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日本HPが販売するコンシューマー向けノートPC、HP ENVY4-1000 のレビューです。

このENVY4-1000は14型の液晶を搭載する、薄型・軽量のUltrabook。

寝室やリビングなど、気軽に家の中で使えるホームモバイル・ノートとして位置づけられたモデルで、
軽く、パフォーマンスの高い内容でありながら、比較的安価に販売されるコストパフォーマンスに優れたマシンです。

個人的にこのモデルの魅力として感じる部分は、安価でありながら比較的高性能である事、
14型としては軽量である事、またデザイン等もなかなか好みです。

一方で欠点と感じるのは、タッチパッドやキーボードの配列。
全てが使い難いわけではないのですが、こうであれば良いのにと感じる部分が幾つかあります。

今回の記事では HP ENVY4-1000 の基本的な情報(インターフェースや性能など)に加え、
実際に使ってみなければわからない操作性や注意点、個人的な感想なども述べてみたいと思います。

少々長いですが、製品の購入を検討されている方は是非記事をご覧下さい。



【ENVY4 の外観・インターフェース】

まずは外観の特徴、インターフェースの内容などを詳細にみていきます。

ENVY4-1000の天板の様子。
天板はヘアライン加工を施したアルミが使用されており、カラーはブラックを採用。

天板の隅にはhpのロゴが配置されています。
ちなみにhpの製品にはマシン起動時、このロゴ部分が光るものがありますが、このモデルのロゴは光りません。





ENVY4-1000の側面のインターフェースの様子。

ENVY4の左側面。
左からLAN、HDMI、USB3.0×2、メディアカードスロット、HDDや電源などのインジケーターランプを搭載。



なお、一番左端に配置されているLANポートですが・・

ポートを覆うカバーが取り付けられています。
筐体が非常に薄いためにギリギリLANポートを設置しており、ややむき出しになった端子を保護するために付けているのだと思われます。

利用する際はカバーを開いてケーブルを差し込みますが、
本当にギリギリの配置なので、差込口が大きめのケーブルだとかなり差込みにくいです。

といっても、今は無線LANを利用される方も多いので(特にUltraBookのようなPCでは)、
特に気にする部分ではないでしょう。




ENVY4の右側面。
左からセキュリティスロット、マイク入力、ヘッドフォン出力、USB2.0、電源コネクター。



なお・・

電源コネクターに差し込むプラグ部分はかなり細め。
触れると若干グラグラします。

しかもI字型なのでぶつかりやすく、うっかりぶつかったりすると折れてしまうかもしれません。
ケーブルをつないだまま使われる方は注意が必要です。




背面にはロゴ以外なにもありません。
前面にもなにもなし。





ENVY4を様々な角度からみてみます。

筐体サイズは幅340mm、奥行236mm、高さ19.8mm。
ゴム足部を含めると高さは22mmとなります。

UltraBookとしては超薄型というわけでもないのですが、
個人的にはあまり薄くしすぎるとインターフェースの内容が貧弱になるので、このくらいがよいと思います。

とはいっても14型サイズと大きめなので、見た目はかなり薄く見えます。

重量は約1.77kg。
モバイルノートだと考えるとやや重めのようにも思うのですが、14型ノートだと考えると軽いです。

ENVY4は屋内で持ち運びする為のモバイルノートというコンセプトで設計されているため、
この程度の重量であれば特に問題はないでしょう。

寝室やリビング間の移動に掲載するノートPCとしては、手ごろな重量と使いやすいサイズです。




ENVY4のディスプレイには、14.0型ワイドHD(1366×768)の光沢液晶を搭載。

液晶の発色や色はそれほどきれいではないのですが、
この価格帯の製品としては普通です。

解像度は、小さな文字が苦手な方にはちょうど良いサイズですが、
14型なのでもう少し解像度の高い(HD+くらい)液晶を搭載してもらいたいところ。

なお、HD+の液晶を持つ14型のUltraBookというと、ENVY14-3000 SPECTREがラインアップされていますが、
ENVY14-3000 SPECTREは非常に高価である為、ENVY4のように気軽に購入できるマシンではありません。




液晶上部には約92万画素のウェブカメラを搭載。




液晶の左上にはBeats audioのロゴ、右上にはENVYのロゴ。
ロゴ通り、このモデルはBeats audioに対応しています。




ENVY4のキーボード。
HPの個人向けノートではよくある配列・形状のアイソレーション型キーボードです。

打鍵感は普通。
キーは柔らかめで打ちやすいです。



ですが・・

右端にhomeやpgup等のキーが並んでおり、Backspaceなどを押すときに打鍵ミスしやすい事、
あとカーソルキーの上下ボタンがかなり小さめである部分が気になります。

実際、操作していて誤って押してしまいそうになる事がありましたが、
慣れればどうってことないのかもしれません。




キートップはほぼフラットな形状。




ENVY4のタッチパッド。
ボタン一体型でカラーはブラック。

表面にホログラムのような加工が施されており、角度によって若干色が変化します。
※15.6型のUltraBook ENVY6にも同じような加工が施されています。

見た目はとても綺麗ですが、使い勝手は良くないです。

指のすべりはとても良いのですがボタン部分が非常に使いにくく、タッチパッドを多用するような場面では操作が辛いと思われますので、タッチパッドをよく利用される方はマウスの利用をお勧めします。

とはいえ、UltraBookにはタッチパッドの操作性が悪いものが多く、この部分が使いづらいのはENVY4に限った事ではありません。
ですがせめて、ボタン分離型のタッチパッドであればと思います。




キーボード上にはBeats audio対応のステレオスピーカーを搭載。
その左右にBeats audioのマークと電源ボタンが配置されています。

Beats audioに対応する事による音質の変化ですが、Beats audioをオンにしている状態と
オフにしている状態とでは、あきらかに前者の方が音は良いです。

ただ、薄型のノートPCのスピーカーなので音質には期待しない方が良いと思います。
ヘッドフォンなどで聴くと、結構音がよいそうです。
(聴いた事はありますが、他と聴き比べた事がないので違いについてはなんとも言えません)




ディスプレイは上の写真程度に後方に倒す事ができます。

様々な場面で使う事を考えると、もう少しディスプレイの可動性が良ければと思いますが、
普通に使うにあたって不便を感じる事は無いでしょう。




底面の様子。
背面に近い部分に通気口が設置されています。

マシンの左右が通気口から出た熱風で熱くならないところは良いです。
ただ、筐体が薄型であるという形状上設置場所によっては通気口を塞いでしまい易く、その辺は注意が必要。

あと、メモリやHDDなどを交換する為のパネルなどはありません。
ですがこのモデルにはメモリスロットが2基搭載されており、最大8GBまでメモリを搭載できるようになっています。

標準で4GB、カスタマイズ等でメモリの追加等を行えるようなオプションは用意されていないため、
メモリを追加するとなると、マシンを分解して行う必要がありそうです。
(内部の構造は不明。マシンを分解すると保証が受けられなくなる可能性があります)




外観については以上です。
個人的に、デザインはとても好みです。

ガラスでできたENVY14-3000 SPECTRE(同じ14型のUltraBook)も非常に美しいのですが、
私はカジュアルなイメージのENVY4の方が好み。赤と黒のコントラストが格好良いと思います。

また14型としては薄く軽い為、家の中であちこち場所を移動して利用するには便利です。
近所のカフェなどで作業をしたいという場合にもよいかもしれません。

操作性に関しては、キーボードの配列(右端の)とタッチパッドの使い難さが気になりました。
簡単な操作であればともかく、タッチパッドを多用するような場合はマウスの利用をお勧めします。




【ENVY4 の性能面】

次にパフォーマンス面です。
まず、今回掲載のENVY4の構成を見ていきます。

【HP ENVY4-1020TU スタンダードモデルの主な構成】

※記載の価格や構成は2012年7月23日時点のものです。

OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit
プロセッサ Core i5-3317U(1.7GHz/TB時最大2.60GHz)
チップセット HM77 Express
グラフィックス HD グラフィックス4000(CPU内蔵)
メモリ 4GB(4GB×1/PC3-12800 DDR3 SO-DIMM/最大8GB)
ストレージ 500GB HDD(5400rpm)+32GB SSD(mSATA)
ディスプレイ 14.0型ワイドHD(1,366×768)、光沢あり
無線機能 802.11b/g/n、Bluetooth4.0
バッテリー 4セル(駆動時間:約7時間30分)
サイズ 340×236×19.8~22.0(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.77kg
カラー ブラック&レッド

今回掲載のモデルは直販限定の販売となります。
購入時に一部オプションを追加する事は出来ますが、基本的にカスタマイズ等を行う事はできません。

価格は上記構成で¥69,930 (税込)~。
上と同構成でオフィスを搭載したスタンダード・オフィスモデルは¥89,880 (税込) ~。

構成だけを考えても比較的安価だと思います。
UltraBookは高めなものも多いですが、この価格であれば家用のノートとしても気軽に購入できます。


構成における主な特徴はというと、超低電圧版のCore i5-3317Uを搭載、
またHDDの他にキャッシュ用として利用する32GB SSDを搭載している部分などがあげられます。

キャッシュ用のSSDは、SSDをプライマリHDDとして利用した時程の速度は出ないのですが、
HDD単体でマシンを動かすよりも高速な環境を実現する事が出来ます。

あとこのモデルにはメモリスロットが2つ搭載されています。(公式サイトの仕様によると)
ですが製品自体は4GBメモリ(4GB×1)搭載の状態でしか購入出来ないため、
メモリを追加するとなると自分でマシンを分解する必要が出てきます。

内部の構造を確認したわけではないので、簡単に追加できる位置にあるのかどうかは不明ですが、
一応メモリは最大8GBまで増設できるようです。

メモリスロットを1スロットしか持たないUltraBookも多い中、
自分で色々とできる(増設等)方にとっては良い点と言えるかもしれません。

ただ自己責任となる為、注意が必要です。




上記構成の ENVY4 のパフォーマンスを見ていきます。

【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 6.9
メモリ 5.9
グラフィックス 5.0
ゲーム用グラフィックス 6.3
プライマリ ハードディスク 5.9



【CrystalDiskMark】

CrystalDiskMarkは複数回計測したものを掲載。
左側が一回目、右側が2回目に計測したスコアです。

【2回目に計測のスコア】

Seq 299.686.27
512K 239.385.60
4K 19.1434.31
4K QD32 203.535.56

数値は左がRead、右がWrite

今回のENVY4では、データのキャッシュ用として32GB SSDを利用しています。

マシンの使用開始直後はそれほどスピードは出ませんが、ユーザーのアプリケーションの利用頻度などを学習していき、
頻繁に利用するファイルをキャッシュする事で高速化を実現します。

上記のCrystalDiskMarkのようなベンチで計測する毎にスコア(Read/読み込み速度)が上昇していくのは、
頻繁にアクセスするファイルをキャッシュするようになるからです。

ですが、アプリケーションの利用頻度によってはそれほどスピードが出ないものもあり、
SSDを普通に使っているときのように常に一定の速度を出す事が出来るというわけではありません。

実際の速度はというと、上記に掲載したスコア(SeqのReadが299.6~)程早くは無いです。

ですが、安価で容量の大きいHDDを利用しながら、
SSDを導入するよりも安価に速度を向上させる事が出来るというメリットは魅力です。
※単純に考えると速度はHDD< HDD+SSD < SSDという感じ



【CrystalMark 2004R3】

Mark ・・・ 146516
ALU ・・・ 37694
FPU ・・・ 35888
MEM ・・・ 27037
HDD ・・・ 26100
GDI ・・・ 12407
D2D ・・・ 1943
OGL ・・・ 5447



【3DMark06】

3DMark score ・・・ 4561
SM 2.0 Score ・・・ 1462
SM 3.0 Score ・・・ 1953
CPU Score ・・・ 2982



【3DMark11】

3DMark score ・・・ P561
Graphics Score ・・・ 484 (4種のGraphicsテスト)
Physics Score ・・・ 3034 (CPUベースの物理演算)
Combined Score ・・・ 548 (GPUとCPUの両方へ同時に負荷をかけるテスト)



【モンスターハンターフロンティア 大討伐】

1280×720 ・・・ 1616~1884



【デビル メイ クライ 4】

【1280×720】
平均fps ・・・ 29.60~51.89
RANK ・・・ C



【ファンタシースターオンライン2 】

Score ・・・ 357

~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作



【FINAL FANTASY XIV】

LOW

HIGH

LOW ・・・ 861
HIGH ・・・ 400


ベンチ結果を総合して考えると、低電圧版の Core i5-3317Uを搭載している為、
標準電圧版のCore i5よりも若干性能は落ちます。

そのCPU内蔵のグラフィックス(HDグラフィックス4000)を利用している為、グラフィック性能もやや低めですが、
ネットやメール、動画鑑賞等にはまったく問題のないパフォーマンスです。

構成的にパフォーマンス抜群とはいきませんが、
32GBのSSD効果でマシンやアプリケーションの起動もそこそこ早く、十分快適です。




次にENVY4の消費電力を計測してみました。

左がアイドル時、右がベンチマーク(デビルメイクライ4)実行時

アイドル時 ・・・ 15W
ベンチマーク実行時 ・・・ 48W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

消費電力は低めです。
負荷をかけると若干消費電力が上がりますが、それほど高くはなりません。




次にENVY4の各パーツの温度を測定してみました。
消費電力と同じく、アイドル時とベンチマーク実行時(デビル メイ クライ 4)の温度を計測しています。
※HDDの温度のみ正確に測れなかったため、今回はなし。

アイドル時

ベンチマーク実行時

パーツの温度はアイドル時は低め。
負荷をかけると結構あがりますが、心配するほどのものではないです。

ただ、排気口に近い部分などは結構熱くなります。
なので一応、負荷をかけた際の筐体表面の温度を測ってみました。




まずはキーボード右側。

左の数値がパームレスト右側の温度、右がキーボード右半分の中心部の温度。
27.6℃、29.3℃と温度は低いです。



そしてキーボード左側。

左側のパームレストは31℃と普通。
ですが、キーボード左半分の中心部が39.6℃とかなり高温になります。

普通に触れていて、熱いと感じる温度です。
夏場などだと熱くてかなり不快です。



さらに背面下部に設置された排気口付近の筐体の温度はというと・・

50.8℃とかなり高温です。

熱い空気が排出される為、温度が高くて当然なのですが、
マシンの性質上、例えば膝の上などにおいて操作をする事もあると思います。

負荷をかけた場合の温度ですので、常に筐体の表面温度が高いというわけではないのですが、
使用時には注意した方が良いかもしれません。





最後に、ENVY4のバッテリーの駆動時間を計測してみました。

バッテリーベンチのソフトウェアとしてBbenchを利用、
設定はストロークが10秒毎、インターネットへのアクセスが60秒毎とデフォルトのまま。

画面の輝度はちょうど中間の位置に設定し、計測してみました。

バッテリー残量が100%の状態から5%の状態(休止状態に移行する)までの時間は、23516秒。
約6.53(6.53222222….)時間のバッテリー駆動が可能だという事になります。

公称値のバッテリー駆動時間 約7時間半と、それほど大きく違いません。
実際の作業に使っていても、かなりバッテリーが持ちそうな感触です。

屋内で利用するのであればさほど気にする部分ではないかもしれませんが、
いちいち電源アダプターを携帯しなくても良いのは結構便利だと思います。



【ENVY4 の長所・短所など製品のまとめ】

最後に、HP ENVY4-1000の長所や短所を簡単にまとめたいと思います。

【長所】

・デザインが良い
・内容の割りに価格が安い
・価格の割りに性能は良い
・バッテリー駆動時間が長め

【短所】

・キーボードの配列が一部使い難い
・タッチパッドが使い難い
・負荷をかけると部分的に筐体の表面温度が結構高くなる
・光学ドライブがない

私はPCを主に仕事で利用するため、特に操作性の部分が気になってしまうのですが、
ネットを見たり調べものをしたり、日常的な作業程度であればそれほど気にする事はないと思います。

ただ、タッチパッドだけは本当に使い難いので、
机の上などでマシンを使う場合にはマウスの利用がお勧めです。

熱に関しては筐体が薄い為、中の熱が外側に伝わりやすいという仕方が無い部分もあります。
ただ膝の上などにおいて使う場合には注意した方が良いでしょう。

あと、上では触れなかったのですが、このモデルは14型サイズでありながら光学ドライブを搭載しません。

ENVY4に限らず、薄型のUltraBookではサイズが大きめであっても光学ドライブを搭載しないものが多いですし、
私などは光学ドライブは外付けで十分と思っており、最近ではそのように考える方は多いと思います。

ですが光学ドライブが必要だという方には、このモデルは向きません。


という具合に、どちらかというと短所を中心に記載しているように見えますが、
総合して考えた場合、製品の感触は結構良いです。

家用のノートとしても良いですが、持った感じでは
近所のカフェ程度であれば十分携帯できる軽さと薄さを備えています。
バッテリーの持ちがよいので、私であればそのような使い方(近所に持って出る)をしたいです。

ENVY4の内容で6万円台後半(2012年7月23日時点)であれば十分に安いですし、
デザインの好みは人それぞれですので置いておき、性能もそこそこ良くバッテリー駆動時間が長めな部分も便利。

性能の良いサブノート的なマシンをお探しで、
上に記載した欠点が気にならない方には、お勧めできるモデルだと思います。