LuvBook J シリーズ レビュー IGZO液晶も選べる約1.4kgの13.3型軽量ノート
マウスコンピューターが販売するノートPC、LuvBook J シリーズのレビューです。
LuvBook J シリーズは、13.3型というサイズでありながら、重量約1.4kgという比較的軽量なモバイルノート。
軽いと言っても、最近はサイズの大きいPCでも軽量な製品が多く、本製品が飛びぬけて軽いというわけではありませんが、それでも見た目のサイズと実際の重量にギャップを感じる位には軽く、屋内で頻繁にPCを持って移動する方はもちろん、外出時に持ち歩けるモバイルノートをお探しの方にも向いています。
選択する構成によって1,600×900ドット、1,920×1,080 ドット、また2,560×1,440ドットの解像度を持つシャープのIGZOを選択可能となるなど液晶の選択肢が多く、多くのユーザーに利用しやすい製品だと言えるでしょう。
今回は、そんな LuvBook J シリーズ の外観や使い勝手、性能面について詳しく触れてみました。
【LuvBook J シリーズ レビュー記事目次】
・LuvBook J シリーズ 筐体外観と使用感について
(筺体外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 重量 / 液晶の品質・見やすさ)
・構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品のまとめ
(LuvBook J シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
LuvBook J シリーズの外観・インターフェースの内容
まず、LuvBook J シリーズの筺体外観やインターフェースの内容をチェックします。
天板には刺繍のような mouse computerのロゴ
天板は一面シルバーカラーで、やや左寄りの位置にmouse computerのロゴを配置。
他のLuvBookシリーズでもよく目にする、ヘアライン加工の素材を用いたシンプルなデザインを採用しています。
指紋などの汚れが付きにくく、また付いても目立ち難いために頻繁に拭く必要がなく、モバイルノートとしては扱いやすいデザインです。
背面側からみた筐体全体図
前面斜めから見た筐体
仕様によると、LuvBook J シリーズの筐体サイズは幅32mm、奥行き231mm、高さ23.6mmと、13.3型ノートの割にやや薄型。
とはいえ、最近はサイズの大きいノートPCでも薄く軽いモデルが多く、そういった製品と比較した場合、本製品は薄いと言っても極端に薄いわけではありません。
ですがそのサイズの割には軽く、サイズから想像する製品の重さと実際に手に取ってみた場合の重量感にギャップを感じます。
初めて本製品を目にした時、最初はずっしりと重いPCを想像したのですが、手に持ってみると予想外に軽く、まるで中身のないモックだと思いました。
今回掲載のモデルには、13.3型WQHD(2,560×1,440)の非光沢液晶が搭載されています。
冒頭でも述べた通り、本製品は構成によって1,600×900ドットのHD+液晶、1,920×1,080ドットのフルHD液晶、2,560×1,440ドットのIGZO液晶を選択可能。液晶の選択肢の幅の広さは、LuvBook J シリーズの魅力の一つだと思います。
液晶の品質や見やすさについては、また後の項で詳しく触れます。
液晶上部のベゼルには約100万画素のWebカメラを内蔵
液晶下部のベゼルにはmouse computerのロゴ
筺体側面のインターフェースの内容を確認します。
筺体左側面の様子
左側面にはVGA、HDMI、USB3.0、マイク入力、ヘッドフォン出力が並びます。
筺体右側面の様子
右側面にはUSB2.0×2、マルチカードリーダー、LAN、電源コネクター、セキュリティロックケーブル用のスロットを搭載。
筐体前面にはインジケーターランプが並ぶのみ
筐体背面には何もない
映像出力はVGAとHDMI、USBは3基あり、カードリーダーやLANも搭載するなど、使用するにあたって特に不足はない内容です。
本製品と同じくらいのサイズで薄型軽量のモデルは他にもありますが、極端に薄い製品だとVGAやLANのような高さのある端子は搭載しにくく、そういった点では、本製品のようなやや厚みのあるPCの方が使いやすいと思います。
底面全体の様子 写真上側が筐体背面側にあたります
底面はバッテリの取外しは行えるものの、内部パーツにアクセスできるようなスロットは見当たりません。
底面カバーを外せば内部にアクセスできますが、やや行いにくいと思われます。
底面には、前方側に近い位置にスピーカーが設置されている
底面4角に配置された丸型のゴム足
バッテリは取り外しが可能
バッテリの仕様は電圧が11.1V、エネルギー容量は31Mh
PCに付属の電源アダプターをチェックします。
製品仕様を確認した所では、どの構成を選択しても同じ電源アダプターが付属するようです。
PC本体と付属の電源アダプター、およびケーブル
電源アダプターはとても小さい
電源アダプターのプラグの接続部の形状はミッキー型
電源アダプターの仕様は19V、2.1Aで40W
キーボードの外観と操作性
LuvBook J シリーズに採用されているキーボードの外観や操作性をチェックします。
キーボード面全体の様子
キーボード左半分を拡大
キーボード右半分を拡大
アイソレーションタイプのキーボードを採用しています。
主要なキーのピッチは約18mm、キーストロークは約1.8mmと比較的余裕のあるサイズで、手が大きめの方でも打ち辛いという事はあまりないと思われます。
ただ、右側にある一部キーの幅がその他のキーの幅に比べてなぜか広く、Enterを打とうとして打鍵ミスしてしまう事がありました。とはいっても、慣れれば(そういうものだと思って打てば)あまり気にならないと思います。
それ以外に気になる所はありません。
タッチ感良く、打ちやすいキーボードです。
キートップはやや中央が窪んでいるようにも見えるが、ほぼフラット
タッチパッドはボタン独立型。
パッドは大き過ぎず小さすぎずのサイズで、ボタンは柔らかめの押し心地であり、タッチパッドのみで長時間操作を行ったとしても大きなストレスは感じません。
なお、手の大きい方だと、キーボード操作時に手のひらがパッド面に触れてしまい誤動作を起こしてしまうような事があるかもしれません。そういった動作が気になる方は、タッチパッドのデバイス設定よりパッドの感度調整を行うと良いでしょう。
タッチパッドのデバイス設定は、コントロールパネル(アイコン表示)の「マウス」をクリックしてマウスのプロパティを開き、さらにデバイス設定タブ内のデバイス欄に表示されている「Synaptics Touchpad」の設定を開く事でアクセスできます。
デバイス設定では、ポインティングの「感度」よりパッドの感度調整を行える
重量
LuvBook J シリーズ の重量を測定してみました。
PC本体の重量は1357g。
公称値の約1.4kgという値よりも若干少な目です。
珍しい程軽いわけではありませんが、13.3型ノートにしては軽量です。
少なくとも、見た目から想像する重さよりはかなり軽いです。
電源アダプターやケーブルの重量は250g。
PCと合わせて持っても1600g弱と比較的軽く、モバイルノートとしては十分な内容だと思います。
液晶の見やすさと品質をチェック
LuvBook J シリーズに搭載されている液晶の見やすさと品質をチェックします。
今回チェックするのは2,560×1,440ドットのIGZO液晶です。
掲載するのはあくまでも今回のモデルに搭載されている液晶についてであり、実際の製品とは異なる可能性がある事、また他の解像度のパネルを選択した場合も、以下に掲載の内容とは異なりますので、参考程度にご覧ください。
13.3型WQHD(2,560×1,440)のシャープのIGZO液晶を採用 非光沢タイプ
初期状態での画面の表示サイズは200%
2,560×1,440ドットと非常に高解像度なシャープのIGZO液晶が搭載されています。
高解像度ですが、初期状態での画面表示サイズは200%とかなり大きめに設定されているため、特に見辛いという事はないです。また、非光沢タイプのパネルなので光の反射や映り込みもなく、屋外のような明るい場所でも快適に利用できます。
本製品では上記液晶の他、1,600×900ドットのHD+や1,920×1,080ドットのフルHD液晶を選択可能です。但し、選択する構成によって選べる液晶には以下のような制限があります。
・Pentium 3558U ・・ HD+ / フルHD
・Core i5-4210U ・・ HD+ / フルHD
・Core i7-4510U ・・ WQHD(IGZO)
個人的には、特に高解像度を求めないのであれば、HD+やフルHD液晶の方が扱いやすいのではと思いますが、写真や映像などを閲覧する場合、IGZO液晶ではより高精細な表示を楽しめます。
解像度の高い液晶が好みの方には良いと思います。
以下は、表示サイズを200%(デフォルト)に設定した場合の画面の見え方と、100%に設定した場合の画面の見え方の例です。
表示サイズを200%に設定した場合の画面の見え方 初期の設定ではこの状態
表示サイズを100%に設定した場合の画面の見え方
100%表示だと文字は小さすぎて見辛い
表示サイズ100%の状態では、PCでの作業が困難になるくらいアイコンや文字のサイズは小さいです。
画面の視野角をチェックします。
正面から見た場合の画面の見え方
上から見た場合
右側面から見た場合
視野角が広いという程ではありませんが、狭いという程でもありません。
画面を斜めから見ると色は変化するものの、内容ははっきりと視認できます。
次に、色域を確認します。
以降、Spyder 4 Eliteによる測定結果と、それを元に検証を行った結果を掲載しています。
sRGBカバー率は99%、AdobeRGBカバー率は79%。
色域は広いです。見た目にもやや色が鮮やかだと感じます。
続いて、ガンマカーブを確認します。
左:ガンマ応答カーブとターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正カーブ)
ガンマ応答カーブはRGBそれぞれのカーブにややばらつきがみられます。
ただ補正幅は小さく、初期状態でもそれ程大きな色のずれはないと思われます。
さらに、色の均一性について。
画面の色ムラや輝度ムラをチェックしてみました。
色ムラについては、輝度を上げるとやや目立つ感じになるようです。
といっても、意識してみるとわかるといったレベルで、普通に画面を見ている分には気にならないと思います。
一方で輝度ムラに関しては、輝度の設定にかかわらず画面左下がやや暗くなるようです。
総合すると、画面の色ムラなどは若干強めですが、色のずれはそれ程大きくはなく、また色域は広く比較的綺麗な液晶だと思います。好みはあると思いますが、非光沢パネルを採用しており、光沢に比べると目が疲れにくいという点も魅力です。
ただ、実際の製品に同じパネルが搭載されるとは限りませんので、掲載内容は参考情報の1つとしてお考えください。
LuvBook J シリーズの外観や使い勝手、液晶については以上となります。
引き続き、次記事では掲載モデルの構成と特徴、実際の性能面について詳しく触れたいと思います。
製品に興味をお持ちの方は、是非次の記事もご覧ください。
次: LuvBook J シリーズ のベンチマーク結果 Core i7や512GB SSDを搭載する最上位モデルの性能