Inspiron 11 3000 2 in 1のベンチマーク結果 4コアのPentium N3530搭載モデルの性能
前記事(Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 レビュー 液晶が360度回転するリーズナブルな11.6型ノート)に続き、次は Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の構成や性能面について。
今回掲載しているのは、OSにWindows 8.1、プロセッサにPentium N3530、メモリ4GB、500GB HDDを搭載する「Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 エントリー・プラス・タッチパネル」モデル。
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1には大まかに分けてCPU違いの3種類のモデルが提供されており、Pentium N3530を搭載した本モデルは中間的な位置づけのマシンです。
今回は、上記構成を持つInspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の構成特徴や性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【Inspiron 11 3000(3147)シリーズ 2 in 1 レビュー記事目次】
・Inspiron 11 3000(3147) 2 in 1 外観や操作性をチェック
(360度回転する液晶 / 外観・インターフェース / キーボード / 重量 / 液晶の表示品質)
・構成内容と実際のパフォーマンスについて
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・プリインストールされているソフトウェアの内容
(標準で搭載されているソフトウェア)
・製品のまとめ
(Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
掲載している Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の構成とその特徴について
まず、掲載しているInspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果と主な構成内容です。
【CPU-Z】
【Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 の主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Pentium N3530 (2.16GHz/最大2.58GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス
メモリ 4GB(4GB×1/DDR3L 1333MHz)
ディスプレイ 11.6型ワイドHD(1366×768)、IPS、10点タッチ、光沢
ストレージ 500GB HDD(Seagate製/5400rpm)
光学ドライブ なし
無線機能 デルワイヤレス N1707、Bluetooth v4.0
バッテリ 駆動時間:不明(3セル/43WHr)
電源アダプター 65W
サイズ 299.98×200.98×19.40(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.39kg
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年09月12日時点のものです。
OSにWindows 8.1、プロセッサにPentium N3530、メモリ4GB、500GB HDDを搭載する「Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 エントリー・プラス・タッチパネル」と呼ばれる構成のモデルです。
冒頭でも触れたように、本製品には大まかにわけてCPU違いの3種のモデルが提供されており、Pentium N3530搭載モデルはパフォーマンスで考えると中間的な位置づけのマシンとなります。
他、Celeron N2830や Core i3-4010Uを搭載するモデルなどをラインアップ。
価格は構成にもよりますが、最初構成のモデルで税込・送料込み49,980円~、Core i3-4010Uをを搭載するモデルでも6万円台前半(2014年9月12日現在)と安価です。
2in1タイプの製品でこの価格は驚きだと思います。
なお、Pentium・・という名前を聞いて一体どの程度の性能を持っているのかとお考えの方もおられるのではと思いますが、この Pentium N3530はクロックが2.16GHz~2.58GHzと比較的高く、しかもクアッドコア。
性能の高いCPUに比べればパフォーマンスは劣りますが、決して悪くはないです。
ちなみに、最小構成モデルに搭載されている Celeron N2830との違いは、コア数やCPUの最大クロック、およびグラフィックスの最大クロックが若干高い事、またキャッシュが若干多い部分などがあげられます。
クロックは大きくは変わりませんが、2コアのCeleron N2830と4コアのPentium N3530とでは、作業内容によってパフォーマンスが結構大きく変わってくるのではと思われます。
性能はそのまま使い勝手の良し悪しに直結しますので、予算に余裕があるのなら上位モデルがお勧めです。
搭載されているストレージの内容を詳しくチェックしてみます。
HDDの仕様
ディスクの内訳
ストレージにはSeagate製の「ST500LT012-1DG142」という500GB HDDが搭載されていました。回転数は5400rpm、厚みは7mm。
速度は遅くもなければ早くもないという感じで、いたって普通のHDDです。
全ての製品に上記と同じHDDが搭載されるとは限りませんが、2014年09月12日現在、本製品のストレージには500GB HDDしか提供されておらず、カスタマイズもできません。
ストレージの性能でマシンのパフォーマンスは大きく変わってきます。良い感触の製品だけに、SSDなどを選べない所が少し残念です。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1のベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 6.7
メモリ 5.9
グラフィックス 4.1
ゲーム用グラフィックス 4.2
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 107.9 / 109.6
512K 23.70 / 42.40
4K 0.468 / 0.801
4K QD32 1.070 / 0.811
いずれも数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMark 全てのテストの実行結果
Ice Storm・・・ 20719
Cloud Gate・・・ 1577
Sky Diver・・・ 584
Fire Strike・・・ 測定不能
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1360×768
1360×768 ・・・ 849~854
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1360×768
1360×768 ・・・ 183
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1360×768
1360×768 ・・・ SCORE:620 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080(高品質(ノートPC))
【キャラクター編】
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:750 / 評価:動作困難
1920×1080(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:403 / 評価:動作困難
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 6.91fps
CPU ・・・ 1.87pts
スコアは総じて低いですが、ベンチマークテストを動作させるだけの性能はあるようです。
実際の利用では、ソフトウェアを起動したりウィンドウを開くなどの動作は確かに遅いのですが、ストレスが溜まるほどの遅さではありません。感覚的には、最近のAtom Zシリーズを搭載するタブレットの動作を、もう少しだけ早くしたような感じの性能です。
ただ、今回のモデルはクアッドコアCPUを搭載しているためか、複数の作業を同時に行わせても極端に動作が重くなってしまうという事があまりありませんでした。そういった部分で Celeron N2830を搭載する下位モデルよりも使い勝手はよいのではと思われます。
製品価格を考えると悪くないです。
消費電力・温度
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 20W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
消費電力の小さいパーツを搭載している為、アイドル時、ベンチマーク実行時共に消費電力は低いです。
次に、パーツの温度について。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時のパーツ温度測定結果です。
ベンチマーク実行時の温度は、BIOHAZARD 6を20分以上実行した後に測定。
測定は、軽く冷房をかけた室内(27度前後)で行っています。
搭載パーツはいずれも発熱が小さい為、高負荷な状態が続いても大きく温度上昇してしまうような事はありませんでした。
今回、キーボード面の温度測定結果はありませんが、使っていて特に熱いと感じるような事はありませんでした。
タブレットモード&横置きの状態で使用した場合、排気口が手前側(Windowsボタン側)に来るスタイルとなる為、その状態で負荷をかけると、やや温かい空気が排気口から出てくるのが感じられはするものの、不快という程ではなく。
ノートPCモードで利用時、底面部が若干熱く感じられる事はありました。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の再起動にかかる時間を測定してみました。以下は11回の再起動測定時間とその平均値です。
1回目 1:18
2回目 1:08
3回目 1:10
4回目 1:11
5回目 1:10
6回目 1:11
7回目 1:40
8回目 1:51
9回目 1:05
10回目 1:05
11回目 1:06
再起動の平均時間 ・・・ 1分15秒
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1の再起動にかかる平均時間は約1分15秒。
HDDを搭載するPCの再起動時間は大体1分弱~1分半であり、本製品が再起動を行うのにかかる時間は平均的だと言えます。
ただ全体の性能がそれ程高くはない為か、起動後、PCの状態が完全に安定するまでにやや時間がかかるようです。
バッテリ駆動時間
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1のバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANを利用したネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。画面の輝度は50%程度に設定しています。
バッテリの電力残量が100%から5%になるまでの時間は31444秒。
約8.7(8.734444..)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
本製品では軽い作業を行われる方が大半でしょうから、普段の使用でも上記の結果程度の時間、バッテリが持つと考えて良いでしょう。
モバイルノートとしては、8時間も持てば十分実用的だと思います。
標準搭載されているソフトウェアの内容
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1にプリインストールされているソフトウェアの内容を簡単にご紹介いたします。
以下は、初期状態のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。製品購入時、選択するオプションによっては以下の内容とは異なる可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
デルのPC製品に搭載されるソフトの内容としては、特に変わった所はないと思います。
主にWindows 8.1標準のソフト、デル製の管理ツール群、セキュリティソフトという非常にシンプルな内容です。
上記の他、顔認識ソフトである「FastAccess」がデジタルデリバリーソフトウェアとして付属しますが、初期状態ではPCには搭載されず、インターネット上からダウンロード・インストールして利用する事ができるようになります。
もし製品購入時にOffice搭載のモデルを選択していた場合は、ここにOfficeが追加されます。
また、Adobe製の写真・動画編集ソフト等も追加できるようですが、デジタルデリバリー形式での配布となる為、それらのソフトを購入した場合であっても初期状態ではPCには搭載されません。
「FastAccess」と同じく、インターネット上からダウンロード・インストールしての利用となります。
顔認識によるログインなどが行える「FastAccess」がデジタルデリバリー形式で付属
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1 まとめ
Inspiron 11 3000シリーズ 2 in 1のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・ノートPCやタブレットなど複数のモードでの利用が可能
・最小構成49,980円(2014年9月12日確認/税込・配送料込)からと非常にリーズナブル
・高級感あるデザイン・質感
・比較的長時間のバッテリ駆動が可能
ノートPCとしてもタブレットとしても利用できる 2in1の筺体構造を持ちながらも、最小構成では49,980円という価格で販売されるリーズナブルなノートPCです。
筺体の質感やデザイン、操作性なども良く、低価格だという事を全く感じさせないマシンだと思います。バッテリ駆動時間も長く、モバイル用のノートとして十分実用性があります。
構成はCeleronやPentium、Core i3などが搭載されており、高性能なノートに比べると見劣りする所はあるものの、軽い作業ならサクサクと行えるくらいの性能は持ち合わせており、日常的な使い方であれば快適に利用できるでしょう。
正直、価格の割に内容はとても良いと思います。
日常的に使える2in1のノートが欲しいという方にはもちろん、普通のモバイルノートをお探しの方にもおすすめです。