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前記事(ThinkPad 10 クイックショット・カバーを使ってみる カバーをめくるだけでカメラを起動)に続き、今回はThinkPad 10の構成内容や実際の性能面について。

掲載の ThinkPad 10は、OSにWindows 8.1 Proの64bit版を、プロセッサにはBay Trail-Tと呼ばれる Atom Z3795を搭載。

同じ10.1型のタブレットで、Atom Z2760を搭載する ThinkPad Tablet 2と性能を大まかに比較した場合、CPU性能は約2倍、グラフィックスにおいては2倍以上のパフォーマンス差があるという結果が出ており、大幅な性能向上が伺えます。

今回は、そんなThinkPad 10の構成や性能面についての詳細に加え、ThinkPad Tablet 2との性能差についても簡単に触れてみたいと思います。


【ThinkPad 10 レビュー記事目次】

・ThinkPad 10 およびウルトラブックキーボードの外観チェック
ThinkPad 10の外観・インターフェースウルトラブックキーボードの使い勝手重量

・カバーをめくるだけでカメラが起動できる ThinkPad 10 クイックショットカバーのレビュー
ThinkPad 10 クイックショットカバーの詳細ThinkPad 10 の背面カメラで撮影した写真

・構成特徴とベンチマークテストの結果
構成と特徴ベンチマークテストの結果ThinkPad Tablet 2(Atom Z2760)との性能比較消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・ThinkPad Tablet ペンの詳細・使用感は?
ThinkPad Tablet ペンの詳細文字やイラストの描き心地は?液晶の表示品質

・プリインストール・ソフトウェアの内容
プリインストール・ソフトウェア簡易的な写真・動画編集アプリを搭載

・製品のまとめ
ThinkPad 10 まとめ


ThinkPad 10 の構成とその特徴について

まず、掲載しているThinkPad 10 の構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果と 掲載モデルの主な構成内容です。





【ThinkPad 10 の主な構成】

OS Windows 8.1 Pro(64bit)
プロセッサ Atom Z3795(1.59GHz/最大2.39GHz)
TPM TPM 2.0
メモリ 4GB(4GB×1/LPDDR3 1066MHz)
グラフィックス インテルHD グラフィックス
ディスプレイ 10.1型 WUXGA (1920×1200)、IPS、10点マルチタッチ、ゴリラガラス、光沢あり
ストレージ 64GB eMMC(SanDisk製)
無線機能 802.11a/b/g/n + Bluetooth v4.0
指紋センサー なし
その他のセンサー類 加速度センサー、近接センサー、デジタルコンパス、光センサー、GPS、ジャイロセンサー
バッテリ 33WH
駆動時間 約10.2時間(WiFi使用/公称値)
電源アダプター 36W
サイズ 256.5×177×8.95(横置き時/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約598g(公称値)
カラー ブラック
付属品 ThinkPad Tablet ペン

※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年08月28日時点のものです。

掲載している ThinkPad 10の構成は上記の通り。
OSにはWindows 8.1 Pro 64bit版を、プロセッサにはAtom Z3795、メモリ4GB、ストレージには64GB eMMCを搭載するという構成内容です。

本製品では他に、32bit版のWindows 8.1 Proや Windows 8.1 with Bing(32bit or 64bit)を搭載したモデル、メモリ2GBのモデルなども提供されており、ストレージにおいては128GBのeMMCも選択可能。

またデジタイザー・ペンへの対応・非対応や、スマートカード・リーダーの有り無し、Microsoft Officeを搭載しないモデルなども提供されるなど、企業向けだけあって比較的カスタマイズの幅は広いです。

なお、タブレットでのデジタイザー・ペンの利用をお考えの方は、製品購入時にペン対応の液晶を選択する必要があります。後からペンのみを買い足しても利用できませんので、ご注意ください。

あと、スマートカード・リーダーの追加が少しわかり難いのですが、このオプションはカスタマイズ画面の「グラフィックス」の項目から追加する事が可能です。(選択するモデルによって選択できるオプションは異なるため、スマートカード・リーダー等の追加オプションがない場合もあります)



搭載されているストレージの内容を詳しく見てみます。


デバイスマネージャの内容


ディスクの内訳

掲載モデルにはSanDisk製の「SEM64G」という64GBのeMMCが搭載されていました。
Windows 8.1はシステムファイルのサイズが小さい為、50GB弱程の容量をユーザーが利用できるようです。

性能をノートPCのストレージなどと比較した場合、HDD搭載のマシンよりも速く、SSD搭載のマシンよりも少し遅いといった感じの速度で、比較的快適に利用できると思います。

他、オプションで128GB eMMCの選択も可能です。(選択できないモデルもあります)



ベンチマークテストの結果

以下、掲載している ThinkPad 10で実施したベンチマークテストの結果です。


【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 6.4
メモリ 5.9
グラフィックス 4.3
ゲーム用グラフィックス 3.9
プライマリ ハードディスク 6.1

※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。


【CrystalDiskMark】


SanDisk SEM64G(eMMC)


microSDカードスロット

【SanDisk SEM64G(eMMC)】

Seq 81.6229.80
512K 67.1718.96
4K 11.773.316
4K QD32 7.0123.641

【SanDisk Ultra microSDHC UHS-I(最大30MB/秒の転送速度)】

Seq 23.6522.16
512K 23.192.853
4K 5.4731.452
4K QD32 4.7951.403

いずれも数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム

microSDカードの速度は普通。
使用するカードによってある程度速度は変化しますので、頻繁にファイルの読み書きを行う場合は、高速なカードを利用してください。

最も、本製品は64GB、128GBと比較的容量が大きい為、SDカードをファイルの保存などに利用する事はあまりないのではと思われます。


【3DMark】


3DMark 全てのテストの実行結果

Ice Storm・・・ 11396
Cloud Gate・・・ 956
Sky Diver・・・ 447
Fire Strike・・・ 測定不可


【モンスターハンターフロンティア 大討伐】

左:1360×768 / 右:1920×1080

1360×768 ・・・ 511~577
1920×1080 ・・・ 235~265


【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】

1360×768

1360×768 ・・・ 96

~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作


【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】

キャラクター編 左:1360×768(標準品質) / 右:1360×768(高品質)

【キャラクター編】
1360×768(標準品質) ・・・ SCORE:678 / 評価:動作困難
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:410 / 評価:動作困難


【CINEBENCH】

OpenGL ・・・ 6.23fps
CPU ・・・ 1.29pts


グラフィック性能は高くはありませんが、Atomを搭載するタブレットにしては頑張ったスコアだと思います。

3DMarkは Fire Strikeのみ実行する事ができませんでしたが、Atom Z2760を搭載するThinkPad Tablet 2では半分のテストも動作しない事を思うと、性能はかなり向上しているという印象。

実際、軽い作業ではサクサクとした快適な操作感で、高負荷な作業を行うのでなければPCの代用機として十分使えそうです。



ThinkPad Tablet 2(Atom Z2760)との性能比較

ThinkPad 10と、ThinkPad Tablet 2の性能を簡単に比較してみました。
比較するThinkPad Tablet 2の主な構成は、Atom Z2760、メモリ2GB、64GB eMMCという構成内容です。


    ThinkPad 10 ThinkPad Tablet 2
Win Exインデックス CPU 6.4 3.3
メモリ 5.9 4.7
グラフィックス 4.3 3.8
ゲーム用グラフィックス 3.9 3.3
ハードディスク 6.1 5.6
CrystalDiskMark
(左がRead/右がWrite)
Seq 81.62 / 29.80 81.65 / 35.32
512K 67.17 / 18.96 78.62 / 29.41
4K 11.77 / 3.316 8.869 / 2.038
4K QD32 7.012 / 3.641 10.45 / 2.168
3DMark Ice Storm 11396 2532
Cloud Gate 956 測定不可
Sky Diver 447 測定不可
Fire Strike 測定不可 測定不可


ストレージの性能は殆ど変わりませんが、CPUやグラフィック性能の差が非常に大きいです。

体感的な速度はそれ程大きく異なるわけではありませんが、アプリケーションを起動させたり、ウィンドウを複数開いた際のパフォーマンスは、やはりAtom Z3795を搭載するThinkPad 10の方が優れているという印象を受けます。



消費電力・温度

ThinkPad 10の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。

アイドル時 ・・・ 5W
動画再生時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 11W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

いずれの場合も消費電力値は低いです。




次に、タブレット内のパーツの温度について。
以下はアイドル時、およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定結果です。

軽く冷房をかけた室内で測定しています。(大体26度前後)

負荷をかけると、CPUの温度がやや上昇します。
ノートPCでは普通ですが、タブレットにしては温度はやや高いかもしれません。

とはいえ、本製品でゲーム系のベンチマークテストのような高い負荷をかけ続けるような事はないと思いますので、特に気にしなくても良いでしょう。




さらに、高負荷時のタブレット表面の温度を測定した結果です。

高い負荷をかけると本体右側(横置き利用時)の温度が上がりやすいようです。
例えばタブレットを持ったまま写真の編集ソフトなどを起動すると、右側が熱くなってくるのがわかります。

軽い作業では特に何も感じません。



再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間

PassMark Rebooterを利用し、ThinkPad 10の再起動にかかる時間を測定してみました。
以下、10回の測定結果とその平均値です。

1回目 0:55
2回目 0:55
3回目 0:54
4回目 0:53
5回目 0:55
6回目 0:54
7回目 0:54
8回目 0:50
9回目 0:50
10回目 0:54

再起動の平均時間 ・・・ 53秒

ThinkPad 10の再起動にかかる平均時間は53秒。

PCの場合、HDDを搭載する製品では再起動におよそ1分弱~1分半、SSDを搭載する製品では30秒~40秒程度の時間がかかるという結果が出ており、ThinkPad 10の再起動にかかる時間は大体その中間だと考えて良いでしょう。

ただタブレットという性質上、本製品を使い終わるたびにシャットダウンしたり、また使い始めるたびに起動させる事はあまりないため、起動やシャットダウンにかかる時間はあまり気にならないと思います。



バッテリ駆動時間

掲載しているThinkPad 10のバッテリ駆動時間を測定してみました。

測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークが10秒毎、ワイヤレス接続を利用したインターネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。画面の輝度は50%に設定しています。


電力残量が100%から4%に減少するまでの時間は32529秒。
約9(9.035833..)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。

約10.2時間という公称値に比べると少し短いですが、大きく違いはないと考えて良いでしょう。

構成によって多少の差はあると思いますが、ネットや文字入力など軽い利用の仕方では8~9時間、また消費電力から考えて、少々高負荷な作業を行ったとしても4~5時間程度は持つでしょう。

バッテリの残量をそれ程気にしなくても済むのは、モバイルユーザーはもちろん屋内でタブレットを利用するような場合でも、充電の手間がなくて気楽だと思います。





ThinkPad 10 の構成やベンチマークテストの結果については以上となります。

高性能とまではいきませんが、Windowsタブレットにしては性能は高く、軽いPC作業なら難なくこなせるパフォーマンスを持っているようです。

バッテリ駆動時間も長く、一日安心して利用できると思います。


引き続き、次記事では付属のTabletペンの使用感や液晶の表示品質等について触れたいと思います。
興味をお持ちの方は、次記事にも目を通してみて下さい。

次: ThinkPad 10 と付属のThinkPad Tablet ペンで文字やイラストを描いてみる 使い心地は?