IdeaPad YOGA 11S レビュー デュアルヒンジで液晶が360度回転する11.6型Ultrabook
レノボ・ジャパンが販売するノートPC、IdeaPad YOGA 11Sのレビューです。
前の記事でも述べたとおり、掲載のモデルは米レノボ主催のLenovo INfluencer Networkというプログラムに参加するにあたり、プログラムキットとしてご提供いただいたものです。
自由に使用しても良いという事なのでそうさせていただくつもりですが、まずは一通りの検証を行いその結果を掲載したいと思います。
というわけで今後数記事にわたり、IdeaPad YOGA 11Sの外観や使い勝手、性能面について詳しく触れていきます。製品に興味をお持ちの方は是非、今後の記事をご覧ください。
【IdeaPad Yoga 11S レビュー記事目次】
・はじめに
(IdeaPad Yoga 11Sの箱明け 他 / Lenovo INプログラムとは)
・IdeaPad Yoga 11S 外観や操作性
(4つのモード / 外観・インターフェース / キーボード / 重量 / 液晶の質)
・IdeaPad Yoga 11S ベンチマーク結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / バッテリ駆動時間)
・ファンクションキーの動作変更手順
(ファンクションキーの機能一覧 / Setup Utility(BIOS設定))
・搭載ソフトウェアについて
(搭載ソフトウェア一覧&解説 / OneKey Recoveryではリカバリメディアは作成不可)
・リカバリディスクの作成例とその手順
(回復ドライブを作成する / システムイメージを作成する)
・リカバリメディアの作成例とその手順
(回復ドライブを作成する / システムイメージを作成する / リカバリメディア作成まとめ)
続きは後日更新予定
変形可能な筐体(4つのモード)
IdeaPad Yoga 11SはノートPC、テント、スタンド、タブレットといった4つのモードへと変形可能な筐体を採用しています。
以下、各モード時のマシンの様子です。
ノートPCモード
上写真はノートPCモードの状態。
この状態から液晶を後方に回転させると、テントモードやスタンドモード、タブレットモードなどのスタイルが完成します。
回転時のヒンジの状態
ノートPCの天板を閉じるときと同じ要領で、逆方向にヒンジを折り曲げて液晶を回転させる事が可能です。
テントモード。
その名の通り、テントのようなスタイルでPCを利用します。
なお、ディスプレイの回転角度が180度を少し超えるあたりでキーボードやタッチパッドは反応しなくなりますので、キーなどに触れる事による誤動作が起こる心配はありません。
スタンドモード。
テントモードの状態で、キーボードが底面に来るように設置するスタイルをスタンドモードと呼びます。
タッチ操作メインになるため、操作感はテントモードと変わりません。
タブレットモード。
スタンドモードの状態から、完全にディスプレイを後方へ倒すとタブレットのスタイルになります。
複数人で画面を覗きこむような場合や、片手で持って画面を閲覧したい場合などに便利です。
ただ、YOGA 11Sはキーボードを着脱するタイプの製品ではないため、タブレットモード時でも軽量化できず、ノートPCモード時と同じ重量となります。
持ち方にもよりますが、片手で持って長時間作業を行うのは辛いです。
使いかたによって色々な意見があると思いますが、個人的には、ノートPC以外ではテントモードが最も便利だと感じています。
ディスプレイの角度を調整する事で、カフェのテーブルなど狭い場所への設置も可能になりますし、細かい話ですが別の席にちょっと移動するなんて場合にも、下に掲載した写真のように天板と本体の間に手を差し入れる事でサッと手軽に運ぶ事ができるなど、ノートPCやスタンドモードなどよりも扱いやすいです。
ちょっとした移動時に便利なテントモード
外観・インターフェースの内容
次に、デザインやインターフェースの内容をチェックします。
天板全体
天板隅に設けられたLenovoのロゴ
IdeaPad YOGA 11Sにはシルバーグレーとクレメンタインオレンジという2色のカラーがラインアップされており、今回掲載の機器は シルバーグレーカラーのモデル。
シルバー系のUltrabookは多いですが、YOGA 11Sのそれは多くの製品のシルバーカラーに比べるとやや濃いめの色合いとなっており、重厚感があります。
表面はマットな加工がなされており、さらさらと手触りがとても良いです。
もちろん、指紋がついても跡が全く目立ちません。指紋の跡が目立たないというのは、モバイルノートでは結構重要なポイントだと思います。(人に見られる機会が多いため)
ディスプレイには、11.6型ワイドHD(1366×768)の光沢液晶を搭載。
10点のマルチタッチに対応しています。
液晶についてはまた後述しますが、YOGA 13同様に視野角が広くきれいな液晶です。IPS方式のパネルだと思います。
光沢なので映り込みや光の反射はありますが、輝度を高く設定していれば、明るい場所での使用でも見難さを感じる事はありません。
液晶とベゼルの境がないフラットなデザインを採用しています。
縁がないと、見た目にスタイリッシュな印象を受けます。
液晶上部にはHD 720p対応のWebカメラを搭載。液晶の下部にはWindowsボタンが設置されています。
筺体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面の様子。
マイク入力とヘッドフォン出力のコンボジャック、USB3.0、HDMI、スピーカー、音量調整ボタンを搭載しています。
右側面の様子。
ローテーションスイッチ、スピーカー、USB2.0、SDカードスロット、電源コネクターを搭載。電源コネクターは角型です。
前面
前面拡大
筐体前面の左側には、OneKey Recoveryボタン、電源ボタンを搭載。
OneKey Recoveryボタンはまた後述しますが、バックアップやリカバリを行うソフトウェア「OneKey Recovery」を起動させるためのボタンです。
背面には何もありません。
下部に見える細かい穴は排気口です。
底面全体の様子
底面4隅に設けられた足
底面にも天板と同じ素材・カラーを用いたデザインを採用しています。
一般的なUltrabookと同じでバッテリーは内蔵式、またメモリやHDDを簡単に交換できるようなパネルは見当たりません。
本体と電源アダプターのサイズ比較
電源アダプターと電源ケーブル
電源アダプターはとてもコンパクト。45Wの電源を使用しています。
プラグ差し込み口の形状はミッキー型で、プラグの形状は角型。
キーボードとその周辺の操作性
次に、キーボードやタッチパッドなどの操作性をチェックします。
IdeaPadのキーボードもThinkPadと同じようにとても使いやすいものが多いのですが、全く同じというわけではありません。そういった部分等も含め、操作性について触れてみます。
キーボード全体
キーボード左半分
キーボード右半分
6列のアイソレーションタイプのキーボードを採用しています。
キーピッチは実測で約1.9mm~2mm程度で、キーストロークは一般的なPCに比べるとかなり浅目。
私はどちらかというと、ストロークが浅いキーボードは打っている感じがしなくて苦手なのですが、YOGA 11Sのキーボードはしっかりとしたクリック感があり、強く打ってもキーボードの中央が撓んだりしないため打ちやすいです。
配列は、一見するとThinkPadのキーボードとよく似ているように見えるのですが、CtrlとFnキーの位置が左右逆になっています。(逆なのはThinkPadの方で、一般的なPCのキーボードはYOGA 11Sと同じく、Ctrlが左でFnキーが右の配列が多いです)
あと、最近のThinkPadでは最下段に配置されているPrtScキーが最上段に配置されているなど、異なる箇所が幾つか見受けられます。
ただ、カーソルキーが最下段よりも少し下に配置されていたり、キーの打鍵感などはThinkPadととても似ており、使いやすさという点ではそれ程大きく変わりません。
コンシューマー向けの製品ですが、よくできていると思います。
なお、ファンクションキーは、デフォルトでは単独押しで音量や輝度の調整などの機能が動作し、本来のファンクションキーの機能はFnキーとの組み合わせで動作するようになっています。
様々な機能が搭載されたファンクションキー
今となっては珍しくはない仕様ですが、ノートPCの用途によっては使い難いと思われる方も少なくないでしょう。こちらはUEFI(BIOS)設定より動作を入れ替える事が可能です。(また後程触れます)
キートップはお椀のように、端から中央に向かって僅かに湾曲しています。
ですが薄型でないThinkPadやIdeaPadのキーボードに比べると、その度合いは小さいです。
タッチパッドはボタン一体型。
ボタン一体型のタッチパッドはボタン分離型のパッドに比べて使い難いものが多いですが、YOGA 11Sのタッチパッドは非常に使いやすいです。
クリックボタンの押し心地が柔らかく、またパッド面のすべりも良くストレスなく操作が行えます。ThinkPad X1 Carbon(もしくはX1 Carbon Touch)に搭載されているような使い心地のタッチパッドです。
これなら、ボタン一体型のタッチパッドが苦手な私でも快適に使う事ができます。
右パームレストの隅には「ideapad」のロゴ。
フォントのスタイルなど、丸みがあって可愛らしい印象のロゴです。
重量を測定
IdeaPad YOGA 11Sの重量を測定してみました。
公称では約1.35kgの重量となります。
本体の実測値は1359g。
ほぼ公称値通りです。
私が現在使用しているX230よりも100gほど軽いです。(液晶サイズが異なるなどの差はありますが)
電源アダプターとケーブルの重量は290g。
普段アダプターを持ち歩く事はないと思いますが、本体と一緒に持ったとしたら1649gの重さになります。
11.6型にしては軽いとも重いともいえない重量ですが、モバイルノートとしてはコンパクトで扱いやすいと思います。
X230と殆ど変らない重量であっても、液晶が一回り小さく薄型だというだけで、持ち運ぶのが随分楽だと感じます。荷物の隙間にスッと差し込んでおけるのが良いです。
液晶の見やすさをチェック
最後に液晶の見やすさについて。
YOGA 11Sには11.6型ワイドHDのIPS光沢液晶が搭載されています。YOGA 13を使用した時にも思いましたが、明るく発色が良くとても綺麗な液晶です。
以下、YOGA 11Sの液晶の視野角をチェックしてみました。
液晶を正面から
上から
右側面から
正面から
上から
右側面から
見ての通り、視野角は広いです。
上側、また斜めから画面を見ても色が殆ど変化せず、内容をはっきりと視認する事ができます。
電車など人が多い場所でマシンを利用する場合、視野角の広さはセキュリティ面でデメリットがあるかもしれないと思いますが、複数人で画面を覗きこんで閲覧する場合等にはとても便利。
何より、液晶が綺麗だと使っていて気分が良いです。
IdeaPad YOGA 11Sの外観や操作性などについては以上となります。
引き続き、詳しく製品の内容をチェックしていきます。
本製品に興味をお持ちの方は、是非次の記事もご覧下さい。