ALIENWARE X51 に標準搭載されているソフトの内容を解説 独自の「Alienware Command Center」他
前記事(ALIENWARE X51 スプレマシー のベンチマーク結果 GTX 760Ti搭載でパワフルな小型デスクPC)に続き、今回はALIENWARE X51にプリインストールされているソフトウェアの内容について。
ソフトの内容は他のデル製PCと大差ありませんが、ALIENWARE X51には ALIENWARE独自のソフトウェアが複数搭載されており、一般的なPCよりもゲーム時のシステム環境の設定などが行いやすくなっています。
ゲームプレイ時のみ電源設定を変更したいという方もおられると思いますので、そういった設定が簡単に行えるのは便利です。
今回は、そんなALIENWARE独自のソフトウェアをはじめとする、プリインストールソフトウェアの内容について解説したいと思います。
【ALIENWARE X51 R2(2014年夏) レビュー記事目次】
・ALIENWARE X51 の筐体外観やインターフェース、イルミネーションなどをチェック
(外観・インターフェース / エイリアンのイルミネーション / 筐体内部の様子 / 標準キーボードやマウス)
・ALIENWARE X51 スプレマシーの構成とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・プリインストール・ソフトウェアの内容について
(プリインストール・ソフトウェアの内容 / Alienware Command Center)
・製品のまとめ
(ALIENWARE X51 まとめ)
ALIENWARE X51にプリインストールされているソフトウェアの内容を解説
以下、初期状態(工場出荷時)でのALIENWARE X51のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。(クリックで大きな画面が表示されます)
製品購入時に選択するカスタマイズの内容によっては、以下とは異なる可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
上画像より、Windows 8.1に標準で搭載されているソフトウェアや CyberLink製ソフトの他に、Alienware独自のツールが複数搭載されているのがわかると思います。
例えば、ハードウェアのチェックや最新ドライバーのダウンロードなどシステムを総合的に管理する「AlienAutopsy」や、システムのリカバリ およびバックアップの作成を行う「AlienRespawn」、サウンド設定の「Alienware Audio」、製品購入時に同時購入したソフトウェアのダウンロード・インストールを行う「Alienware Digital Delivery」等々・・
Alienware独自のと書きましたが、これらは実は他のデル製PCで提供されている「My Dell」や「Backup and Recovery Manager」、「Dell Digital Delivery」などと機能は全く同じ。
各ツールのUIに関しても、若干Alienwareらしい配色などが取り入れられてはいますが、殆どデザインは同じだと考えて良いでしょう。
ただ、「Alienware Command Center」についてはALIENWAREシリーズ独自のソフトウェアとなっており、筺体や専用キーボードのイルミネーションの管理であったり、電源管理など様々な設定を一括で行う事ができます。
日常的な作業とゲームプレイ時とで、PCのシステム設定を変更したいという方もおられるかと思いますが、「Alienware Command Center」はそういった場合に役立つツールです。このソフトウェアについては、また後述します。
その他、CyberLink製のMediaSuiteに関しては、ラベル作成ソフトの「LabelPrint」やライティングソフト「Power2Go」、動画編集の「PowerDirector」、DVD再生ソフト「PowerDVD」が搭載されていました。
あと、セキュリティソフトに関しては基本構成では搭載しておらず、カスタマイズでの追加となるよう。オプションで「マカフィー・リブセーフ」が追加可能となっているようですが、こちら通常よりも安価に搭載できるようですので、必要な方は追加しておくと良いでしょう。
カスタマイズでは他にも、Microsoft Officeの各種製品や、Adobe製のソフトウェアを追加可能。
Adobe製のソフトは 2014年7月30日現在、「Adobe Creative Cloud Individual(Adobe製の最新ツールが全て使える月額制サービス)」や「Adobe Photoshop Elements & Adobe Premiere Elements 12(写真・動画編集)」「Adobe Audition CC Individual(サウンド編集)」をデジタルデリバリー形式で購入する事が出来るようです。
デジタルデリバリー形式のソフトを購入した場合、インターネット上からソフトウェアが自動でダウンロード・インストールされるため、DVDメディアやライセンスキー、解説書などは製品に添付されません。
PCと一緒にソフトを購入したのに、届いたPCにメディアが添付されていない・・と慌てないよう、ご注意ください。
AlienAutopsy システムの総合的な管理を行うソフトウェア。「MyDell」と機能は同じ
AlienRespawn バックアップやリカバリディスクの作成。「Backup and Recovery Manager」と機能は同じ
Alienware Audio WAVES MaxxAudioによるサウンド設定を行える
CyberLink Media Suite CyberLink製の各種ソフトを統合したパッケージ
Power2Go ライティングソフト。ディスクにデータをコピーできる
PowerDirector 動画編集ソフト
Alienware Command Center 複数のAlienwareツールを包括するソフト
「Alienware Command Center」は、従来からのALIENWAREに搭載される独自のユーティリティソフト。
ALIENWARE X51に搭載の「Alienware Command Center」には、イルミネーションを設定する「AlienFX」や電源管理を行う「AlienFusion」、ゲームごとにシステム環境を設定・プロファイルを作成できる「AlienAdrenaline」という3つのソフトウェアが包括されており、各種の設定をまとめて行う事ができます。
特にユニークなのが「AlienAdrenaline」。
予めゲームごとに作成しておいたプロファイルを元に、ゲームプレイ時に必要なソフトを起動、また不要なソフトを終了させたりといった一連の作業を自動で行う機能を持っており、ゲームプレイの仕方に拘りのあるユーザーほど便利に利用出来るのではないかと思われます。
AlienFX イルミネーションの設定
AlienFXでは、ALIENWAREシリーズの筐体や専用キーボード、マウスなどのイルミネーション設定を行う事ができます。
今回はALIENWARE X51の筐体のみですが、オプションで販売されている「ALIENWARE TactX キーボード」や「ALIENWARE TactX マウス」を利用すれば、それらのイルミネーション設定も行えます。
特定のソフト起動時はこの色に・・などという具合に、イベント毎にカラーやアクションを細かく設定できるため、細かい演出にこだわりたい方には中々面白い機能ではないかと思います。
ALIENWARE X51の筐体は エイリアンの目と両サイドのパネルが点灯するようになっている
エイリアンのライトが1、左サイドパネルのライトが2、右サイドパネルのライトが3・・という具合に分けられており、それぞれに異なるカラーを設定できます。
AlienFX 予めカラーを設定したプロファイルが幾つか用意されている
イルミネーションの配色には予め用意されているテーマを利用する事もできますし、ユーザーが新たにテーマを作成し、保存する事も可能。
特定のアプリケーション起動時など、イベント毎にカラーを設定する事も可能
例えばメールを受信したらイルミネーションが赤く点灯、また何らかのアプリケーションを起動させている間のみ、イルミネーションが青く点灯するなど、イベント毎にカラーを設定する事も可能です。
AlienFusion システムの電源管理
「AlienFusion」はシステムの電源設定を行うソフトウェア。
機能は、Windowsに標準で用意されている電源設定の内容とほぼ同じですが、筺体に搭載されているイルミネーションのオンオフを電源プランに含める事ができ、節電したい場合にはイルミネーションをオフ、そうでない場合にはイルミネーションをオンにするといった設定が可能です。
AlienFusion クイック設定(大まかな電源設定が行える)
AlienFusion 詳細設定(一つ一つの電源設定を細かく行える)
電源プランは予め用意されている「バランス」「高パフォーマンス」「省電力」を利用する他、新たに作成・保存しておく事が可能です。
AlienAdrenaline ゲームモード(プロファイル)の作成
「AlienAdrenaline」は、ゲームを起動すると予めゲーム毎に作成したプロファイルを元に、ソフトウェアなどのシステム環境を自動でセットアップするという機能を持つもの。
例えばゲームプレイ時、特定のウェブサイトを閲覧しながらゲームを進めたり、他のユーザーと連絡を取るためにVoIP関連のアプリケーションを起動するような場合に、予めプロファイルを作成しておけば、ゲーム起動と同時にそれらのアプリケーションが起動し、不要なアプリケーションは閉じられる・・というような作業を自動で行う事が可能です。
その他、ゲーム中のシステムパフォーマンスを監視し、記録する事も可能です。
例えば「ゲームプレイ中に動作が鈍る事があるけれど原因がわからない」などという場合に、そのボトルネックとなる箇所を特定するのに役立ちます。
AlienAdrenaline ゲームモードは複数作成が可能
リアルタイムにシステムパフォーマンスを監視したり、記録する事も可能(最大4時間まで)
ALIENWARE X51 まとめ
ALIENWARE X51 のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・超小型筐体を採用しており、省スペース
・最大Core i7-4790やGeForce GTX 760Ti の搭載が可能
・デザインとイルミネーション機能が個性的
・ALIENWAREシリーズの中ではお手頃な価格
・拡張性が殆どない
言うまでもないですが、この製品の最大の特長はゲーミングデスクトップPCでありながら、超小型の筐体を採用している部分、そして最大でGeForce GTX 760Tiを搭載可能な部分だと言えます。
従来のモデルに比べると性能が大きく向上しており、小さくても通常のゲーミングデスクトップPCに引けを取らないパフォーマンスを発揮する事ができます。
搭載するパーツによっては発熱の問題が心配になりますが、想像以上に冷却性能は高く、使用した限りでは特に問題はありませんでした。
唯一、拡張性がない所に不便を感じる事はあるかもしれませんが、最初から拡張性のなさを見越した内容で購入しておけば、使用していて困るような事はないと思います。
価格もALIENWAREシリーズにしては比較的低く、ゲームユーザーはもちろん、ALIENWAREが欲しいけれど予算的に難しい・・というユーザーにも向く製品だと言えるでしょう。