ThinkPad P40 Yoga の特徴・簡易レビュー (360度画面が回転する2in1構造の14型モバイルワークステーション)
ThinkPad P40 Yoga は、レノボが販売する14型サイズのモバイルワークステーション。
360度回転が可能な液晶を採用する事で、場面にあわせてノートやテント、スタンド、タブレットなど4つのモードに切り替える事ができる2in1ノートです。
通常、スケッチからデザインの編集・設計といった一連の作業を行う場合、デスクトップやペンタブレットなど複数のデバイスが必要でしたが、ThinkPad P40 Yogaではタブレットモードが利用できる上、2,048段階の筆圧感知ペンに対応するタッチパネルが採用されており、そういったワークフローを1台で行う事が可能になります。
約1.8kgと14型のモバイルワークステーションにしては軽量であるため、持ち運びも容易です。
もちろん、筐体にはカーボンファイバーやマグネシウム合金を用い、MIL SPEC規格をクリアする堅牢性を実現するなど、ThinkPadならではの信頼性も持ちあわせています。
加えてISV認証の取得など、ワークステーションとして安心して利用できる要素も備えています。
構成については、OSにはWindows 10 ProもしくはHomeを、また14型フルHD(1,920×1,080)もしくはWQHD(2,560×1,440)のIPSタッチパネルを選択でき、CPUにはCore i7-6600UやCore i7-6500Uを、グラフィックスにはQuadro M500M(2GB)を、メモリは最大16GB、ストレージは最大512GB SSDを選択する事が可能。オプションとして、2,048段階の筆圧感知に対応する「ThinkPad Pen Pro」を選択できます。
バッテリ駆動時間に関しては最大で約10.35時間(JEITA2.0)と、作業内容にもよりますが比較的長時間の利用が可能です。
ThinkPad Pシリーズには、他に第6世代 Coreを搭載する15.6型のP50sや、Xeon搭載のP50、おなじくXeon搭載で17.3型液晶採用の P70などがラインアップされており、よりパワーが必要なユーザーにはP70やP50を、ワークステーションとしての性能を備えつつも薄型軽量や駆動時間を求めるユーザーにはP50sを、携帯性に加えてタブレットモードなどが使える2in1構造を求めるユーザーには ThinkPad P40 Yogaを・・といった具合に、用途や環境に応じて複数のラインアップの中から選択する事ができます。
最初、モバイルワークステーションになぜ2in1?と思ったのですが、確かにスケッチやドロー等は通常のノートスタイルでは作業がし難く、マシンとは別にペンタブレットが必要となってしまいます。
ThinkPad P40 Yogaはワークステーションならではの要素と構成を備えているという点より、一般的なノートと比較すると価格は決して安くはないのですが、ペンタブレットを兼ねる事ができるという部分を考慮すると、かえってコスト削減になるのではと思います。
ThinkPad P40 Yoga 実機写真
以下、ThinkPad P40 Yogaの実機写真を掲載、製品を簡単にご紹介いたします。
試作機であるため、実際の製品とは異なる可能性があります。
ThinkPad P40 Yogaを正面から 写真のマシンは英語キーボード搭載
ThinkPad P40 Yogaを背面側から
ノートPCのスタイルでは、他のThinkPadと殆ど変らない外観です。
ノートPCの他、写真のようにテントやスタンド、タブレットモードが可能
液晶の回転角度が一定以上になると、キーがロックされるLift’n’ Lock(リフトンロック)キーボードを実装
Lift’n’ Lock(リフトンロック)キーボードは、液晶が回転すると共にキーボードの周辺にあるフレームが上昇し、キーをロックする機構。
テントやスタンド、タブレットモード時のキーの誤動作を防ぐ事ができることに加えて、
キーボード面をフラットな状態にできる為、キーの引っ掛かりや擦れがあまり気になりません。
画面回転時のキーボードの凸凹とした感触や引っ掛かりは、私自身が360度回転型の2in1に感じるもっとも大きな不満の一つでもあり、同じ2in1ノートでもキーボード着脱型の方を贔屓にしてしまう傾向にあるのですが、このLift’n’ Lock(リフトンロック)はそういった2in1ノートの不満を払拭し、快適な利用を可能にします。
レノボの製品では結構前から採用されている機構ではありますが、このタイプの製品では仕方がないものと考えていただけに、採用製品をみるたび称賛に値すると感じてしまうのは私だけではないのではないでしょうか。
フレーム内にキーを収めてロックしてしまうなんて、普通では考えつかないです。
キーボードの様子 トラックポイントはもちろん、クリックパッドには独立タイプのボタンを搭載。
キーボードも他のThinkPadと変わらずトラックポイントを搭載、またキー自体もタッチ感が良く使いやすいです。
使いやすいと感じるのは、私自身がThinkPadキーボードに慣れてしまっているせいも大いにあると思いますが、一度慣れてしまうと中々他を使う気になれない・・という方も少なくないのではないでしょうか。
筺体左側面には電源コネクター、OneLink、Powered USB3.0、ヘッドフォンとマイクのコンボポート、メディアカードリーダーを搭載
右側面には電源ボタン、音量調整ボタン、USB3.0×2基、Mini DisplayPort、HDMI、セキュリティスロットが並びます。
オプションのThinkPad Pen Pro 2048段階の筆圧感知に対応 左右のクリックボタンを搭載。
ThinkPad Pen Proにはペンホルダーが付属しており、USBポートに挿して携帯する事ができます。
IPS方式のパネルを採用しており、視野角は広いです。
ディスプレイには14型のWQHD(2,560×1,440)と、フルHD(1,920×1,080)のIPSタッチパネルを選択できます。
WQHDの方が光沢パネルで、フルHDの方が非光沢となるよう。
色域についてはWQHDのモデルのみの情報となりますが、sRGBが103%、AdobeRGBの方が76%となるようです。
掲載モデルの主な構成 第6世代のCore i7とQuadro M500M(2GB)を搭載
P70やP50とは異なり、ThinkPad P40 Yogaの搭載パーツは高性能ではありつつも、メモリやCPUなど省電力を意識した選択となっており、パフォーマンスだけではなくバッテリの持ちにも期待できます。
ThinkPad P40 Yogaについては以上となります。
特にペンを使ってのスケッチやドローなど、デザイン系の細かい作業に便利な製品ですが、画面に図や文字を書込みながらプレゼンを行うなど、様々な画面で便利に利用できる製品です。
約1.8kgと軽量であるため、単純に持ち運びしやすいモバイルワークステーションをお探しの方にも向いています。
製品の性質上やや価格が高めではあるものの、筆圧感知に対応し、フレキシブルな使い方ができるQuadro搭載のモバイルワークステーションであるという点に加え、さらに ThinkPad品質を備えているという部分に魅力を感じる方は決して少なくないでしょう。
あまりないタイプなだけに、欲しい人にはかなり興味深い製品だと思います。