Dell Vostro 3000(3470)のレビュー Pentium Gold G5400搭載!スリムなビジネスデスクトップ
デルが販売するデスクトップPC、Vostro 3000シリーズ(3470)スモールデスクトップのレビューです。
Vostro 3000シリーズ(3470)は、幅92.6mmというスリム筺体を採用するビジネス向けのデスクトップPC。
Pentium Gold G5400をはじめ、第8世代のCore i3、Core i5、Core i7を搭載する構成を提供するなど、幅広い用途に向くマシンです。
置き場所を選ばない小型筺体でありながらも光学ドライブ標準搭載、また若干の拡張性も持ちあわせており、ユーザーにとっては長く利用しやすいデスクトップPCだといえるでしょう。
全体的にリーズナブルなところも魅力。
基本機能は充実していながらも、多くの方に買いやすいお手頃な製品だと思います。
今回は、Pentium Gold G5400を搭載するVostro 3000シリーズ(3470)を使用してみましたので、その特徴や使い勝手、性能について詳しくご紹介いたします。
【Vostro 3000シリーズ(3470) レビュー記事目次】
Vostro 3000シリーズ(3470) 筺体をチェック
・筺体外観・インターフェース
・筺体内部の構造
・付属のキーボード・マウス
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
製品のまとめ
・ Vostro 3000シリーズ(3470) まとめ
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Vostro 3470 筺体外観・インターフェース
Vostro 3470の筐体外観をチェックします。
幅92.6mm、奥行き293mm、高さ290mmというスリムかつコンパクトな筐体を採用しており、PCの設置場所に余裕がないユーザーでも手軽につかえるデスクトップPCです。
小さいながら光学ドライブが標準搭載であったり、若干の拡張性を持ちあわせているところが魅力だと感じます。
フロントパネル全体の様子。
ブラックの落ち着いたトーンをベースに、シルバーのアクセントや三角形を用いた放射状デザインを採用するなど、控えめながらも凝った外観を持つ筺体です。
非常にスリムであり、狭い机の上にも余裕で設置できます。
フロントパネルの上部付近には、光学ドライブや電源ボタン、メディアカードリーダー、ヘッドフォンとマイクのコンボジャック、USB3.0×2基が並びます。
よく利用する端子類が正面からアクセスしやすい位置にあり、使い勝手はよいです。
フロントパネル中央のシルバー部分に配置されている、DELLのロゴ。
フロントパネル下部に施されている、放射状のデザイン。
このデザイン、上部&右側の三角形にはマットな素材が、下部には光沢素材が、そして左側の三角形には通気口が備えられるなど、なかなか凝っています。
通気口の内側に、赤色の防塵フィルターが取りつけられているのがみえます。黒とさりげない赤の配色が、何気にお洒落です。
背面の様子をチェックします。
左上からオーディオジャック×3基、VGA、HDMI、USB2.0×4基、LAN(ギガビットイーサネット)が並び、最下部に電源コネクターが配置されています。
インターフェースの内容は、デスクトップPCにしては充実しているとはいえませんが、とりあえず必要なものはすべて備わっているようです。
今回のモデルは外部グラフィックスなしの構成であるため、マザーボードにある映像出力を使用します。
筺体左右側面の様子です。
左サイドパネルには、三角形の幾何学デザインを取り入れた通気口が備えられています。
右サイドパネルには何もありません。
天面にもなにもなし。
こうやってみると、本当にスリムです。
筺体内部の構造
Vostro 3470の筐体内部の構造をチェックします。
背面にあるネジを取り外せば、サイドパネルは開きます。
ドライバーが必要です。
サイドパネルを固定している背面のネジは、上下2か所にある
サイドパネルの内側には、各パーツの着脱の仕方がイラストで描かれていました。わかりやすくてよいですね。
筺体内部の様子です。
左上にCPU、そのCPUの右隣にはメモリスロット、下部にはM.2スロットや拡張スロット類が並び、さらに電源ユニットが設置されています。
ストレージや光学ドライブを搭載するベイは、フロント寄りの位置に縦向きに設置されるなど、やや変わったパーツの配置を採用しています。
とはいえ、メンテナンスはしやすそうです。
CPUには、エアフローを効率よく行うためのエアーダクトが取り付けられています。
CPUのすぐ下です。
M.2スロットが備わっているのがみえます。
今回のモデルには搭載されていませんが、Vostro 3470にはM.2 SSDを搭載したモデルも提供されています。
CPUの右隣、ストレージ類が配置されている奥側にメモリスロットが2基搭載されています。
ストレージです。
掲載モデルには、3.5インチのHDDが搭載されています。
手前からは見えませんが、このストレージの奥にスリムタイプの光学ドライブを配置。
一般的なサイズ・構造のデスクトップよりも、ややストレージ類の脱着は面倒かもしれませんが、難しくはありません。
電源は200W(80PLUS BLONZE)。
デル製の電源ユニットが搭載されていました。
記事作成時点では、本製品で提供されているのは200W電源のみのようです。
付属のキーボード・マウス
Vostro 3470に標準付属するキーボードとマウスは、「デル エントリーキーボード KB216」と「デル 光学マウス MS116」というモデル。
いずれも有線タイプのUSBデバイスで、ブラックカラーのモデルが付属していました。
こちら、以前掲載したデルのデスクトップPCに付属のキーボード&マウスと同じであるため、写真や解説については標準付属のキーボード&マウスをご覧下さい。
キーボード「KB216」と、光学マウス「MS116」
Vostro 3470 構成内容とその特徴について
掲載しているVostro 3470の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【Vostro 3470 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Pentium Gold G5400(3.70GHz/2コア)
グラフィックス インテル UHD グラフィックス 610
メモリ 4GB(DDR4 2400MHz)
ストレージ 1TB HDD(7200rpm/Seagate製)
光学ドライブ トレイロード式DVD+/-RWドライブ
拡張スロット PCI Express x1×1、PCI Express x16×1、M.2×1
無線機能 Dell ワイヤレス 1707(IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0、1×1)
電源 200W電源 (EPA Bronze)
サイズ 92.6×293×290(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約4.35kg、もしくは約4.8kg
キーボード&マウス デル エントリーキーボード KB216、デル 光学マウス MS116
ソフトウェア マカフィー スモール ビジネス セキュリティ(12ヶ月間更新サービス)
標準保証 1年間 オンサイトサービス (6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年08月4日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Pentium Gold G5400、4GBメモリ、1TB HDD、DVD RWドライブ、無線LAN、200W電源という構成内容のモデルです。
Pentium Gold G5400のモデルは、Vostro 3470で提供されている中では最下位にあたる構成で、上位には第8世代のCore i3、Core i5、Core i7を搭載したモデルも提供されています。
グラフィックカードの提供は確認した時点ではないようです。
ほか、メモリは最大8GB、ストレージには1TB HDDと、256GB M.2 SSDの構成も提供されています。
選択肢は豊富とまではいえないものの、比較的幅広い構成を選べるビジネスデスクトップPCです。コンパクト筺体でありながら光学ドライブを標準搭載し、若干の拡張性も備えています。
電源が200Wのみであるため、拡張性があるといっても知れてはいるのですが、ストレージの追加などが行える構造であるのは、あとあと何かと便利なのではないでしょうか。
Pentium Gold G5400(CoffeeLake)に関しては、第8世代のCPUとしては低性能な部類ですが、それでも重い作業のないビジネス用途には十分な性能を備えていること、省電力であること、またなにより価格が安いです。
コア数が少なくターボブースト機能にも対応していませんが、クロックが3.7GHzと高めであるため、使用するソフトや使い方によっては比較的高いパフォーマンスを発揮できるはずです。
もちろん、CPUはあとから簡単に変えられないパーツであるため、予算があるのなら上位のCPUを選んだ方が長く使いやすくはあるものの、製品価格を考えるとPentium Gold G5400の選択は悪くないと思います。
サウンドユーティリティとして、Waves MaxxAudio Proを搭載 サウンドのチューニングが行えます
以下、掲載にモデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
Seagate製の「ST1000DM010-2EP102」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
遅いイメージのあるHDDですが、デスクトップ向けの3.5インチのディスクであるため、そこそこパフォーマンスは高いです。高速だといえるほどではありませんが、ストレスを感じるほど遅くもありません。
記事作成時点では、ラインアップされているほとんどのモデルに1TB HDD(7200rpm)が搭載されていますが、256GB M.2 SSDを搭載するモデルもあるため、SSDが良い方は該当するモデルを選ぶようにしましょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している Vostro 3470で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strikeの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720、1920×1080/標準品質、ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
1280×720(DirectX 11/標準品質(デスクトップPC))
【CINEBENCH R15】
パワーがあるとはいえないものの、PCゲームのベンチマークテストなども実行はできてきます。
重い用途には心もとないと思われる性能ですが、メールやネット、ビジネス系のソフトウェアを使用するといったライトな用途には使いづらくはありません。
価格を考えると悪くないのではないでしょうか。
消費電力・温度
Vostro 3470のアイドル時、およびベンチマーク実行時(FF XIV)の消費電力を測定してみました。
アイドル時 ・・・ 13W
ベンチマーク実行時 ・・・ 39W
※実際の値は若干上下します
アイドル時、ベンチマーク実行時ともに、デスクトップPCにしては低消費電力です。
以下、アイドル時、高負荷時(FF XIVを20分以上実行)のパーツ温度です。
パーツ温度
高負荷な状態が長く続いても、比較的低温です。
Vostro 3000シリーズ(3470) まとめ
以上、Vostro 3000シリーズ(3470)のレビューでした。
最後にまとめます。
・幅92.6mmのスリム筐体を採用
・CPUにはPentium Gold G5400をはじめ、第8世代のCore i3~i7から幅広く選べる
・M.2 SSD搭載モデルも提供
・コンパクト筺体なのに拡張性がある
・リーズナブル
幅92.6mmという、スリム&コンパクトな筐体の採用によって設置場所を選ばないこと、またコンパクトな割には光学ドライブなどの基本機能を搭載していたり、若干の拡張性を持ちあわせるなど実用性に優れています。
今のところ、外部グラフィックスの構成はありませんが、CPUには Pentium Gold G5400をはじめ、第8世代のCore i3、Core i5、Core i7も提供されており、用途や予算にあった構成を選びやすいです。
今回、Pentium Gold G5400を搭載したモデルを利用しましたが、思っていたよりもパワーはある印象です。
正直にいって高性能だとはいえないものの、ライトなビジネス用途には余裕の性能を備えていますし、なにより価格が安いという魅力は大きいです。
もちろん、予算が出せるのなら第8世代のCore i3~i7を選んだ方が確実に使い勝手はよくなります。また、長く使うのなら上位のCPUを選んだ方が結果的にコスパは高くなるのですが、簡単な用途にしかPCを使わないのなら Pentium Gold G5400のモデルでも十分でしょう。