HP Spectre 13 x360 Limited Edition レビュー 高級感溢れる 13.3型のプレミアムモバイルノート
HPが販売するノートPC、HP Spectre 13 x360 Limited Editionのレビューです。
HP Spectre 13 x360 Limited Editionは、360度回転が可能な13.3型液晶を採用するモバイルノート。
HPの多くのPCに採用されているオーディオユーティリティのメーカー、Bang & Olufsenの創業90周年を記念する限定モデルで、高級感溢れるデザインや耐久性に優れた筐体など、プレミアムと呼ぶにふさわしいノートPCに仕上げられています。
発表当時から注目されており、一時は販売停止となってしまったほど人気の高いモデルです。
デザインが美しいだけではなく、薄型軽量でモバイル性に優れる事、また第6世代のCoreプロセッサーや8GBメモリ、M.2 SSDを標準で採用するなど、パフォーマンス面においても使い勝手の良い内容となっており、あらゆる面で質の高い製品をお探しの方に向くマシンだと言えるでしょう。
とても美しく、持ち物の外観に拘りたい方には特におすすめです。
今回は、そんな HP Spectre 13 x360 Limited Editionの外観や使用感、性能について詳しく触れたいと思います。
【HP Spectre 13 x360 Limited Edition レビュー記事目次】
・HP Spectre 13 x360 Limited Edition 筺体外観や特徴、操作性など
(4つのモードに変形できる / 筐体外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶 / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(HP Spectre 13 x360 Limited Edition まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
4つのモードに変形できる筐体構造
冒頭でも述べた通り、HP Spectre 13 x360 Limited Editionには360度回転可能なディスプレイが採用されており、ノートPCモードをはじめ、テントモードやスタンドモード、タブレットモードといった4つのモードへと筐体を変形させる事ができるようになっています。
いわゆる、2in1や4in1などと呼ばれる構造の筐体です。
キーボードを使用しての入力作業に便利な、ノートPCモードです。
タッチパネルでの操作がしやすいアプリの利用や、動画などを閲覧する場合に便利な、テントやスタンドモード。
画面が手前にくるため、ノートPCモードに比べてタッチパネルの操作や閲覧がしやすいです。
そしてタブレットモード。
画面の閲覧やアプリの操作に便利なモードです。
13.3型サイズで約1.45kgの重量となるため、サイズの小さなタブレットに比べるとやや重くはあるのですが、最薄部15.5mmとかなり薄く作られていますので、このサイズにしてはタブレットの状態であっても扱いやすいです。
シーンに合わせてモードをフレキシブルに変更できる点が、とても便利なマシンだと思います。
筺体外観・インターフェースの内容
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの筐体外観や、インターフェースの内容を確認します。
まずは製品が収められていた箱から。
限定モデルにふさわしい、シンプルかつ高級感ある箱が使われていました。
ブランドのバッグとか入っていそうです。
箱が綺麗な製品は、あらゆる面で拘りがあるという感じがします。
製品を見ていきます。
天板にはアッシュシルバーという、濃い目のシルバーカラーが採用されています。
ややくすみがかった色味を持つ、垢抜けた印象の天板です。
表面はサラサラとしていてマットな質感ですが、指紋跡は少し付きやすいと感じます。
天板上にはHEWLETT PACKARDのロゴ。
ダイヤモンドカッターによる金属の加工によって形作られたロゴだそうです。
ヒンジのカラーはカッパー(銅色)。
造りが大きく、画面回転時にも安定感があります。
2万5,000回以上もの開閉テストをクリアしているとの事で、信頼性は高いです。
なお、ヒンジが大きいノートはどちらかというと無骨な印象がありますが、本製品はそのヒンジの色味のせいなのか、また形状のせいなのかはわかりませんが、どのようなモードであってもその立ち姿は洗練されています。
ディスプレイには13.3型フルHDのタッチパネルを採用。
表面に光沢のパネルを設けているため、強い光がある場所ではやや反射などが目立ちやすいですが、IPS方式のパネルを採用しているため、映像等の表示は明るく美しいです。
液晶上には約200万画素のWebカメラ(HP TrueVision フルHD Webcam)を内蔵。
液晶下部には、小さくHEWLETT PACKARDのロゴ。
次に、筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
ちなみに側面側にもヒンジと同じ、カッパーカラーが用いられています。
このアッシュシルバーとカッパーの配色は高級アンティークを彷彿とさせると言いますか、本モデルの外観に古めかしさは全くないのですが、品のある独特の配色がとても美しいです。
左側面。
電源コネクター、USB3.0(電源オフ時のチャージ機能対応)、電源ボタン、SDカードスロットが並びます。
右側面。
Windowsボタンや音量調整ボタン、Mini DisplayPort、HDMI出力、USB3.0×2基(電源オフ時のチャージ機能対応)、ヘッドフォン出力やマイク入力のコンボポートが搭載されています。
有線LANポートこそないものの映像出力は2基、USB端子は3基と、薄型のモデルにしてはインターフェースはかなり充実しているように思います。
いずれのUSB端子も電源オフ時のチャージ機能に対応するなど、何気に便利です。
前面には何もなし。
背面側にも何もありません。
中央にとても小さなHEWLETT PACKARDのロゴが入っています。
筺体底面側の様子。
バッテリの取外しはできない構造です。
テントやスタンドモード時などもサウンドが良く聞こえるよう、底面端の方にスピーカーが配置されています。
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブル。
電源アダプターの仕様は19.5V、2.31Aで45W。
専用のスリーブケースが標準付属しています。
本製品のようなノートを携帯する場合、ケースを利用される方は多いと思いますので、標準付属は嬉しいです。
クリーニングクロスや「速効!HPパソコンナビ特別版」も付属しています。
キーボード周りの操作性
HP Spectre 13 x360 Limited Editionのキーボード周りの使い勝手をチェックします。
アイソレーションタイプのキーボードを採用しています。
キーストロークは約1.5mmとやや浅めですが(HPのノートでは標準的ですが)、キーピッチは縦横とも19mmとややキーのサイズは大きめ。
ファンクションキーは、輝度や音量調整といった機能がデフォルトで動作する仕様となっています。
キー配列はHPのノートならではと言う感じであり、矢印の上下キー等は相変わらず詰まった配置で押しにくいのですが、全体としては使いやすいキーボードだと思います。
キートップの形状は平ら。
白色のバックライトを内蔵しています。
パームレスト左側にはSpectreのロゴ。
個人的に、このロゴは神秘的なイメージで好みです。
キーボード右上にはBang & Olufsen のロゴ。
本モデルにはBang & Olufsenのサウンドシステムが採用されています。
音は薄型のノートにしては悪くないと思います。ちょっとゲームをしたり映像を見たりする程度には十分な音質です。
タッチパッドはボタン一体タイプ。
かなり横長サイズのパッドで、面積がかなり広い為、ジェスチャー操作などは行いやすいと思います。
ただ私的には、クリックボタンが少し使い辛く感じてしまうため、自宅で利用する場合にはマウスを利用したいです。
液晶
HP Spectre 13 x360 Limited Editionに搭載されている液晶の見やすさをチェックします。
13.3型フルHDのタッチパネルを採用しています。
初期時のスケーリング設定では、150%の拡大設定となっていました。
結構大きめの表示であり、小さい文字を見るのが苦手と言う方にも使いやすいです。
スケーリングの設定は「設定 > システム > ディスプレイ」より変更できますので、使いやすいサイズに調整を行うと良いでしょう。
IPS方式のパネルを採用しており、視野角は広いです。
画面の角度が大きく変わっても、表示内容がわからなくなるような事はありません。
パネルの表面に光沢感はあるものの、よほど明るい場所でなければ見辛くなるような事もなく、普通に見やすい液晶だと思います。
ただ、色味はやや青が強めです。
重量
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの本体重量を測定してみました。
PC本体は1487g。
ほぼ、仕様通りです。
タッチパネルを搭載する13.3型のノートとしては、普通~やや軽めです。
電源アダプターやケーブルの重量は352g。
PCと一緒に持った場合、少し重くなってしまいますが、本製品はバッテリの駆動時間が非常に長い為、日常的にアダプター類を持ち歩く必要はまずないと思います。
HP Spectre 13 x360 Limited Edition 構成内容とその特徴について
掲載しているHP Spectre 13 x360 Limited Editionの構成内容と、その特徴について解説します。
正式なモデルの名称は「HP Spectre 13-4100 x360」となります。
【CPU-Z】
【HP Spectre 13-4100 x360 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-6200U (2.30GHz~2.80GHz)
グラフィックス インテル HDグラフィックス 520
メモリ 8GB(オンボード/LPDDR3 SDRAM 1600MHz)
ディスプレイ 13.3型ワイドフルHD(1920×1080)、IPS、タッチパネル
ストレージ 256GB SSD(ADATA製/M.2/SATA)
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.0
バッテリ 3セル、駆動時間:約12時間45分(駆動時間の実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 45W
サイズ 326×219×15.5~17.0(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.45kg
カラー アッシュシルバー (黒色) / カッパー (銅色)
主な付属品 専用スリーブケース、速効!HPパソコンナビ特別版、ウォールマウントプラグ他
保証 1年間(引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年04月22日時点のものです。
主に Windows 10、13.3型ワイドフルHD液晶、Core i5-6200U、8GBメモリ、256GB SSDを搭載する構成内容のモデルです。
本製品はほぼ固定の構成であり、主要なパーツのカスタマイズは行えません。上記構成を持つモデルのみとなります。
カスタマイズできないとはいえ、標準で第6世代のCore i5やメモリ8GB、SSDを搭載しており、パフォーマンス面で不足を感じる様な事はまずないと思われます。
また後述しますが、バッテリ駆動時間も非常に長く、モバイルノートに必要な要素をそなえたモデルだと言えます。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
SSDの詳細
ディスクの内訳
ADATA製の「AXNS381E-256GM-B」という256GB M.2 SSDが搭載されていました。
SATA接続ですが速度は十分に出ており、アプリの起動等もとても高速です。
容量にも結構余裕があり、よほどサイズの大きなファイルや数多くのソフトウェアを入れない限り、不足してしまうような事はないでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP Spectre 13 x360 Limited Editionで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
各テストの結果
Fire Strikeの詳細
【BIOHAZARD 6】
1280×720 / 1980×1080
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
標準品質(ノートPC)、DirectX 9 1280×720 / 1920×1080
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
低品質、ウィンドウモードで実行 1280×720 / 1920×1080
【Minecraft】
標準画質設定でも快適に動く
【CINEBENCH】
かなり軽めのゲームであれば、画質調整さえすれば快適にプレイできるくらいの性能を持ちあわせています。
日常的な作業・・例えばメールやネット、動画閲覧、文書の作成・編集等の作業等も、快適に行えるでしょう。
構成のカスタマイズは行えませんが、デフォルトの構成で十分なパフォーマンスです。
消費電力・温度
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
ディスプレイの明るさは50%程度に設定。
アイドル時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 31W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
いずれの場合も低消費電力です。
第6世代Coreプロセッサや、そのCPU内蔵GPUを利用する構成のモバイルノートとしては、標準的な消費電力値だと思われます。
次に、HP Spectre 13 x360 Limited Editionの筐体内パーツの温度について。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の温度測定値です。
負荷をかけた状態が続くとCPU温度が若干上がりはするものの、全体的に低温~普通です。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定。
低温・・と言う程ではないですが、高負荷がつづいてもそれ程高温にはならないようです。
快適にキーボード入力作業が行えます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP Spectre 13 x360 Limited Editionの再起動にかかる時間を測定。
以下は9回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:38
2回目 0:40
3回目 0:41
4回目 0:39
5回目 0:43
6回目 0:41
7回目 0:36
8回目 0:46
9回目 0:37
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 40秒
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの再起動にかかる時間は約40秒。
SSDを搭載するノートの中では、若干早い~普通程度の再起動速度だと思われます。
速度面で不満を感じるような場面はまずないでしょう。
バッテリ駆動時間
HP Spectre 13 x360 Limited Editionのバッテリ駆動時間を測定してみました。
ソフトはbbenchを使用、設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)は60秒毎に実行されるという内容です。
画面の輝度は50%に設定しています。
バッテリの電力が100%から7%に減少するまでの時間は52618秒。
約14.6(14.6161111…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
軽めの設定での測定結果だとはいえ、かなりバッテリの持ちは良いようです。
少々負荷をかけた使い方をしたとしても、バッテリは相当持つと思われます。
モバイルノートとしてはもちろん、PCの作業場所を変える事が多いというような方にも使いやすいモデルだと言えるでしょう。
HP Spectre 13 x360 Limited Edition まとめ
HP Spectre 13 x360 Limited Editionのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・操作も閲覧しやすい 13.3型フルHDのIPS タッチパネルを採用
・4つのモードへ変形可能な筐体構造を採用
・第6世代のCore i5、メモリ8GB、256GB SSDを標準搭載しており、高性能
・長時間のバッテリ駆動が可能
・高級感ある筐体デザインを採用
360度回転可能な13.3型タッチパネルを搭載する、モバイルタイプのノートPCです。
4つのモードへと変形可能な構造を採用しているため、様々なシーンで利用しやすいという事に加えて、標準構成でハイスペックな内容をそなえており常に快適なパフォーマンスで作業が行えます。
バッテリの持ちがかなり良いという点も見逃せません。
そのような性能の高さに加え、高級感ある筐体デザインは性能や機能以上にインパクトが大きく、所有する事による満足度はかなり高いものになると思われます。
見た目の良さだけでなく耐久性も高く、プレミアムを謳うだけの事はあるモデルです。そのようなマシンであるのにもかかわらず、思ったほど価格が高くはないという点もこのマシンの魅力。
カスタマイズは行えませんが、標準で十分な性能を有している事、また専用のスリーブケースが標準付属するなど様々な点で配慮のあるモデルとなっています。
モバイルノートの購入を検討されているという方は、是非チェックしてみてください。