Dell Latitude 7290のレビュー 第8世代Core CPUも選べる!最小1.19kgの12.5型ビジネスモバイルノート
デルが販売するノートPC、Latitude 7290のレビューです。
Latitude 7290は、12.5型サイズの非光沢液晶を搭載するビジネス向けのモバイルノート。
Latitude 7290と記載してしまうとわかりづらいかもしれませんが、Latitudeブランドでは上位に位置づけられる7000シリーズの製品です。
インテルの第7世代~第8世代Coreプロセッサに対応したモデルで、デル製品史上最薄、最軽量のフレームを採用(製品ページの記載による)することで優れたモバイル性能を実現しています。
薄く軽くとも素材や構造を工夫することで頑丈に作られているため、特に頻繁にPCを持ち運びする方には扱いやすく、また安心して利用できます。
ビジネス向けのノートだけあって構成の選択肢が充実しており、環境や予算にあった構成を選べるところも本製品のメリットです。
今回は、第7世代のCore i5を搭載する Latitude 7290を使用してみましたので、その特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。
【Latitude 7290 レビュー記事目次】
Latitude 7290 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・ Latitude 7290 まとめ
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Latitude 7290 筺体外観・インターフェース
今回のLatitude 7290、ビジネス向けの12.5型ノートながら重さは最小1.19 kg、厚み16~17mmと薄型軽量の筐体を実現しています。
ビジネスノートは、剛性を出すためにたわみが出づらい素材を利用したり、構造も複雑であることがほとんど。
そのため、個人向けノートと比較するとどうしても重くなりやすいのですが、本製品の筺体は剛性と薄型軽量とを両立しており、モバイル用のノートとして妥協がありません。
最近はビジネスノートでも薄型軽量化が進んでおり、このような製品が珍しいわけではありませんが、そうはいっても12.5型ノートでこのサイズ、重さはノートをモバイルするユーザーにとっては大きな魅力です。
ビジネス向けだけあって華やかさはないものの、ブラックカラーの堅実なデザインを採用しています。
天板にはやや弾力のあるソフトなコーティングが施されていますが、筺体のベースには金属製の頑丈な素材を用いていると思われ、ディスプレイの開閉などにも安定感があります。
シンプルですが、見た目に質感の高さが感じられる筐体です。
先に述べたことの繰り返しとなりますが、天板表面には樹脂素材のコーティングがなされており、ややソフトな触感です。
傷がつきにくそうなこと、また指紋汚れなどが目立ち難いところが良いですね。
背面から見た筐体の様子。
とてもスリムです。
正面側から見た筐体の様子です。
上が電源オフ、下が電源オン時の写真。
一見した限りでは、特に目立った特徴はない普通のノートという感じの見た目です。
ディスプレイには、12.5型ワイドHD(1366×768)の非光沢液晶を採用。
12.5型でこの解像度であれば、細かい文字が苦手な方でも見やすいと思います。非光沢であるため、長時間作業を行っても目が疲れにくく、PC作業がはかどりやすいところも良いですね。
視野角は狭いです。
上位シリーズであるため、IPS方式の液晶が搭載されているだろうと勝手に思い込んでいましたが、これはTN方式の液晶だと思います。旧モデルにはIPS液晶が搭載されていましたので、また追加されるのかもしれません。
企業ではあまり気にしないのかもしれませんが、個人ユーザーの場合、液晶の詳細がはっきりとわからないものを買うのはちょっと冒険のような気もしますね。
実際の利用においては、角度によっては画面の内容が見づらくなる場合がありますが、正面から閲覧しているのであれば作業には支障はありません。
普通は正面から画面を閲覧すると思いますので、問題ないでしょう。
液晶上部にはWebカメラやマイクを配置、液晶下部には鏡面仕上げの光沢感あるDELLロゴが配置されています。
製品ページを見る限りでは、Webカメラなしの選択肢もあるようです。
ディスプレイは180度の位置まで完全に開ききることができます。
例えば外出時、膝の上などにノートPCをおいて作業をしなくてはならない場合があったとして、ディスプレイの開閉角度が狭いと使いづらいのですよね。そういった点で、ディスプレイを使いやすい角度にまで調整することができる構造は便利です。
筐体側面に配置されている、インターフェースの内容をチェックします。
左側面です。
電源コネクター、USB Type-C端子、HDMI、USB 3.1、スマートカードリーダー(オプション)が並びます。
右側面にはオーディオのコンボポート、microSDカードスロット、microSIMカードスロット(オプション)、USB 3.1、LAN、セキュリティケーブル用のロックスロットが並んでいます。
正面側、背面側には何もありません。
薄型ノートの割に、端子の内容は充実している印象です。
スマートカードリーダーやmicroSIMオプションを提供するなど、環境にあわせたインターフェースの内容を検討できるのも良いと思います。
オプションが豊富なところは、ビジネスノートならではの利点ですね。
筺体底面側です。
写真は上が筐体背面、下が正面側となります。
特に変わったところはない、一枚板の構造です。バッテリーは完全に内蔵されています。
正面寄りの位置に、スピーカーが内蔵されていました。
製品ページでは触れられていませんが、WAVES MaxxAudio Pro対応のスピーカーだと思われます。
プリインストールされている専用のサウンドユーティリティにて、サウンドのカスタマイズが行えます。
WAVES MaxxAudio Proのサウンドユーティリティ
PC本体と、付属の電源アダプターやケーブルです。
19.5V、3.34Aで65Wの電源アダプターが同梱されていました。
この電源アダプター以外にも、いくつかのアダプターが提供されているようです。
キーボードの操作性
Latitude 7290に搭載されているキーボード付近の外観、操作性をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードが搭載されていました。
今回のモデルはキーボードバックライトがありませんが、ほかにバックライトありの日本語キーボードや、英語キーボードにおいてもバックライトなしとありを選べるようになっています。
さすがに上位モデルのキーボードだけあって、強く打ってもたわみが出づらくタイピングがしやすいです。
従来からのデルのノートPCのキーボードは、BackSpaceやEnterキーの幅が狭くやや使いづらい印象がありましたが、本製品はEnterキー等の幅がやや広く設計されているため、そのあたりのキーを押すときの違和感がありません。
12.5型サイズのノートのキーボードであるため、テンキーはありませんが、使いやすいキーボードだと思います。
やや湾曲した形状のキートップを採用しています。
キートップに指先をおきやすく、スムーズな打ち心地です。
右側のパームレスト上には、タッチタイプの指紋認証センサーを配置。
あらかじめ設定を行っておくことで、Windows Helloによる指紋認証ログイン機能が利用できます。
同じく右側のパームレスト上、タッチパッドのすぐ右側に当たる部分に、NFCセンサーが搭載されているようです。
ボタン独立型のタッチパッドを搭載。
薄型ノートにしては、珍しいと思います。
パッド面のサイズはそこそこ大きく、ボタンは柔らかい押しごこちであり、とても使いやすいタッチパッドです。
マウスが無くても快適に作業が行えます。
なお、タッチパッドの詳細な動作については、Dellのタッチパッドユーティリティより調整が可能です。
Dellのタッチパッドユーティリティ
重さ
Latitude 7290の重さをはかってみました。
PC本体の重さは1185g。
選択する構成によって多少は上下すると思われますが、12.5型のビジネスノートにしては軽い方です。
軽いだけではなくコンパクトであるため、カバンへ収納しやすいです。
電源アダプターやケーブルを合わせた重さは、293g。
アダプター類も軽量ですがケーブルに太さがあるため、ややかさばるでしょうか。
とはいえ、本製品はバッテリの持ちが良いため、電源アダプターを持ち歩く機会はあまりないと思います。
Latitude 7290 構成内容とその特徴について
掲載しているLatitude 7290の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【Latitude 7290 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-7300U(2.60GHz~3.50GHz)
ディスプレイ 12.5型ワイドHD(1366×768)、非光沢
グラフィックス インテル HD グラフィックス 620
メモリ 8GB(8GB×1/2400MHz DDR4)
ストレージ 256GB SSD(M.2 SATA/TOSHIBA製)
無線機能 インテル Dual Band Wireless-AC 8265、Bluetooth4.2(2×2)
バッテリ 42Wh、3セルバッテリ
サイズ 304.8×207.9×16.53(幅×奥行き×高さ/タッチ非対応/mm)
重量 約1.19kg(最小重量)
標準保証 3年間 オンサイトサービス (6営業日9-17時/※6営業日とは、当保守サービスでは月~土のこと)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年11月05日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home(64ビット/日本語)、12.5型HDの非光沢液晶、Core i5-7300U、8GBメモリ、256GB SSD(SATA)という構成内容のモデルです。
本製品には第7世代と第8世代のCoreプロセッサを採用するモデルがラインアップされており、掲載モデルは第7世代のCoreプロセッサを搭載しています。
CPUにはCore i3~Core i7までのモデルが提供されており、OSはProを選べることはもちろん、日本語版や英語版など選択肢が豊富です。
またメモリは最大16GB、ストレージは今のところ 128GB~1TBまでの容量を選べるだけではなく、SATAやNVMe、自己暗号化ドライブなどさまざまな規格・種類のモデルが提供されており、環境や予算にあった構成を選びやすいです。
主要な構成以外にも、ワイヤレスカードの種類や容量違いのバッテリを選択できたり、また保守サービスに関しても、ビジネス向けのモデルだけあって非常に充実しています。
細かく構成を選択したい方には好都合な製品だといえるでしょう。
以下、本製品で提供されている一部構成のバリエーションです。(2018年11月5日時点)
ビジネス向けという製品の性質上、非常に数多くの選択肢が提供されているため、正確な内容については製品ページに記載の内容をご覧ください。
OS
・Windows 10 Home (64ビット) 日本語、英語
・Windows 10 Pro (64ビット) 日本語、英語
・Ubuntu Linux 16.04
液晶
・12.5型ワイドHD(1366×768)、非光沢
CPU
・Core i3-8130U
・Core i5-7300U
・Core i5-8250U
・Core i5-8350U
・Core i7-8650U
メモリ
・4GB(4GB×1/ 2400MHz DDR4)
・8GB(8GB×1/2400MHz DDR4)
・16GB(16GB×1/2400MHz DDR4)
ストレージ
・128GB~1TB M.2 SSD(SATA、NVMe、自己暗号化ドライブ等も選択可能)
キーボード
・日本語キーボード バックライトなし
・日本語キーボード バックライト付き
・英語キーボード バックライトなし
・英語キーボード バックライト付き
掲載モデルに搭載されている、ストレージの詳細をチェックします。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
ストレージには、TOSHIBA製の「KSG60ZMV256G」という256GB M.2 SSD(SATA)が搭載されていました。
SATA規格ではありますが、HDDに比べると高速なストレージです。容量にもほどほどに余裕があって、使い勝手が良いと思います。
Latitude 7290には今回のSSDのほか、NVMe規格のSSDや、暗号化機能付きなど多種多様なモデルが提供されています。
ストレージの選択肢が豊富なのは、購入する側にとってはメリットが大きいです。
ベンチマークテストの結果
掲載しているLatitude 7290で実施した、ベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720/標準品質、ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
1280×720(DirectX 11/標準品質(デスクトップPC))
【CINEBENCH R15】
今回、第7世代のCoreプロセッサ搭載という点が少し残念ではあったのですが、性能はまずまず高いです。
といってもCPU内蔵グラフィックスのみの構成であるため、ゲーム系のベンチマークテストのスコアはあまり高くはありませんが、ネット閲覧やビジネスアプリを用いた作業など、一般的なビジネス用途には十分な性能を持ちあわせています。
ただ、どうせ買うなら第7世代ではなく、第8世代のCPUを搭載したモデルを選びたいところ。
第8世代のCPUは、省電力でありながらも内蔵グラフィックスの性能が向上しているため、より快適に利用できるはずです。
消費電力・温度
Latitude 7290のアイドル時、およびベンチマーク実行時(FF XIV)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度は50%に設定にした上で測定しています。
(以降、全てこの設定を使用)
アイドル時 ・・・ 5W
ベンチマーク実行時 ・・・ 32W
※実際の値は若干上下します
非常に低消費電力ですね。
特にアイドル時の消費電力が低いです。
以下、アイドル時、高負荷時(FF XIVを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
高負荷時のCPU温度はやや高めではあるものの、ノートPCとしては標準的な温度帯に収まっています。
一方でキーボード温度は、キーボード左半分がやや高めになるため、タイピング時に指先が熱く感じられることがあるかもしれません。
とはいえ実際の利用で、ゲーム系のベンチマークテストのような高負荷な作業を長時間行うことはないでしょうから、あまり気にしなくても良いと思います。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、Latitude 7290のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から10%に減少するまでの時間は56646秒。
約15.7(15.735…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
あくまでも、かなり軽めの作業を行った場合の駆動時間ですが、それでもこれだけ持てば言うことはありません。多少負荷をかけた使い方をしたとしても、電源なしの環境で長い間作業が行えるはずです。
バッテリの持ちが良いというのは、モバイルノートとしては大きな魅力です。
Latitude 7290 まとめ
以上、Latitude 7290のレビューでした。
最後にまとめます。
・12.5型HDの非光沢液晶を搭載
・堅牢性に優れながらも、厚み16.53㎜、重さは最小で約1.19kgと薄型軽量ボディを実現
・第7世代、第8世代のCoreプロセッサを搭載
・メモリは最大16GB、ストレージには様々な容量・規格のSSDを選択できる
・非常に多彩なオプションが提供されており、用途に合わせた構成を組める
・バッテリの持ちがとても良い
12.5型サイズの液晶を搭載する、堅牢性と薄く軽い筐体を両立したビジネスモバイルノートです。
薄型ノートながら比較的ハイスペックな構成も可能であること、また個人向けPCではまず見かけないパーツのオプションなども細かく提供されており、特に構成にこだわる人には痒いところに手が届く製品だといえます。
バッテリの持ちが良いのも、日常的にノートPCを持ちあるく人には大きなメリットです。
Latitude 7290はビジネス向け製品の中でも、特にオプションが豊富に提供されているノートであるため、個人ユーザーにはややオーバースペックなところがあるのですが、ビジネス向けならではの堅牢性と使いやすさ、カスタマイズの豊富さは、実用性を重視する人・安心して作業を行いたい人にはこれ以上にない魅力です。
単純に作業ができればよい、なんて人には無駄の多いノートかもしれませんが、細かくこだわりたい方には、導入を検討する価値のある製品だといえるでしょう。
限定クーポンが利用できるため、購入時は忘れずに適用してください。
構成によっては、お手頃なお値段で購入可能です。