GTX 1080搭載! G-Tune NEXTGEAR i650PA7のレビュー GTX 980をはるかに凌ぐグラフィック性能を持つゲーミングデスクトップPC
マウスコンピューターが販売するG-TuneブランドのデスクトップPC、NEXTGEAR i650PA7のレビューです。
NEXTGEAR i650PA7は、Z170を採用するNEXTGEAR i650シリーズのゲーミングデスクトップPC。
先日発売されたばかりの最新グラフィックカード、GeForce GTX 1080(8GB)を採用する新しいモデルで、その他には Core i7-6700K、DDR4メモリを16GB、 240GB SSDを採用するなど基本構成からハイスペックな内容を持ち合わせたマシンです。
位置づけとしては、今回のモデルに採用されている GTX 1080はGTX 980の後継となるモデルですが、GTX 980Tiや TITAN Xをも超えるグラフィックパフォーマンスを持ち合わせていると言われています。
それでいて消費電力はGTX 980とあまり変わらないなど、これからハイエンドゲーミングデスクトップPCを購入しようというユーザーには非常に魅力あるグラフィックカードだと言えるでしょう。
今ゲーミングPCを買うならこのGTX 1080か、GTX 970の後継である GTX 1070を採用したモデルというユーザーは少なくないと思いますが、NEXTGEAR i650シリーズでは今回のGTX 1080搭載モデルの他、GTX 1070を採用したモデルも提供されており、いずれも性能の割に価格が抑えめである点などから、ハイエンドPCの中では特におすすめできるマシンだと言っても過言ではないでしょう。
今回は、GTX 1080を採用する NEXTGEAR i650PA7を使用してみましたので、そのモデルの特徴や実際の性能について詳しくご紹介したいと思います。
【NEXTGEAR i650PA7 レビュー記事目次】
・NEXTGEAR i650シリーズ オリジナルケースの外観とケース内部の構造をチェック
(オリジナルケースの外観・インターフェース / ケース内部の構造をチェック / 主な付属品)
・NEXTGEAR i650PA7の構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(NEXTGEAR i650PA7 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
NEXTGEAR i650シリーズ オリジナルケースの外観・インターフェースをチェック
まず、NEXTGEAR i650シリーズに採用されているG-Tuneオリジナルのケース外観をチェックします。
以前にも何度かご紹介した事がありますが、中世の騎士が身に着けている鎧の兜のようなデザインをフロントパネルに採用したケースです。
いかにもゲームというような派手なデザインではなく、どちらかというとシンプルな印象ではあるのですが、ゲーミングモデルらしい存在感を持ちあわせています。
フロントパネル全体の様子。
パネル上部にはG-Tuneのロゴ。
パネル中央付近から下部にかけては、中世の騎士が用いる鎧の兜のようなデザインが施されています。
この兜部分は吸気口の役目を担っている事に加え、マシンの電源オン時には内部の青いLEDランプが透けて見える演出が取りいれられるなど、ゲーミングモデルらしい仕様となっています。
なお、このフロントパネルは取り外せるようになっていますので、フロントが出っ張った形状だと設置しにくい・・とような場合には、取り外して利用するとよいでしょう。
フロントパネル左右にも吸気のための孔が設けられています。
フロントパネルを開いたところ。
見ての通り、上部に光学ドライブを搭載した5.25インチベイが、その下部には空の5.25インチベイ、3.5インチのオープンベイが並び、下半分には吸気のためのメッシュパネルが設けられています。
空のベイには、カスタマイズでリムーバブルケースを搭載する事が可能です。
ベイの下部にあるメッシュパネルは、容易に取り外す事ができる構造を採用しています。
矢印の部分を軽く押すだけで、パネルを開く事が可能です。
メッシュパネル内部には、吸気のための冷却ファンと、その下部にはストレージベイが配置されています。
取り外したメッシュパネルは、さらに分解する事が可能。
空気の出入りによって埃が溜まりやすい部分なだけに、メンテナンスがしやすいのは便利です。
ケース左側面の様子。
こちら側には何もありません。
ケース右側面の様子。
ちょうど内部にグラフィックカードが配置されるあたりに、メッシュ状の通気口を設けてあります。
天面には、フロントパネル寄りの位置に各種のインターフェースを配置。
フロントパネルのすぐ手前には電源ボタンを、窪んだ部分の内側にはメディアカードリーダー、USB3.0×2、USB2.0×2、マイク入力、ヘッドフォン出力が搭載されています。
この窪みは細かいもの(USBメモリやカード、充電中のスマートフォンなど)を置いておくのに便利です。
背面全体の様子です。
インターフェースの内容は、上からUSB3.0×2基、PS/2端子(キーボード&マウス)、USB3.0×2基、USB2.0×2基、LAN、オーディオ端子×6基が並び、中央の拡張スロット付近には GTX 1080に搭載されている、DisplayPort×3基や DVI-D等の映像出力端子が配置されているのが見えます。
電源コネクターやスイッチは下部にあります。
なお、背面のインターフェースは選択する構成によって変化するため、選択するモデルによっては掲載モデルのインターフェースの内容とは異なる場合があります。
ケース内部の構造をチェック
次に、ケース内部の構造をチェックします。
内部へアクセスするにはサイドパネルを固定しているネジを取外し、サイドパネルを開く必要があります。
サイドパネルを固定しているネジは背面に2か所。
ドライバーが必要です。
ケース内部全体の様子です。
右上には光学ドライブが搭載されたベイ、その真下には3.5インチベイが4基並び、その左側には電源ユニット、上にはグラフィクカードやCPU、メモリスロットが並ぶといったパーツの配置です。
普段見えない部分にも拘らず、ベイや電源などがブラックカラーで統一されるなど、拘りある仕上がりとなっています。
フロント側に配置されている拡張ベイの様子。
見ての通り、上部のベイと下部に配置されているベイの間には空間が設けられており、前方から吸気した空気を効率的に内部パーツへ送る事ができるようになっています。
またこの構造のおかげで、大型のグラフィックカードの搭載も余裕をもって行えるようになっています。
下部の3.5インチベイには、スクリューレスのハードディスクマウンタが付属しており、ディスクの装着や取外しが容易に行えるようになっています。
このマウンタは2.5インチサイズのディスクにも対応可能です。
グラフィックカードには、GTX 980の後継であるGTX 1080が搭載されています。
グラフィックカード下部の様子。
CPU回りの様子。
CPUの下部にはM.2スロットが、CPUの右側には4基のメモリスロットが配置されています。
主な付属品
今回の製品の主な付属品をご紹介いたします。
期間限定のキャンペーン等で付属しているクーポン等もあり、実際の付属品の内容とは異なる可能性があるため、参考情報としてご覧いただければと思います。
購入した製品の付属品については、同梱されている「付属品一覧」に詳しい記載があると思いますので、そちらでご確認ください。
ファーストステップガイド、付属品一覧表、サポートマニュアル、インテル(ICE)のシリアルコード、Windows 10のメディア(DSP)、DVI-HDMI変換コネクタ、フロントパネル用のドア金具等が付属していました。
キーボードやマウスに関しては、今回のモデルは付属しない構成であるためありません。
ゲームを長くプレイされているユーザーは、既に自分のゲーミングキーボードやマウスをお持ちだという方も少なくはなく、キーボードやマウスなしの構成はそういったユーザー向けの配慮です。
もちろん、カスタマイズで追加する事も可能です。
DVI-HDMI変換コネクタ。
選択するグラフィックカードによっては、付属しない事もあります。
フロントパネル用のドア金具。
フロントパネルのヒンジ部分の部品が破損してしまった場合用の、替えの金具です。
フロントパネルのヒンジ部分
普通に使っていて破損する事はないと思いますが、フロントパネルを付け外しする際に壊れるかもしれず、そういった場合に利用します。
追加で買えないものだけに、替え金具の付属は親切だと思います。
NEXTGEAR i650PA7の構成内容と特徴について
掲載しているNEXTGEAR i650PA7の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【NEXTGEAR i650(NEXTGEAR i650PA7) 主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-6700K(4GHz/TB時最大4.2GHz)
チップセット Z170 Express
グラフィックス NVIDIA Geforce GTX 1080(8GB)
メモリ 16GB(8GB×2/PC4-17000/4スロット/最大64GB)
ストレージ 240GB SSD(SATA3 /ADATA製)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
拡張ベイ 5.25インチ×2、3.5インチオープン×1、3.5インチシャドウ×4
拡張スロット PCI Express x16×2、PCI Express x1×4
電源 700W(80PLUS BRONZE)
サイズ 190×543×450(幅×奥行き×高さ/mm/フロントパネル装着時)
重量 約10.7kg
保証 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年06月27日時点のものです。
Windows 10 Home、Core i7-6700K、Geforce GTX 1080(8GB)、16GBのDDR4メモリ、240GB SSD、DVDスーパーマルチドライブを搭載するという内容のモデルです。
「NEXTGEAR i650PA7」として提供されている基本構成そのままの内容であり、この構成をベースにメモリやストレージ、ファン、電源他、様々なパーツの内容を細かくカスタマイズ出来るようになっています。
最大の特徴はやはり、Geforce GTX 1080(8GB)を搭載しているという点です。
GTX 980の後継でありながら、G-Tuneのサイトで公開されている3DMarkの結果によると GTX 980Tiのみならず GTX TITAN Xをも超えるグラフィックスコアが出ています。単純にその結果を、実際のゲームプレイ時の性能に当てはめて考えるわけにはいかないと思いますが、パフォーマンスには間違いなく期待できると考えて良いでしょう。
性能の割に消費電力が低い点も魅力ですし、
内容の割に、かなりリーズナブルな価格となっている点も見逃せません。
今ハイエンドなゲーミングデスクトップPCの購入を検討しているのなら、このGTX 1080と一つ下のGTX 1070を搭載するモデルは、間違いなく買いだと思います。
以下、搭載しているストレージの内容です。
SSDの仕様
ディスクの内訳
ストレージには、ADATA製のSP550と呼ばれる 240GB SSDが搭載されていました。SATA規格のSSDです。
デフォルトのストレージ構成でもまずまずの容量、かつ十分に高速ではありますが、数多くのゲームをプレイする場合などだと容量が心許なかったり、もう少しストレージの構成を拡張したい場合もあると思います。
本製品ではさらに容量の大きなSSDや、NVMe SSDの選択も可能です。
また、複数台のHDDの搭載もできるようになっていますので、カスタマイズで好みのストレージ構成を選択すると良いでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、NEXTGEAR i650PA7で実施したベンチマークテストの実行結果です。
【CrystalDiskMark】
【3DMark】
FireStrikeの実行結果
FireStrike Ultraの実行結果
他のマシンとのFireStrike Ultraのスコア比較 オレンジ色が今回のPC
参考として、過去に当サイトに掲載したモデルの3DMarkのデータを見てみると、GTX 980搭載モデル(LITTLEGEAR i310PA1-SP)だと Fire Strikeは12437、Fire Strike Ultraは2884、GTX TITAN X搭載モデル(NEXTGEAR i640PA5-SP2)だとFire Strikeは17313、Fire Strike Ultraは3860という結果でした。
Fire Strike | Fire Strike Ultra(4K) | |
---|---|---|
GTX 980搭載モデル | 12437 | 2884 |
GTX TITAN X搭載モデル | 17313 | 3860 |
GTX 1080搭載モデル | 21486 | 5014 |
※いずれもグラフィックスコア
グラフィックス以外の構成が異なる為、正確な比較ではありませんが、少なくともグラフィック性能に関しては今回のGTX 1080は従来のグラフィックカードと比較し、パフォーマンスが大幅に向上しているという事がわかります。4KのFire Strike Ultraでここまでのスコア差が出ているというのは、結構な性能差があるという事だと考えてよいでしょう。
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1980×1080、左が描画設定3 右が描画設定6
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
DirectX 11、最高品質、上から1280×720、1920×1080、3840×2160
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
最高品質、ウィンドウモードで実行 1920×1080 / 3840×2160
【CINEBENCH R15】
最近遊んでいる幾つかのゲームを、4K解像度でプレイしてみました。
【World of Warships】
【GTA V】
World of Warshipsのような軽めのゲームだと、4Kで最高画質設定でもまあ余裕という感じですが、GTAVなどといった画質高めのタイトルになると、4Kで最高設定はプレイできない事はないものの、フレームレートが落ちて酔いやすくなってしまうため、快適にプレイするには画質を落とす必要がありました。
私個人に限ったことですが、フレームレートが低いと酔ってしまいやすいため、高画質なゲームを4Kで快適にプレイ・・は現行シングルGPUの構成では難しいかもしれません。高負荷だという程のタイトルでないのなら、4Kでも普通にプレイできます。
なお、GTX 1080にはGDDR5X規格のグラフィックスメモリが8GB搭載されており、メモリ消費量の大きいゲームでは特に優位性が高いと言えます。(GTAVで4K、最高設定だとグラフィックスメモリ使用量は6GBを超えており、VRAMがそれ以下のGPUだとかなり厳しいものがあると思います。)
グラフィックスメモリの容量が小さいGPUの場合、メモリ不足に陥る事によって性能が著しく低下してしまいますが、8GBのグラフィックスメモリを搭載するGTX 1080では、高負荷な環境であってもまだ安定した性能を保つ事が出来るでしょう。
そのような高い性能と、この製品の価格を考えると本製品のコスパは非常に高いです。
今ゲーミングPCを買うとしたら、選んで損はない構成だと言えます。
消費電力・温度
NEXTGEAR i650PA7の消費電力を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク(3DMark)実行時の消費電力測定値です。
数値に液晶の消費電力は含まれていません。
アイドル時 ・・・ 32W
ベンチマーク実行時 ・・・ 284W(測定時に出た最高値)
大幅にグラフィック性能が向上しているのにも関わらず低消費電力だと謳われていましたが、本当のようです。
GTX980などと比較すると大きく変わらないか、GTX 1080の方がアイドル時はむしろ僅かに低い位であるなど、性能の高さを考えると消費電力は低めです。
消費電力が低いと電気代に影響するのはもちろんですが、容量の大きい電源を選ばなくても済むため、製品自体の価格が抑えられるなどのメリットがあります。
続いて、筐体内のパーツ温度を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(3DMarkを20分以上実行)のパーツ温度です。
高負荷な状態が続くと GPUの温度は80度を少し超えるまで上昇するなど、やや高温になるようですが、ゲーミングPCとしては標準的な範囲内の温度だと言えるでしょう。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、NEXTGEAR i650PA7の再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:36
2回目 0:40
3回目 0:40
4回目 0:40
5回目 0:41
6回目 0:40
7回目 0:39
8回目 0:42
9回目 0:40
10回目 0:39
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 39秒
掲載しているNEXTGEAR i650PA7の再起動にかかる時間は約39秒。
SSDを搭載しているため、非常に高速です。
本製品では、さらに容量の大きいSSDや高速なM.2 SSD(NVMe)、HDDの選択が可能です。
NEXTGEAR i650PA7 まとめ
NEXTGEAR i650PA7のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・GeForce GTX 1080(8GB)を搭載
・冷却性能高く、メンテナンスのしやすいオリジナルケースを採用
・カスタマイズ性に優れる
・パワーがあるのにもかかわらずリーズナブル
GeForce GTX 1080(8GB)を搭載する、ハイパフォーマンスなゲーミングデスクトップPCです。
GTX 1080やGTX 1070は発売前から期待されていたグラフィックカードなだけに、搭載した本製品も期待通りの内容となっており、重いPCゲームを最高画質設定でプレイしたい、VRを利用したいというようなユーザーには非常に魅力の大きいマシンです。
旧モデルである GTX 980をはるかに凌ぐグラフィック性能を持ちながらも消費電力は殆ど変らず、それでいてリーズナブルな価格である点も見逃せません。
当然、GTX 980搭載モデルよりは高い価格が設定されているものの、それ程価格差は大きくはない事、また従来製品の価格を考えると安いとさえ思えてしまうほどです。
今ゲーミングPCを買いたいと思っているユーザーにとって、今回のGTX 1080を搭載する本シリーズは間違いなくお勧めできるマシンだと言えるでしょう。
GTX 1070でさえ、GTX 980を超えるグラフィック性能を持ちあわせており、コストパフォーマンスを追求するようなユーザーにも納得できる製品群だと言えます。