HP ENVY 17-r000 レビュー GTX 950Mや RealSense 3Dカメラ搭載の17.3型高性能ノート
HPが販売するノートPC、HP ENVY 17-r000のレビューです。
HP ENVY 17-r000は、17.3型フルHDのIPS液晶を搭載するマシン。
主に第6世代のCore i7や GTX 950M(4GB)、256GB SSDを搭載する、ゲームのプレイも可能な高性能ノートです。
高性能である事に加え、インテル RealSense 3Dカメラを標準搭載しているため、Windows 10のWindows Helloを機能を利用して、顔認証によるログインが行えるようになっています。
そのような内容でありながらも比較的リーズナブルな価格を実現しており、大画面かつハイパフォーマンスなノートPCをお探しの方には魅力の大きいモデルです。
例えば写真や動画編集をはじめ、軽めのゲームをプレイされるようなユーザーに向いていると言えるでしょう。
今回は、そんなHP ENVY 17-r000の外観や使用感、3Dカメラの詳細、性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【HP ENVY 17-r000 レビュー記事目次】
・HP ENVY 17-r000 筺体外観・インターフェース
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶 / インテルRealSense 3Dカメラを搭載)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品レビューのまとめ
(HP ENVY 17-r000 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP ENVY 17-r000 筺体外観・インターフェース
まず、HP ENVY 17-r000の筐体外観やインターフェースの内容をチェックします。
17.3型のノートPCであるため、サイズはやや大きく、重量も3kgとやや重め。
トップカバーにはナチュラルシルバーカラーのアルミ合金を用いるなど、見慣れたデザインではありますが高級感があって悪くないと思います。
トップカバーの中央には鏡面仕上げのhpロゴを配置。
カバーの表面はサラサラとした質感で指紋痕も目立たず、見た目にきれいです。
背面から見た HP ENVY 17-r000の様子。
ディスプレイには、17.3型フルHDのIPS非光沢液晶を採用しています。
IPSで明るくくっきり見やすく、また非光沢タイプのパネルであるため、映り込みや光の反射が気にならず作業がしやすいです。
ディスプレイの上部には、インテルのRealSense 3Dカメラが内蔵されています。
この3DカメラとWindows Helloを利用し、顔認証によるログインを行う事が可能です。
3Dカメラについてはまた後の項で触れたいと思います。
ディスプレイの最大開閉角度は約130度前後。
ノートPCのディスプレイとしては標準的な可動範囲であり、画面の角度調整がしやすいです。
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面にはセキュリティロックケーブル用スロット、USB3.0×2、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、光学ドライブを搭載。
光学ドライブには、ブルーレイディスクドライブを標準搭載しています。
右側面にはSDカードスロット、USB3.0×2基(うち1基は電源オフ時の給電に対応)、HDMI出力、LAN、電源コネクターが並びます。
前面・背面にはなにもなし。
映像出力はHDMI、USB3.0は計4基搭載されるなど、家庭で利用するノートPCとしては十分な内容です。利用していて不便に感じるような事はないと思います。
筺体底面の様子です。
背面側に配置されているバッテリは取外しが可能。
搭載されているバッテリの仕様は11.1V、62Wh。
PC本体と付属の電源アダプター&ケーブルです。
電源アダプターの仕様は19.5V、6.15Aで120W。
キーボード周りの操作性
次に、HP ENVY 17-r000に搭載されているキーボードや、その周辺の使い勝手をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用しています。
キーピッチは縦横ともに約18.7mm、キーストロークは約1.5mmと、HPのノートPCでは標準的なサイズ感のキーボードです。
右側にはテンキーを搭載、PgUpやPgDn等のキーはテンキーの上部に配置。
Backspaceキーはやや小さ目に作られています。
ファンクションキーは、押すとデフォルトで輝度や音量の調整機能が動作するような仕様です。
打鍵感などは特別良いとは思いませんが、比較的使いやすいキーボードだと思います。
キートップは光の加減によっては僅かに湾曲しているようにも見えるのですが、ほぼフラットな形状。
天板と同じ、シルバーカラーのコーティングが施されており美しい外観です。
指紋痕なども目立ち難く、いつも綺麗な状態で利用できます。
キーボード周りには「リニアカーボンフィニッシュ」と呼ばれるHP Imprintにより、ウッド調のデザインが施されています。
シルバーのキーカラーと相まって、上質かつ落ち着いた雰囲気です。
なお、プリントによるデザインは使用しているうちに剥げてくるのではないか?と心配される方もおられると思いますが、HP Imprintによるプリントは耐久性があり傷などがつきにくいため、綺麗な状態を長く保つ事ができます。
右側のパームレスト上には指紋センサー。
3Dカメラによる顔認証と、指紋センサーによる指紋認証など、数多くの方法でログイン等の操作を行う事が可能です。
キーボード左上には電源ボタン、右上にはBANG & OLUFSEN のロゴを配置。
本製品にはBANG & OLUFSEN のサウンドテクノロジーや4基のスピーカー、サブウーファーが採用されるなど、サウンドに拘りのある仕様となっています。
筐体サイズが大きいという理由もあると思いますが、音はノートPCの割には良いです。
タッチパッドはボタン一体型。
パッドは面積が広くカーソルの操作などがしやすいですが、クリックボタンはやや使いにくいです。
とはいえ、本製品のような大きなノートではマウスを利用される方が多いと思われ、タッチパッドの操作性はあまり気にする所ではないかもしれません。
液晶
次に、掲載している HP ENVY 17-r000に搭載の液晶をチェックします。
17.3型フルHDのIPS非光沢パネルを採用。
先にも述べましたが、明るく映り込み等もにならない、見やすい液晶パネルです。
画面サイズと解像度については人により好みが異なりますが、17.3型サイズと大きい画面にフルHD解像度を採用していますので、多くの方に見やすいと思われます。
写真・動画編集ソフトのような、メニューを多数表示するソフトウェア等も使いやすいです。
IPS方式のパネルを採用しているため、視野角は広いです。
斜めから閲覧した場合の色差も小さく、画面に表示されている内容をはっきりと読みとる事ができます。
HPのPC製品の液晶ではよく見られるように、全体的に青っぽい色味をしていますが、閲覧は快適です。
インテルRealSense 3Dカメラを搭載
HP ENVY 17-r000にはインテルの RealSense 3Dカメラが標準搭載されており、Windows 10のWindows Helloを利用した顔認証によるログインや、3Dカメラ専用のアプリを利用する事ができるようになっています
今のところ、日常で利用頻度が高いと思われるのは Windows Helloによるログイン操作くらいだと思いますが、今後対応のソフトウェアが数多く登場してくることで、もっと様々な使い方ができるようになるでしょう。
HP ENVY 17-r000に搭載されている3Dカメラ
Windows Helloの設定は、設定 > アカウント > サインインオプションより行えます。
設定前に、予めPINの設定を済ませておく必要がありますのでご注意ください。
ちなみにこのWindows Hello、Windowsへのログインだけではなく様々なサービスへのログインにも利用出来ます。
最近はログインが必要なアプリやサービスが多いだけに、そういったサービスを多用されている方には非常に便利な機能です。
あと、PCのセキュリティを高めるため、未使用時に画面ロックがかかる時間をできるだけ短くしておきたいという方は少なくないと思いますが、ロックされるまでの時間を短くしてしまうと、ほんの少しの間離席していただけなのに画面がロックされてしまった・・などという事が頻繁に起こり得ます。
そのような場合に、パスワード認証や指紋認証だとロックされるたびに認証操作を行わなくてはならず手間がかかりますが、顔認証であればPC画面の前に座るだけで瞬時にログインが行えるため、頻繁に画面ロックがかかってしまうような設定であっても、快適にPCを利用する事ができます。
以下、顔認証によるログイン時の画面の様子です。
顔認証をセットアップして有効にした場合、サインイン画面で「ユーザーを探しています・・」という表示が出ます。
カメラに顔を向けると認証作業が開始されます。
といっても、ほんの一瞬です。
登録ユーザーの顔と一致した場合、ログインできます。
登録ユーザーの顔と一致しない場合や、上手く認識できない場合、ログインできません。
インテルのサイトでは、RealSense 3Dカメラ搭載のPCで利用出来るアプリをダウンロードする事ができます。
有料のアプリもありますが、無料で利用できるアプリもいくつか存在しますので、3Dカメラ搭載のPCを購入予定の方、また現在お持ちの方は試されてみてはいかがでしょうか。
私もいくつか試しましたが、「3DMe」という、人物の顔をスキャンして3Dモデルで表示できるアプリが面白かったです。
HP ENVY 17-r000 構成内容とその特徴について
掲載している HP ENVY 17-r000の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP ENVY 17-r000 高速デュアルディスクモデル(インテル RealSense) の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-6700HQ (2.60GHz~3.50GHz)
チップセット HM170 Express チップセット
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 950M(4GB)
メモリ 8GB(8GB×1/DDR3L-1600MHz/2スロット)
ディスプレイ 17.3型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢、IPS
ストレージ 256GB M.2 SSD(LITEON製/SATA)+ 1TB HDD(5400rpm/HGST製)
光学ドライブ ブルーレイディスクドライブ
LAN 内蔵LAN (10/100/1000)
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.0
バッテリ 6セル、駆動時間:約9時間30分(駆動時間の実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 120W
サイズ 418×284×23.5~32.8(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約3.00kg
カラー ナチュラルシルバー
保証 1年間(引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年04月17日時点で確認できた情報に基づくものです。
Windows 10、Core i7-6700HQ、メモリ8GB、GTX 950M(4GB)、256GBのM.2 SSDと1TB HDD、ブルーレイディスクドライブを搭載するという構成内容のモデルです。
構成のカスタマイズはメモリのみ16GBへとアップグレードする事が可能ですが、その他の構成は変更できません。
現在、ENVY17にはインテル RealSense 3Dカメラを搭載する「HP ENVY 17-r000」と、3Dカメラ無しの「HP ENVY 17-n000」がラインアップされており、今回掲載のモデルは3Dカメラ有の「HP ENVY 17-r000」にあたります。
と言っても主な構成は殆ど変らず、違いは3Dカメラの有無のみ。
価格は通常だと1万円程の差がありますが、2016年4月17日時点で実施のキャンペーンでは3Dカメラ有のモデルが1万円引きで提供されているため、カメラ有のモデルの方がお得だと言えるでしょう。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
SSDの詳細
HDDの詳細
ディスクの内訳
SSDにはLITEON製の「L8H-256V2G-HP」という 256GB M.2 SSD(SATA)が、HDDにはHGST製の「HTS541010A9E680」という1TB HDD(5400rpm)が搭載されていました。
SSDはSATA接続ではありますが、普通に高速なモデルです。
本製品はストレージのカスタマイズを行う事ができませんが、高速なSSDに加えて容量の大きいHDDが標準搭載されるなど、変更の必要がない理想的なストレージ構成を採用しています。
ベンチマークテストの結果
以下、HP ENVY 17-r000で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
各テストの結果
Fire Strikeの詳細
【BIOHAZARD 6】
1280×720 / 1980×1080
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
高品質ノートPC、DirectX 11 1280×720 / 1980×1080
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720/ 低品質、Windowsモードで実行
【Minecraft】
標準画質ならサクサクとした動作でプレイできる
【CINEBENCH】
第6世代のCore i7や GTX 950Mの搭載により、軽~中程度の負荷のゲームプレイならまずまず快適に行えるパフォーマンスを持ちあわせているようです。
さほど重いゲームをプレイしないという方なら、十分なスペックだと言えるでしょう。
大画面かつパワーがある為、写真や動画編集などにも向いています。
ストレージの容量が大きいため、編集した写真や動画の保存もしやすいです。
消費電力・温度
HP ENVY 17-r000の消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
ディスプレイの輝度は50%程度に設定。
アイドル時 ・・・ 14W
ベンチマーク実行時 ・・・ 73W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
17.3型の大画面液晶やGTX 950Mといった外部グラフィックスを搭載しているため、負荷をかけた状態だとやや消費電力は上がるようです。
次に、HP ENVY 17-r000の筐体内パーツ温度を測定。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の温度測定値です。
負荷の高い状態が続くと、CPUやGPU等の温度が高めになります。
といっても一般的な高性能ノート並です。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定。
キーボード右上の温度が高くなりやすいようですが、ホームポジションから離れた位置であるため、キーボード入力をしていてもさほど気になりません。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP ENVY 17-r000の再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:43
2回目 0:41
3回目 0:41
4回目 0:41
5回目 0:41
6回目 0:42
7回目 0:41
8回目 0:41
9回目 0:41
10回目 0:40
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 41秒
HP ENVY 17-r000の再起動にかかる時間は約41秒。
起動ドライブにSSDを用いているため、とても高速です。
バッテリ駆動時間
HP ENVY 17-r000のバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定にはbbenchを使用、設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)は60秒毎に実行されるという内容です。
画面の輝度は50%に、グラフィックスの設定はNVIDIAコントロールパネル>3D設定の管理で「自動選択」を選択・設定しています。
バッテリの電力が100%から7%に減少するまでの時間は21050秒。
約5.8(5.8472222222…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
大画面かつGTX 950Mのような外部グラフィックスの搭載を考慮すると、まずまずのバッテリの持ちだと思います。
負荷をかけた使い方では、バッテリ駆動時間はかなり短くなってしまうと思われますが、本製品をモバイル利用される方は余りおられないでしょうから、特に問題はないでしょう。
HP ENVY 17-r000 まとめ
HP ENVY 17-r000のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・17.3型フルHDのIPS非光沢液晶を搭載
・インテル RealSense 3Dカメラを搭載
・Core i7-6700HQ、GTX950M(4GB)を標準搭載
・メモリは最大16GBまで搭載可能
・標準でSSD&HDDの2ストレージ構成を採用
・高級感あるデザイン
17.3型フルHDのIPS液晶を採用する高性能ノートPCです。
インテルのRealSense 3Dカメラを搭載しており、Windows Helloによる顔認証ログインを行う事ができます。
Windows Helloによる顔認証はWindowsへのログイン時の他、アプリやサービスへのログインにも利用できるため、そういったサービスを数多く利用されている方には非常に利便性の高い機能だと言えるでしょう。
性能面に関しては、第6世代のCore i7や GTX 950Mを搭載しており、ゲームのプレイはもちろん、写真や動画編集などやや負荷のかかる作業であっても快適に行う事ができます。
ストレージも標準でSSDとHDDを搭載しており、高速かつデータの保存などにも不便を感じない内容です。
機能や性能だけでなく、高級感あるモダンなデザインを採用するなど、満足度の高い製品だと思います。
2016年4月17日現在、RealSense 3Dカメラ搭載のモデルがキャンペーンで値引きされていますので、製品の購入を検討されている方はキャンペーン期間中のチェックをお勧めいたします。