Dell OptiPlex 7040 マイクロレビュー 手のひらにも乗る超小型サイズのビジネスデスクトップPC
デルが販売するデスクトップPC、OptiPlex 7040 マイクロPCのレビューです。
OptiPlex 7040 シリーズはビジネス向けのデスクトップPC。
そのラインアップの一つである OptiPlex 7040 マイクロは、手のひらにも乗る小型サイズのマイクロフォームファクタを採用した製品で、そのようなコンパクトな筐体でありながらも、充実した構成の提供と優れたメンテナンス性を実現しています。
とても小さく、それでいて高性能を実現できるような構成を提供していますので、できるだけ省スペースなPCを探しているけれど、性能にも妥協できないというユーザーにおすすめです。
今回は、そんなOptiPlex 7040 マイクロの外観や使用感、性能面について詳しくご紹介したいと思います。
【OptiPlex 7040シリーズ(マイクロフォームファクタ)レビュー記事目次】
・OptiPlex 7040シリーズ マイクロフォームファクタの外観・内部構造
(マイクロフォームファクタの外観・インターフェース / 筐体内部の構造)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品レビューのまとめ
(OptiPlex 7040シリーズマイクロ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
OptiPlex 7040 マイクロフォームファクタの外観・インターフェース
まず、OptiPlex 7040 マイクロに採用されている筐体の外観をチェックします。
筐体は縦置きの状態で 幅36mm、奥行き178mm、高さ182mmと数字だけでもその小ささを想像できるくらい、コンパクトなサイズです。
狭い机の上でも余裕で設置できますし、棚などに横置きする事も可能。
小型のデスクトップPCは珍しくはありませんが、本製品は比較的高性能であることと、メンテナンスがしやすいという点などで、多くの省スペース製品の中でも優位性は高いと言えるでしょう。
縦置き時の筐体正面側の様子。
上に電源ボタン、その下にマイクやヘッドフォンのコンボポートやライン出力、USB3.0×2基、デルのロゴが並びます。
USB3.0は片側のみ、電源オフ時の給電機能を持ちます。
なお、本製品は標準ではスタンドが付属していませんので、縦置きにする場合にはオプションの「縦置きスタンド」を購入した方が良いと思われます。
無駄がないとも言えますが、スタンド位は標準付属にして欲しいです。
横向きに設置する事もできます。
オプションのVESAマウントを用意すれば、液晶の背面に設置する事も可能です。
左側面(縦置き時)には何もなし。
右側面(縦置き時)には四隅にゴム足が設置されているのが見えます。
横向きに設置する場合、こちら側が底面となります。
背面の様子。
LAN、USB3.0×4基、セキュリティスロット、DisplayPort、HDMI出力端子が並びます。
横置きにすると上写真のような感じになります。
天面(縦置き時)の様子。
サービスコードなどが書かれたラベルが貼られている以外には、特に何もありません。
筐体内部の構造をチェック
次に、筐体内部の構造をチェックします。
ビジネス向けの製品だけあってメンテナンスのしやすい設計となっており、ツールレスで内部へアクセスする事ができます。
内部へアクセスするには、まず背面のネジを外します。
ネジは指で緩める事ができますが、固く締めた場合、ドライバーが必要になるかもしれません。
ネジを取り外したら、パネルを筺体正面側に軽くスライドさせ開きます。
内部の様子です。
写真上の方に2.5インチのHDDマウンタが、下の方にはファンが見えます。
これらは、全てツールレスで取り外す事が可能です。
HDDマウンタやファンを取り外すとこの通り。
HDDマウンタの下部にはM.2スロットや無線LAN、HDD用のコネクターなどが設置されており、ファンの下部にはヒートシンクが設置されたCPU、メモリスロットが設置されていました。
この構造なら、簡単にパーツの追加や換装が行えそうです。(パーツの追加や換装は保証対象外となる可能性があるので注意)
OptiPlex 7040 マイクロの本体と、付属の電源アダプター&ケーブルです。
マイクロフォームファクタのサイズではさすがに電源を筐体内へ収めるには小さすぎるため、電源アダプターを使用します
電源アダプターの仕様は19.5V、3.34Aで65W。
無線LAN用のアンテナが付属していました。
利用する場合は、背面にあるアンテナコネクターに取り付けます。
OptiPlex 7040 マイクロ 構成内容とその特徴について
掲載している OptiPlex 7040 マイクロの構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【OptiPlex 7040 Micro プレミアムモデルの主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i5-6500T (2.5GHz/TB時最大3.1GHz)
グラフィックス インテル HDグラフィックス530
メモリ 8GB(8GB×1/DDR4 2133MHz/2スロット)
ストレージ 128GB M.2 SSD(LITEON製/SATA)
拡張スロット M.2×1(22×30mm)、M.2×1(22×80mm)
拡張ベイ 2.5インチ×1
電源 65W
サイズ 36×178×182(縦置き時/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.41kg(構成による)
キーボード・マウス デル エントリーキーボード KB216、デル光学マウス MS116
保証 3年間 翌営業日対応オンサイト保守サービス (6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年03月09日時点の情報に基づくものです。
Windows 8.1、Core i5-6500T、メモリ8GB、128GB M.2 SSDを搭載するプレミアムモデルの構成です。
低消費電力版のCore i5-6500Tを搭載し、メモリはDDR4規格の8GBメモリを1枚、さらにM.2タイプのSSDを搭載するなど、パフォーマンス的には一般的なサイズのデスクトップPCと変わらないと思われる内容となっています。
2016年3月9日時点でのデルの直販サイトでは、他に Core i7-6700Tを搭載するモデルも選択可能。下位モデルには、4GBメモリや500GB HDDを搭載する構成も提供されています。
Core i5-6500T位のCPUを搭載したモデルなら一般的な事務作業はもちろん、やや負荷のかかる作業も難なく行えますし、本モデルはSSD搭載で高速。
容量が必要であるのならHDDなどを自分で追加する事もできるなど、小型筺体を採用したマシンであっても満足のいく使い勝手を実現できるモデルだと言えるでしょう。
サポートやソフトウェアのカスタマイズが充実しているという点や、3年間の保守サービスが標準付属しているという点も、ビジネス向けである本製品ならではの魅力です。
搭載されているストレージの内容を確認します。
SSDの仕様
ディスクの内訳
SSDにはLITEON製の L8H-128V2G-11という128GB M.2 SSDが搭載されていました。
ベンチマークの結果では書込みの数値がやや低めではあるものの、高速なSSDです。普段の利用で不満を感じるような事はまずないでしょう。
本製品ではHDDの構成も選択できますが、選ぶならSSDが断然おすすめです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているOptiPlex 7040 マイクロで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
各テストの結果
Fire Strikeの詳細
【BIOHAZARD 6】
1280×720 / 1980×1080
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
標準品質(デスクトップPC)、DirectX 9 1280×720 / 1980×1080
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720、1980×1080 / 低品質、Windowsモードで実行
【CINEBENCH】
かなり負荷軽めのゲーム位なら、まずまず快適にプレイできる性能は持っているようです。
本製品でゲームをする事はないと思いますが、一般的なビジネス作業なら難なくこなせるパフォーマンスであり、不満の無い環境で作業が行えるでしょう。
パーツの追加や換装は保証対象外となる可能性があるので注意が必要ですが、容量が必要ならば2.5インチのHDDなどを追加すると良いでしょう。
消費電力・温度
OptiPlex 7040 マイクロの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定結果です。
数値に液晶の電力は含まれていません。
アイドル時 ・・・ 10W
ベンチマーク実行時 ・・・ 53W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
低消費電力なCPUを搭載しているため、デスクトップPCながら消費電力は低いです。
次に、OptiPlex 7040 マイクロの筐体内パーツの温度について。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の温度測定値です。
高負荷な状態が続いても全体的に低温です。
非常に小さな筐体を採用したモデルであるため、もう少し温度が上がるのではと思いましたが、冷却性能は高いようです。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを使用し、OptiPlex 7040 マイクロの再起動時間を測定。
以下は、10回の再起動時間とその平均値です。
1回目 0:35
2回目 0:30
3回目 0:31
4回目 0:30
5回目 0:30
6回目 0:30
7回目 0:31
8回目 0:30
9回目 0:29
10回目 0:30
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 30秒
OptiPlex 7040 マイクロの再起動にかかる時間は、およそ30秒という結果です。
SSD搭載のデスクトップPCの中でも、非常に高速な再起動時間だと思います。(OSが Windows 8.1だという理由もあるかもしれません)
使用感を重視するのなら、SSDの選択がお勧めです。
OptiPlex 7040シリーズ マイクロ まとめ
OptiPlex 7040 マイクロ のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・超小型のマイクロフォームファクタを採用しており、省スペース性が高い
・第6世代のCore i5-6500TやCore i7-6700Tを選択できる(2016年3月9日時点)
・M.2スロットは2基、HDDベイも1基、メモリスロットなども2基備えるなど、サイズの割に拡張性がある
・メンテナンス性に優れた筐体構造
・ビジネス製品ならではの保守サービスやソフトウェアのオプションが充実している
手のひらにも乗るくらいの超小型筐体を採用した、ビジネス向けのデスクトップPCです。
非常に小型ながら、Core i5-6500TやCore i7-6700Tのラインアップを提供するなど高性能であることに加え、M.2スロットやHDDベイ、メモリスロットなど構成の拡張性にも優れるなど、一般的なサイズのデスクトップPCを変わらない使用感・性能を実現するモデルです。
グラフィックカードを搭載するような構成が必要ないというのなら、本製品の内容でも十分すぎる位だと言えるでしょう。メンテナンス性にも優れており、将来的なパーツの追加や換装等も容易に行えます。
設置も容易であり、スペースに余裕がないという環境にも便利です。
ビジネス向けの製品であるため、3年の保守サービスが標準となっている点や、サポートやソフトウェアの選択肢が充実しているため、必要に応じてそれらを追加出来る点なども本製品の魅力。
企業向けの製品ではありますが、個人の方の利用にも非常に便利なデスクトップPCだと言えます。