IIJmioの格安SIM「みおふぉん」でスマホ料金を節約する方法 (IIJmio meetingレポート)
先日(2014年8月2日)、MVNOであるIIJmioの本社で開催された第4回目の「IIJmio meeting」に参加しました。
IIJmioは、サービスの一つとして「みおふぉん」と呼ばれる音声通話も可能な格安SIMを提供しており、使い方によってはスマホ料金の大幅な節約が可能です。
今回のイベントでは、「みおふぉん」を利用してスマホ料金を節約するにはどうしたら良いのか?という初心者向けのセッションをはじめ、「みおふぉん」でVoLTE端末を利用できるのか、またMVNOと事業法をめぐる最新動向などについてIIJスタッフの方にお話しいただきました。
SIMやMVNOという言葉自体は知ってはいても、それが一体何なのか、意味がわからないという方も少なからずおられるのではないかと思います。
今回はお聞きした話の中より、多くの人が興味を持っていると思われる「スマホ料金の節約方法」に焦点をあて、具体的な内容をご紹介いたします。
【第4回 IIJmio meeting レポート記事目次】
●基本的な事柄についての解説
(以下の言葉の意味がよく分からない方は、「スマホ料金を節約する」を読む前にまずこちらからお読みください)
・IIJmioとは
・SIMカードとは
・SIMフリーとは
●「みおふぉん」でスマホ料金を節約する
・「みおふぉん」は月額1600円(税抜)から
・docomo端末の利用者が「みおふぉん」へ乗換えする場合
・docomo端末以外の利用者が「みおふぉん」へ乗換えする場合
・ビックカメラ有楽町店のBIC SIM専用受付カウンターで申込む)
●おまけ
IIJmioとは?
IIJmioとは簡単に言うと携帯電話のサービス会社。
例えばNTTドコモがdocomoを、KDDIがauを、ソフトバンクがSoftBankという携帯電話のブランドを展開していますが、それと同じようにIIJmioは、IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が展開しているサービスの一つとなります。
他の会社と異なるのは、IIJmioがMVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)だという部分。
docomoやau、SoftBankは物理的な基地局を自社で持っているのに対し、IIJmioは自分では通信インフラを持たず、docomoのアンテナを借りてサービスを提供しています。
IIJはいわゆる窓口のようなもので、ブランドはIIJmioであるものの通信はdocomoの設備を利用。インターネットへはIIJを経由して通信を行います。
SIMカードとは?
知らない人の方が少ないのではと思いますが、一応触れておくと、SIMカードとはスマートフォン等の携帯端末の中に入っている小さなICカードをさす名称です。
SIMカードの中には電話番号や契約中の携帯電話など、様々な情報が入っており、そのカードを携帯端末に取り付ける事で、端末で通信を行う事ができるようになります。
ショップなどで携帯電話の契約を行うと、必ず端末と一緒にSIMカードも貰っているはずなのですが、ショップ側によって予めカード端末に取り付けられている事が多く、そんなカードは見た事がないという方もおられるかもしれません。
SIMカードの中には電話番号等の情報が入っていると書きましたが、現在利用している携帯端末の電話番号は、SIMカードによって決まります。
なので単純に考えると、現在利用しているSIMカードを別の携帯電話に入れ替えた場合、その携帯電話で同じ電話番号が使えるようになるという事になります。
逆に、手持ちの携帯電話に別のSIMカードを入れた場合、端末を変えずに電話番号を変える事ができます。
ただ、日本で販売されている大半の携帯電話端末は特定の通信事業者のSIMカードしか使えないように制限がかけられており、SIMカードの規格が同じであっても、制限をかけられた端末では別のSIMカードを利用する事ができません。
ですが最近ではその流れも変わってきており、MVNOの市場も急激に拡大しています。
SIMフリーとは?
前の項で、多くの携帯電話端末は特定のSIMカードしか利用できないように制限がかけられている・・と述べましたが、その制限を「SIMロック」と呼びます。
他社のSIMロック端末は利用できない
なぜそのような事をするのか、という事についてですが、SIMカードを自由に差し替えて利用できるようになると、ユーザーは今よりも自由に通信キャリアを乗り換える事ができるようになります。
携帯電話サービスを契約する際、価格を割引く代わりに2年契約・・というようなケースが良くありますが、あれは継続して利用させる事で元を取る仕組みになっているため、期間内に解約されてしまうと原資を回収できず、通信キャリアの収益に打撃を与える恐れがあります。
そういった事情より、多くの携帯電話端末は他社の通信回線の利用を制限されているわけですが、最近はその流れも変わってきました。
例えば元々はSIMロックのかかった端末である所を、有料でSIMロック解除を行うサービスをメーカー自らが行ったり、元々SIMロックのかかっていない端末も昔に比べてよく目にするようになってきました。
また、つい先日、2015年を目標としてSIMロック解除を通信キャリアに義務づけるという方針が総務省から発表されたそうで、SIMカード利用に関する通信環境整備の今後の動向が非常に気になる所です。
ちなみに、SIMロックのかかっていない状態の携帯電話端末の事を「SIMフリー」(あるいはSIMフリー端末)と呼びます。
SIMロックがかけられた端末では、携帯電話端末のSIMカードを自由に差し替えて利用する事ができませんでしたが、「SIMフリー」だとどの会社のSIMカードでも利用可能となります。
最近多い格安SIMカードはそういった端末で利用するためのもので、対応する端末さえ用意できれば、大手キャリアと契約することなく月々の通信費を削減する事ができます。
※auは通信方式がdocomoやSoftbankとは異なる為、利用できる端末が限られます。
IIJmioの販売するSIMカードも、SIMフリーの端末で利用するためのものでですが、先にも述べた通り、IIJmioはdocomoの通信インフラを利用しているため、docomoの端末であればSIMロックがかけられたものでもIIJmioのSIMカードを利用する事が可能です。
というわけで、利用の流れについては次項で解説します。
「みおふぉん」でスマホ料金を節約する
docomoやSoftBank、auなどでスマートフォンを契約・利用していたユーザーが、「みおふぉん」をSIMフリー端末で利用する事によって、どの程度通信費を節約できるのでしょうか。
ここでは、「みおふぉん」で提供されているプランの価格や申込み方法などについて触れたいと思います。
「みおふぉん」は月額1600円(税抜)から
契約内容やオプション、割引などにより月々のスマホ料金は様々だと思いますが、例えばdocomoで基本的な契約を行った場合、大体以下のような感じの支払い価格になるのだそうです。(右側のプラン)
※docomoでは、2014年8月より通話し放題の「かけホーダイ」というプランが標準となるのだとか
上記は2年間継続して利用するという割引契約で、スマートフォン本体を割賦で購入した場合はその価格も含まれてきます。
最近は期間限定で提供される激安プランやキャッシュバック、機種によっては端末台が無料になるなどの様々なキャンペーンが実施されているため、上の例よりも安い場合がありますが、普通に契約すると大体6~7千円の支払額になるのではと思います。
一方で「みおふぉん」に乗り換えた場合、プランにもよるのですが、例えば一番安いミニマムプランで月額1600円(+通話料)。※初期手数料が3,240円(税込)かかります。
高速データ通信が1GBまでと少ないですが、日常の通信がメールや短時間のネット程度だとか、Wifi利用が多いという方は、1GBでも十分ではないかと思います。
仮に1GBを使い切ったとしてもデータ通信が使えなくなってしまうというわけではなく、低速での通信は可能であるため、1GBでは足りないのでは・・という心配は無用です。
IIJスタッフ曰く、最初は1GBで申し込んでみて、様子を見ながら2GB、3GBとプランを切り替えるのがお勧めとの事です。
docomo端末の利用者が「みおふぉん」へ乗り換える場合
IIJmioへ乗り換える場合、例えばこれまでdocomoの端末を利用していた場合、端末はそのままに「みおふぉん」へ乗り換える事が可能です。
流れは以下の通り。
・端末は利用中のdocomoのスマートフォンをそのまま利用する
・IIJmio(Web)で「みおふぉん」の契約を行う
契約にはクレジットカード、メールアドレス、本人確認書類が必要です。
また、これまで利用していた電話番号を続けて利用する場合「MNP予約番号」も必要です。
※「MNP予約番号」は「My docomo」や電話などで予約番号を取得できます。
※本人確認書類は写真でアップロードします。
申し込み後、手続きが完了すると数日~1週間程度でSIMカードが届きますので、届いたSIMカードをスマートフォンに取り付けてください。IIJmioの利用が開始できます。
注意点としては・・
・2年契約の期間中ではないか(中途解約を行うと解約金がかかる)
・スマートフォンの割賦代金が残っていないか(残債がある場合一括支払になる)
・支払いにクレジットカードしか使えない
・SIMカードのサイズ(利用するスマートフォンのカードのサイズを確認)
・MNPを行う場合、元の名義が申込み本人と異なる場合は申し込めない為、予め名義変更を行っておく
・新しいSIMカードが到着するまで数日間、電話が利用できない
などがあげられます。
申し込み後の手続きが完了してから、SIMカードが届くまでは電話が利用できませんので、電話の利用が多い方は何らかの対応が必要ですが、他はほぼ一般的な事柄ばかりで、特に難しい事はないと思います。
docomo以外の端末利用者が「みおふぉん」へ乗り換える場合
上記はこれまでdocomoの端末を使っていた場合の手順で、docomo以外のスマートフォンを利用している場合は、まず端末を用意する必要があります。
端末は、以下のような感じで入手可能です。
新たに購入する場合は多少の出費になりますが、月々の通信費を考えればすぐに元が取れると思います。
・SIMフリーのスマートフォンを購入
・中古ショップでdocomoのスマートフォンを購入
・自宅にdocomoのスマートフォンがあれば再利用できる
中古のスマートフォンは、秋葉原の中古ショップなどによく覗きに行くのですが、スペックが高いものでも型落ち品は案外安価ですし、美品も多いです。(新古品なども結構ある)
新品がよければ量販店やネットなどで買うのも良いですが、コストを抑えたいなら中古がおすすめ。
端末を準備する以外は、先に書いた申し込み手順と殆ど同じです。
ビックカメラ有楽町店の「BIC SIM専用受付カウンター」で申し込む
あと、東京近郊にお住まいであれば、ビックカメラ有楽町店にある「BIC SIM専用受付カウンター」でも「みおふぉん」を申し込むことが可能です。
SIMカードの当日引き渡しに対応するなど、これが最も手軽な申し込みパターンだと思います。
今後、他の量販店でも「みおふぉん」を申し込めるようになれば、より利用者が増えるのではないかと思います。
「みおふぉん」については以上となります。
会場でお聞きした事を元に、大まかな申し込みの流れや注意点などについて触れましたが、書ききれていない事もあるため、申し込みをされる場合は公式サイトの情報をよくご確認下さい。動作確認済み端末の情報などもあるため、参考にされると良いと思います。
なお、記載の内容は2014年8月5日時点のもので、時期によっては価格や申込み方法が異なる可能性があります。
【2014年10月27日追記】
IIJmio meeting 5へ参加。レポートを掲載しました。
今回は「みおふぉん」の電話料金を節約する方法について解説しています。
おまけ
当日のイベント会場では、少数ではありましたがSIMフリーのスマートフォンや、Firefox OSを搭載したリファレンス端末「Flame」などの展示もありました。
リファレンス機であるため、実際の製品とは異なる可能性もあるそうです。
と言っても、細かな部分まで触れる時間はありませんでしたが・・
VoLTE対応のスマートフォン Xperia Z2(SO-03F)
冒頭にも記載しましたが、「みおふぉん でもVoLTE端末を利用できるのか」というセッションもありました。
※VoLTEとはdocomoの音声通話サービス。上記端末で実験した結果、みおふぉんでもVoLTEは使えるが、ビデオコールは不可との事。機種によって対応が異なるかもしれません。
イベント参加者向けの飲み物やお菓子
会場のテーブルの上にはIIJのミネラルウォーターが置かれていた
以上となります。
IIJmioに興味をお持ちの方や、より詳しいサービス内容を知りたい方は、公式サイトにてご確認下さい。