日本HPが販売するビジネス向けのノートPC、HP EliteBook 820 G1のレビューです。

HP EliteBook 820 G1 は、12.5型の液晶を搭載する薄型タイプのモバイルノート。

小型サイズのビジネス向け製品の中では上位に位置づけられる製品で、コンシューマー向けのモデルに比べると構成の割にやや価格は高めではありますが、米軍調達基準をクリアする堅牢性の高いボディやセキュリティ機能の充実など、コンシューマー向けの製品にはない要素を持ち合わせています。

上位シリーズの製品だけあって、キーボードやタッチパッドなどの操作性も優秀。
仕事用などに、使いやすいモバイルノートをお探しの方にお勧めの製品です。

今回は、そんな HP EliteBook 820 G1の外観や操作性、性能面などについて詳しくレビューしたいと思います。

【HP EliteBook 820 G1 レビュー記事目次】

・HP EliteBook 820 G1 外観や液晶、キーボードの操作性など
外観・インターフェース操作性に優れたキーボード筺体底面内部構造重量液晶の見やすさ
Windows 7搭載モデルにはリカバリメディア付属最大5年の保証アップグレードが可

・構成とその特徴、ベンチマークテストの結果
構成と特徴ベンチマーク結果消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・プリインストールソフトウェアはセキュリティ機能が充実
標準ソフトウェアの内容セキュリティ機能「HP Client Security Manager」遠近補正が行える「HP PageLift」

・製品のまとめ
HP EliteBook 820 G1 まとめ


HP EliteBook 820 G1 の外観・インターフェースの内容

まず、HP EliteBook 820 G1 の外観やインターフェースの内容について詳しく解説します。


掲載製品のボディカラーはグラファイトと呼ばれる、いわゆるブラック系のカラー。
筺体の上に4層のコーティングを施す「HP Dura Flex」という塗装を施し、見た目の美しさと高い耐久性を実現させているそうです。

天板はサラサラとした感触で、見た目に高級感のある印象を受けます。
HPの製品はシルバー系のカラーを採用する製品が多いように思うのですが、本製品はそれらとはまた違う、洗練された雰囲気を持ち合わせています。




非常に滑らかな質感を持つ天板素材


天板の中央にはhpのロゴ ロゴの背面にあたる部分にはブラック鏡面を採用しており、シックな印象




筺体のサイズは幅310mm、奥行き215mm、高さ21~24mmで、重量は約1.33kg。

本製品は「HP EliteBook 2570p」というモデルの後継機種となりますが、その旧モデルの筐体よりも約22%薄く、約19%の軽量化を実現しているとの事。

単純にモバイルノートとして考えた場合、約1.33kg(3セルバッテリ搭載時)の重さはそれ程軽くはないと感じますが、堅牢性や操作性を重視するビジネス製品は重量が重くなる傾向にあり、そういった中ではやや軽めといった位置づけができるのではないかと思います。

個人的には軽ければ軽い程良いですが、この重さであれば持ち歩けない事はないです。




液晶サイズは12.5型で解像度は1366×768ドット。
液晶は特別綺麗というものでもないですが、非光沢タイプのパネルを採用しており、明るい場所での作業がしやすいです。

※液晶については後述します。




液晶上に720p HD Webカメラを搭載 その左右には1基ずつマイクを内蔵


液晶左上のベゼル上にはMADE IN TOKYOのシール / 液晶右上には820のロゴをプリント


液晶下中央部分のベゼル上には「hp」のロゴ




筺体側面のインターフェースの内容をチェックします。

筺体左側面の様子。
左側からセキュリティロックケーブル用のスロット、VGA、電源オフ時の充電に対応したUSB3.0、スマートカードリーダーを搭載。



筺体右側面にはマイク入力&ヘッドフォン出力のコンボ、DisplayPort、USB3.0×2基、メディアカードリーダー、LAN、拡張コネクター、電源コネクターが並びます。

拡張コネクターはドッキングステーション用のものでしょう。
メディアカードリーダーは上写真では位置が確認できませんが、筺体のやや下部に搭載されています。




メディアカードリーダーはUSB3.0のやや下側に配置


SDカードを差し込むと、ほんの少しだけはみ出る格好に




筐体前側面にはインジケーターランプのみ


前面のインジケーターランプ付近を拡大


背面にも何も搭載されていない


背面中央付近にはHEWLETT-PACKARDの文字を印字

端子の内容に特に不足を感じる事はないと思います。
HDMIがなくVGAなどの映像出力端子が搭載されている所は、ビジネス向けのモデルらしい要素です。




液晶は上写真程度にまで後方に開きます。(大体130度前後)
液晶の可動域は一般的なPCと同程度で、角度調整などがしやすいです。



PC本体と付属の電源アダプター、電源ケーブル。
見て分かると思いますが、電源アダプターのサイズがコンパクトである一方、電源ケーブルはアダプターのサイズを考えるとやや太めです。




電源アダプターはとてもコンパクト / アダプターのプラグの形状はミッキー型


電源アダプターの出力は19.5V、2.31Aで45W



操作性に優れたキーボードとタッチパッドを採用

次に、HP EliteBook 820 G1のキーボードとその周辺の操作性について。
キーボードやタッチパッドのつくりの良さに関しては、本製品の長所とも言える部分の一つだと思います。

まずは、キーボードから。


キーボード全体の様子


キーボード左半分を拡大


キーボード右半分を拡大

アイソレーションタイプのキーボードを採用しています。
キーピッチは縦横18.7mmと比較的余裕があり、キーストロークは1.5~1.7mmとやや浅目ですが、薄型ノートとしては普通。

最初に気になる部分についてあげてしまうと、BackSpaceキーの幅が狭い事、またカーソルの上下キーが極端に小さい部分がやや使い難いと感じます。

ただ、打っていて気になったのはその部分のみで、キー全体としては打鍵時の撓みなどもなく、打鍵感もとても良いです。

ファンクションキーの機能は、デフォルトで「ページの更新」や「全角半角の切り替え」といったファンクションキー本来の機能が動作するようになっており、こちらも使いやすいです。

長時間入力作業を行っても疲れにくいキーボードだと感じました。




キートップはほぼフラット ただ、僅かに中央が凹む形状であるようにも見えます


カーソルの上下キーが小さい HPの他製品でも同じような形状のカーソルキーが採用されている事が多いです


左側のパームレスト上にはEliteBookの印字


右側のパームレスト状には指紋センサーを搭載


キーボード左上は電源ボタン、右上には無線LANやミュートボタンを搭載





キーボードにはポイントスティックを搭載

タッチパッドについてもキーボードと同様、とても使いやすいです。
見ての通り、パッド部分には手前側と奥側それぞれにボタンが配置されており、手前側のボタンはタッチパッドのクリックボタンとして、奥側のボタンはキーボードに搭載されている「ポイントスティック」と組み合わせて操作を行います。

タッチパッドのボタンはちょうど良い硬さで、ポイントスティックと組み合わせての操作も行いやすいです。またパッド面がパームレスト面よりもやや低く配置されているため、キーボード操作時に手のひらがパッド面に干渉しにくい所も○。

このタッチパッドはビジネス向けの製品ならではのもので、HPのコンシューマー向けの製品では見た事がありません。文字入力を頻繁に行われる方や、キーボード付近の操作性に拘る方には最適なキーボードとタッチパッドだと言えるでしょう。




タッチパッドのボタンの動作は、タッチパッドのデバイス設定にて変更可能



筐体底面内部の構造をチェック

HP EliteBook 820 G1 の筺体底面と底面からアクセスできる内部構造のチェックを行います。


写真は上方が筺体背面側、下方が筺体前面側

底面には背面側にリリーススイッチが一つと、背面側左右にドッキングコネクターの装着時に利用する幾つかの窪みが設けられていますが、構造はいたってシンプル。

底面を覆う大きなパネルは簡単に開閉できるようになっており、そこからバッテリや内部のパーツにアクセスする事ができます。




底面4隅に配置されている足


左:リリーススイッチがロックされている状態 / 右:開いている状態

底面のパネルは、リリーススイッチを左側にスライドさせる事で開く事ができるようになっています。

PCの底面パネルはネジを外さなくてはならなかったり、所々に引っ掛けてあるパネルの爪をパチパチと外していくような構造のものが多いように思いますが、本製品のパネルの開閉は非常にスムーズ。

リリーススイッチのロックを外し、パネルをやや手前に引くようにすると簡単に外れます。ツールレスで筐体内部のメンテナンスが行えるというのは、結構便利です。




底面内部全体の様子 大抵のパーツに触れる事ができるようです

写真奥に無線LAN、その手前にはキャッシュ用の32GB SSD、さらにその手前の空スロットはモバイル通信モジュールを搭載するためのスロットだと思いますが、本製品ではそのようなオプションは提供されていません。




メモリスロットが2基、CPUやファンが並びます


冷却ファンの手前にはストレージ HDDが搭載されています




バッテリはやや変わった平べったい形状


バッテリの仕様は11.1V、26Wh



重量

HP EliteBook 820 G1の重量を実際に測定してみました。

1436gと、公称値よりも約0.1kg重いという結果になりました。
(公称は3セルバッテリ搭載で約1.33kg)

今回の製品は3セルのバッテリを搭載しており、特に重くなってしまう構成などでもなく、また測定ミスなどでもないと思うのですが、実測では上記のような結果です。




電源アダプターやケーブルをあわせた重量は347g。
電源アダプターはコンパクトですが、ケーブルが電源アダプターのサイズに比べるとやや太めであるためか、あわせて持つと少し重くなります。

外出時は、できるだけ電源アダプターやケーブルは持たずにPCだけを携帯したい所です。



液晶の見やすさと品質

HP EliteBook 820 G1に搭載されている液晶の見やすさと品質をチェックします。


12.5型ワイドHD(1,366×768)の非光沢液晶を搭載 画面の表示サイズは100%

本製品には、12.5型で1,366×768ドットの解像度を持つ非光沢液晶が搭載されています。文字などのサイズはやや大きめ~ちょうど良いサイズであり、文字が小さくて見辛いなどという事はあまりないと思います。




画面の視野角をチェックします。


画面を正面から


画面を上側から


画面を右側面から

TNパネルが搭載されているようで、視野角は狭いです。
斜めから画面を見た場合、表示されている内容が殆どわからなくなります。

個人的にはIPSのような視野角の広いパネルが好みですが、
モバイル向けのビジネスノートPCの場合、セキュリティ面を考慮すると視野角の狭いTNパネルの方が良い場合もあると思います。(覗き見の防止になる)




次に、色域をチェックします。
以降、Spyder 4 Eliteで検証を行った結果を掲載しています。

sRGBのカバー率が63%、AdobeRGBのカバー率は47%という結果です。
色域はやや狭いようです。




ガンマカーブを確認します。


左:ガンマ応答カーブとターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正カーブ

ガンマ応答カーブはRGBにややばらつきがみられますが、ターゲット(理想)となるガンマ2.2のカーブからかけ離れているというわけではありません。

ガンマ補正カーブについては、元々かなり青味の強い画面だと感じていましたが、やはり補正カーブでは青が大きく抑えられています。

人によってPCの用途は異なりますが、もし写真編集等を行う場合はモニタの補正を行うか、青味が強いという事を念頭に置いた上で行った方が良いかもしれません。




さらに、カラーや輝度の均一性について。
色ムラ、および輝度ムラの程度をチェックします。


カラーの均一性(左:輝度100% / 右:輝度50%)


輝度の均一性(左:輝度100% / 右:輝度50%)

色ムラは画面左下側付近がほんの少し目立つようですが、目ではわからないと思います。
基準となる部分と、色差の大きい部分を並べ比べてやっとわかる程度の違いです。

輝度ムラは、輝度を下げた場合に画面右下がやや暗くなるようですが、こちらも目で見て分かるほどのものではありません。


今回の製品に搭載されている液晶は綺麗な方ではありませんが、非光沢で明るい場所でも見やすいなど、ビジネス用途では使いやすいだろうと思われます。

ただ青味が強く調整されているため、写真の閲覧や編集を行う場合は注意が必要です。


なお、購入した製品に上記と同じパネルが搭載されない可能性もありますので、記載の内容は参考程度にお願いいたします。



Windows 7搭載モデルにはリカバリメディアが付属

最近のPCにはリカバリメディアが付属しない事が多いですが、本製品はWindows 7搭載モデルを選択した場合のみ、複数のリカバリメディアが付属します。

Windows 8 Pro用リカバリメディア、Windows 7 Professional 32bit用リカバリメディア、Windows 7 Professional 64bit用リカバリメディア、アプリケーションやドライバーのインストールメディアが2枚(win7、Win8)という内容です。

搭載OSにWindows 8.1を選択した場合、ドライバーインストール用のメディアのみが付属し、リカバリメディアは付属しないため、ユーザーによる作成が必要です。



最大5年のPC標準保証アップグレードを選択可能

HP EliteBook 820 G1に標準で付属する保証は1年間となりますが、カスタマイズで3年から5年間もの保証を追加する事ができます。

保証内容も非常に充実しており、引き取り修理サービスや翌日対応、当日対応..etc.. さすがにビジネスモデルだけあって、きめ細やかな対応が可能となっているよう。

内容は主に法人を意識したものだと思いますが、もちろん個人の購入であっても保証のアップグレードは可能です。長くPCを利用する予定の方は、3年、4年、5年と長めに保証のアップグレードを行っておくと良いでしょう。





HP EliteBook 820 G1の外観、操作性、液晶等については以上となります。

引き続き、次記事では掲載製品の構成や実際の性能について詳しく触れていきたいと思います。
製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。

次: HP EliteBook 820 G1 のベンチマーク結果 キャッシュSSD搭載でSSD搭載ノート並みの起動時間を実現