Dell Inspiron 17 3000(3780)のレビュー お手頃価格の17.3型ノート
デルが販売するノートPC、Inspiron 17 3000(3780)のレビューです。
Inspiron 17 3000(3780)は、17.3型サイズの液晶を搭載するノートPC。
デルの個人向けノートでは、低価格帯の製品をラインアップする3000シリーズに位置づけられる製品で、大画面液晶を搭載しながらもお手頃な価格を実現しています。
低価格帯の製品であっても比較的きれいな液晶を搭載していること、また最大では第8世代のCore i7-8565UやRadeon 520(2GB)を搭載できるなど、価格の割に高い性能を持ちあわせている点が魅力です。
ネット閲覧や動画視聴、写真・動画編集などに使える大画面のメインノートPCが欲しいという人に向いた製品だといえるでしょう。
今回は、Core i5-8265UやRadeon 520を搭載するモデルを使用してみましたので、その特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。
【Inspiron 17 3000(3780) レビュー記事目次】
Inspiron 17 3000(3780) 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・Inspiron 17 3000(3780) まとめ
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspiron 17 3000(3780) 筺体外観・インターフェース
Inspiron 17 3000(3780)の外観をチェックします。
天板の様子です。
プラチナシルバーカラーをベースに、中央にはDELLのロゴを配置するシンプルなデザインを採用しています。
提供されているカラーは、このプラチナシルバー1色のみです。
コストパフォーマンス重視のシリーズの製品であるため、メタル素材が多用されたノートのような上質感は見られませんが、低価格帯のノートの割にはきれいに仕上げられていると感じます。
外観に安っぽくみえるようなところは全くありません。
背面、正面側から見た筐体全体。
サイズが大きいノートPCは見た目に威圧感がありますが、本製品は17.3型サイズのノートの割にはスリムに作られており、机の上に置いていても窮屈さを感じません。
ディスプレイには、17.3型フルHD(1920×1080)のIPS非光沢液晶が搭載されています。
大画面であることに加えて、低価格帯の製品にもかかわらずIPS方式の液晶が搭載されているのは大きな魅力です。
TN方式の液晶であっても作業自体には問題はありませんが、IPS液晶の方がメリハリのある発色できれいに見えやすいため、気分よく作業が行えるというメリットがあります。非光沢タイプで光の反射が目立ちにくいところも良いです。
大画面であるために文字が小さくて読みづらいなんてこともなく、実用性に優れた液晶だといえます。
IPS方式の液晶であるため、視野角は広いです。
どの角度から見ても、画面に表示されている内容をはっきりと読み取ることができます。
写真編集などにも使いやすい液晶です。
液晶上部のベゼルにはHD(720 p)対応のWebカメラが、下部にはDELLの小さなロゴが配置されているのがみえます。
ディスプレイの最大開閉角度は135~140度程度。
ノートPCのディスプレイとしては標準的だと思われる可動域で、問題なく画面の角度調整が行えます。
筐体側面のインターフェースの内容です。
筐体左側面です。
こちら側には電源コネクター、HDMI 1.4b、LAN、USB3.1×2基、ヘッドフォンやマイクのコンボジャックが搭載されています。
右側面にはSDカードリーダー、USB2.0、光学ドライブ、セキュリティ用のスロットが並びます。
最新のノートPCに搭載されることの多いType-C端子はありませんが、日常作業であると便利だと思われる端子は一通りそろっています。
DVDドライブも標準搭載されており、家庭用のノートPCとしては不足を感じない内容です。
筺体正面側、背面側には何も搭載されていません。
筺体底面です。
写真は上が筺体正面、下が背面側となります。
最近のノートに採用されることの多い、一枚板の底面カバーを用いたシンプルな底面デザインです。底面中央付近には、inspironのロゴが配置されています。
特に注目する点はありませんが、底面にも天板と同じプラチナシルバーのカラーが使われており、筐体全体に一体感があって整った印象を受けます。
凹凸感のあるinspironのロゴを配置
正面側に近い位置に、Waves MaxxAudio Pro対応のチューニングスピーカーが内蔵されています。
あくまでもノートのスピーカーであるため、特別音質が良いというわけではありませんが、動画などのちょっとしたサウンドを聴く分には申し分のないクオリティを実現しています。
Waves MaxxAudio Proのサウンドユーティリティを標準搭載
プリインストールされているサウンドユーティリティを利用して、サウンドの微細なチューニングが行えます。
Inspiron 17 3000(3780)と、付属の電源アダプターやケーブルです。
掲載モデルには外部グラフィックスが搭載されていますが、パワーのあるグラフィックスではないため電源は小型です。
19.5V、3.34Aで65Wの電源アダプターが付属していました。
Inspiron 17 3000(3780)ではこの65Wアダプターのほか、構成によっては45Wの電源アダプターが付属することもあります。
キーボードの操作性
Inspiron 17 3000(3780)に搭載されている、キーボードの外観や操作性をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードです。
右側にはテンキーを搭載。
本製品で選べるキーボードは、今のところ上記のみのようです。
多くのノートPCのキーボードと比較して、標準的なキー配列や機能を持つキーボードで違和感なく操作が行えます。キーボード底面のたわみも全くないわけではありませんが、気にならない程度です。
BackspaceやEnter付近のキーの幅が極端に狭く、また特殊な形をしているため、慣れていないとやや打ちにくさはあるものの、全体的には無難な使い心地だと思います。
キーにはザラつきのある素材が用いられており、使用したあとの指紋汚れが目立ち難いです。
キーボード周りやパームレスト上には、凸凹とした触感のチェックデザインが施されています。
パソコンを使っていると付きやすいテカり等の汚れが目立ちにくいこと、また触り心地もサラサラとしていてよいです。
ボタン一体型のタッチパッドを搭載しています。
パッドの面積に余裕があること、またクリックボタンが適度な硬さでボタン一体型にしては使いやすいタッチパッドです。
本製品くらいのサイズのノートPCでは、マウスを接続して利用する方が多いと思われますが、タッチパッドで操作を行う場合であってもさほどストレスを感じずに操作が行えると思います。
重さ
Inspiron 17 3000(3780)の重さをはかってみました。
PC本体の重さは2698g。
17.3型サイズの大画面ノートであるためさすがに軽くはありませんが、このサイズにしては軽量です。
部屋の移動くらいなら、楽におこなえます。
付属の電源アダプターやケーブルの重さは、329g。
Inspiron 17 3000(3780) 構成内容とその特徴について
掲載しているInspiron 17 3000(3780)の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【搭載されているストレージ】
東芝製の「KBG30ZMS128G」という128GB M.2 SSDと、Western Digital製の「WD10SPZX-75Z10T2」という1TB HDDが搭載されていました
【Inspiron 17 3000(3780) の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-8265U(1.60GHz~3.90GHz/4コア8スレッド)
ディスプレイ 17.3型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢、IPS
グラフィックス AMD Radeon 520(2GB GDDR5)
メモリ 8GB(1x8GB/DDR4 2666MHz)
ストレージ 128GB SSD(M.2 PCIe NVMe/TOSHIBA製)+ 1TB HDD(5400rpm/Western Digital製)
光学ドライブ Tray load DVD ドライブ (DVD±RW/CD-RW)
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1、1×1
バッテリ 42Wh、3セルバッテリ
サイズ 415.4×279.2×25(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.79kg
カラー プラチナシルバー
ソフトウェア マカフィーリブセーフ (12ヶ月間更新サービス)
標準保証 1年間 引き取り修理保守サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2019年05月16日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、17.3型フルHDのIPS非光沢液晶、Core i5-8265U、8GBメモリ、128GB SSD&1TB HDD、DVDドライブという構成内容のモデルです。
本製品には大きく分けて第8世代のCore i5-8265U、Core i7-8565Uを搭載したモデルが提供されており、うちいくつかのモデルにはRadeon 520(2GB)が搭載されています。
Radeon 520(2GB)はグラフィックスとしてはパワーのあるモデルではありませんが、搭載することでグラフィック専用のメモリを利用できるようになるため、作業内容によってはCPU内蔵グラフィックスのみの構成よりもパフォーマンス面で有利になります。
といってもゲームがプレイできるような性能が発揮できるわけではありませんが、ちょっとした写真や動画編集を行う場合などにプラスアルファの性能が期待できます。
無くても困らないけれど、あるとちょっと有利になるかもしれない…と考えておくと良いでしょう。
その他の構成においては、メモリは今のところ選べるのは8GBのみで、ストレージにおいてはHDDのみの構成と、SSDとHDDを組み合わせた2ドライブ構成とが提供されています。
HDD単体の構成はリーズナブルであるところが魅力ですが、性能面で不利となりやすいため、サクサクとした使用感を実現できるSSD&HDDの構成がおすすめです。
以下、本製品で提供されている構成のバリエーションです。
あくまでも提供されている構成を書き出しているだけであり、以下を自由に組みあわせられるわけではないためご注意ください。
OS
・Windows 10 Home 64bit
・Windows 10 Pro 64bit
液晶
・17.3型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢、IPS
CPU
・Core i5-8265U
・Core i7-8565U
メモリ
・8GB(1x8GB/DDR4 2666MHz)
グラフィックス
・インテル UHD グラフィックス 620
・AMD Radeon 520(2GB GDDR5)
ストレージ
・1TB HDD(5400rpm)
・128GB SSD(M.2 PCIe NVMe)+ 1TB HDD(5400rpm)
光学ドライブ
・Tray load DVD ドライブ (DVD±RW/CD-RW)
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているInspiron 17 3000(3780)で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720、1920×1080/標準品質、ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080(DirectX 11/標準品質(ノートPC))
【CINEBENCH R15】
掲載モデルには Radeon 520(2GB)が搭載されているため、CPU内蔵グラフィックスのみの構成よりもパフォーマンスは若干高いようです。
軽いゲームタイトルであれば、解像度や画質を調整すればプレイできなくはありません。
日常用途においては、ネット閲覧やストリーミング視聴、ビジネスアプリを利用した作業、複雑でない写真・動画編集などをこなせる程度の性能は持ちあわせています。ストレージ(SSD)の速度も非常に速く、快適に作業が行えるはずです。
より高い性能を求める場合は、上位のCore i7-8565Uを搭載した構成を選びましょう。
消費電力・温度
Inspiron 17 3000(3780)のアイドル時、およびベンチマーク実行時(FF XIV)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度を50%に設定した上で測定しています。
(以降、全てこの設定を使用)
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 58W
※実際の値は若干上下します
ベンチマーク実行時はやや消費電力が上がりますが、全体としては低消費電力な部類です。
以下、アイドル時、高負荷時(FF XIVを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
高負荷な状態が続くと、CPU温度がやや高くなりやすいようです。
といっても熱で性能が低下するようなことはありませんでしたが、気になる方は、高負荷な作業時のみノートPC用の冷却台等を使うようにすると良いでしょう。
キーボードの表面温度は、キーボード左半分がやや高温になりやすいようですが、手が触れやすいパームレストの温度が低いためかほとんど気になりませんでした。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、Inspiron 17 3000(3780)のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は22721秒。
約6.3(6.311388888…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
今回のモデルは大画面であること、また外部グラフィックスを搭載しているため、最近のノートPCにしてはやや短めのバッテリ駆動時間です。
とはいえ、電源が確保できない環境でも、ひとまとまりの作業を終えるだけの余裕はあります。
本製品くらいのサイズのノートPCでは、電源に接続して利用される方が大半だと思われ、6時間も持てば十分だと思います。
Inspiron 17 3000(3780) まとめ
Inspiron 17 3000(3780)のレビューは以上となります。
最後にまとめます。
・17.3型フルHDのIPS非光沢液晶を搭載
・第8世代のCore i5-8265U、Core i7-8565Uを搭載
・一部、Radeon 520(2GB)搭載の構成を提供
・ストレージはHDD単体、およびSSD&HDDの構成を提供
・低価格帯の製品の割に洗練された外観
・大画面ノートながら低価格
低価格帯の3000シリーズの製品でありながらやや高めの性能を実現していること、またIPS方式の液晶を採用するなど、コストパフォーマンスに優れている点が魅力の17.3型ノートです。
ネットや動画視聴、ビジネスアプリの利用、簡単な写真や動画編集など、日常で行うことの多い一通りの用途には十分な性能を持ちあわせています。
低価格なPCであるため、上位シリーズの製品に見られるような高級感はありませんが、洗練された外観で安っぽく見えないところが良いです。
例えばデスクトップの代替機や、メインノートとして使える大画面ノートをお探しの方にぴったりの製品だといえるでしょう。
低価格帯の17.3型ノート自体があまり多くはないため、貴重だと思います。