Inspiron 3847 のベンチマーク結果 グラフィックスにNVIDIA GeForce GT705を搭載
前記事(Inspiron 3847 レビュー 3種のAdobe製ソフトが付属するDell Graphic Pro デスクトップPC)に続き、次は Inspiron 3847の構成と性能面について。
掲載しているのは、OSにWindows 8.1、Core i5-4460、メモリ8GB、GeForce GT 705(1GB)、1TB HDDを搭載する Inspiron 3847 プレミアム。
Inspiron 3847で提供されているのはこのモデルと、上記の構成はそのままにOSのみ Windows 7 Professionalに変更したモデルの2種のみで、構成のカスタマイズはほぼ行えませんが、3種のAdobeソフトが標準付属であるのにもかかわらず 税込・配送料込で8万円台(2014年9月17日時点)と非常に安価です。
今回は、上記構成のマシンの特徴や性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【Inspiron 3847 レビュー記事目次】
・Inspiron 3847 のケース外観や内観をチェック
(ケース外観・インターフェース / ケース内部の構造 / 標準キーボード&マウス)
・構成特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・プリインストールされているソフトウェアの内容
(3種のAdobe編集ソフトが標準付属)
・製品のまとめ
(Inspiron 3847 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspiron 3847 の構成とその特徴
まず、掲載している Inspiron 3847の構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-ZとGPU-Zの実行結果と製品の主な構成内容です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【Inspiron 3847 プレミアム の主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i5-4460 (3.2GHz/TB時最大3.4GHz)
チップセット Intel H81
グラフィックス NVIDIA GeForce GT705(1GB)
メモリ 8GB(4GB×2/DDR3 1600MHz/最大2スロット)
ストレージ 1TB HDD(Western Digital製/7200rpm)
光学ドライブ トレイロード式 DVDスーパーマルチドライブ
無線機能 Dell Wireless 1705、Bluetooth v4.0
拡張ベイ 5.25インチ×2、3.5インチ×2
電源 300W
サイズ 177.8×431.8×368.3(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約7.93kg(最小重量)
カラー ブラック
キーボード・マウス Dell KB213有線マルチメディアキーボード、Dell MS111 USB 3ボタンマウス
ソフトウェア Adobe Photoshop Elements & Premiere Elements12、Adobe Photoshop Lightroom 5
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年09月17日時点のものです。
OSにWindows 8.1、プロセッサにCore i5-4460、メモリ8GB、GeForce GT705、ストレージには1TB HDDを搭載するという内容のモデルです。
本製品では上記のモデルと、OSにWindows 7 Professionalを搭載したモデルの2種がラインアップおり、どちらもほぼ主要なパーツのカスタマイズを行う事はできませんが、Adobe製のソフトを3種標準搭載しながらも 価格は税込・送料込みで8万円台と非常に安価です。
構成の特徴としては、グラフィックスにGeForce GT705というグラフィックカードを搭載している部分があげられると思いますが、GeForce GT705はローエンド向けのグラフィックカードであるため、性能はそれ程高くはありません。
正直、なくてもそれ程変わらないのではないかと思うような性能のグラフィックスですが、CPUの内蔵グラフィックスのみの状態よりも若干パフォーマンスは高いと思います。
ゲームなどをプレイできるような高い性能は持ちませんが、Core i5-4460の性能自体がそこそこ高いため、性能は決して低くはありません。写真や動画の編集なども普通にこなせるでしょう。
クリエイティブ向けとはいえ、比較的ライトな作業に向いた製品だと言えますが、趣味で写真や動画編集を行うようなユーザーにはお手頃なマシンです。
特に、Adobe製の編集ソフトやPCを一度に揃えようというユーザーにはお買い得な製品だと思います。
搭載されているストレージの内容を詳しくみてみます。
HDDの仕様
Western Digital製の「WDC WD10EZEX-75M2NA0」という1TB HDDが搭載されていました。
回転数は7200rpm。
本製品に提供されているのはHDDのみですが、7200rpmと回転数は高く、HDDにしては高速なストレージです。
もちろん SSDほどの速度は出ませんが、全体の速度はきびきびとした感じで悪くはないです。また容量が大きく、写真や動画の保存には便利だと思います。
自己責任となりますが、できるのであれば製品購入後にSSDを追加し、SSD&HDDなどの構成にするのもよいでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している Inspiron 3847で実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.8
メモリ 7.8
グラフィックス 5
ゲーム用グラフィックス 5
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 171.3 / 161.3
512K 51.06 / 100.3
4K 0.554 / 1.725
4K QD32 1.693 / 1.651
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMarkの実行結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 36863
Cloud Gate・・・ 3713
Sky Diver・・・ 1708
Fire Strike・・・ 426
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 2058~2064
1920×1080 ・・・ 1150~1153
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 1407
1920×1080 ・・・ 583
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ SCORE:1310 / RANK:C
1920×1080 ・・・ SCORE:824 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080(高品質(デスクトップPC))
【キャラクター編】
1360×768(高品質(デスクトップPC)) ・・・ SCORE:1576 / 評価:設定変更を推奨
1920×1080(高品質(デスクトップPC)) ・・・ SCORE:881 / 評価:動作困難
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 17.46fps
CPU ・・・ 5.46pts
ゲーム系のベンチマークテストのスコアは全体的に低いです。
CPU内蔵のグラフィックスで動いているのではないかと思われる方もおられるかもしれませんが、一応内蔵グラフィックスを利用する構成よりも、わずかにではありますがスコアは高いと思います。
といっても、Core i5-4460 がデスクトップ向けのCPUで比較的高性能であるため、GeForce GT705がなくてもさほど性能は変わらないかもしれません。GPU専用のメモリが少しでもあるという所が、このグラフィックスを載せるメリットだと言えるでしょうか。
ゲームのような高負荷な作業をメインに行う構成としては厳しいものがありますが、写真や動画編集に関しては問題ないです。
ただ、高性能なグラフィックスなどを積んだPCに比べると、動画のエンコードなどは時間がかかると思います。
消費電力・温度
Inspiron 3847の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。
アイドル時 ・・・ 33W
ベンチマーク実行時 ・・・ 70W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
消費電力が極端に大きいパーツはないですが、一応グラフィックカードを搭載しているため、CPUのみの構成に比べると若干消費電力は高めでしょうか。
ベンチマーク実行時も少し高めの消費電力となります。
上記数値に液晶の消費電力は含まれません。
続いて筐体内パーツの温度を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時のパーツ温度です。
ベンチマーク実行時のパーツ温度は、BIOHAZARD 6を20分程実行した後に測定。
また軽く冷房をかけた室内(27度前後)で測定しています。
高負荷な状態が続くとグラフィックカードのみ、70度台まで温度が上昇していますが、他のパーツの温度は低いです。通気もよく、熱の面で気になるような所はありません。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、Inspiron 3847の再起動時間を測定してみました。
以下は10回の再起動時間の測定結果とその平均値です。
1回目 1:10
2回目 1:21
3回目 1:07
4回目 1:08
5回目 0:59
6回目 1:07
7回目 0:57
8回目 1:09
9回目 1:13
10回目 1:18
再起動の平均時間 ・・・ 1分08秒
Inspiron 3847の再起動にかかる平均時間は1分8秒という結果。
これまでに、HDDを搭載するPCの再起動時間はおよそ1分弱~1分半という結果が出ており、HDDを搭載するPCとしてはやや速いか平均的な速度だと言えます。
体感では速いとまでは言えませんが、遅いという程でもありません。
HDDの速度に慣れた方であれば、快適に利用できるでしょう。
プリインストール・ソフトウェアの内容 3種のAdobeソフトが付属
Inspiron 3847 にプリインストールされているソフトウェアの内容を簡単にご紹介いたします。
以下、初期時のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。製品購入時のカスタマイズの内容によっては、以下とは様子が異なる可能性があります。
初期時に搭載されているソフトの主な内容は、Windows 8.1標準のソフト、デル製のシステム管理系ツール、CyberLink Media Suite、セキュリティソフトという内容。
CyberLink Media Suiteには「LabelPrint(ラベル印刷)」や「Power2Go(ライティングソフト)」、「Power Director(動画編集)」「PowerDVD(DVD再生)」等のソフトが、セキュリティソフトには、マカフィーリブセーフの12カ月更新版が搭載されています。
他、先に述べたように、Adobe製の写真や動画編集ソフト3種が付属しますが、そちらはデジタルデリバリーという形式で付属(※)しているため、初期状態のPCにはインストールされておらず、ネット上からプログラムをダウンロード・インストールする必要があります。
※Photoshop Elements と Premiere Elementsはデジタルデリバリー形式での付属となりますが、Lightroom 5の付属形態は不明
上記が標準の内容で、製品購入時のカスタマイズでは Microsoft Officeの追加や、Adobe Acrobat XI Standardの追加が有料にて行えます。また標準搭載されているマカフィーリブセーフにおいても、36ヶ月間更新版への変更が可能です。
My Dell システム全体の管理を行える
標準でAdobe製のソフトが3種付属
デジタルデリバリー形式のソフトは、ネットに接続する事で自動的にダウンロードの準備が行われる
Inspiron 3847 まとめ
Inspiron 3847 のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・比較的性能は高い
・3種のAdobe製のソフトが標準付属
・税込・配送料込で8万円台(2014年9月17日確認)というリーズナブルな価格
・構成のカスタマイズが行えない
程々の高い性能を持ち、3種のAdobe製のソフトを標準付属しながらも、税込・配送料込で8万円台というリーズナブルな価格の製品です。
ゲームをプレイできるような性能は持ちませんが、日常の作業はもちろん、写真や動画編集なども行える性能を持ち合わせており、本製品の用途には十分な内容だと言えるでしょう。
構成のカスタマイズが行えない所はやや残念ですが、ケースのメンテナンス性は良いため、例えば後からHDDやSSDを追加したいというような場合にも、容易に行う事ができると思います。
グラフィックカードが搭載されているとはいえ、高性能なものではないため、毎日大量の写真や動画を編集するというような方にはもう少し高スペックなシリーズをお勧めいたしますが、趣味で写真・動画編集を行うという方、またこれから写真や動画編集などをはじめようという方には非常にお手頃な製品だと言えるでしょう。
特にコストパフォーマンスを重視される方に、おすすめの製品です。