ThinkPad E560の構成特徴とベンチマークテストの結果
前記事(ThinkPad E560 レビュー コスパ抜群!3Dカメラの選択も可能な15.6型ビジネスノート)に続き、今回は掲載しているThinkPad E560の構成や性能について。
掲載のモデルは主に、Windows 10、15.6型フルHD液晶、Core i5-6200U、メモリ8GB、500GB SSHD、DVDスーパーマルチドライブを搭載するという構成のモデル。
日常用途のノートとしては性能高く、程々に快適な内容のモデルだと思います。
他、E560ではCeleronやCore i3、i7を搭載するモデルなどもラインアップされており、外部グラフィックスやSSDの搭載も可能と、ライトユーザーをはじめパフォーマンスが必要な方にも対応できる幅広い構成を提供しています。
いずれにせよ、上位のThinkPadシリーズに比べると価格が全体的に安く、コストパフォーマンスには非常に優れたモデルだと言えるでしょう。
今回は、上記構成のThinkPad E560を用いて性能の検証等を行ってみましたので、その結果を掲載したいと思います。
【ThinkPad E560 レビュー記事目次】
・ThinkPad E560 筐体外観・内部構造・操作性をチェック
(筐体外観・インターフェース / 3Dカメラを選択可能 / キーボードの操作性 / 筺体底面の内部構造 / 液晶 / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・その他
(E560の標準保証について / PCリサイクルマーク)
・製品のまとめ
(ThinkPad E560 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
ThinkPad E560 構成内容とその特徴について
掲載しているThinkPad E560の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【ThinkPad E560 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1920×1080)、IPS、非光沢
プロセッサ Core i5-6200U (2.3GHz/TB時最大2.8GHz)
グラフィックス インテル HDグラフィックス 520
メモリ 8GB(4GB×2/PC3L-12800 DDR3L/2スロット)
ストレージ 500GB SSHD(Seagate製/8GB NAND型キャッシュ)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
3Dカメラ あり
無線機能 インテル Dual Band Wireless-AC 3165 (1×1)+ Bluetooth 4.0
指紋センサー なし
バッテリ 6セル リチウムイオンバッテリー(48Wh/バッテリ駆動時間の実測値は後に掲載)
電源アダプター 45W
サイズ 377×256×23.8-27.1(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.45kg(最小構成時)
保証 1年間 片道引き取り修理
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年06月01日時点の情報に基づくものです。
Windows 10 Home、15.6型フルHD液晶、Core i5-6200U、メモリ8GB、500GB SSHD、DVDスーパーマルチドライブという構成のモデルです。
冒頭でも述べた通り、E560ではCPUにCeleronやCore i3、i5、i7を選択する事が可能となっており、液晶はHDもしくはフルHD、メモリは最大16GB(DDR3L)まで、グラフィックスにはAMD Radeon R7 M370を追加でき、ストレージにはHDDやSSHD、そしてSSD(SATA)を選択する事が出来るようになっています。
光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブが標準で搭載されていますが、カスタマイズはできません。
あと指紋センサーや3Dカメラの追加も可能ですが、3Dカメラに関しては選択するモデルにより追加できる構成とできない構成があるようですので、注意が必要です。
本製品は低価格帯のモデルではありますが、幅広い選択肢の中から構成を選ぶことができるようになっており、多くのユーザーの用途に対応できます。
自宅用のビジネスPCとしてはもちろんですが、価格の割に様々な部分が使いやすくできているため、ビジネスに利用するのではない個人の方にもおすすめです。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
搭載されているストレージの内容
ディスクの内訳
Seagate製の「ST500LM000-SSHD-8GB」という500GB SSHDが搭載されていました。
500GBのHDDに、8GBのNAND型フラッシュメモリを内蔵したストレージです。
フラッシュメモリにデータをキャッシュ出来る分、通常のHDDよりも若干高速だという性質を持つストレージで、確かに体感でも、HDD構成のノートPCよりは多少サクサクと作業ができるという印象です。
ただSSDの環境に慣れてしまっているため、どうしても待たされる事にストレスを感じてしまうというのは否定できません。
普段からHDDのPCをお使いであれば、HDDやSSHDの構成でも全く問題ないと思いますが、快適に作業をしたいのならSSDの選択がお勧めです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載のThinkPad E560で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
【ドラゴンズドグマ オンライン】
標準品質、1280×720 / 1920×1080
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
標準品質(ノートPC)、DirectX 9 1280×720/1920×1080
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
低品質、ウィンドウモード 1280×720/1920×1080
【CINEBENCH R15】
CPU内蔵のグラフィックスを利用する構成ではありますが、軽いゲームを低画質でプレイできる程度のグラフィック性能は持ち合わせているようです。
一般的なビジネス作業はもちろんですが、多少の負荷がかかる作業であってもまずまず快適に行う事ができるでしょう。パフォーマンスは必要な場合は、さらに性能の高いCore i7の選択肢や、Radeon R7 M370 (2GB)の追加も可能です。
消費電力・温度
ThinkPad E560の消費電力を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク(3DMark)実行時の消費電力測定値です。
液晶の輝度は50%に設定。
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 27W
アイドル時はもちろんですが、高い負荷がかかるような場面であっても低消費電力です。
続いて、ThinkPad E560のパーツ温度を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(3DMarkを10分以上実行)のパーツ温度です。
高負荷な状態が続いても CPU温度は最高で60度半ばと、高温という程にはならないようです。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。
やや左側のパームレストが温かくなりはするものの、キーボード表面の温度は低~普通です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、ThinkPad E560の再起動にかかる時間を測定。
以下は9回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 1:43
2回目 1:26
3回目 1:34
4回目 1:28
5回目 1:36
6回目 1:21
7回目 1:18
8回目 1:26
9回目 1:20
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分28秒
ThinkPad E560の再起動にかかる時間は約1分28秒。
搭載するストレージの種類にもよりますが、多くのHDDを搭載するPCと同程度の再起動時間です。
高速な方が良い方は、SSDをご選択下さい。
バッテリ駆動時間
ThinkPad E560のバッテリ駆動時間を測定してみました。
駆動時間測定にはbbenchを使用、ソフトの設定内容はキーストロークが10秒毎に実行、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
液晶の輝度は50%に設定しています。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は31423秒。
約8.7(8.72861111…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
今回のモデルは全体的に低消費電力な構成であるためか、15.6型サイズのノートであってもバッテリの持ちはそこそこ良いようです。
このサイズのノートでは、電源に接続しっぱなしで利用するという方も少なくないと思いますが。これだけバッテリの持ちがよければ、電源が確保できない場所でも不便なく利用できるでしょう。
ただし選択する構成やPCの使い方によっては、バッテリの持ちが大幅に短くなる可能性があります。
E560に付属する標準保証について
多くのPCメーカーでは製品を購入すると、最低でも1年の標準保証が付属するパターンが多いと思います。
ThinkPad E560にも1年の標準保証が付属していますが、見る限りでは、XやTシリーズ等の他のThinkPadに付属している保証とはやや異なっているようです。
1年「片道」引き取り修理とある
ThinkPadの他のシリーズでは、1年間の引き取り修理が標準付属となっている場合が多く、例えば修理を依頼した場合、機器の引き取りから修理、お届けといった一連のサービスを受ける事ができます。
ThinkPad E560にも同じく1年の引き取り修理が付属しているのですが、「片道」と記載されている通り、多分ですが片側の送料を負担しなくてはならないのかもしれないと思います。(調べましたがどこにも説明がありませんでした)
この辺りは価格が安い分、仕方がないのかなと思います。
ただ、E560でも保証内容をアップグレードする事は可能であるため、保証の期間や内容を変更したいという場合は、製品購入時のカスタマイズにてアップグレードを行うと良いでしょう。
PCリサイクルマーク
個人向けに提供されているPCとは異なり、通常、ビジネスモデルにはPCリサイクルマークがつかないため、PCを廃棄する場合などにリサイクル料を負担する必要が出てきます。
ですがThinkPad E560では、PCを購入した個人ユーザーに無償でPCリサイクルマークシールを提供しているため(申し込みが必要)、製品廃棄時にリサイクル料金を負担する必要がありません。
今は、無償でPCの回収を行ってくれる業者もあり、そういった業者のサービスを利用される方も多いのかもしれませんが、廃棄時にはメーカーに回収してもらいたいという方は、PCリサイクルマークシールを申し込んでおくと良いでしょう。
ThinkPad E560 まとめ
ThinkPad E560のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・15.6型HDの非光沢、フルHDのIPS非光沢パネルを選択できる
・Celeronや第6世代のCoreプロセッサ(最大Core i7)、最大16GBのDDR3Lメモリ、HDDやSSHD、SSDを選べる
・Radeon R7 M370 (2GB)の追加が可能
・インテル RealSense 3Dカメラの追加が可能
・操作性に優れたThinkPadキーボードや ThinkPadクリックパッドを搭載
・DVDスーパーマルチドライブを搭載
・ビジネス向けノートながら低価格
15.6型HD液晶、もしくはフルHDの非光沢液晶を搭載するビジネスノートPCです。
第6世代のCoreプロセッサや最大16GBのメモリ、各種のストレージに加え、Radeon R7 M370 (2GB)の追加が可能となるなど、多くのユーザーに向く幅広い構成を提供しています。
加えてDVDスーパーマルチドライブを標準搭載しているため、光学ドライブが必要だという方には便利なモデルです。
オプションでは 3Dカメラや指紋センサーの追加も可能となるなど、認証機能を利用する場合の選択肢が多いところも良いと思います。
14型のE460では、上記の光学ドライブの搭載や3Dカメラの選択肢はないため、そういったデバイスを搭載したい方には E560の方が向いていると言えるでしょう。
他のThinkPadに比べて低価格なシリーズながら、ThinkPadならではのトラックポイント付キーボードや、5ボタン搭載のThinkPadクリックパッドを採用するなど操作性が優れているという点、またメンテナンスがしやすい筐体構造なども魅力が大きいです。
ビジネス向けのノートPCではありますが、この操作のしやすさや選べる構成の幅広さ、リーズナブルな価格設定は個人ユーザーの方にもおすすめ。
使いやすくてコスパに優れた15.6型ノートを探しているのなら、ThinkPad E560を購入の候補に加えても損はないと思います。