ThinkPad X250 レビュー トラックポイントのボタンが復活した12.5型のモバイルノート
レノボが販売するノートPC、ThinkPad X250 のレビューです。
ThinkPad X250は、12.5型HDやフルHDの液晶を搭載可能なモバイルノート。
第5世代のCoreプロセッサを搭載し、2基のバッテリを搭載可能なビジネス向けのマシンです。
従来のモデルに比べ、プロセッサの省電力性能が向上した事によってバッテリの持ちが良くなったことに加え、5ボタントラックパッドとして一体化されていたトラックポイントの物理ボタンが今回のモデルより復活。
重量はそれ程変わってはいませんが、5ボタントラックパッドの操作性に不満を感じていたユーザーにとって、X250は従来モデルよりも魅力の大きい製品だと言えるでしょう。
今回は、そんなThinkPad X250の外観や使い勝手、構成や性能面などについて詳しく触れたいと思います。
【ThinkPad X250 レビュー記事目次】
・ThinkPad X240との主な違い
(旧モデルであるThinkPad X240とX250の主な違いは?)
・ThinkPad X250 外観や操作性について
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 底面と内部構造 / 重量 / 液晶の品質)
・構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビューのまとめ
(ThinkPad X250 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
ThinkPad X240とX250との違いは?
このThinkPad X250、旧モデルであるThinkPad X240との大きな違いは、第5世代のCoreプロセッサを採用した部分と、X240で採用されていた5ボタントラックパッドが廃止となった部分。(他、米沢工場生産になったり、最小重量も少しだけ軽くなっています)
大幅に変わったわけではないように思えますが、これまでトラックポイントを活用されていた方には、トラックポイント側のボタンが復活した事でより魅力の大きい製品となったのではないかと思います。
デザインは殆ど変わっていないように見える
トラックポイント側のボタンが復活
また、省電力な第5世代のCoreプロセッサを搭載した事で、バッテリの持ちが非常に良くなったという部分も見逃せません。
堅牢性を重視しているためモバイルノートとしては余り軽くはありませんが、頑丈で使いやすいモバイルノートとしては、個人的にも信頼の大きい製品です。
実は私はまだX230をメインに、Helixやその他のモデルをサブ機として利用しているのですが、毎日長時間(13~16時間程度)負担がかかるような使い方をしているのにもかかわらず、不調を起こすような気配が全くない事と、キーボード等がとても使いやすい為に買い換えようという気が中々起きません。
気になるのはバッテリの持ちが悪い事くらいでしょうか。
先に述べた事の繰り返しとなりますが、新しいX250はより省電力な第5世代のCoreプロセッサを採用している事に加え、バッテリを2基搭載可能となっているため、構成によってはバッテリ駆動時間はかなりのものになります。
大容量タイプのバッテリを搭載しているために底面が出っ張るが、個人的にはこの方が使いやすかったりする・・
多分、一日中外出先で作業を行っても電力が余るだろうと思われるバッテリの持ちで、バッテリが大容量である分重さは少し増してしまいますが、電源の無い場所でのPC利用が多いという方や、バッテリの持ちが良いノートPCをお探しの方にはおすすめの製品だと言えます。
私のように屋内利用がメインでも、バッテリの持ちが良いと何かと使いやすいです。(使用している Helixがバッテリ2基搭載で充電をあまり気にしなくてよいので、非常に便利だと感じています)
というわけで以下より、実機を見ていきたいと思います。
ThinkPad X250 外観・インターフェースの内容をチェック
まず、ThinkPad X250の外観をチェックします。
筺体のサイズや重量は選択する構成によって少しづつ異なるのですが、タッチパネルを搭載しないモデルだと、サイズは幅305.5mm、奥行き208.8mm、厚みが19.9~20.3mmという大きさになります。
今回はタッチなしのモデルなので上記のサイズですが、タッチ有りだと21.5mmとやや厚みが増すようです。といってもかなり薄い部類だと思います。
重さは約1.43~1.49kg。
いずれも2基のバッテリを搭載した場合の数字です。
なお、今回のモデルはもちろん2基のバッテリを搭載しているのですが、外付けのバッテリに容量の大きい6セル(72Wh)バッテリを用いており、マシンに装着した場合、バッテリを搭載している背面側の底面がやや出っ張った状態となります。
以下に掲載しているX250の写真は、筺体背面側から前方にかけて底面が傾斜する形となっていますが、3セルバッテリを搭載した場合、また見え方が異なってきますので、頭に留めた上でご覧いただければと思います。
デザインは従来から変わらず。
もし変わっていたとしても、見ただけでは殆どわからない位の変化だと思います。
シンプルなデザインですが質感がとても良く、指紋汚れなども目立たないので扱いやすいです。
背面・前面側から見た筐体 6セルバッテリを搭載しているためやや背面が持ち上がる形となっている
3セルバッテリを搭載した場合、筺体底面は設置面に平行な状態となります。
人によって好みのスタイルは異なると思いますが、私自身は今回のモデルのように、背面側がやや持ち上がる状態での利用の方がタイピングが行いやすいです。
実際に使用しているノートPCでも、底面に装着するタイプのドックを利用し、キーボード面に若干の傾斜が付くスタイルで利用しています。
12.5型サイズの非光沢液晶を搭載。
X250には複数の液晶パネルが提供されており、現在のラインアップは以下のようなっています。
・1,366×768ドットのTN
・1,366×768ドットのIPS
・1,366×768ドットのIPS マルチタッチ対応
・フルHD(1,920×1,080)のIPS
・フルHD(1,920×1,080)のIPS マルチタッチ対応
今回掲載のモデルに搭載されているのは、フルHDのIPSパネルでマルチタッチには非対応。非光沢で見やすく、高解像度で一度に沢山の情報を表示できるパネルです。
液晶の見やすさについては、また後の項で詳しく触れたいと思います。
液晶上には720p HD対応のWebカメラを内蔵 基本構成では搭載されない
液晶左下にはlenovoのロゴ 右下にはX250のロゴ
筺体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面には電源コネクター、VGA、USB3.0、MiniDisplayPortが並びます。
MiniDisplayPortの上に、スマートカードリーダーをカスタマイズで搭載可能です。
電源コネクターは角型。
右側面。
右側にはヘッドフォン出力とマイク入力のコンボ、SIMスロット、4 in 1メディアカードリーダー、LAN、セキュリティスロットが搭載されています。
SIMスロットが見えますが、日本向けの製品にはWWANの構成は提供されていません。
ただ内部にはSIMスロット用のケーブルが配線されていましたので、WWANカードを入手して装着すれば、SIMによるデータ通信が行える可能性はあります。(未検証であるため、SIMが利用できるかもという希望的観測です)
前面・背面には何もありません。
端子の内容はビジネス向けの12.5型ノートとしては十分な内容だと思います。
相変わらずHDMI端子がないため、外部のモニターに出力する場合にはそれ以外の端子を利用する必要があります。
ディスプレイの最大開閉角度は180度。
その時の用途や場面に応じて、ディスプレイを使いやすい角度に調整できます。
キーボードやタッチパッドの操作性
ThinkPad X250に搭載されているキーボードやタッチパッドの操作性をチェックします。
先でも述べた通り、今回の製品では X240でなくなってしまっていたトラックポイント側の物理ボタンが復活しており、トラックポイントを多用される方にはとても使いやすいスタイルとなっています。
キーボード全体の様子
キーボード左半分を拡大
キーボード右半分を拡大
アイソレーションタイプのキーボードです。
やや小型のPCなのでテンキーは搭載されませんが、サイズもキーストロークも十分に余裕があって打ちやすいです。
カーソルキーは一般のキーとはやや独立した配置に、また上段のファンクションキーは所々のキー間にスペースが設けられており、とても使いやすいキーボードだと思います。
ファンクションキーの機能に関しては、音量や輝度の調整などといった設定系の機能と、全角半角切替といったファンクションキー本来の機能を簡単に入れ替える事が可能。
具体的には、キーボード左上のFnLkキー(Escのサブ機能)を利用し、ワンタッチでファンクションキーの機能を切替える事が出来るようになっています。
キートップはお椀の底のように緩やかに反った形状
ファンクションキーの一部にWindows 8.1ならではの機能キー 設定や検索画面の呼び出しなどを行える
白色のLEDバックライトを搭載 バックライトは強弱の2段階に調整可能
キーボード右側に電源ボタンや指紋センサーを搭載 指紋センサーはカスタマイズによる選択
パームレスト右側にはThinkPadのロゴ
トラックポイント側の物理ボタンが復活したタッチパッド
見ての通り、X240の5ボタントラックパッドにはなかった、トラックポイント側の3つの物理ボタンが復活しています。
この3つのボタンは、キーボード中央に設置されているトラックポイントと併用する事で、クリックはもちろん画面のスクロールなど、マウスで行っていた様々な機能を利用する事ができます。キーボードから手を離さず操作が行えるという点が便利です。
もちろん、従来の5ボタントラックパッドでも同じ操作が可能となっているのですが、物理的なボタンとは使用感が異なるという所であまり評判は良くなく、今回のX250で復活する運びとなったようです。
私自身はマウスを利用しない時にトラックポイントを利用する事はあるものの、普段はマウス利用の為、5ボタントラックパッドでもあまり影響はないのですが、ThinkPadを利用している知人や周囲の方たちの反応は良くありませんでしたので、従来のタッチパッドが復活してよかったのかなと思います。
・・トラックポイント云々についての話が長くなりましたが、一般的なタッチパッドとしても使いやすく、トラックポイントを利用しない方であっても操作はしやすいと思います。
底面の様子とアクセスできる内部の構造
ThinkPad X250の筺体底面の様子と、底面からアクセスできる内部の構造をチェックします。
筐体底面 写真は上が筐体背面側で下が前方側
背面側にやや出っ張った形状のバッテリが、その手前側にドッキングコネクターが配置されているのが見えます。
HDDやメモリを簡単に交換できるような開閉可能なパネル等は設置されておらず、内部へアクセスするには底面カバー全体を取り外す必要があります。X240も同じような構造でした。
内部へのアクセスが難しいというわけではないのですが、小型のスロットカバーの開閉を行うのに比べると手間がかかってしまいますので、この辺りは昔のThinkPadの方が扱いやすいと思いますが、薄型化されている分仕方がないのかなとも思います。
細長い形状のゴム足
これは、低温環境での利用でゴム足が硬くなり、衝撃を吸収できなくなってしまうという欠点を補うためにX240で採用されたもの。
内部にエアーポケットを取り入れることで、低温な環境でも弾性が失われないという特長を持っています。
ドッキングコネクター 別売りのドックを取り付けるためのコネクター
本製品には複数の機能拡張デバイスが提供されており、例えば底面のドッキングコネクターに接続して利用するものや、USB3.0ポートを利用して接続するものなども存在します。
本製品には2基バッテリを搭載する事が可能ですが、基本構成では外付けのバッテリ(リアバッテリ)1基のみの構成で、内蔵バッテリ(フロント・バッテリ)の有無はカスタマイズで選択します。
2基のバッテリの搭載は本製品のメリットでもある事、また内蔵バッテリのオプションはそれ程高価ではないため、予算に余裕があるのであればカスタマイズで選択しておく事をお勧めします。
容量は、内蔵バッテリは3セルのみで、外付けのバッテリは3セル(23.2Whr)、6セル(47Wh)、6セル(72Wh)の容量選択が可能。
掲載製品には、72Whの大容量バッテリが搭載されています。
長時間電源のない場所で利用するという方におすすめのバッテリです。
底面からアクセスできる内部の構造をチェックします。
底面側内部の構造 写真は奥が筐体背面側、手前が前方側
メモリスロットは1基のみ 最大8GBは私の普段の使い方では少ないかもしれない・・
内蔵バッテリ(フロント・バッテリ) 24Whのバッテリが搭載されている
HDDベイ
空のM.2スロットと無線LANモジュール
M.2スロットは、キャッシュ用のSSDを搭載するためのスロットのよう。
市販のパーツを買ってきて増設する事も可能だと思います。
WWAN用のケーブルが配線されているのが見えますので、WWANカードを入手して増設すれば、もしかしたら市販のSIMを利用できるかもしれません。(確実ではありませんので、実行される場合は自己責任でお願いいたします)
付属していた電源アダプター
電源アダプターのコネクタの形状はメガネ型、プラグの形状は角型
電源アダプターの仕様は20V、2.25Aで45W
重量
ThinkPad X250の重量を測定してみました。
選択する構成によって重量は増減しますので、以下の内容は一例としてご覧ください。
まずは、本体の重量から。
タッチなしのパネル搭載で、バッテリは3セル+6セル(72Wh)、ストレージはSSDという内容のモデルです。
1597g。
約1.6kgの重量です。
さすがに大容量バッテリを搭載しているため、モバイルノートにしては重めです。
外付けのバッテリを容量の小さい3セルタイプにした場合だと、約 1.43kgとなるようです。
次に、上記モデルから外付けのバッテリを外した場合の重量について。
1273g。
バッテリは内蔵の3セルのみである為、かなり軽くなりました。
長時間利用しない事が予めわかっているのなら、内蔵バッテリのみで持ち歩いても良いかもしれません。
付属していた電源アダプターやケーブルの重量も測定してみました。
240g。
仮に、バッテリ2基を搭載した本体(今回掲載のモデル)と一緒に持ち歩いた場合、1837gとやや重いです。
とはいえ出張や旅行時ならばともかく、バッテリ2基を搭載した状態ではバッテリの持ちがかなり良くなるため、日常的に電源アダプターを持ち歩くような必要は多分ないと思います。
液晶の見やすさ・品質
ThinkPad X250に搭載されている液晶の見やすさや品質をチェックします。
今回はタッチ非対応のフルHD(1,920×1,080)IPS液晶です。
同じ液晶を選択したとしても異なるパネルが搭載される可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
12.5型フルHDのIPSパネルを搭載
12.5画面の表示サイズ(スケーリング)はデフォルトでは125%に設定されていた
12.5型サイズで1,920×1,080ドットのIPS非光沢パネルを搭載しています。
このサイズのパネルにしては高解像度であり、情報量が多く作業がしやすいです。
非光沢パネルであるため、光の反射や映り込みが目立たない所も良いです。
逆に細かい文字が見辛いという方は、1,366×768ドットのパネルを選択すると良いでしょう。2015年7月4日現在、X250では以下のパネルを選択可能です。
・1,366×768ドットのTN
・1,366×768ドットのIPS
・1,366×768ドットのIPS マルチタッチ対応
・フルHD(1,920×1,080)のIPS
・フルHD(1,920×1,080)のIPS マルチタッチ対応
企業向けの製品だけあって、液晶パネルの選択肢が多いです。
画面の視野角を確認します。
IPSパネルだけあって視野角は広いです。
斜めから見ても色変化は小さく、内容をはっきりと読み取ることができます。
HD解像度では、TNパネルの選択も可能です。
次に、色域を測定してみました。
以降、Spyder 4 Eliteによる測定結果を掲載。
sRGBのカバー率は70%、AdobeRGBのカバー率は52%。
どちらかというと色域は狭い方です。
見ている分には明るく鮮やかな表示に見えます。
ガンマカーブを確認してみました。
左:ガンマ応答カーブとターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正カーブ
ガンマ応答カーブは、初期状態でも比較的理想に近いカーブを描いています。
補正幅も小さいです。
画面の均一性について。
色ムラや輝度ムラの程度をチェックします。
色ムラは輝度を高く設定した場合にやや目立つといった程度で、見て分かるほどではないです。輝度ムラは僅かにあるといった程度。
色域はあまり広くはありませんが、デフォルトの状態でも色は自然で視野角も広く、見やすく作業のしやすい液晶パネルだと思います。
ビジネス用途に利用する液晶としては、十分な内容です。
ThinkPad X250 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているThinkPad X250の構成と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【ThinkPad X250 プレミアムパッケージの主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i7-5600U(2.60GHz/TB時最大3.20GHz)
グラフィックス HD グラフィックス 5500
メモリ 8GB(8GB×1/PC3-12800 DDR3L/1スロット)
ストレージ 512GB SSD(SATA/SAMSUNG製)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 12.5型ワイドフルHD(1920×1080)、IPS、非光沢
無線機能 インテル Dual Band Wireless-AC 7265、Bluetooth v4.0
指紋認証機能 あり
バッテリ フロント3セル(内蔵/23.2Whr)、リア6セル(外付/72Wh)
サイズ 305.5×208.5×19.9-20.3(幅×奥行き×高さ/mm/タッチ非対応のモデル)
重量 約1.43kg~(構成により変化)
電源アダプター 45W
保証 1年間 引き取り修理
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年07月07日時点のものです。
12.5型ワイドフルHD液晶、Windows 8.1、 Core i7-5600U、メモリ8GB、512GB SSDという構成内容のモデルです。
上記構成のモデルは、現在X250で「プレミアムパッケージ」として提供されている上位構成のマシンで、バッテリはリアバッテリ(外付け)とフロントバッテリ(内蔵)の2基を搭載。
うち、リアバッテリには6セルの大容量バッテリが搭載されるなど、バッテリ駆動時間を重視する内容の製品です。電源の無い場所でPCを利用する機会の多い方には、非常に便利な構成だと言えるでしょう。
本製品で提供されている主な構成について簡単に触れておくと、CPUは第5世代のCore i3からCore i7までを選択可能、メモリは最大8GBで、ストレージはHDDもしくはSSDを選択する事ができます。
ディスプレイには、12.5型HDのTN、IPSパネルとフルHDのIPSパネルを選択可能。
いずれの解像度にもマルチタッチ対応のパネルが提供されていますので、タッチ対応のディスプレイが良い方はそちらを選択してください。
ストレージにおいては、使用感を重視するのならSSDの選択がお勧めですが、価格や容量などの理由でHDDを選択する場合、同時にマイクロソリッドステートドライブと呼ばれる16GBのキャッシュ用SSDを選択する事が出来ますので、HDDの構成で少しでもパフォーマンスを重視する場合には選択しておくと良いでしょう。
その他、内蔵カメラや指紋センサーの有無は基本的にカスタマイズによる追加となります。
バッテリも下位構成のモデルではリアバッテリ(外付けバッテリ)が搭載されない内容となっていますので、バッテリ2基での運用をお考えの場合は忘れずにご選択ください。
リアバッテリは3セル(23.2Whr)、6セル(47Wh)、6セル(72Wh)の3種から選択する事が可能です。よりバッテリを長く持たせたいのなら、容量の大きい72Whの6セルバッテリを選択してください。
個人的な意見として、メモリを最大8GBまでしか搭載できないというのはやや少ないと感じてしまうのですが、一般的な使い方で困る事はないと思います。
比較的性能高く、また操作性も良くバッテリの持ちも良いなど、モバイルノートとしては非常に使いやすい製品です。
搭載されているストレージの内容を詳しく見てみます。
同じ構成を選択したとしても、以下と同じディスクが搭載されるとは限りませんので、参考としてご覧ください。
SSDの詳細
ディスクの内訳
SSDにはSAMSUNG製の「MZ7TE512HMHP-000L1」という512GB SSDが搭載されていました。
SATA接続のSSDですが非常に高速、かつ容量にもかなり余裕があり使用感はとても良いです。
ストレージは他にHDDの選択や、SSDであれば今回の512GBの他、128GB、256GBの容量を選択する事が可能です。
HDDを選択する場合、キャッシュ用SSDの選択も可能となりますので、HDDを選択する場合には同時に選択しておくと良いでしょう。追加料金は安価です。
ベンチマークテストの結果
以下、ThinkPad X250で実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.5
メモリ 7.5
グラフィックス 4.9
ゲーム用グラフィックス 5.4
プライマリ ハードディスク 8.1
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 550.6 / 418.0
512K 362.1 / 335.9
4K 530.8 / 417.4
4K QD32 35.90 / 108.9
数値は左がRead、右がWrite/上記はランダムの値
【3DMark】
実行したテストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 42375
Cloud Gate・・・ 4803
Sky Diver・・・ 2496
Fire Strike・・・ 620
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×720 ・・・ 2158~2174
1920×1080 ・・・ 1118~1123
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1280×720(描画設定3) ・・・ 1311
1920×1080(描画設定3) ・・・ 394
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:1389 / RANK:C
1920×1080 ・・・ SCORE:929 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV】
【新生エオルゼア キャラクター編】
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
【新生エオルゼア】
1280×720(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:2846 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:1457 / 評価:設定変更が必要
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
1280×720(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:2684 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:1442 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(最高品質) ・・・ スコア:4725 / 評価:普通
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:2284 / 評価:やや重い
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 24.68fps
CPU ・・・ 295cb
Minecraft 画質を上げても余裕でプレイできる
PCゲームの様な高い負荷のかかる作業には向きませんが、一般的なビジネス作業なら余裕で行える性能です。少々負荷がかかる程度の作業であっても、快適に行えるでしょう。
選択する構成によって使用感にかなり差が出てくると思いますが、ストレージにSSDが搭載されていれば、Core i3を搭載するような下位モデルであってもそこそこ快適に作業ができますので、使用感を重視する場合はSSDの選択がお勧めです。
消費電力・温度
ThinkPad X250の消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時と、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定値です。
液晶の輝度は50%前後に設定。
アイドル時 ・・・ 6W
ベンチマーク実行時 ・・・ 28W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
アイドル時、ベンチマーク実行時ともに低い消費電力です。
軽い使い方では、相当バッテリが持つと思われる数値だと思います。
次に、ThinkPad X250の筐体内パーツの温度を測定。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定値です。
高負荷な状態が続くと、CPUの温度がやや高めとなりやすいようです。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定。
キーボード左上付近が高温です。
キーボード入力を行うと指先が熱く感じられます。
パームレストが全体的に低温であるため、不快を感じるほどではありませんが、気温の高い場所での利用時にはやや気になると思います。
筺体底面の温度も上がりやすいようですので、膝の上にPCを置いて作業をする場合には注意が必要です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、ThinkPad X250の再起動にかかる時間を測定してみました。
以下は10回の再起動測定時間と、その平均値です。
1回目 0:41
2回目 0:39
3回目 0:39
4回目 0:39
5回目 0:40
6回目 0:39
7回目 0:39
8回目 0:38
9回目 0:40
10回目 0:38
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 39秒
ThinkPad X250の再起動にかかる平均時間は約39秒。
SSDを搭載するPCの平均的な再起動時間は30~40秒程度であり、掲載製品の再起動にかかる時間は、SSD搭載のPCとしては平均的だと言えるでしょう。
非常に高速で使用感は快適です。
普段、OSをシャットダウンせずに利用される方が大半かと思いますが、利用するたびにシャットダウンや起動を行ったとしても、快適に利用できると思われます。
バッテリ駆動時間
ThinkPad X250のバッテリ駆動時間を測定。
測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANの利用によるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)は60秒毎という内容。
画面の輝度は50%に設定しています。
なお、本製品には様々なバッテリの構成が提供されていますが、今回はリアバッテリ(外付け)6セルとフロントバッテリ(内蔵)3セルの組み合わせで測定しています。
バッテリを2基搭載
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は63695秒。
約17.6(17.693055…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
軽い使い方ではかなり長い間充電せずに利用できるようです。
消費電力から考えて、ベンチマークテストを実行している時の様な負荷をかけ続けたとしても4~5時間は持つと思われます。
上でも述べたように、X250では様々なバッテリの組み合わせが提供されており、選択する構成によって大きくバッテリの持ちは変わってきますので、外出が多い方は大容量のリアバッテリ(外付け)を選択されると良いでしょう。
長時間の利用が想定される場合には2基のバッテリで、あまり使わない事がわかっている場合には内蔵バッテリのみで外出・・など、フレキシブルな使い方が可能です。
またホットスワップに対応していますので、予備の外付けバッテリを購入しておけば、電源を落とさずにバッテリを交換するといった便利な使い方もできます。
プリインストール・ソフトウェアの内容
ThinkPad X250にプリインストールされているソフトウェアの内容をご紹介します。
製品の購入時期や、購入時に選択するオプションの内容によっては、以下とは内容が異なる可能性がありますので、一例としてご覧ください。
標準搭載されているソフトウェアはWindows標準のソフトに加え、レノボが提供する独自の管理ツール群や、ファイル共有の「SHAREit」、複数のクラウド内のファイルをアプリで管理できる「REACHit」、セキュリティソフト「マカフィー インターネットセキュリティ」、サウンドユーティリティ「DOLBY DIGITAL PLUS」などが搭載されるという内容です。
ストアアプリについても、The Weather Channelやtripadvisor、My Time Line、マカフィーセントラルなど標準ではないアプリが幾つか入っていました。My Time Lineは、NECのPC製品にも搭載されているアプリです。
レノボのツールについては、「Lenovo Solution Center」や「System Update」、「Lenovo User Guide」、「Fingerprint Manager Pro」、「Lenovo Messenger」、「Lenovo QuickControl」、「Lenovo Companion」、「Lenovo Settings」といったアプリやソフトウェアが搭載されていました。
上記に加え、Dropbox 15GBを6か月間無料で利用できるという特典が付属。
特典であるため、いつまで付属するものなのかは不明ですが、本製品の購入者はDropboxに登録・設定を行う事で、6か月もの間15GBの容量を無料で利用する事が可能です。
System Update ソフトウェアやドライバーなど、システムを最新に保つためのソフトウェア
Lenovo Companion システムの状態や更新、保証、ユーザーガイドなどを参照できる総合的な管理ツール
Lenovo Settings システムの様々な設定を行う事ができる
SHAREit 様々なデバイスでファイルの共有が行える ユーザーアイコンが面白い
Dropbox 15GBを6ヶ月無料で利用可能な特典が付属
ThinkPad X250 まとめ
ThinkPad X250のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・12.5型HD、フルHD、タッチ対応のパネルなど液晶の選択肢が充実
・バッテリを2基搭載できる
・キーボード周りの操作性が非常に良い
・頑丈であり、安心して利用や携帯が行える
12.5型サイズの液晶を搭載するビジネス向けのモバイルノートです。
液晶にはHDとフルHDの解像度が提供されており、いずれもタッチ対応のパネルやIPS方式のパネルを選択できるなど、好みに合わせた液晶を選択する事ができます。
液晶の好みは人によって大きく異なるため、複数の選択肢の提供はそれだけ多くのユーザーに対応できるという事であり、選択する側にとっても便利です。
また、バッテリを2基搭載できるという点も本製品の大きな長所。
バッテリ2基の構成は従来モデルからであり、今に始まった構成ではありませんが、X250にはより省電力性に優れた第5世代のCoreプロセッサを搭載しており、従来モデルよりもバッテリの持ちが良くなっています。
リアバッテリ(外付け)に関してはバッテリの容量を選択できるため、外出時のPC利用が極端に多いという方でも、一日充電せずに利用する事が可能となるなど、モバイルタイプのノートを謳うだけの事はある内容です。
あと、キーボード周りの使い勝手も相変わらず良いです。
今回、トラックポイント側の物理ボタンが復活した事より、普段からトラックポイントを活用されているにも使いやすいスタイルとなりました。
キーボード周りの使い勝手は、個人的にもとても好みであり、今もし仕事用のPCを買い替えるとしたら多分このモデルを選択するでしょう。
欠点をあげるとしたら、モバイルノートとしてはそれ程軽いわけではないという点ですが、その分操作性が良く筺体も頑丈であるため、ビジネス用のモバイルノートとしては妥協できると思います。逆に、操作性よりも軽さを重視という方には向きません。
ビジネス向けの製品だけあって価格は高めですが、本製品では比較的割引率の高いクーポンが提供されている事が多い為、購入時にはそういったクーポンをご利用ください。
広告限定ページで公開されているクーポンなら、より高い割引率での製品購入が可能です。