HP 15-db0000のレビュー Ryzen搭載モデルも選べる!15.6型のリーズナブルなエントリーノート
HPが販売するノートPC、HP 15-db0000のレビューです。
HP 15-db0000は、15.6型フルHD液晶を採用するエントリーノート。
AMDのプロセッサを採用するマシンで、下位モデルにはAMD E2-9000e APUを、上位2モデルにはRyzen 3 2200UやRyzen 5 2500Uを搭載しています。
エントリーシリーズの製品ながら、上位モデルには高性能なプロセッサや SSD搭載のモデルも提供されるなど、それなりのパフォーマンスが必要な用途にも向くノートです。
それでいて価格はリーズナブルであるなど、できるだけコストを抑えながらもハイパフォーマンスなノートをお探しの方にとって魅力あるマシンだといえるでしょう、
デザインも洗練されており、コスパは高いです。
今回は、AMD E2-9000e APUを搭載するエントリーモデルを利用してみましたので、その特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。
【HP 15-db0000 レビュー記事目次】
HP 15-db0000 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・HP 15-db0000 まとめ
※掲載製品は LinkShare様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP 15-db0000 筺体外観・インターフェース
HP 15-db0000の筐体外観をチェックします。
清潔感あるピュアホワイトカラーが施された、見た目に爽やかな印象を受けるボディを採用しています。
低価格帯の製品ですが筺体に安っぽさはなく、PCとインテリアとの調和が気になるようなユーザーにも納得のいくデザインだといえるでしょう。
筺体は単に白いカラーであるだけではなく、よくみると織物調の繊細なデザインが一面に施されていることがわかります。
織物調…はプリントによるデザインではなく、細かい凹凸による立体感のあるデザインです。
お洒落で凝った雰囲気を醸しだしているだけではなく、手で持って移動する場合に滑りにくいというメリットもあります。
15,6型ノートにしては軽く、コンパクト。
持ち運びには向きませんが、扱いやすいのは悪くないです。
背面側、正面側から見た筐体全体の様子。
天板だけではなく、筐体側面やキーボード面など、さまざまなところにピュアホワイトカラーが施されており、どの角度からみても野暮ったさがありません。
ディスプレイには、15.6型フルHD(1920×1080)の非光沢液晶を採用。
光の反射が目立たないため、光沢液晶よりも目が疲れにくいです。
長時間、細かい作業を行われるような方にも使いやすい液晶だと思います。
視野角は狭いです。
斜めから見ると画面の内容が見づらくなるため、左右からの画面閲覧には適しませんが、正面から閲覧しながら作業を行うのには支障はありません。
普通は正面から画面をみることがほとんどですから、問題ないでしょう。
個人的には視野角の広いIPS液晶が好みであるため、TN液晶の採用はやや残念ですが、本製品はエントリーシリーズの低価格ノートであるため、コストの関係などで仕方がないところなのかもしれません。
ディスプレイ上部には HP TrueVision HD Webcamと呼ばれるWebカメラ(約92万画素)と、その右隣にマイクが内蔵されています。
ディスプレイ下部には、小さなhpロゴがプリントされているのが見えます。
ディスプレイの最大開閉角度は、約135~140度。
ノートPCのディスプレイでは標準的な範囲の可動域であり、角度の調整がしやすいです。
筺体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面です。
電源コネクターやLAN(RJ45)、HDMI出力、USB 3.1×2基、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポートが並びます。
右側面にはSDカードスロットやUSB2.0、DVDライター、セキュリティロックケーブル用のスロットが配置されています。
筺体正面、背面側には何も搭載されていません。
最新のType-C端子などはないものの、USBは全3基と十分な数を備えていること、また家庭で利用することの多いHDMI出力や、光学ドライブも標準搭載するなど、利用頻度が高いと思われるひととおりの端子が揃っています。
利用していて、不便に感じるようなことはないでしょう。
筺体底面の様子。
写真は上が筺体正面、下が背面側となります。
通気口やゴム足以外、何も見当たらないシンプルな構造を採用しています。
底面カバーにも、天板側と同じピュアホワイトのカラーや織物調のデザインが一面に施されています。
さりげなく凝っていますね。
PC本体と、付属の電源アダプターやケーブル、ウォールマウントプラグ。
電源アダプターは19.5V、2.31Aで45W。
基本構成で提供されているのはこの45Wアダプターのみとなりますが、カスタマイズでは65Wの電源アダプター(65WスリムACアダプター)を追加できます。
65WスリムACアダプターにはUSB端子が搭載されているため、USB対応のスマートフォンやタブレットの充電にも利用できるなど、充電するデバイスを多くお持ちの方には便利です。
ウォールマウントプラグが標準付属していました。
電源ケーブルの代わりに電源アダプターに接続することで、直接コンセントに差しこめるプラグです。
電源ケーブルよりも軽くカサが小さいため、持ち運びにも便利です。
キーボードの操作性
HP 15-db0000に搭載されているキーボードと、その付近の操作性をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用。
右側にはテンキーが備えられています。
キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmと、HPのノートPCとしては標準的なサイズと深さをもつキーボードです。ごく一部のキーのピッチがやや狭く設計されてはいるものの、標準的なキー配列&機能で操作しづらいところはありません。
キーには比較的しっかりとしたクリック感があり、タイピングがスムーズ。
ものすごく使いやすいというほどではありませんが、普通に使いやすいキーボードだと感じます。
筺体と同じように、パームレストやキーボードまわりにホワイトカラーが取りいれられているところがお洒落ですね。
キートップの様子。
フラットな形状です。
表面にややザラツキのあるマットな質感の素材を使用しており、指紋あとが目立ちません。
パームレスト部分やキーボードまわりには、ヘアライン調のデザインを採用。
見た目にきれいなだけではなく、サラッとした滑らかな触り心地で操作がしやすいです。
キーボードの上部にスピーカーを内蔵しています。
ややシャカシャカした感じの音ではあるものの、サウンドをこのスピーカーで楽しめるくらいの音質はあります。
プリインストールされているサウンドユーティリティ「Audio Control」にて、サウンドの調整が行えます
ボタン独立型のタッチパッドを搭載しています。
個人的にはボタンが独立していた方が操作がスムーズにいきやすいため、好みです。
ただ、このタッチパッドに関してはボタンがやや硬く押すのに力がいります。もう少し柔らかい方が使いやすいです。
とはいえ、そもそも本製品のような15.6型ノートではマウスを利用される方が多く、あまり気にする必要はないかもしれません。
重量
HP 15-db0000の重さをはかってみました。
PC本体の重さは2kg。
公称値と全く同じ数字です。
モバイルノートには向かないものの、15.6型ノートとしては軽く移動などがしやすいです。
電源アダプター&電源ケーブルの重さは296g。
電源アダプター&ウォールマウントプラグの重さは217g。
HP 15-db0000 構成内容とその特徴について
掲載しているHP 15-db0000の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP 15-db0000 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ AMD E2-9000e APU(1.50GHz~2.00GHz/2コア2スレッド)
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢
グラフィックス AMD Radeon R2 グラフィックス(CPU内蔵)
メモリ 4GB(4GB×1/DDR4-1866MHz)
ストレージ 1TB HDD(SATA 5400rpm/Seagate製)
光学ドライブ DVDライター
有線 内蔵Gigabit LAN (10/100/1000)
無線 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2
バッテリ 3セルバッテリ(公称の駆動時間:約8時間)
サイズ 377×247×23~26(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.0kg
カラー ピュアホワイト
ソフトウェア 速効!HPパソコンナビ特別版ほか
標準保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年09月20日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、15.6型ワイドフルHD液晶、AMD E2-9000e APU、4GBメモリ、1TB HDD、DVDライターという構成内容のモデルです。
本製品にはエントリーモデル、ベーシックモデル、スタンダードモデルの3種のモデルがラインアップされており、掲載モデルは最小構成のエントリーモデルとなります。
メモリのみ、4GBから8GBへのアップグレードが可能です。
その他のモデルについては、ベーシックモデルにはRyzen 3 2200Uや 4GB~8GBメモリ、1TB HDDが、最上位のスタンダードモデルにはRyzen 5 2500Uや8GBメモリ、256GB SSD(NVMe)が搭載されます。
今回の下位モデルは特に低価格ですが、性能を重視する方にはRyzenが搭載されている上位2モデルがおすすめ。
特に最上位モデルは、ストレージにNVMe規格のSSDが搭載されており、エントリーシリーズのPCとしてはかなりハイパフォーマンスであることが想像できます。
それでいて、比較的リーズナブルな価格であるところが魅力です。
以下、本製品で提供されている構成のバリエーションです。
モデルごとに選べるパーツが決まっており、以下の構成を自由に組みあわせられるわけではないため、ご注意ください。
OS
・Windows 10 Home 64bit
液晶
・15.6型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢
CPU
・AMD E2-9000e APU(1.50GHz~2.00GHz/2コア)
・AMD Ryzen 3 2200U(2.50GHz~3.40GHz/2コア4スレッド)
・AMD Ryzen 5 2500U(2.00GHz~3.60GHz/4コア8スレッド)
メモリ
・4GB(4GB×1/DDR4-1866MHz)
・8GB(8GB×1/DDR4-1866MHz)
・4GB(4GB×1/DDR4-2400MHz)
・8GB(8GB×1/DDR4-2400MHz)
グラフィックス
・AMD Radeon R2 グラフィックス(CPU内蔵)
・AMD Radeon Vega 3 グラフィックス(CPU内蔵)
・AMD Radeon Vega 8 グラフィックス(CPU内蔵)
ストレージ
・1TB HDD(SATA 5400rpm)
・256GB SSD(PCIe NVMe M.2)
光学ドライブ
・DVDライター
無線LAN
・IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth v4.2
速効!HPパソコンナビ特別版が標準付属。図解入りでわかりやすいWindows 10の操作マニュアルです。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
ストレージには、Seagate製の「ST1000LM035-1RK172」という1TB HDD(5400rpm)が搭載されていました。
HDDとしては標準的な性能のモデルです。
遅いというほどではないのですがところどころで待たされる感じがあるため、作業内容によってはストレスを感じるかもしれません。
まあ今回のモデルに関しては、さまざまな処理に時間がかかるのはプロセッサの性能があまり高くはないという理由もありますが、HDDの速度が全体のパフォーマンスの足を引っ張っているという点も無視はできないでしょう。
HP 15-db0000はモデルごとに構成が固定されているため、各モデルで好みのストレージを選ぶことはできませんが、上位のスタンダードモデルに256GB SSD(NVMe)搭載のモデルが提供されているため、速度重視の方はスタンダードモデルを選びましょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP 15-db0000で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strikeの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720/標準品質、ウィンドウモードで実行
【CINEBENCH R15】
ゲームはドラクエXのような軽いタイトルであっても、プレイは難しいようです。ブラウザゲームのようなかなりライトなゲームなら遊べると思います。
ゲームはともかく、重い作業を行わない普段使いのノートとしてなら、性能はまずまず十分でしょう。
ストレージにHDDを搭載しているため、PCやアプリ起動時などに待たされはするものの、常時ストレスを感じるほどの使用感ではありません。
とはいえ、やはり性能は低いため、ある程度の性能が欲しい方にはおすすめできない構成です。
できればRyzen 3 2200Uを搭載するベーシックモデルか、予算に余裕があるのなら Ryzen 5 2500Uを搭載するスタンダードモデルを選ぶと快適に作業が行えるはずです。
消費電力・温度
HP 15-db0000のアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度は50%に設定、バックライトキーボードはオフに設定した上で測定しています。(以降、この設定を使用)
アイドル時 ・・・ 5W
ベンチマーク実行時 ・・・ 18W
※実際の値は若干上下します
アイドル時だけではなく、ベンチマーク実行時も低消費電力です。
性能は低めなものの、バッテリの持ちには良い影響がありそうです。
以下アイドル時、高負荷時(3DMarkを繰り返し20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
高負荷な状態が続いても、CPUなどのパーツ温度は大きくは上昇しませんでした。
一方でキーボード表面の温度は、キーボードの左側のみ温度が上がりやすいよう。タイピングを行っていると、指先がやや温かく感じられます。
とはいえ、キーボード温度が上がるのはあくまでも高負荷な状態が続いた場合のみであり、そもそも本製品をゲームのような高負荷な用途に利用することはないと思われるため、あまり気にしなくてもよいでしょう。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、HP 15-db0000のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は35564秒。
約9.9(9.8788888888…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
あくまでも軽めの作業を行った場合の駆動時間ですが、本製品は15.6型ノートにしては消費電力が低いため、バッテリの持ちはかなり良いようです。
電源のない場所でも利用しやすいと思います。
HP 15-db0000 まとめ
以上、HP 15-db0000のレビューでした。
最後にまとめます。
・15.6型フルHD非光沢液晶の採用で、作業がしやすい
・最大 Ryzen 5 2500U搭載モデルを選べる
・最大256GB SSD(NVMe)搭載モデルを選べる
・清潔感のあるピュアホワイトのきれいなデザインを採用
・15.6型ノートにしては軽くコンパクトで扱いやすい
・リーズナブル
15.6型フルHDの非光沢液晶の搭載に加え、利用頻度の高いインターフェースや光学ドライブを備えるなど、普段使いのPCとして利用しやすいノートです。
低価格帯の製品であるのにもかかわらず、見映えの良いホワイトカラーのスタイリッシュなデザインを採用している所も、HPのノートならではの長所だと思います。
性能は、今回のモデルはAMD E2-9000e APUを搭載しており、あくまでも軽い用途向けという感じのパフォーマンスでしたが、上位モデルにはRyzen 3 2200UやRyzen 5 2500Uを搭載する構成も提供されており、多少パワーが必要な用途にも十分対応できます。
特に最上位のスタンダードモデルは、ストレージに256GB SSD(NVMe)を搭載しているために使い勝手が非常に良いと考えられます。サクサクとテンポ良く作業を行いたい方は、スタンダードモデルを選びましょう。
上位モデルでも、比較的価格が抑えられているところが魅力です。