m-Book P シリーズ レビュー IGZO液晶も選べるGTX970M搭載15.6型ノート
マウスコンピューターが販売するノートPC、m-Book P シリーズのレビューです。
m-Book P シリーズは、GeForce GTX970Mを標準で搭載する15.6型ノートPC。
ゲームも余裕で出来るハイスペックな構成を持ちながらも、筺体の厚みは27mmと薄く、ノートPCを持ち運んで利用するような方に扱いやすい製品です。
ディスプレイにはフルHDの他、3,840×2,160ドットのIGZO液晶も選択可能となっており、ゲームはもちろん、写真や動画編集などの作業にもぴったりのノートPCだと言えるでしょう。
今回は、そんなm-Book P シリーズの外観や使用感、性能面などについて詳しく触れて見たいと思います。
【m-Book P シリーズ レビュー記事目次】
・m-Book P シリーズ
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ・品質)
・m-Book P シリーズの構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容 / FLEXIKEYを搭載)
・製品のまとめ
(m-Book P シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
m-Book P シリーズ 筐体外観やインターフェースの内容をチェック
まず最初に、m-Book P シリーズの筐体外観やインターフェースの内容を詳しくチェックします。
筺体のサイズは幅385mm、奥行き375mm、高さ27mm、重量は約2.5kg(構成による)と、ゲームのプレイも可能な構成を持つ15.6型サイズのノートとしては、筐体は薄くやや軽め。
もちろん外出時の携帯には向きませんが、屋内でPCを移動しながら利用するような方には扱いやすいです。
天板はヘアライン加工の素材を用いたデザインで、カラーはブラックに近いシルバーやグレーという感じの色味。筺体の端にはmouse computerのロゴが配置されています。
珍しいデザインではありませんが、仕上がりは良く見た目に高級感があります。
天板にはやや柔らかい仕上がりのヘアライン加工が施されている
天板端寄りの位置には刺繍調のmouse computerロゴがある
背面側から見たm-Book P 直線的なデザインが洗練された雰囲気
ディスプレイには15.6型クアッドフルHD(3,840×2,160)の光沢液晶を搭載。
シャープ製のIGZO液晶です。
掲載モデルは上記の液晶ですが、他にフルHDの非光沢液晶を搭載したモデルもラインアップされており、好みに合わせて選択する事ができます。
個人的に、光沢パネルは見辛いのではないかと思いましたが、本モデルのモデルの液晶に関しては、輝度を上げてさえいれば見辛いと思うような事はありませんでした。
液晶については、また後の項で詳しく触れます。
液晶パネルの上方には200万画素のWebカメラ その両隣にマイクが内蔵されている
筺体側面のインターフェースの内容を確認します。
筺体左側面の様子。
左からHDMI出力やUSB3.0、Mini Display Portが2基搭載されています。
ノートPCへのMini Display Port2基の搭載は珍しいように思います。
次に右側面の様子。
左からSPDIF、マイク入力、ヘッドフォン出力、マルチカードリーダー、SIMカードスロット、USB3.0×2、LAN、セキュリティロックケーブル用のスロットが並びます。
この中ではSIMスロットの搭載が目に付きますが、このスロットは残念ながら利用できません。
前面には端子類はなし
筺体前面側には端子類はありませんが、左端に数多くのインジケーターランプが並びます。
背面には排気口と電源コネクター、USB3.0&eSATAのコンボポートが並びます。
全体としてはUSB3.0が4基(1基はeSATAも兼ねる)、映像出力は計3基とノートPCにしては十分な内容で不足を感じるような事はないでしょう。
側面に色々と配置されているため、外部デバイスのケーブルなどを接続した場合に、ケーブルが邪魔だと感じる事はあるかもしれません。
ディスプレイは後方におよそ138度程度まで開く事ができます。
液晶の角度調整はしやすいです。
底面の状態をチェックします。
底面全体の様子 写真は上が筐体背面側、下が前面側
底面は一枚板の構造となっており、開く事ができるようなパネルはありません。バッテリも内蔵式で着脱は不可。
本製品のようなタイプのノートPCにしては、やや珍しい構造だと思いますが、底面カバーを全体を開く事が出来ないというわけではないので、問題はないと思います。
バッテリに関しても、据え置きでの利用が多いだろうという事を考えると、内蔵式でも特に不便だという事はないでしょう。
冷却ファンが数多く内蔵されているよう
底面4角に配置されているゴム足
PC本体と付属の電源アダプター&ケーブル
アダプターはかなり大きい
電源アダプターの出力は19V、9.5Aで180W
キーボードの操作性
次に、m-Book P シリーズのキーボードやタッチパッドなどの操作性をチェックします。
キーボード面全体の様子
キーボード左半分を拡大
キーボード右半分を拡大
キーボードはテンキー付きのアイソレーション型キーボード。
主要なキーのピッチは約19mmで、キーストロークは約2mmとやや深めです。
使いやすいキーボードだと思います。
打鍵時の撓みなどもなく、キーのサイズもストロークの深さもちょうど良い具合。
またWASDキーに赤色の矢印が印字されており、ゲーム時の操作もしやすいです。Windowsキーは左側ですが、本製品に標準搭載されているツールを使用して有効無効を切り替える事が可能です。
WASDキーに矢印が印字されている Windowsキーは左配置
キートップはフラットな形
m-Book P シリーズのキーボードにはLEDバックライトが搭載されており、消灯、点灯(弱)、点灯(強)の3パターンに切り替えが可能です。
LEDバックライト消灯時
LEDバックライト点灯時(弱)
LEDバックライト点灯時(強)
キーボードとディスプレイの間には2基のスピーカーを内蔵
キーボード左上にはmouse computerのロゴ、右上には電源ボタン
タッチパッドはボタン独立型。
製品によって個体差はあるかもしれませんが、今回使用したモデルのタッチパッドはボタンが柔らかく、長時間使用しても指が疲れにくかったです。
とはいえ、このサイズのノートではマウスを利用される方が殆どだと思いますので、あまり気にする所ではなさそうです。
液晶の見やすさ・品質
m-Book P シリーズに搭載されている、液晶の見やすさや品質をチェックします。
今回はクアッドフルHDのIGZO液晶です。
販売製品に全く同じ液晶が搭載されるとは限りませんので、参考程度にご覧下さい。
15.6型クアッドフルHD(3,840×2,160)IGZO液晶を搭載
初期時の画面表示サイズは250%
15.6型サイズでクアッドフルHD(3,840×2,160)という、非常に高解像度な光沢タイプの液晶です。
さすがに素のままの表示だと文字などが小さすぎるためか、初期設定は250%という表示サイズとなっていましたが、250%だと逆に表示サイズが大きく操作がし難いかもしれません。
最適な表示サイズは人によって様々だと思いますので、見難いと思われる場合は、「コントロールパネル > デスクトップのカスタマイズ > ディスプレイ」の設定で適当なサイズに変更すると良いでしょう。
画面の視野角をチェックします。
画面を正面から見た場合
画面を上から見た場合
画面を右側面から見た場合
画面の視野角は広いです。
左右上下、どの方向から見ても画面の表示内容をはっきりと視認できます。
次に色域を測定してみました。
以降、カラーセンサー「Spyder 4 Elite」による測定結果を掲載しています。
sRGBのカバー率は99%、AdobeRGBのカバー率は77%。
色域は広いです。見た目にも色鮮やかだと感じます。
以下、ガンマカーブの測定結果です。
左:ガンマ応答カーブとターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正カーブ
ガンマ応答カーブはガンマ2.2のカーブから大きく外れていますが、RGBのカーブ自体はほぼきれいに揃っています。
デフォルトでは僅かに青が強いかなと思うような画面の色味ですが、補正幅は小さく、それ程色のずれは大きくはないようです。
さらに、画面の均一性について。
以下、色ムラや輝度ムラの測定結果です。
見て分かるほどではありませんが、画面下部の色ムラがやや強いよう。
輝度ムラは殆どわからない程度です。
総合すると、色域も広く綺麗な液晶だと思います。
高解像度であるという部分や光沢という特徴については、人によって好みが分かれると思いますが、ゲームの映像はもちろん、写真や動画の編集などにも適していると言えるでしょう。
やや色がずれているため、色の正確さに拘る場合は補正を行った方が良いと思います。
m-Book P シリーズの外観や操作性、液晶については以上となります。
次記事では、掲載製品の構成や特徴、実際の性能面、ソフトウェアなどについて詳しく触れたいと思います。
製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。
次: m-Book P シリーズのベンチマーク結果 GTX 970MやM.2 SSDを搭載するハイエンドノートの性能をチェック