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前記事(HP EliteBook 820 G1 レビュー ポイントスティック付きキーボードを搭載した12.5型モバイルノート(外観編))に続き、今回は HP EliteBook 820 G1の構成と性能面について。

掲載モデルの構成はOSにWindows 7 Professional(32bit)、Core i5-4200U、メモリ4GB、ストレージに320GB HDDとキャッシュ用の32GB SSDを搭載するスタンダードな内容。

主要な構成だけを見るとやや平凡ともとれる内容ですが、Windows 7の搭載やvPro対応であるなどビジネス向けらしい構成に加え、ストレージはHDDではあるものの、32GBというややサイズの大きいSSDをキャッシュとして搭載するなど内容は悪くはありません。

HDDにキャッシュ用SSDを搭載する構成は、多少効果がありはするものの、目に見えて性能に差が出るかというとそうでもない・・という認識がありましたが、今回の構成はHDDの割にディスクのパフォーマンスが高く、はっきりとキャッシュの効果を感じる事が出来ます。

もちろん起動ドライブにSSDを搭載したり、プロセッサにおいては最大でCore i7-4600Uの選択も可能となるなど、構成内容のカスタマイズは可能です。

今回は、そんな HP EliteBook 820 G1の構成や特徴、実際の性能面について詳しく触れてみたいと思います。


【HP EliteBook 820 G1 レビュー記事目次】

・HP EliteBook 820 G1 外観や液晶、キーボードの操作性など
外観・インターフェース操作性に優れたキーボード筺体底面内部構造重量液晶の見やすさ
Windows 7搭載モデルにはリカバリメディア付属最大5年の保証アップグレードが可

・構成とその特徴、ベンチマークテストの結果
構成と特徴ベンチマーク結果消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・プリインストールソフトウェアはセキュリティ機能が充実
標準ソフトウェアの内容セキュリティ機能「HP Client Security Manager」遠近補正が行える「HP PageLift」

・製品のまとめ
HP EliteBook 820 G1 まとめ


HP EliteBook 820 G1 の主な構成とその特徴について

まずは、掲載している HP EliteBook 820 G1の構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果とマシンの主な仕様です。

【CPU-Z】





【HP EliteBook 820 G1/CT の主な構成】

OS Windows 7 Professional 32bit
プロセッサ Core i5-4300U (1.9GHz/TB時最大2.9GHz)
vPro 有効
グラフィックス インテル HD グラフィックス4400(CPU内蔵)
メモリ 4GB(4GB×1/PC3L-12800 DDR3L SO-DIMM/最大16GB/2スロット)
ディスプレイ 12.5型ワイドHD(1366×768)、非光沢
ストレージ 320GB HDD(Western Digital製/5400rpm)+ 32GB mSATA SSD(LiteOn製/キャッシュ)
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n対応、Bluetooth v4.0
バッテリ 最大駆動時間:約11.4時間(3セル、46WHrの場合)
サイズ 310×215×21~24(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.33kg
カラー グラファイト(ブラックに近いカラー)
付属品 リカバリメディア、ドライバDVD等
保証 PC標準保証(1年)

※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年07月22日時点のものです。

掲載モデルの構成は上記の通り。
Windows 7 Professional(32bit)やCore i5-4300U、メモリ4GB、ストレージには320GB HDDとキャッシュ用の32GB SSDを搭載する内容のモデルとなります。

OSは標準ではWindows 8.1(64bit)が搭載されますが、Windows 7の構成は「Windows 8 Pro」からのダウングレード権を利用して入手するため、Windows 7の構成を選択すると約7,000円のカスタマイズ価格がかかります。

バージョンは32bitの他、64bitの選択も可能であるため、4GBよりも大きい容量のメモリを搭載される場合は64bit版をご選択ください。

メモリはカスタマイズでは最大8GBまでとなっていますが、仕様上では16GBまで搭載する事が可能です。

プロセッサに関しては、Core i5-4200Uが標準で、他はCore i5-4300U やCore i7-4600Uの選択も可能。今回のモデルは標準よりも一つ上のプロセッサを搭載しているという事になります。

あとストレージに関しては 標準は320GB HDD単体となりますが、より容量の大きいHDDや、掲載モデルのように32GB のSSDをキャッシュとして搭載する事が可能となっています。

冒頭にも記載したように、HDD&キャッシュ用SSDの構成は、HDDを単体で利用するよりはパフォーマンスが向上しますが、目に見えて性能が上がるかというとそうでもない・・という認識をこれまで持っていました。

しかし今回の製品は、32GBというやや大きいサイズのSSDをキャッシュとして利用しており、はっきりと体感出来る位のキャッシュ効果はあるため、HDDを選択するのならSSDキャッシュと組み合わせた構成の選択がおすすめです。

HDD単体よりもややコストはかかりますが、SSDを選択するよりはかなり安価ですので、是非ご検討ください。


その他、無線LANの有り無しやバッテリの容量(26Whr/46Whr)、Microsoft Officeの追加等も可能ですし、製品保証に関しては3年、4年、5年の選択も提供されるなど、ビジネス向けの製品ならではのオプションがかなり充実しています。

細かい内容については、製品のカスタマイズページにてご確認いただければと思いますが、企業はもちろん、仕事でPCを利用する個人の方など、コンシューマー向けのモデルでは内容が物足りないと感じるようなユーザーに適した内容の製品だと言えるでしょう。



搭載されているストレージの内容を詳しくみてみます。


HDDの仕様


SSDの仕様


32GB SSDはキャッシュとして利用されている


ディスク内の内訳

HDDにはWestern Digital製の「WD3200LPVX-60V0」という7mm厚の320GB HDD(5,400rpm)が、キャッシュ用のSSDにはLiteOn製の「LSS-32L6G-HP」という32GB SSDが搭載されていました。

HDDはそれ程高速なものではないと思いますが、32GB SSDをキャッシュとして利用しているためか、ベンチマークのReadのスコアはSSD並に高速です。

先に書いた事の繰り返しとなりますが、HDD&キャッシュ用SSDの組み合わせでは、ベンチマークスコアは高いものの体感の速度はそれ程でもない・・というものが多いですが、本製品ではやや速いと思えるくらいの速度を実現しており、HDDを選択するのならキャッシュ用SSDとの組み合わせを選択したい所。

ただ、SSDより速いという事はない為、予算に余裕があるのならSSDの搭載がお勧めです。



ベンチマークテストの結果 SSDのキャッシュ効果に注目

以下、HP EliteBook 820 G1で実施したベンチマークテストの結果です。
特に、ディスクの速度に注目してみてください。


【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 6.8
メモリ 5.5
グラフィックス 5.0
ゲーム用グラフィックス 6.5
プライマリ ハードディスク 7.1


【CrystalDiskMark】

Seq 245.785.46
512K 213.484.33
4K 23.3851.72
4K QD32 174.681.64

数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム

HDD&キャッシュ用SSDの構成は、よく利用するファイルをSSDにキャッシュしておき、再度ファイルが必要になった際にキャッシュファイルを読み込むことで高速化を実現します。

そのため、高速化されるのは読み込み速度のみで、書き込み速度はHDD単体での作業時と変わりません。

掲載モデルの速度はSSDを搭載するPCほどではないものの、HDD単体時よりは明らかに速く、特に起動はSSDを搭載するPC並に高速です。



【3DMark】


3DMarkの実行結果


Fire Strikeの詳細

Ice Storm・・・ 36938
Cloud Gate・・・ 4001
Sky Diver・・・ 2305
Fire Strike・・・ 496


【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】

1360×768

1360×768 ・・・ 718

~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作


【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】

キャラクター編 左:1360×768(高品質) / 右:1920×1080(高品質)

【キャラクター編】
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:1267 / 評価:設定変更が必要
1920×1080(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:716 / 評価:動作困難


【CINEBENCH】

OpenGL ・・・ 13.04fps
CPU ・・・ 2.54pts


本製品は、どちらかというと性能よりも堅牢性やセキュリティ、操作性に重点を置いた製品であり、性能を重視するような作業には向きません。

とはいっても、ワークステーションを使って行うような作業をする方が、作業用に本製品の購入を検討されるとは思えませんし、一般的なビジネス用途への利用であればまず困らない程度に性能は高いです。用途なりの適度な構成であると言えます。

プロセッサは最大Core i7-4600Uまで、メモリはカスタマイズでは8GBまで選択可能となっていますので、本製品の構成で物足りない場合は、より上位の構成をご選択ください。



消費電力・温度

HP EliteBook 820 G1の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定値です。

アイドル時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 28W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

アイドル時、高負荷時いずれも消費電力は低いです。




次に、HP EliteBook 820 G1の筐体内のパーツの温度について。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時のパーツ温度を測定した結果です。

ベンチマーク実行時の温度は、BIOHAZARD 6を20分以上実行した後に測定しています。室温は軽く冷房をかけているため、やや低めです。

高負荷時のCPUの温度は70度前後程度。
動画のエンコードなどではもう少し温度が上がるかもしれません。

もっとも、本製品でゲームや動画編集のような高負荷な作業を長時間するような事はないでしょうから、温度はあまりあまり気にしなくても良いと思います。




さらに、高負荷時のHP EliteBook 820 G1のキーボード表面の温度を測定してみました。
パーツの温度測定と同じく、BIOHAZARD 6を20分以上実行した後に赤外線放射温度計を用いて温度を測定しています。

キーボード中央と右上付近の温度がやや高めで、手で触れると少し熱いです。
ただ、パームレスト側は低温である事、また高温になりやすい部分は常に手を置いている場所ではないため、不快に感じるほどではありません。



再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間

PassMark Rebooterを利用し、HP EliteBook 820 G1の再起動にかかる時間を測定してみました。以下は9回の再起動にかかった時間とその平均値です。

1回目 0:44
2回目 0:37
3回目 0:37
4回目 0:36
5回目 0:34
6回目 0:37
7回目 0:35
8回目 0:36
9回目 0:34

再起動の平均時間 ・・・ 36秒

HP EliteBook 820 G1 の再起動にかかる時間は平均で約36秒という結果です。

これまでのテストより、HDDを搭載するPCが再起動にかかる時間は1分弱から1分半、またSSDを搭載するPCが再起動にかかる時間は平均で30~40秒という結果が出ており、本製品の再起動時間はSSDを搭載するPC並。

掲載製品は起動ドライブにHDDを用いており、起動速度が高速なのはキャッシュ用として搭載しているSSDの効果だと言えるでしょう。



バッテリ駆動時間

HP EliteBook 820 G1のバッテリ駆動時間を測定してみました。

駆動時間の測定にはbbenchを利用、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANを利用したネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。画面の輝度は約50%に設定しています。

なお、HP EliteBook 820 G1では「26WHrの3セルバッテリ」と「46WHrの3セルバッテリ」を選択する事が可能です。今回掲載のモデルには容量の小さい「26WHrの3セルバッテリ」が搭載されています。


バッテリの電力残量が100%から5%になるまでの時間は18805秒。
約5.2(5.22361111..)時間もの間バッテリ駆動が可能という結果です。

仕様によると、バッテリ駆動時間は最大で約11.4時間という事ですが、この値は46WHrのバッテリを搭載した場合の数値。

実際に測定して得られた駆動時間から計算すると、「46WHrの3セルバッテリ」搭載時のバッテリ駆動時間は約9.2(9.241773504273504)時間という結果になります。

公称の値には届きませんが、駆動時間は十分に長いです。
外出時の利用時間が長い方は、容量の大きい「46WHrの3セルバッテリ」の選択をお勧めいたします。





HP EliteBook 820 G1の構成や特徴、パフォーマンスについては以上となります。

次記事では、HP EliteBook 820 G1に搭載されているソフトウェアについて触れたいと思います。ビジネス向けだけあって、セキュリティを意識したソフトウェアが多い印象です。

製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。
次: HP EliteBook 820 G1 に搭載のソフトウェアについて解説 セキュリティ系のソフトが充実