前記事(HP EliteBook 820 G1 のベンチマーク結果 キャッシュSSD搭載でSSD搭載ノート並みの起動時間を実現)に続き、今回はHP EliteBook 820 G1 にプリインストールされているソフトウェアの内容について。

ソフトの数自体はそれ程多くはありませんが、ビジネス向けの製品だけあって、コンシューマー製品にはないセキュリティ系のソフトが複数搭載されています。

セキュリティ機能以外にも便利なソフトが搭載されており、企業ほどセキュリティを重視しないという個人の方にも便利ではないかと思われる内容です。(例えば、セミナーなどで斜めから撮影したスライドの写真などを自動で遠近補正する「HP PageLift」など)

今回はそういったソフトウェアの内容について触れると共に、製品の特徴や使用感などについてまとめてみたいと思います。

【HP EliteBook 820 G1 レビュー記事目次】

・HP EliteBook 820 G1 外観や液晶、キーボードの操作性など
外観・インターフェース操作性に優れたキーボード筺体底面内部構造重量液晶の見やすさ
Windows 7搭載モデルにはリカバリメディア付属最大5年の保証アップグレードが可

・構成とその特徴、ベンチマークテストの結果
構成と特徴ベンチマーク結果消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・プリインストールソフトウェアはセキュリティ機能が充実
標準ソフトウェアの内容セキュリティ機能「HP Client Security Manager」遠近補正が行える「HP PageLift」

・製品のまとめ
HP EliteBook 820 G1 まとめ


HP EliteBook 820 G1 に搭載されているソフトウェアの内容について

まず、HP EliteBook 820 G1にプリインストールされているソフトウェアの一通りの内容について簡単に解説します。

以下は、本製品の初期時のデスクトップ画面の様子です。
今回の製品はOSにWindows 7を搭載しているため、Windows 8のようなアプリ一覧画面はありません。


デスクトップ画面の様子 右上にHP Client Security Managerのガジェットが表示されている

掲載モデルには、主に以下のソフトウェアが搭載されていました。
(OSに標準で搭載されているソフトなど、記載の必要はないだろうと思われるソフトは省いています)

【HP製のソフトウェア】

HP Client Security Manager (複数のセキュリティ機能を管理・設定)
HP Trust Circles (ネットワーク経由でのファイル共有)
HP Connection Manager (PCの接続設定を管理)
HP Recovery Disc Creator (リカバリディスクの作成)
HP Software Setup (ソフトウェアやドライバーの再インストール)
HP 3D DriveGuard (振動や衝撃から内蔵HDDを保護するテクノロジー)
HP Support Assistant (システムの状態を最適化・管理)
HP PageLift (遠近補正機能を持つ自動トリミングソフト)
HP ドキュメント (ユーザーガイドなど各種のドキュメントへアクセスできる)
HP Support Information (使用しているPCのシリアルナンバーやサポート情報を表示)

【サードパーティ製のソフトウェア】

DTS Studio Sound (サウンド設定)
Microsoft Security Essentials (セキュリティソフトウェア)
PowerDVD(DVD再生)
Youcam(Webカメラの機能拡張ソフトウェア)
Box (オンラインストレージ)

特にセキュリティ系のソフトウェアや、管理機能が充実している事が伺える内容です。

上記以外にも、BIOS上にHP独自の機能を搭載する事で、ネットワーク経由でのBIOS自動アップデートが行えたり、またBIOSの自動復旧機能なども搭載しており、何らかの理由によってBIOSが壊れてしまった場合にも、BIOSを自動復旧させる事が可能となります。

セキュリティ系の機能に関しては、一部、別にサービスを申し込む必要がある機能も存在しますが、殆どのセキュリティ機能や便利なユーティリティを無償で利用する事ができます。

ビジネス向けのモデルはコンシューマー機に比べると、構成の割に価格はやや高めですが、操作性の違いはもちろん、トラブルを未然に防いだりトラブルに対応するための機能が非常に充実しており、そこに大きな価値があると言えるでしょう。

なお、上記のうち「HP Client Security Manager」や「HP Trust Circles」、「HP PageLift」に関しては、後の項でもう少しだけ詳しく解説いたします。





HP Connection Manager PCの接続設定を総合的に管理するソフトウェア


HP Software Setup ドライバーの有効化やソフトウェアの一覧表示・再インストールが行える


HP Support Assistant PCの状態を管理・最適化を行うソフトウェア


HP Support Assistantで行えるバッテリチェック


HP Recovery Disc Creator Windows 7のリカバリディスクやドライバーディスクを作成


Microsoft Security Essentials Microsoftが提供する無償のアンチウイルスソフトウェア


Youcam Webカメラの機能を拡張するソフトウェア


Youcamでは映像監視等も行える 録画データをメールで送付する事も可



豊富なセキュリティ機能「HP Client Security Manager」

ビジネス向け製品ならではのセキュリティ機能を提供するソフトとして、HP EliteBook 820 G1には「HP Client Security Manager」が標準搭載されています。

「HP Client Security Manager」は、PCのデータやデバイス、ユーザー情報などに対する複数のセキュリティ機能を統合するソフトウェアで、セキュリティ機能の一元管理を行う事が可能。

一部有償となる機能も存在しますが、殆どの機能を無償で利用する事ができます。


HP Client Security Manager 各種セキュリティ機能の一元管理を行う事ができる



例えば「Device Access Manager」では、USBポートなどのデバイスを無効にする事で、PC内のデータの閲覧や持ち出しを制御します。


各種デバイスやポートへのアクセス権を管理・変更する事が可能


例えばUSBメモリなどを、アクセス制限を設定したUSBポートを差し込むと・・


上のようなダイアログが表示され、PCにアクセスできない


アクセスするためには本人確認が必要

各種ポートやデバイスからの、PC内のファイルへの書き込みや読み込みなどを制限する事ができます。アクセス制限の詳細な設定は、ユーザーまたグループ単位で行う事が可能です。



また、「File Sanitizer」では、HDD上のファイルを安全に消去したり、空き容量にランダムなデータを書き込むブリーチ機能を利用する事が可能です。


File Sanitizer 設定画面

通常の方法で削除したデータはユーザーから見えなくはなりますが、HDDから完全には消えておらず、ソフトなどを利用する事で簡単に復元できてしまいます。

リカバリーディスクを利用して出荷時の状態に戻したとしても、データは完全には消えておらず、仕事上の重要なデータが外部へ流出する可能性も否めません。

「File Sanitizer」は、消したファイルやフォルダに何度もデータを上書きする事で、元のデータを復元できない状態にします。

なお、この機能はSSD搭載モデルでは利用できません。(SSDの寿命が縮まる為だと思われます)





Absolute Computrace Absolute Software社が提供するPCの追跡・管理サービス

こちらは有償となりますが、別途サービスを申し込む事でPCが盗難された場合の追跡や管理サービスが利用できるようになります。

詳しい機能については調べていただいた方が早い為ここには書きませんが、vPro搭載の製品であれば、プロセッサに搭載されるAnti-Theftテクノロジーと強調して動作を行い、遠隔で起動中のOSを強制的にシャットダウンする事も可能。(起動時はワンタイムパスワードの入力を求められる)

なお、HP EliteBook 820 G1の構成には3種のプロセッサが提供されていますが、vPro対応は上位のCore i5-4300Uと Core i7-4600Uの2種のみ。

Absolute Software社のサービスと合わせてこの機能を利用したい場合は、vProの有効無効にご注意ください。




Intel Management and Security Statusの画面 アンチセフト・テクノロジーが有効になっている



最後に、「HP Trust Circles」について。
この機能はデータの暗号化を行い、さらにそのデータをネットワーク経由で共有するためのもので、最大5名までのデータ共有が可能です。

暗号化されたデータは指定ユーザー以外は読む事が出来ないため、安全にデータの受け渡しが行えます。


HP Trust Circles 作成したグループ内でのみ暗号化データのやり取りが可能



以上となります。
掲載の内容は「HP Client Security Manager」の機能の一部で、本ソフトウェアには他にも数多くのセキュリティ機能が搭載されています。詳しくは製品ページにてご確認ください。

なお、製品購入時期によっては機能の内容や名称が異なる可能性がある事、また構成によっては使えない機能もありますので、上記の内容は参考程度にお願いいたします。



スライドなどの写真を自動で遠近補正「HP PageLift」

「HP PageLift」は、名刺やセミナーなどのスライド、ポスターなどを撮影した場合に、写真を見やすく自動補正する為のソフトウェア。

例えばセミナーに参加時、参考情報としてスライドを撮影しておく事がよくありますが、座席の位置によっては斜め方向からの撮影であったりと、正面からの綺麗な写真撮影が難しい事が殆どです。

ですが、「HP PageLift」を使えば写真をまるで正面から撮影したかのように、綺麗に補正する事ができます。

写真の撮り方によっては上手く補正できないのではなどと考えましたが、実際に使ってみると考えていたよりも機能は優秀。さすがにこれは補正できないだろう、と思うような写真でも綺麗に補正してくれます。




PageLift 起動画面

使い方は非常に単純。
PC内に保存されている写真や、撮影した写真を直接補正する事ができます。




幾つか補正例を掲載します。
以下はすべて自動で補正されたものとなります。


左上が撮影した写真、右側に表示されている画像が補正後の写真


斜め向きに撮影した写真も綺麗に補正


広告なども綺麗に補正できます




補正前


補正後




補正前


補正後




補正前


補正後

斜め向きの写真などは奥がぼやけているため、補正後の写真も若干ぼやけてしまう部分がありますが、私が試してみた限りでは、ほぼすべての写真を綺麗に補正できていました。

スライドはもちろん、外出時にとりあえず撮影したものを整理するのに役に立ちそうなアプリケーションです。



HP EliteBook 820 G1 まとめ

HP EliteBook 820 G1 のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・

・米軍調達基準のテストをクリアする高い堅牢性
・使いやすいキーボードやポイントスティックの搭載
・充実したセキュリティ機能(多彩な機能も管理が容易)
・保証や周辺機器などオプションが充実している
・メンテナンスがしやすい

・コンシューマー向けのPCよりも価格はやや高め
・旧モデルよりも軽くなったとはいえ、モバイルノートとしてはやや重いと感じる

さすがにビジネス向けの製品だけあって、ノートPCとしてはとても使いやすい製品です。
堅牢性が高く、PCに振動や衝撃を与えやすい環境にあるモバイルユーザーでも安心してPCを携帯・利用できるでしょう。

キーボードやタッチパッド、ポイントスティックなどの操作性の良さはもちろん、液晶も非光沢で見やすく、長時間の作業も快適に行う事ができます。メンテナンスも、コンシューマー向けの製品に比べるとかなり行いやすくなっていると思います。

性能は選択する構成にもよりますが、最小構成のモデルでもそこそこ高性能。
ただ、最小構成はストレージがHDD単体であるため、できればキャッシュSSD付きのモデルを選択した方が良いと思います。

基本的に、ビジネス向けのモデルは企業で利用される事を想定して設計されていますが、セキュリティ管理がしやすいという点、また使いやすいという点で、仕事でPCを利用される個人の方にもおすすめです。


全体的に質の良い製品だと感じますが、気になる点としては、モバイルノートとしてはやや重く感じてしまう点、またコンシューマー向けのモデルに比べると構成の割に価格が高めになってしまう点等があげられます。

重さの感じ方には個人差がある為、約1.3~1.4kgの重さが許容範囲だというのであれば、特に問題はないでしょう。

私自身は頻繁に持ち歩くのならもう少し軽い方が良いと思いますが、私のPC利用は殆どが自宅、たまに外出時に携帯する程度であるため、約1.3~1.4kgの重さなら許容範囲です。

価格に関しては、コンシューマー向けのモデルに比べると若干高めではあるものの、使いやすさや性能、多彩なセキュリティ機能が標準で搭載されている部分などを考慮すると、コストパフォーマンスは悪くはないです。

実際、Core i5-4200U やHDDを搭載する下位モデルなどは、税抜で¥79,000~(2014年7月23日時点)という価格で販売されるなど手頃な価格帯のものが多く、個人的には10万円以下で本製品のような製品が手に入るのであれば安い部類に入るのではないか、と思います。

長くPCを使う予定の方には、保証が充実しているという点も見逃せない魅力です。


以上となります。

なお、製品の購入を検討されている場合は、キャンペーン実施時の購入をおすすめいたします。無償でグレードアップされた内容であったり、オプションの追加が半額であったりと通常よりもお得です。

実施中のキャンペーンの内容については、製品ページのモデル一覧にてご確認ください。