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HPが販売するノートPC、HP Spectre x360 15-ch000のレビューです。

HP Spectre x360 15-ch000は、360度回転が可能なディスプレイを採用する15.6型の2in1ノート。

ノートをはじめ、ディスプレイを回転させることでスタンドやテント、タブレットなどさまざまなスタイルでの利用が可能となったマシンです。

歴代のSpectreシリーズの製品と同様、パソコンとは思えない華やかな雰囲気をまとっていることに加え、今回のモデルはCPUにCore i7-8705Gを採用。

Core i7-8705Gは、インテルの第8世代CPUに AMDのGPUであるRadeon RX Vega Mグラフィックスを搭載したモデルで、CPUに搭載のGPUながら、軽いゲームタイトルのプレイをはじめ、写真・動画編集といったクリエイティブな用途にも利用できるくらいのパワーがあります。

華やかな外観からは想像できないハイパワーを持った、個性的な2in1ノートだといえるでしょう。デザインにこだわりがある方はもちろん、単純に高性能な薄型ノートが欲しい方にもおすすめです。

今回は、そんなHP Spectre x360 15-ch000の特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。

【HP Spectre x360 15-ch000 レビュー記事目次】

HP Spectre x360 15-ch000 筺体外観や操作性をチェック
 ・筺体外観・インターフェース
 ・2in1構造を採用
 ・キーボードの操作性
 ・主な付属品
 ・重さ

構成と特徴・ベンチマークテストの結果
 ・構成と特徴
 ・ベンチマークテストの結果
 ・消費電力・温度
 ・バッテリ駆動時間

製品のまとめ
・ HP Spectre x360 15-ch000 まとめ

※掲載製品は Linkshare様よりお貸出しいただいたものとなります。


HP Spectre x360 15-ch000 筺体外観・インターフェース

HP Spectre x360 15-ch000の筐体外観をチェックします。


ボディ全体にはアッシュブラックカラー、ボディ側面やヒンジにはゴールドカラーを用いるなど、シックともゴージャスともいえる美しいカラーリングを採用した製品です。

カラーリングや質感が美しいだけではなく、CNC精密加工によってアルミニウムの塊から削り出されているために「たわみ」に強く、持ち運んだりディスプレイを回転させたりといった操作も気軽に行えるのですよね。

頑丈であるのは、利用側にとっては重要な要素です。



天板中央に配置された、ゴールドカラーのhpスラッシュロゴ。
スラッシュロゴは、hpのプレミアムシリーズにのみに使われるロゴです。




カット加工が施された側面にも、ゴールドカラーを採用。

アッシュブラックとの組み合わせが、より上品な雰囲気を高めています。パソコンというよりも高級ブランド品といった様相です。



背面から見た筐体全体の様子。
15.6型のノートですが、そうとは思えないくらいシルエットがスリムです。




正面側から見た筐体。

全体を眺めるとアッシュブラックカラーの印象が強く、それだけだとちょっと暗い雰囲気になってしまいそうなのですが、筺体側面やヒンジに施されたゴールドのアクセントがアッシュブラックカラーの暗さを良い具合に引きたてています。



ディスプレイには、15.6型ワイドUHD(3840×2160)のIPSタッチパネルを搭載。

大画面の2in1って、回転させるときに画面をぶつけたり引っ掛けたりしてしまいそうでちょっと怖いのですが、本製品の液晶表面には、耐久性に優れるコーニングのGORILLA GLASSが使用されているため、安心してさまざまな操作が行えます。

画面サイズが大きく解像度が高いため、イラスト制作や写真・動画編集作業にも利用しやすいです。



ナローベゼルディスプレイと呼ばれる、左右のベゼルを極限までそぎ落としたディスプレイを採用しており、見た目にスタイリッシュな印象です。






IPS方式の液晶を採用しているため、広視野角です。

IPS方式を採用して液晶であったしても、液晶の明るさによっては画面端の方がやや暗く見えたりすることがありますが、本製品の液晶はとても明るいため、斜めから見ても色やコントラストに変化がほとんど見られません。

とても鮮やかできれいです。
この液晶なら、筐体をどのようなスタイルに変えても利用しやすいはずです。



液晶上には「HP Wide Vision フルHD Webcam(約200万画素のWebカメラ)」を内蔵。
IRカメラを搭載しており、Windows Helloによる顔認証ログインが利用できます。



液晶下部には、hpのスラッシュロゴを配置。




筐体側面にあるインターフェースの内容を確認します。

左側面の様子。
電源コネクター、USB3.1(Type-A)、電源ボタン、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポート、SDカードスロットが搭載されています。



右側面にはボリュームコントロールボタン、指紋認証センサー、USB3.1 Type-C(Thunderbolt3対応)、HDMI 2.0が並びます。

指紋認証センサーが搭載されており、顔認証と同様にWindows Helloによる指紋認証ログインが可能です。



正面側には何も搭載されていません。




背面にも何もありませんが、ヒンジの隣にSPECTREの小さな文字が配置されています。


15.6型のノートですが、光学ドライブは搭載されていません。

LANも搭載されていませんが、USBにはType-AとType-Cの2種を備え、映像出力にはHDMI 2.0を備えるなど、家庭での利用には不便のないインターフェースの内容です。

必要に応じ、Type-C端子の変換アダプターやドックを揃えておくと、より便利に利用できます。




筺体底面全体の様子。
写真は上が筐体背面、下が正面側です。

一枚板の構造を持つアッシュブラックカラーの底面カバーが使われており、すっきりとした見た目です。



正面寄りの位置に、Bang&Olufsenのサウンドテクノロジーに対応するスピーカーを内蔵。
スピーカーは底面だけではなくキーボード面の方にも搭載されており、ノートにしては結構良い音がでます。

低温も高温もしっかりと聴こえる感じです。




Bang & Olufsen AUDIOと呼ばれる、専用のサウンドユーティリティを搭載



HP Spectre x360 15-ch000の本体と、付属の電源アダプター&コードです。



電源アダプターの側面に配置された、hpのロゴ。




電源アダプターの仕様は19.5V、7.7Aで150W。
グラフィック性能が高めであるからなのか、やや大きめの電源が付属するようです。



さまざまなスタイルで使える 2in1構造を採用

HP Spectre x360 15-ch000には、360度回転させられるディスプレイが備わっており、さまざまなスタイルで利用することが可能です。




ノート


スタンド


テント


タブレット

15.6型とサイズが大きく重さがあるため、画面回転時の操作がやや大げさになりがちであること、またタブレットを片手で持って操作しづらいところはマイナスだといえます。

しかし画面サイズが大きいぶん、スタンドやテント、タブレット時のタッチパネルの操作がしやすく、作業がはかどりやすいというメリットもあるのですよね。

ストリーミング視聴などにも使いやすいです。



キーボードの操作性

HP Spectre x360 15-ch000に搭載されている、キーボードの外観や操作性をチェックします。



アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用。
右側にはテンキーを搭載しています。

本製品で選べるのは、この日本語版のキーボードのみです。

主要なキーのピッチは約18.7×18.4mmと余裕のサイズ、またキーストロークは約1.55mmと薄いノートの割には深さがあります。

どちらかというとキーは軽く、それでいてしっかりとしたクリック感があるため、タイピングがしやすいです。



キートップの様子。
ほぼフラットな形状のキーです。



白色のバックライトを内蔵。
明るさの調整はできません。



パームレスト左側には、SPECTREの小さな文字。



キーボード上部には、Bang & Olufsenのサウンドテクノロジーに対応するスピーカーが2基内蔵されています。

底面側のスピーカーとあわせて全4基のクアッドスピーカーを内蔵するなど、音質へのこだわりを感じます。



ボタン一体型のタッチパッドです。
HPのPCでよくみかける、やや横長形状のタッチパッドを搭載しています。

テンキーの搭載によって左寄りに配置されたキーボードにあわせ、タッチパッドもやや左寄りの配置となっているのですが、タッチパッドのサイズが大きいため、タイピングの仕方によっては手のひらがパッド面に触れてしまうことがあるかもしれません。

普段マウスを利用されている方は、タッチパッドの機能をオフにしてしまうと良いでしょう。



主な付属品

HP Spectre x360 15-ch000に標準付属しているアイテムをご紹介します。


まずは専用のスリーブケースです。


このスリーブケースは、製品に標準付属しているアイテムです。
PUレザーを使用したケースで、HP Spectre x360 15-ch000の本体がぴったりと収まるように作られています。



片面には、型押しによるhpの社名ロゴ入り。



ケースの口はマジックテープで留めるようになっているため、開閉がスムーズです。



内側には、スエードのような柔らかい生地が用いられています。




PC本体を収納した図。
スリムなPCであるため、この様子だけをみるとPCが入っているようには見えません。


上記の専用スリーブケースのほか、有料のカスタマイズオプションでは他のケースも選択することができます。

標準付属のケースでもクオリティは高く、個人的にはこれで十分なのではと感じますが、必要に応じて選ぶと良いでしょう。




次に、アクティブペンです。


Spectre アクティブペン2と呼ばれる、Microsoft Penプロトコルに対応した充電式アクティブペンが標準付属しています。

カラーはPC本体と同じアッシュブラック。
1024段階の筆圧検知と傾きに対応するなど、標準付属品であるのにもかかわらずそこそこ機能が充実しています。

接続はBluetooth。



通常のペンのように、クリップがついています。




ペンの側面にはボタンを搭載。
ペン先は、削った直後の鉛筆の先のような三角形状で、ややツルツルした描き心地ですが、描きづらくはありませんでした。




充電に利用するケーブルも付属していました。


ペンのカバーの内側に充電用の端子が搭載されており、その端子から充電を行います。
ペンは充電中には利用できないため、いざ使う時に電池切れにならないよう注意しなくてはなりません。



カスタマイズでは標準付属のペンとは別に、「Spectreアクティブペン」や「Spectreアクティブペン2」を追加することができます。

標準付属のものとは異なるペンを選べるのかと思いましたが、Spectreアクティブペン2の方は標準添付品と同じものであるよう。

ペンが2本必要な場合のみ、追加しましょう。



重さ

HP Spectre x360 15-ch000の重さをはかってみました。

PC本体のみの重さは、2124g。
モバイルノートとしてはやや重いですが、15.6型の高性能なノートとしてはかなり軽いです。



標準付属のスリーブケースと、PC本体を合わせた重さは2319g。



電源アダプターや電源ケーブルを合わせた重さは、438g。



HP Spectre x360 15-ch000 構成内容とその特徴について

掲載しているHP Spectre x360 15-ch000の構成内容と、その特徴について解説します。

【CPU-Z】


【GPU-Z】

【HP Spectre x360 15-ch000 の主な構成】

OS   Windows 10 Pro 64bit
プロセッサ   Core i7-8705G(3.10GHz/TB時最大4.10GHz)
ディスプレイ   15.6型ワイドUHD(3840×2160/4K)、IPSタッチディスプレイ
グラフィックス   Radeon RX Vega M GL グラフィックス、インテル HD グラフィックス 630
メモリ   16GB(8GB×2/DDR4 2400MHz)
ストレージ   512GB SSD(PCIe NVMe M.2/Toshiba製)
無線機能   IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
センサー   加速度センサー、デジタルコンパス、ジャイロセンサー
バッテリ   6セルバッテリ、約11時間(MobileMark 2014計測/公称値)
サイズ   359×249×19~21(幅×奥行き×高さ/mm)
重量   約2.13kg
カラー   アッシュブラック
ソフトウェア   マカフィーリブセーフ (1年版)
主な添付品   専用スリーブケース、速効!HPパソコンナビ特別版ほか
アクティブペン   Spectre アクティブペン2(アッシュブラック)
標準保証   1年間(引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間

※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年07月24日時点の情報に基付く内容となります。

Windows 10 Pro、Core i7-8705G、16GBメモリ、512GB M.2 SSD(NVMe)という構成内容のモデルです。

記事冒頭でも述べた通り、搭載されているインテルのCore i7-8705Gは、AMDの Radeon RX Vega M GL グラフィックスを搭載するというユニークな仕様を持ったCPU。
参考:Core i7-8705Gの仕様

もともとCore iプロセッサに内蔵されている「インテル HD グラフィックス 630」とあわせ、2基のGPUを搭載していることになります。

性能に関しては、ベンチマークにもよりますが NVIDIAのグラフィックスでいうと GTX 1050よりもやや高いスコアが出ており、画質を調整すれば軽~中程度の負荷のゲームタイトルくらいなら快適にプレイできるパワーを持ちあわせているといえるでしょう。

本製品のようなタイプのノートのグラフィックスとしては、かなり性能は高めだといっても差し支えありません。


主要なパーツのカスタマイズについては、CPUやメモリなどは固定構成で変えられませんが、ストレージを512GB SSD、1TB から選べるようになっています。

いずれのSSDにもNVMe規格のモデルを用意するなど、外観だけではなく性能にもとことんこだわっていることがうかがえる構成内容です。



以下、搭載ストレージの詳細です。


ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)


ストレージの内訳

SSDには、東芝製の「KXG50ZNV512G」という512GB M.2 SSD(NVMe)が搭載されていました。

SSDの中でも、特に高速なNVMe規格のモデルです。
512GBと容量も十分、さらにカスタマイズでは1TBものSSDを選べるようになっており、写真や動画のようなサイズの大きなファイルの保存にも困らないでしょう。



ベンチマークテストの結果

以下、掲載しているHP Spectre x360 15-ch000で実施したベンチマークテストの結果です。


【CrystalDiskMark】


【3DMark】




上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果


【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】


左から1280×720、1920×1080/標準品質、ウィンドウモードで実行


【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】




上から1280×720、1920×1080、3840×2160(DirectX 11/高品質(ノートPC))


【CINEBENCH R15】


Radeon RX Vega M GL内蔵のCPUを採用しているマシンだけあって、通常のインテルCPU内蔵グラフィックスのみの時よりも大幅にグラフィック性能が向上しています。

先にも述べた通り、手元にデータのある他製品とのスコアと照らし合わせたところでは GTX 1050搭載PCよりもやや高い位のグラフィックスコアが出ており、ゲームプレイにも十分に活用できる性能であることがわかります。

本製品はゲームプレイをメインの目的とするようなPCではないと思いますが、これだけの性能があればゲームをはじめ、写真や動画編集のようなクリエイティブな用途にも向いているといえるでしょう。

どちらかというと華奢で一般用途向けという印象がある製品だけに、ゲームができるくらいのパワーを持っているというのは面白いです。



消費電力・温度

HP Spectre x360 15-ch000のアイドル時、およびベンチマーク実行時(FF XIV)の消費電力を測定してみました。

画面の輝度は50%に設定、バックライトキーボードはオフに設定した上で測定しています。(以降、全てこの設定)

アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 69W

※実際の値は若干上下します

アイドル時の消費電力は非常に低いです。
ベンチマーク実行時は、Coreプロセッサ内蔵GPU単体の構成よりは電力消費が高くなるよう。

といっても一般的なゲームPCと比較した場合、消費電力は低い方です。




以下、アイドル時、高負荷時(FF XIVを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。


パーツ温度


キーボードの表面温度

気にしなくても良い程度だと思いますが、薄型ノートであるからか、高負荷な状態が続くとCPU温度が高くなりやすいようです。

またキーボードの表面温度は、キーボード中央から右側にかけてやや温度が高くなりやすいよう。

使用していて不快に感じるかどうかはPCの利用環境にもよりますが、タイピング中、やや指先が温かいと感じられることがあるかもしれません。



バッテリ駆動時間

バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、HP Spectre x360 15-ch000のバッテリ駆動時間を測定。

ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。




バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は40031秒。
約11(11.1197222…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。

バッテリの持ちは非常に良いです。
消費電力を考慮すると、高負荷な作業時にはバッテリの持ちが大幅に短くなる可能性がありますが、ある程度の作業を行うくらいの余裕はあると思います。

やや重くはあるものの、モバイルノートとしても使いやすそうなノートです。



HP Spectre x360 15-ch000 まとめ

以上、HP Spectre x360 15-ch000のレビューでした。
最後にまとめます。

・15.6型ワイドUHD(3840×2160)のIPSタッチパネルを搭載
・高級感あるデザインを採用
・ノート、テント、スタンド、タブレットなど様々なスタイルで利用できる
・Radeon RX Vega M GLを搭載するCore i7-8705Gを採用しており、特にグラフィック性能が高い
・NVMe規格のSSDを搭載
・専用のアクティブペンやスリーブケースを標準付属

Spectreシリーズの製品らしい、高級感あふれるデザインを採用した15.6型ノートです。

デザインが素晴らしいだけではなく、ノートのビジュアルからは想像できない高い性能を持ちあわせるなど、パフォーマンス面にも妥協がありません。

薄型で繊細なイメージを持つノートにもかかわらず、Radeon RX Vega M GLを搭載する Core i7-8705Gの採用によって、高いグラフィック性能を持っているところがギャップがあって面白くもあり、大きな魅力です。

加えて、高解像度液晶の搭載やアクティブペンの標準付属など、制作・編集用途にはぴったりの要素を備えたノートPCだといえるでしょう。

決してリーズナブルだとはいえないのですが、標準でハイスペックな構成であること、また標準添付品が多いことなどを考慮すると、内容以上に価格が高いわけではありません。

むしろコスパには優れています。

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