Dell Inspiron 15 3000(3576)のレビュー 基本機能と高性能をもちあわせたリーズナブルな15.6型ノート
デルが販売するノートPC、Inspiron 15 3000(3576)のレビューです。
Inspiron 15 3000(3576)は、第8世代のCoreプロセッサを採用する15.6型フルHDのノートPC。コスパ重視のシリーズ、Inspiron 3000でラインアップされている製品です。
CPUには第8世代のCore i5やCore i7を、また8GBメモリやSSD、Radeon 520 グラフィックスを搭載しているのにもかかわらず、最小構成では8万円台(2018年5月12日確認/クーポン使用せず)という低価格をを実現しています。
光学ドライブも標準搭載しており、メインPCとしては使い勝手の良いノートPCだといえるでしょう。
今回は、Core i5を搭載するInspiron 15 3000(3576)プレミアムを使用してみましたので、その使用感や性能についてご紹介いたします。
【Inspiron 15 3000(3576) レビュー記事目次】
Inspiron 15 3000(3576) 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・ Inspiron 15 3000(3576) まとめ
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspiron 15 3000(3576) 筺体外観・インターフェース
Inspiron 15 3000(3576)の筐体外観をチェックします。
非常に細かい凸凹としたデザインを施した、シンプルな天板です。
掲載モデルはブラックカラーですが、グレーの選択も可能。
どちらかというとビジネス向けモデルのような、落ち着いた雰囲気&カラーのノートだと感じます。
下位シリーズであるため素材に高級な感じはありませんが、かといって安っぽさもなく、様々な用途に使いやすいです。
背面からみた筐体全体の様子。
電源オン時、電源オフ時の筐体の様子。
スリムなシルエットです。
ディスプレイには15.6型フルHDの非光沢液晶を採用。
見た目、一般的な感じのデザインを持つディスプレイです。
大画面かつほどよく高解像度であること、また映り込みが起こりづらい非光沢液晶を採用しており、見やすさや使用感にこだわる方にも使いやすいはずです。
液晶の視野角は狭いです。
角度をつけてみると画面全体が白っぽく色変化し、内容が見づらくなってしまいます。
とはいえ、正面からの見え方に問題はなく、特殊な使い方をするのでなければ作業に影響はないでしょう。
液晶の上部ベゼルには HD 720p対応のWebカメラを内蔵、下部ベゼルにはホワイトカラーのDELLロゴがプリントされています。
筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
左側面です。
電源コネクター、LAN(10/100)、HDMI 1.4a、USB3.1×2基が並びます。
仕様を見る限り、LANはギガビット対応ではないようです。
右側面にはSDカードリーダー、ヘッドセットジャック、USB 2.0、DVDドライブ、セキュリティケーブル用のロックスロットが並びます。
正面、背面側には何もありません。
USBや映像出力端子が全体的に前方寄りの位置に配置されているため、周辺機器を接続した状態で本機を利用する場合、ケーブル等が邪魔に感じられることがあるかもしれません。
ただ、あると便利なひととおりの端子が備わっていること、また光学ドライブを標準搭載している点は便利です。
わざわざ変換アダプターを用意したり、外付けの光学ドライブを用意せずにすむため、一般的な使い方をする分には使い勝手の良いノートPCだと思います。
底面全体の様子です。
写真は上が筐体背面、下が正面側です。
最近の薄型ノートにしては珍しく、脱着可能なバッテリを採用しています。
だから特別なことができるというわけではありませんが、このタイプのノートは替えバッテリを持っている場合に結構便利なんですよね。
バッテリは長く使っているうちに劣化して電力が持たなくなったり、あるいは急に使えなくなることもありますが、そういった場合にもバッテリを取り換えるだけで済むため、わざわざ修理に出す手間が省けます。
長く使うつもりであるのなら、このバッテリの構造はメリットが大きいです。
40Whのバッテリが装着されていました。
底面カバーの端の方には、Waves MaxxAudio Pro対応のスピーカーが2基内蔵されています。
プリインストールされている、Waves MaxxAudio Proのサウンドユーティリティ
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブルです。
電源アダプターは19.5V、3.34Aで65W。
仕様では、外部グラフィックスなしのモデルの場合、45W電源アダプターが付属するような記載がありますが、2018年5月12日時点では外部グラフィックス搭載のモデルしか見当たらず、どのモデルを購入しても65Wのアダプターが付いてくると思われます。
ただし異なる構成が追加されれば、この限りではありません。
キーボードの操作性
Inspiron 15 3000(3576)に搭載されている、キーボードの外観や操作性をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用。
右側にはテンキーが備わっています。
可もなく不可もないといった感じのキーボードです。
キーのサイズは標準的、キー配列や機能に変わったところはなく、初めての方でも比較的打ちやすいキーボードではないでしょうか。
ただし、BackspaceやEnterキーのサイズが小さく押しづらいため、そこは慣れが必要です。
私自身はテンキーがあるノートPCは使いづらいのですが、数値入力を頻繁に行うような方には便利なキーボードだと思います。
キートップは完全に平ら。
押し心地は普通。
ややザラつきのある素材が用いられており、指紋あとが目立ちにくいです。
ボタン一体型のタッチパッドを採用。
使い心地はキーボードと同様、可もなく不可もなくといった感じでしょうか。
クリックボタンは適度に柔らかく、押しやすいです。
あと、テンキーを搭載しているのにもかかわらず、タッチパッドの配置をキーボードのホームポジションに合わせているところは使いやすいと思います。
タイピング時、手のひらが無駄にパッド面に触れないため、誤動作が起こりづらいです。
もし、手のひらがタッチパッドに触れることによる誤動作が気になる場合は、タッチパッドの感度を調整してみるとよいでしょう。
Windows 10の設定 > デバイス > タッチパッドを開くと、タッチパッドの感度を変更するメニューがあるはずです。
初期時は、標準の感度に設定されています
重量
Inspiron 15 3000(3576)の重さをはかってみました。
PC本体の重さは、2184g。
外出時、気軽に持って歩ける重さではありませんが、15.6型ノートにしては軽量です。
近所のカフェにPCを持っていったり、部屋を移動しながらPC作業を行われるような方には、扱いやすいノートPCですね。
電源アダプターやケーブルの重さは、327g。
Inspiron 15 3000(3576) 構成内容とその特徴について
掲載しているInspiron 15 3000(3576)の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【Inspiron 15 3000(3576)プレミアム の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-8250U(1.60GHz/TB時最大3.40GHz)
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢
グラフィックス Radeon 520 グラフィックス(2GB GDDR5)
メモリ 8GB(DDR4 2400MHz)
ストレージ 256GB SSD(M.2 SATA/TOSHIBA製)
光学ドライブ Tray load DVD ドライブ
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1、2.4&5GHz、1×1
バッテリ 40Wh、4セル バッテリ
サイズ 380×260.3×23.65(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.13kg
カラー ブラック
ソフトウェア マカフィー リブセーフ (12ヶ月間更新サービス)
標準保証 1年間 引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説は、記事を作成した2018年05月12日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Core i5-8250U、Radeon 520 グラフィックス(2GB)、8GBメモリ、256GB SSD、DVDドライブという構成内容のモデルです。
本製品には主に、第8世代のCore i5、Core i7を搭載する2つのモデルが提供されており、各モデルでいくつかの構成がラインアップされています。
といっても構成内容に選択肢はあまりなく、記事作成時点ではメモリは8GBのみ、ストレージは256GB SSDのみとカスタマイズ性は高くはありません。
ストレージ容量が必要な方にはやや不便だといえるかもしれませんが、多くの方にとっては快適で使いやすい構成内容だと思います。
SSDを搭載し、さらに外部グラフィックスや光学ドライブを標準で搭載しながら、価格はリーズナブルに抑えられているなど、コストパフォーマンスはとても高いです。
SmartByteを搭載
SmartByteと呼ばれるネットワークユーティリティがプリインストールされており、ネットワークの大まかな順位づけを行うことが可能です。
あらかじめ用意されている「チャット」「ストリーミング視聴」「ブラウジングやダウンロード」の3カテゴリを順位づけしておくことで、それらに分類されるアプリケーションのネットワークを優先してくれるというものです。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
SSDには、東芝製の「KSG60ZMV256G」という256GB M.2 SSD(SATA)が搭載されていました。
標準的な性能のSSDです。
サクサクと快適な処理スピードであることと、容量にもほどほどに余裕があり、多くの方に使いやすいSSDだと思います。
2018年5月12日時点では、本製品で提供されているストレージは256GB SSDのみとなります。
一般的な用途には十分なストレージですが、人によっては、もう少し選択肢にバリエーションがあればと思われる方もいるかもしれません。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているInspiron 15 3000(3576)で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spy実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080、3840×2160(DirectX 11/最高品質)
【CINEBENCH R15】
Radeon 520 グラフィックスを搭載していますが、グラフィック性能を大きく向上させるほどのパワーはありません。
CPU内蔵グラフィックスオンリーの構成よりも、ややベンチマークの数値が高くなっている程度でしょうか。
とはいえ、ネットやストリーミング視聴、ビジネスソフトを利用した作業や、複雑でない写真・動画編集作業には十分だと思われる高い性能を持ち合わせています。
SSDの搭載で、サクサク快適に作業が行えるところが良いです。
消費電力・温度
Inspiron 15 3000(3576)の消費電力を測定。
画面の輝度を50%に設定にした上で、アイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定してみました。(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 6W
ベンチマーク実行時 ・・・ 56W
※実際の値は若干上下します
外部グラフィックスの影響か、ベンチマーク実行時には電力消費が若干大きくなるようですが、全体としては低消費電力です。
以下、アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
負荷の高い状態が続くと、CPU温度が高くなりやすいようです。
キーボードも、左から中央にかけてやや温度が高いです。
CPUの温度がちょっと高めですね。
ただ本製品のようなノートで、重いPCゲームを長時間動かすようなことは滅多にないでしょうから、あまり気にしなくてもよいと思います。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、Inspiron 15 3000(3576)のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から3%に減少するまでの時間は44841秒。
約12.4(12.45583333…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
15.6型と画面サイズの大きなノートPCですが、ライトな用途においてはバッテリはかなり長持ちするようです。
外部グラフィックスを搭載しているため、負荷をかけた状態では大幅にバッテリの持ちは短くなると思われますが、持ち運び用のノートPCではないことを考えれば十分すぎるくらいでしょう。
使い勝手の良いPCです。
Inspiron 15 3000(3576) まとめ
以上、Inspiron 15 3000(3576)のレビューでした。
最後にまとめます。
・15.6型フルHDの非光沢液晶を採用
・光学ドライブ、テンキーを標準搭載
・第8世代のCPUと外部グラフィックス搭載でほどほどに高性能
・SSD搭載で作業が快適に行える
・バッテリの持ちが良い
低価格帯のノートながら、堅実な内容を持ち合わせた製品です。
作業がしやすい大画面の非光沢液晶に、光学ドライブ標準搭載、テンキー搭載、一通りのインターフェースを備えるなど、メインPCとしての利用に困らない一通りの機能を持っています。
メモリやストレージのカスタマイズ性は低いですが、構成の割に価格はかなり抑えられており、内容が用途にあっているのならコストパフォーマンスは非常に高いはずです。
正直、特別目を惹くような箇所はない製品ではあるのですが、標準から外れていないため、多くの方にとって使いやすいノートPCだといえます。
基本機能と高い性能を備えながらも、コストをできるだけ抑えたいなんて方におすすめの製品です。