Dell Inspiron 11 3000(3162)シリーズレビュー 3万円台からのキレイな11.6型モバイルノート
デルが販売するノートPC、Inspiron 11 3000(3162)シリーズのレビューです。
Inspiron 11 3000(3162)シリーズは、11.6型サイズのモバイルノート。
Celeron N3050や Pentium N3700といったCPUを搭載しており、Celeron搭載モデルには32GB eMMCを、Pentium搭載のモデルには128GB SSDを搭載。エントリーノートながら幅広い用途に利用する事ができます。
下位モデルは3万円台からと非常にリーズナブルであり、2台目のノートとしてもおすすめです。
ポップで鮮やかなカラーリング、かつ丸味のある筐体のフォルムはPCと言うよりお洒落な雑貨のようで、個性的なデザインを好まれる方にも向いていると言えるでしょう。
今回は、Celeron N3050を搭載する「タンゴレッド」カラーのモデルを使用してみましたので、その外観や使い勝手、性能などを詳しくご紹介いたします。
【Inspiron 11 3000(3162)シリーズ レビュー記事目次】
・Inspiron 11 3000(3162)シリーズ 筺体外観・操作性をチェック
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 重量 / 液晶 / OneDrive 100GB)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(Inspiron 11 3000(3162)シリーズ まとめ)
・関連製品
– 128GB SSD搭載「Inspiron 11 3000(3162)エントリー・プラスモデル」のレビュー記事
– Inspiron 11 3000(3168) 2-in-1のレビュー記事 2in1バージョンです
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspiron 11 3000(3162)シリーズ 筐体外観・インターフェース
まず、Inspiron 11 3000(3162)の筺体外観やインターフェースの内容をチェックします。
筐体サイズは幅292mm、奥行き196mm、厚みは18.45~19.88mmと薄くコンパクトであり、重さは仕様では最小で1.18kg。
実際に持ってみた感じとしては、数字よりももう少し軽く感じられるでしょうか。モバイルノートとしては程よいサイズのマシンです。
タンゴレッドカラーのモデルです。
他に、アルペンホワイトというカラーを採用するモデルも提供されており、そちらの方が人気は高いようです。
持つなら無難なホワイトと考える方が多いのだと思いますが(特に男性は)、タンゴレッドも非常に鮮やかで艶感が美しく、好きな人にはささるカラーです。
例えると可愛い雑貨のような、女性が持つ化粧品のコンパクトケースのような綺麗な外観で、ファッション感覚で持ちたいと感じさせるようなカラーリングだと思います。
筺体底面の様子です。
天板と同じレッドカラーですが、こちらはいかにもプラスチックと言う感じの質感です。
中心にInspironのロゴが配置されています。
バッテリは完全に内蔵されており、取り外しはできません。
背面から見た筐体全体の様子。
天板は艶があって美しいですが、指紋痕などは付きやすいです。
ディスプレイには11.6型HDの非光沢液晶を採用しています。
液晶の質は良いとは言えませんが、非光沢パネルで明るい場所でも見やすいです。
液晶上のベゼルには、HD(720p)対応のWebカメラとマイクを内蔵。
液晶下部にはDELLのロゴをプリント。
ディスプレイの最大開閉角度は約135度。
可動域はやや広く、画面の角度調整がしやすいです。
筐体側面のインターフェースを確認します。
左側面には電源コネクター。HDMI、USB3.0、microSDカードスロットを搭載。
右側面には、ヘッドフォンやマイクのコンボポート、USB2.0、セキュリティ・スロットが並びます。
前面・背面には何もありません。
端子の内容は最低限と言う感じではありますが、必要なものが一通りそろっています。
LANポートはありません。
PC本体と付属の電源アダプターやケーブル。
電源アダプターの仕様は19.5V、2.31Aで45W。
キーボード周りの操作性
Inspiron 11 3000(3162)のキーボードや、その周辺の操作性をチェックします。
アイソレーションタイプのフルサイズキーボードを搭載しています。ストロークは浅目。
製品ページに防水キーボードと言う記載がありますが、どのようなものなのかは不明です
配列などに変わったところはなく、使用感は特別良いというわけではないですが、ちょっとした入力を行うには悪くないキーボードです。
BackSpaceやEnterの幅が極端に狭い所が目に付きますが、本製品は右側にテンキーを搭載しないため、それ程使い勝手は悪くありません。
BackSpaceやEnterキー等の幅がやや狭い一方で、右下にある独立した矢印キーの配置は便利です。
キートップはフラットな形状。
キーボードの上部左右にスピーカーを内蔵しています。
タッチパッドはボタン一体型。
パッドの面積はやや狭いですが、クリックボタンは適度な硬さで押しやすいです。
重量
Inspiron 11 3000(3162)の重量を測定してみました。
PC本体の重さは1111g。
公称の値よりも少し軽いようです。
実際に持った感じでは、もう少し軽く感じます。
筐体がコンパクトであるため、片手でも持ちやすいです。
電源アダプターやケーブルの重量は268g。
こちらも軽いです。
とはいえ、本製品はバッテリの持ちがとても良い為、普段電源アダプターなどを持ち歩く必要はないと思われます。
液晶の見やすさ
Inspiron 11 3000(3162)の液晶を簡単にチェックします。
実際の製品に全く同じパネルが搭載されるとは限らないため、参考程度にご覧ください。
11.6型ワイドHD(1366×768)の非光沢パネルを採用しています。
画面のスケーリング設定は、初期状態では100%に設定されていました。
アイコンや文字のサイズは程々に大きく、細かい表示が苦手な方でも見やすい液晶だと思います。
また非光沢パネルであるため、光の反射や映り込みが気になり難いです。
視野角は狭いです。
斜めから見ると画面全体が白っぽく、色の変移も大きいです。
ですが真正面から見る分には問題はなく、問題なく作業が行えます。
OneDrive 100GB
本製品に必ず付属するものであるかどうかはわからないのですが、OneDrive 100GBを2年無料利用できる特典の用紙が同梱されていました。
他社の製品でも同じようなPCがありましたので、多分本製品の特典なのでは思いますが、製品ページには一切そのような事は書かれておらず、実際のところがどうなのかは不明です。
本モデルはストレージの容量が32GBと非常に小さいため、クラウドストレージが利用できると非常に便利です。
もっとも、Inspiron 11 3000(3162)には128GB SSDを搭載するモデルも提供されているため、容量が必要な方はそちらを選択すると良いでしょう。
Inspiron 11 3000(3162)シリーズ 構成と特徴
掲載しているInspiron 11 3000(3162)の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【Inspiron 11 3000(3162)シリーズ エントリー の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Celeron N3050(1.6GHz~2.16GHz)
グラフィックス インテル HDグラフィックス
メモリ 2GB(DDR3L-1600MHz)
ディスプレイ 11.6型ワイドHD(1366×768)、非光沢
ストレージ 32GB eMMC
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.0
バッテリ 2セル(32WHr)/ 駆動時間:最長約10.25時間(駆動時間の実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 45W
サイズ 292×196×18.45~19.88(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.18kg(最小)
カラー タンゴレッド
保証 1年間引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年03月14日時点のものです。
Windows 10、Celeron N3050、メモリ2GB、32GB eMMC、ac対応の無線LANを搭載する構成内容のモデルです。
こちらは下位のエントリーモデルで、上位モデルとしてPentium N3700やメモリ4GB、128GB SSDを搭載するエントリー・プラスモデルもラインアップされています。
エントリーモデルは3万円台からと非常に安く、ちょっとしたサブノートが欲しいというような方に魅力は大きいと思いますが、128GB SSDを搭載するモデルも比較的リーズナブルではあるため、個人的にはエントリー・プラスモデルの方が使い勝手が良いという点でお勧めです。
エントリーモデルは、ネットや動画閲覧など本当に簡単な操作しか行わないというような場合には、安くて良いと思います。
搭載されているストレージの内容を確認します。
eMMCの詳細
ディスクの内訳
今回、ストレージには「SanDisk DF4032」という32GB eMMCが搭載されていました。
Cドライブの容量は約28GB、利用した機器ではユーザーが利用可能な領域は約15GB程と、あまり余裕はありません。
速度はHDDなどに比べるとやや速いですが、書き込みは遅め。
といっても、簡単な用途であれば比較的サクサクと作業が行えるなど、使用感は悪くはないです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているInspiron 11 3000(3162)で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
【3DMark】
実行したテストの結果
FireStrikeの詳細
【BIOHAZARD 6】
1280×720
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
DirectX 9/1280×720/標準品質(ノートPC)
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
640×480、1280×720 / 低品質/ ウィンドウモードで実行
【CINEBENCH】
ベンチマークテストのスコアは総じて低めですが、ネットや動画閲覧など本製品で行うと考えられる用途では、十分な性能だと思われます。
ゲームもブラウザゲームなど非常に軽いものなら、中には遊べるものもあるでしょう。
マインクラフトは、画質を落としてもやや動作にカクつきがありました。遊べない事はないですが、快適にとは言い難いです。
消費電力・温度
Inspiron 11 3000(3162)の消費電力を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
画面の輝度は50%程度に設定しています。
アイドル時 ・・・ 5~6W
ベンチマーク実行時 ・・・ 12W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
非常に低消費電力です。
バッテリもかなり長く持つと思われます。
高負荷時の、Inspiron 11 3000(3162)のキーボード表面の温度を測定してみました。
パームレスト周辺は低温ですが、キーボードの左上付近が少し熱くなります。
とはいえ、本製品で高負荷な作業を行う事はあまりないと思われますので、さほど問題ではないでしょう。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、Inspiron 11 3000(3162)の再起動にかかる時間を測定。
以下は9回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 1:13
2回目 1:16
3回目 1:09
4回目 1:08
5回目 1:08
6回目 1:12
7回目 1:10
8回目 1:09
9回目 1:11
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分10秒
Inspiron 11 3000(3162)の再起動にかかる時間は、およそ1分10秒。
HDDを搭載するPCと同等か、若干早い位の速度です。
本製品でもそこそこスピードはありますが、速度重視の方にはSSD搭載モデルの方がお勧めです。
バッテリ駆動時間
Inspiron 11 3000(3162)のバッテリ駆動時間を測定してみました。
利用したソフトウェアはbbench、ソフトウェアの設定はストロークの実行が10秒毎に、ワイヤレスLAN利用によるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容。
画面の輝度は50%前後に設定しています。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は37918秒。
約10.5(10.5327777…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
バッテリの持ちはかなり良く、電源が確保できない場所であっても長時間利用する事ができます。
頻繁に充電を行う必要がないという点も便利です。
Inspiron 11 3000(3162) まとめ
Inspiron 11 3000(3162)のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・11.6型サイズで約1.18kgの軽量モバイルノート
・Celeron N3050とPentium N3700の構成をラインアップ
・32GB eMMCだけではなく 128GB SSDを搭載する構成も提供している
・下位モデルは3万円台からと非常にリーズナブル
・バッテリの持ちが良い
11.6型液晶を搭載し、重さ約1.18kgという軽量なモバイルノートPCです。
Celeron N3050や32GB eMMCを搭載する下位構成と、Pentium N3700や128GB SSDを搭載する上位構成とをラインアップしており、用途にあった構成を選択する事ができます。
下位構成は3万円台からと、非常に安価です。
今回使用したモデルに関してはバッテリの持ちも非常によく、屋内での利用はもちろん、モバイルノートとしても使い勝手の良いノートPCだと言えるでしょう。
なお、Celeron搭載の構成は価格重視の方には魅力が大きいですが、やや負荷のかかるソフトウェアを利用する事もあるという方には性能的に心許なく、SSDを搭載する上位構成のニーズは結構高いのではないかと思われます。
Celeron搭載の構成に比べると価格は上がりますが、価格に加えて使用感も重視するという方にはSSD搭載のエントリー・プラスモデルがお勧めです。