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レノボ・ジャパンが販売するタブレット、ThinkPad 10 のレビューです。

ThinkPad 10は、ThinkPad Tablet 2発売以降 初めて登場した10型クラスのタブレット。
以前、8.3型サイズのWindowsタブレットThinkPad 8をご紹介しましたが、本製品はその10.1型サイズとなるモデルです。

WUXGA(1,920×1,200)の液晶を搭載し、プロセッサにはAtom Z3795を搭載。メモリは最大4GBまで搭載可能となっています。

キーボードなどの周辺機器オプションが非常に充実しており、タブレットとしてはもちろんノートPCにも近い使い方ができる自由度の高い製品です。

今回は、そんなThinkPad 10の外観や使い勝手、性能面、キーボード等のオプション品について詳しくレビューします。製品の購入を検討されている方や、製品に興味をお持ちの方は、是非記事をご覧ください。


【ThinkPad 10 レビュー記事目次】

・ThinkPad 10 およびウルトラブックキーボードの外観チェック
ThinkPad 10の外観・インターフェースウルトラブックキーボードの使い勝手重量

・カバーをめくるだけでカメラが起動できる ThinkPad 10 クイックショットカバーのレビュー
ThinkPad 10 クイックショットカバーの詳細ThinkPad 10 の背面カメラで撮影した写真

・構成特徴とベンチマークテストの結果
構成と特徴ベンチマークテストの結果ThinkPad Tablet 2(Atom Z2760)との性能比較消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・ThinkPad Tablet ペンの詳細・使用感は?
ThinkPad Tablet ペンの詳細文字やイラストの描き心地は?液晶の表示品質

・プリインストール・ソフトウェアの内容
プリインストール・ソフトウェア簡易的な写真・動画編集アプリを搭載

・製品のまとめ
ThinkPad 10 まとめ


ThinkPad 10 外観・インターフェースの内容をチェック

まず、ThinkPad 10本体の外観やインターフェースの内容を詳しくチェックします。

ThinkPad 8はサイズが小さい分、キーボードと共に利用していても「タブレット」を使っているという感覚が強かったですが、ThinkPad 10はタブレットというよりも、どちらかというと小さなノートPCという印象が強いです。

そういった理由より、私自身は縦置きではなく横置き利用の方が使いやすいですし、製品自体も横置きで利用することを想定して作られているそうです。

天板全体の様子。
素材には剛性の高いアルミが使用されているそうで、プラスチックを使用したThinkPad Tablet2に比べてかなり薄型化されています。

仕様にはブラックカラーとありますが、見た目はブラウンがかったブラックという感じ。ThinkPad Tablet2などと並べ比べてみると、ThinkPad 10のブラックカラーはやや赤みがかかっているように見えます。

サイズは幅約256.5mm、奥行き177mm、高さは8.95mm。
重量は大体590g~648g。スマートカード・リーダーや指紋センサー、タブレットペンのありなしなど構成によって若干異なります。




天板の左上側(横置き時)には約800万画素の背面カメラを搭載


天板右上側にはThinkPadのロゴ マシン起動時は「i」の点が赤く点灯します


天板左下と右下(タブレット横置き時)にスピーカーをそれぞれ1基ずつ搭載

上写真はスマートカードリーダーや指紋センサーを搭載しないモデルの天板です。

指紋センサーを搭載したモデルでは、センサーはWebカメラとThinkPadロゴの間に配置、スマートカードリーダーを搭載する場合、本体の厚みが16.95mmとかなり分厚くなります。




液晶側の様子

10.1型WUXGA(1,920×1,200ドット)の光沢液晶を搭載しています。
解像度がとても高い液晶です。




液晶上部には約200万画素の前面カメラが搭載されます


液晶下部にはタッチタイプのWindowsボタン

同じ10.1型のThinkPad Tablet2では、Windowsボタンはタッチ式ではなく、プッシュタイプのボタンが搭載されていました。

タッチ式のボタンは誤って押してしまいやすいという欠点がある一方で、力を殆ど入れなくても操作できるというメリットがあります。どちらが良いかは個人の好みによります。





タブレット側面のインターフェースの内容をチェック、解説します。
ここでは基本的にタブレットは横置き。「左側面」と書いた場合は、液晶を真正面から見た状態で左側に位置する側面をさします。


タブレット左側面全体

タブレットの左側面には電源コネクターと、カバー内にフルサイズのUSB2.0が並びます。




タブレット右側面全体

タブレットの右側面にはMicro HDMI、中央のカバー内部にはmicroSDカードスロットやSIMカードスロットが配置され、その右隣りに音量ボタン、マイク入力とヘッドフォン出力のコンボポートが並びます。

なお、SIMカードスロットはWWAN搭載モデルのみとなります。




タブレット下側面の様子

タブレットの下部にはドッキングコネクタ用の端子と、Pogo Pinと呼ばれるUSB 2.0ベースの端子が並びます。

本製品にはUSB3.0端子がありませんが、それはドッキングコネクタ用の端子にUSB3.0を利用しているためで、オプションのThinkPadタブレットドックを装着可能。

ドックを装着する事で、USB 3.0やHDMIといったインターフェースを利用する事ができるようになります。




タブレット上側面全体の様子

タブレットの上部端の方に、電源ボタンや画面回転ロックスイッチを搭載。


なお、本製品にはワコム製のデジタイザペンを付属するモデルが提供されていますが、ThinkPad 10の本体には、ThinkPad Tablet 2にあったようなペン収納スペースが設けられていないため、本体にペンを収納して持ち運ぶという事ができません。

その代り、オプションのケースやキーボードにペン収納スペースが設けられています。





タブレットと専用の電源アダプター、ケーブル

ThinkPad 10は、バッテリの充電にMicro USBケーブルではなく専用の電源アダプターを使用します。

専用の電源アダプターを用いるのは充電時間の短縮の為で、例えば電力残量5%の状態から80%まで充電を行うのに、Micro USBケーブルを用いた場合だと3時間かかってしまう所を、専用の電源アダプターを用いる事で1時間47分に短縮する事ができます。




電源アダプターは12V、3Aで36W


専用の電源アダプターは小型&軽量


電源アダプターのプラグ差込口の形状はメガネ型


プラグの形状は角型

プラグは前後の向きを気にせず、コネクターに差し込むことができます。

なお、写真で見ただけだと、他のThinkPadシリーズに採用されている電源アダプターの角型プラグとほぼ同じに見えますが、ThinkPad 10の電源アダプターのプラグは他のThinkPadシリーズのそれに比べ、サイズが非常に小さいです。




他のThinkPadの65W電源アダプターのプラグ(左)とThinkPad 10の電源アダプターのプラグ



ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードの外観と操作性

次に、オプションのモバイルキーボードについて。
ThinkPad 10 にはケースとキーボードが一体化した「ThinkPad 10 タッチケース」と、「ThinkPad 10 ウルトラブックキーボード」と呼ばれる2種のキーボードが提供されています。

今回は、「ThinkPad 10 ウルトラブックキーボード」の外観や使い勝手をチェックします。

【ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードの特徴】

・Bluetooth接続ではなくPogo PinによるUSB2.0接続
・キーボード兼、タブレットの液晶面のカバーにもなる
・バッテリは非搭載
・約535gとやや重め

上記の他、ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードは、タブレット向けのキーボードであるにも関わらずキーストロークは1.8mmと深く、一般のノートPCに搭載されているようなタッチパッドも搭載しています。

操作性に優れており、キーボードを利用した作業が多い方に向く製品です。
詳細や使用感については以下をご覧ください。




キーボード面全体


キーボード左半分を拡大


キーボード右半分を拡大

フルサイズのアイソレーション型キーボードを採用しています。

主要なキーのピッチは約18mm、キーストロークは1.8mmとタブレット用のモバイルキーボードにしては深く、配列はThinkPad Tablet 2用のBlueToothキーボードと同じ。PrtScやInsertキーがありません。

ThinkPad Tablet 2に搭載されていた、キーボード中央のトラックポイント風のボタンなどはありませんが、手前に小さなタッチパッドが搭載されています。

使用した感想ですが、キーボードはとても使いやすいです。

BackSpaceやEnterなど右側に置かれたいくつかのキーの幅がやや狭いものの、その他のキーはThinkPadのノートPCのキーボードを使っているときと大きく変わらない操作性を実現していると思います。少なくとも、モバイル用のキーボードとは思えない使い心地です。

ただ、私は画面のキャプチャ機能(Windowsキー + PrtSc)をよく利用するため、PrtScキーがないのは少々不便。

PrtScキーの機能は「Fn + T」でも利用できますが、キャプチャしたものを何らかのアプリケーションに張り付ける手間がかかるため、個人的にはPrtScキーがあった方が断然便利だと感じます。

ただ、普段の作業で頻繁に画面のキャプチャを行うのかというと、そんな事はないというユーザーが大半かもしれないため、あくまでも私自身の場合です。




キートップの形状はお椀の底のように丸みを帯びており、指先へのなじみが良い


BackSpaceなど一部キーの幅が狭いが、操作ミスする程の使い難さではない


カーソルキーは主要なキーとは独立した配置で使いやすい


左下のFnとCtrlキーの配置は、Fnが左でCtrlが右


右側のパームレスト上にはThinkPadのロゴ このロゴは光りません




ボタン一体型のタッチパッドを搭載

タッチパッドはやや縦幅が狭いものの、ノートPCに搭載されるようなきちんとしたボタン一体型のタッチパッドが搭載されています。

使用感については、パッド面の操作性は良いものの、クリックはかなり角の方を押さないと反応しない事が多く、タッチパッドをメインに利用して操作を行う場合、ややストレスが溜まります。

実際の利用では、ThinkPad 10ではタッチ操作が行えるため操作にはそれ程問題はないですが、長時間ThinkPad 10に向かって作業を行う場合は、できればマウスを利用したいと感じます。




タブレットとキーボードはPogo PinによるUSB2.0接続 Bluetooth接続のような設定は不要

ThinkPad 10とウルトラブックキーボードは、USB2.0ベースのPogo Pinを利用して接続します。ThinkPad Tablet2のようなBluetooth接続ではありません。

Bluetooth設定の手間がないため、大量に製品を導入する大企業などでは大幅に手間が省けますが、他のタブレットでこのウルトラブックキーボードを利用する事は難しそうです。

なお上写真では、小さな2つの突起がPogo Pinの隣とその向かい側に設けられていますが、これはタブレットを引っかけて固定するためのもの。

タブレットの設置の向きを変える事で、タブレットの液晶面のカバーとして利用したり、タブレットのキーボードとして利用します。





ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードの側面など、全体の様子をチェックします。


左側面には何もなし


背面にも何もなし


右側面にはペンスロットが搭載されている


Tabletペンを収納できる


ウルトラブックキーボードの底

このウルトラブックキーボードに端子類はなく、またバッテリなども内蔵していません。
提供しているのはキーボードの機能のみとなります。





ThinkPad 10を装着


液晶角度は125~126度程度で調整はできません。
膝の上にキーボードを装着したThinkPad 10を置いて作業を行うなど、上から見下ろす場合には見やすい液晶角度です。

やや大きく開き気味であるため、段階的に角度を調整できるような構造であるとなお良いです。

なお、タブレットとキーボードはマグネットで固定されるため、簡単に位置がずれたりタブレットが外れてしまう事はありませんが、完全に固定してしまうものでもないため、膝の上に置いて作業を行うのは少し怖いです。





ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードをタブレットのカバーとして利用

ウルトラブックキーボードをタブレットのカバーとして利用する場合、見た目は閉じたノートPCのような感じになります。天板などはカバーできませんが、PC用のスリーブケースなどを利用できそうです。



気になる部分はいくつかあるものの、ノートPCのキーボードに近い使い心地を実現しており、長時間の入力作業でも苦にならないモバイルキーボードです。

約535gとやや重い所が欠点ですが、タブレットをノートPCのように使いたいと考えるユーザーにはおすすめのキーボードだと言えるでしょう。



重量

ThinkPad 10やキーボード等の重量を測定してみました。

ThinkPad 10(指紋センサーやスマートカードリーダーなし): 568g
電源アダプター&ケーブル: 205g
ThinkPad 10 ウルトラブックキーボード: 528g
ThinkPad 10 クイックショットカバー: 138g

ThinkPad 10 ウルトラブックキーボードとクイックショットカバーは、Tableペンを収納した状態での重量です。Tableペンの重量は約7~8gとなります。

ThinkPad 10とキーボードをあわせると1096gと、1kgを少し超える重量。
キーボードとあわせての携帯は、10.1型のノートPCを持ち歩いているのだと考えれば悪くないと思いますが、個人的にはもう少し軽くあって欲しいです。

なお、提供されているもう一つのキーボード「ThinkPad 10 タッチケース」とThinkPad 10の組み合わせだと、ウルトラブックキーボードとの組み合わせよりは90g程軽くなるようですが、90gの差であれば、ウルトラブックキーボードを利用した方が良いと私は思います。

※タッチケースは利用した事はないのですが、写真等を見る限りキーボードのストロークが非常に浅く、キーボードの操作性はウルトラブックキーボードの方が良いと思われるため。





ThinkPad 10や専用キーボードの外観・操作性については以上となります。
携帯重視なら8.3型のTinkPad 8に軍配が上がりますが、ノートPCの代用機として十分に機能するThinkPad 10も魅力。

私自身は Miix 2 8の利用で、8型の液晶は長時間のデスクトップ作業にはやや厳しいと感じているため、タブレットをPCのように利用したいとお考えの方には ThinkPad 10をおすすめいたします。

引き続き、次記事では ThinkPad 10用のクイックショットカバーや、カメラ機能について触れたいと思います。製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。

次: ThinkPad 10 クイックショット・カバーを使ってみる カバーをめくるだけでカメラを起動