Thinkpad Edge 15”とは? カスタマイズ可能な15.6型&Core i搭載ノート(レビュー)
2010年の1月5日に登場したThinkpad Edgeシリーズのラインアップの一つ、
Edge 15”の外観写真や性能、そしてこのモデルならではの特徴などをまとめてみました。
上に2010年の1月5日に登場したと書きましたが、
このThinkpad Edgeシリーズ、発売当初は Edge 13”(13.3型の液晶を搭載&AMDベース)のみの提供で、
モデルの選択肢も少なくカスタマイズなども出来なかった事より、正直自分的にはいまいちなモデルでした。
(→ Thinkpad Edge 13”ってどんな感じですか?)
しかしその後、Edge 14”やEdge 15”が追加され、価格も当初より低下、
さらに先日 Edge 13”やEdge 14”に続いて、ようやくEdge 15”のカスタマイズが可能になるなど、
購入条件さえあえば人にも十分お勧めできるモデルだと思えるようになりました。
他のThinkpadシリーズとは様々な部分で異なるEdgeですが、
堅牢性や信頼性に関しては他のThinkpadシリーズ同様、一定の品質を保っているとの事。
ただ、デザインやキーボード等が他のシリーズとはかなり異なる為、
従来のThinkpadになれた方だと違和感を感じるかもしれません。
しかしスペックだけではなく、デザイン面での選択肢が増えるのはユーザーにとってもメリットのある事ですし、
たとえこれまでのモデルと異なった部分があったとしても、Thinkpadブランドとして出ているのであれば、
品質の面ではこれまで通りである事には違いありません。
というわけで前置きが長くなりましたが、今回は後に追加されたEdgeのラインアップの一つ、
Thinkpad Edge 15”のインターフェースの詳細や構成、特徴などの簡単なレビューと、
エクスペリエンスインデックスのスコア、および関連モデルとの比較なども掲載してみたいと思います。
Thinkpad Edge 15”の概要です。
15インチワイド液晶、Core i3、Core i5搭載のベーシックノートブックとあります。
なお、文章には「Thinkpad SLシリーズの後継ともいえる、高い信頼性とシンプルな使用感を提供」
と記載されていますが、SLの後継は先日記事として掲載したLシリーズです。
しかし、確かにこのモデルはSL同様かなりシンプルだと思います。
ちなみにEdgeでいうシンプルとは、Thinkpadに初めて触れる方でも機能を簡単に理解できるような、
見た目と機能、両方のシンプルさを指します。
多機能なモデルは使い慣れた方には便利ですが、
機能を把握しない方にとっては、ハードルが高く感じられてしまいます。
またインターフェース(ボタンなど)が煩雑になると、見た目に難しくなってしまいますので、
Edgeでは、キーボードベゼル上の無駄なボタンは全て省かれています。
とはいえ、シンプル=低機能という事ではなく、
あくまでも余り使用しないであろう機能やボタンなどが省かれています。
(あって欲しいインジケーターランプまで省いてしまったのはどうかと思いますが・・)
Thinkpad Edge 15”の全体像。
ディスプレイはLEDバックライト搭載 15.6HD(1,366×768)液晶。
なお、Edgeでは液晶の光沢と非光沢を選択することが可能です。
以前使用した事のあるEdge 13”は光沢タイプの液晶だったのですが、
屋内の使用でも、マシンを置く向きによっては光の反射によって非常に使いづらかった記憶があります。
光沢液晶は発色はきれいですが、自分的にはそちらの液晶を選択する意味がよくわかりませんので、
現在のEdgeのように、光沢と非光沢を選択できるようになっていると有難いです。
Thinkpad Edge 15”の左側面。
VGA、USB2.0/eSATAコンボポートが1基、LAN、HDMI、ExpressCardスロット、
マイク入力・ヘッドフォン出力のコンボジャック。
前面右側には7in1メディアカードリーダー。
Thinkpad Edge 15”の右側面。
USB2.0が2基、DVDスーパーマルチドライブ、AC電源。
背面には、PoweredUSBが1基。
Thinkpad Edge 15”のキーボード全体。
EdgeはThinkpadブランドでありながら、従来からのThinkpadキーボードを採用していません。
(同時に発売されたX100eも)
Thinkpad SLやLシリーズも、従来の7段配列のキーボードを搭載しておらず、
発売当初は賛否両論様々な意見がありましたが、Edgeはレイアウトや配列がどうの以前に、
キーのタイプ自体がこれまでのものとは異なります。
Thinkpad X201のキーボード。
X201と Edge 15”のキーボードと並べてみると・・
違いが一目瞭然です。
このようにThinkpad Edge(とX100e)はシリーズの中では唯一、アイソレーションタイプのキーを採用しており、
これまでのものとはまた異なる、すっきりとしたデザインに仕上げられているのが特徴。
気になる操作感の方も、やはりThinkpadブランドで出すからには、
これまでのものと同等の操作感でなければならない、という事で様々な工夫がなされています。
ちなみに様々な工夫とは何なのか・・という事ですが、例えば
キーの間にフレームを設けて剛性を高める
打鍵時、キー間のフレームに指が干渉しないよう配慮
従来では飛び出していた右下のカーソルキーの飛び出しをなくす
スペースキーを大きく
従来のキーボードと変わらないクリック感
などの工夫が施されています。
その他にもPCをシンプルに、誰にでもわかりやすく為の工夫として
Num LockやScroll Lockなどの使用頻度の低いキー、インジケーターランプを廃止し、
Fn+Fキーによる機能呼び出しを、Fキー単独で行えるようにするなどの工夫が施されています。
こちらはThinkpad Edge 13”のキーボード
実際の使い心地に関しては、従来のキータッチと同じかと聞かれると、
キーのレイアウト自体に慣れていない為に同じとは思えないのですが、使い易いかどうかと考えた場合、
キーの重さもキーストロークもちょうど良い感じで、使い易い部類のキーボードだと思います。
Edge 15”のトップパネル。
カラーはグロッシー・ブラックです。
こちらはThinkpad Edge 13”、カラーはグロッシー・レッドのトップパネル。
カラーの選択が可能になった(X100eも)部分も、他のThinkpadシリーズにはない要素です。
Edge 15”のトップパネルに配置されたThinkpadのロゴ。
写真ではわかり辛いですが、起動中はThinkpadの「i」の上部が赤く点滅します。
では次に、Edge 15”のエクスペリエンスインデックスのスコアです。
スコア掲載の前に、Edge 15”の主な構成を掲載します。
【Thinkpad Edge 15”の主な構成】
プロセッサ: Core i3-350M(2.13GHz/L3 3MB)
チップセット: HM55 Express
グラフィックス: HD グラフィックス
メモリ: 2GB(2GB×1/最大4GB/スロット数2)
ディスプレイ: 15.6HD(1366×768)、光沢なし
無線機能: Advanced-N + WiMAX 6250、Bluetooth
光学ドライブ: DVDスーパーマルチドライブ
バッテリー: 6セル(バッテリー駆動時間は約4時間)
サイズ: 380 × 247 × 32.3~37.5(mm)
重量: 約2.50kg
カラー: グロッシー・ブラック
※メモリ容量に関しては、正確ではないかもしれません。
上記の構成で、エクスペリエンスインデックスのスコアは・・・
プロセッサ 6.5
メモリ 5.5
グラフィックス 3.9
ゲーム用グラフィックス 5.2
プライマリ ハードディスク 5
Edge 15”の基本スコアは、グラフィックスの3.9。
なぜか、ゲーム用グラフィックスが5.2と高めです。
次に、他モデル(Thinkpad)との比較を掲載します。
今回比較として掲載するのは、Thinkpad Edge 15”と同シリーズの Edge 13”、
そして先日掲載したばかりのThinkpad L412。
L412を用いた理由ですが、両モデルとも「低価格」という要素をコンセプトの一つとして持っているという事、
またEdge 15”がCore i3を搭載しているので、プロセッサの比較としてCore i5を搭載したL412を掲載しました。
Win Exインデックス | ThinkPad Edge 15” | Thinkpad L412 | Thinkpad Edge 13” |
プロセッサ | 6.2 | 6.5 | 4.2 |
メモリ | 5.5 | 5.5 | 4.9 |
グラフィックス | 3.9 | 4 | 3.1 |
ゲーム用グラフィックス | 4.9 | 4.9 | 4.5 |
プライマリ ハードディスク | 5.7 | 5.6 | 5.8 |
Edge 13”はAMD製プロセッサを採用しているので、比較し難いかもしれませんが、
一応、上記のEdge 13”のスコアは、用意されている中では上位のプロセッサを搭載しています。
下記、Edge 13”とL412の主要な構成です。
【Thinkpad Edge 13”の主な構成】
プロセッサ: AMD Turion Neo X2 L625(1.60GHz)
チップセット: AMD M780G
グラフィックス: ATI Radeon HD 3200
メモリ: 2GB
【Thinkpad L412の主な構成】
プロセッサ: Core i5-520M(2.4GHz、TB利用時最大2.93GHz)
チップセット: HM55 Express
グラフィックス: HD グラフィックス
メモリ: 2GB
上記の表では、Edge 13”と比較したEdge 15”のスコアは全体的に高めです。
また、L412はCore i5-520M、Edge 15”はCore i3-350Mを搭載しており、
プロセッサのスコアはL412が6.5、Edge 15”が6.2、ですので、
やはりCore i5のL412の方が若干パフォーマンスは上ですが、思った程の差は見られません。
エクスペリエンスインデックスのスコアは結構大まかな数値ですので、
これだけで各モデルの正確な性能を測る事はできませんが、
Core i3(Core i5も可能)を搭載したEdge 15”でもパフォーマンスはそこそこ高いということがわかります。
(フォルダやブラウザの起動など、実際の動作も快適です)
では以下、Thinkpad Edge 15”のデバイスマネージャの画面を掲載します。
最後にまとめると、Edge 15”(Edgeシリーズ)はどちらかというとビジネス向けのモデルではありません。
従来のThinkpadはどちらかというと、プロフェッショナルな用途には向いていましたが、
PCにビジネス的な要素を求めないユーザーにはとっつき難いイメージがありました。
Edgeはそういった、比較的PCに慣れない初心者向け・大衆向けに開発されたモデルで、
従来のThinkpadが堅牢なイメージであるのに対し、Edgeはそれよりは柔和なイメージがあります。
仕事で使用するマシンが欲しいという方には、やはり従来からのデザインを採用したThinkpadを薦めますが、
そうでなく、例えば低価格だけど壊れ難いPCが欲しいとか、
Thinkpad製品に興味があるが従来モデルのデザインはちょっと・・というような方、
またこのタイプのキーボード(アイソレーション型)の方が好みだという方もいると思います。
ちなみに私自身は、Edge 13”に関してはやはり前と変わらず、
13.3型のサイズなのにDVDドライブがない事、また指紋センサーが搭載不可などといった様々な理由で、
価格を考えてもあまり魅力的なモデルとは思えません。
(AMD製CPUだからというわけではありません)
ですが、Edge 14”や今回のEdge 15”に関しては、
他のThinkpadシリーズと比べて、特に価格や構成的に特に不足していると思われる目だった部分はありません。
キーボードレイアウトが簡素化されている部分は、余り賛成ではないのですが、
このモデルを選ぶか選ばないかはデザインなど好みの問題だと思います。
Edge はThinkpadではない などという意見もあった程、Thinkpadブランドでは異色の製品ですが、
もしかするとライトユーザーには従来のThinkpadよりも、
こちらの製品の方が、魅力的に思われる方もいるかもしれないなあと思ったりします。
*************
記事が思ったよりも長くなってしまいました。
(途中で分けたほうが良いかと思いましたが、打ち切ってしまいました)
最後の最後でしつこいですが、上記のEdge 13”を含めてレノボ製品の購入をご検討の方は、
レノボのウェブ限定クーポンのチェックを忘れないようにしてください。