度がやや高くなりやすいよう。
一方でグラフィックスの温度は、ゲーミングノートにしてはやや抑えられているようです。
CPU温度が高めではありますが、心配しなくてはならないほどの高温ではありません。
キーボードの表面温度に関しては、キーボード中央~ディスプレイ付近が高温になりやすいよう。
排熱口がヒンジの内側に配置されている関係で、その付近の内部を熱を含んだ空気が通るため、どうしてもそうなってしまうのでしょう。
ヒンジまわりは手で頻繁に触れる場所ではないため、特に問題ありませんが、キーボード上にもやや温度が高い箇所があるため、しばらくタイピングをしていると指先がやや温かく感じられてきます。
ゲームをキーボードで操作する場合、指を置きっぱなしにする事が多いため、操作の仕方によっては熱が気になるかもしれません。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、Dell G3 15シリーズ(3579)のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は40493秒。
約11(11.248055555…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
のんびりとブラウジングを行うなど、負荷をかけない状態であればバッテリはかなり持つよう。モバイルノート並のバッテリ駆動時間です
高負荷時の消費電力を考えると、負荷のかかる作業時には大幅にバッテリの持ちが短くなると思われますが、基本電源に接続した状態で利用することが多いノートであるため、問題ないでしょう。
Dell G3 15シリーズ(3579) まとめ
Dell G3 15シリーズ(3579)のレビューは以上となります。
最後にまとめます。
・第8世代のCore i5、Core i7を提供
・GTX 1050(4GB)、GTX 1050 Ti(4GB)を提供
・SSD&HDDの2ドライブ構成も提供
・リーズナブル
デルのゲーミングブランド「ALIENWARE」と比較して、多くの人に手が届きやすい手頃さを持つDell Gシリーズ。
今回のDell G3 15シリーズ(3579)は、その中でも特に構成や価格を抑えた製品であり、ゲーミングというよりは一般的なノートPCの方に近い内容を雰囲気を持ちあわせています。
多くのゲームを快適にプレイできる性能ではあるものの、ゲーミングPCに便利な機能が省かれていたり、デザインもゲーミングPCらしいところが省かれていたりするのですよね。
それゆえにG3は、ゲームプレイがPCを買う一番の目的だという方にはやや心許ない製品であると思われます。
同じDell Gシリーズでも、上位のG7などはもう少しゲーミングPCらしいところがあるため、多少なりともゲームを意識した製品を求める方には、上位モデルの選択をおすすめします。(Dell G7 15シリーズ(7588)のレビュー)
一方でPCにゲーミングの要素を求めていなく、CPUやグラフィック性能が高くさえあればよいという方には、G3は無駄がなく手を出しやすいです。
下位モデルだからといって極端に性能が抑えられているわけではなく、標準画質であればそれなりに高いパフォーマンスが発揮できるところも魅力。
高性能なCPUを搭載できるため、ゲームプレイだけではなく写真・動画編集目的の方にもおすすめです。