Dell Vostro 14 5000(5468)のレビュー 軽くスタイリッシュな14型の高性能ビジネスノート
デルが販売するノートPC、Vostro 14 5000(5468)シリーズのレビューです。
Vostro 14 5000(5468)は、14型液晶を搭載するビジネス向けのノートPC。
2017年1月23日現在、Vostro 14には 3000シリーズと 5000シリーズの2種が提供されており、掲載モデルは上位の5000シリーズに位置づけられる製品です。
14型サイズの液晶を搭載しながらも、最小1.59 kgと軽く設計されており移動がしやすいこと、また指紋認証リーダーのオプションが提供されるなど、ビジネスモデルならではのセキュリティ機能も選べます。
CPUには第6世代のCore i3をはじめ、第7世代のCore i3、i5、i7などの幅広い選択肢が用意されており、さらにGeForce 940MX(4GB)搭載のモデルも提供されるなど、ライトな用途はもちろん、パワーが必要な用途にも対応可能です。
ストレージにHDDだけではなく、SSDが選べる点も○。
上位シリーズだけあって、下位シリーズに比べると機能や性能面は充実している印象ですが、さらに上級のLatitudeブランドなどと比較すると、価格がかなり安く抑えられており、気軽に購入できるところが本製品の大きな魅力だといえるでしょう。
今回は、第7世代のCore i3-7100Uを搭載するVostro 14 5000(5468)を使ってみましたので、その外観や使用感、性能面などについて詳しくご紹介いたします。
【Vostro 14 5000(5468) レビュー記事目次】
・製品の特長
(Vostro 14 5000(5468)シリーズの特長)
・Vostro 14 5000(5468) 筺体外観や操作性をチェック
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(Vostro 14 5000(5468) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Vostro 14 5000(5468)シリーズの特長
以下、Vostro 14 5000(5468)の主な特長です。
提供される構成は、時期により異なる可能性があるため、参考程度にご覧ください。
・14型サイズのノートPCながら、最小1.59kgと軽量
・第7世代Core i3、i5、i7搭載モデルを提供(一部第6世代)
・GeForce 940MX(4GB)搭載モデルを提供
・ストレージはHDDの他、SSDも選べる
・液晶はHD、フルHDの非光沢
・オプションで指紋認証リーダーを選べる
・ビジネス向け製品ならではの充実した保守サービスを選べる
・ジングル・ゴールド、エラ・グレー(メタリック)のカラーバリエーション
・比較的リーズナブル
14型サイズの液晶を搭載しながらも、最小1.59kgと軽量なノートPCです。
とはいっても数字だけを見ると、ものすごく軽いといえるようなものではないのですが、モバイル向けではない製品にしてはかなり軽い部類だと言えるでしょう。
実際、筐体もコンパクトで扱いやすいですし、PCを持っての移動も楽に行えます。
提供されている構成については、2017年1月23日現在、第6世代のCore i3、第7世代のCore i3、i5、i7を搭載したモデルがラインアップされています。
GeForce 940MX(4GB)やSSD搭載モデルも提供されるなど、一般的なビジネスノートにしては割とハイスペックな構成も選べるようです。
液晶には 14型HD、フルHDパネルが提供されており、いずれも非光沢。
指紋認証リーダーオプションや、保守が充実している点など、ビジネスノートらしい特徴も多数持ちあわせています。
冒頭でも述べたとおり、上級のLatitudeブランドになると、よりビジネスモデルとして様々な要素が充実している反面、価格がグンと上がってしまうのですが、本製品はビジネスモデルらしいノートながらも価格が抑えられており、個人ユーザーにも手の届きやすい製品だといえます。
Vostro 14 5000(5468) 筺体外観・インターフェース
Vostro 14 5000(5468)の筐体外観をチェックします。
本製品には、エラ・グレーと呼ばれるメタリックなグレーカラーのボディと、ジングル・ゴールドと呼ばれるボディが提供されており、掲載モデルはゴールドカラーのボディを採用しています。
天板の様子です。
ゴールドカラーの天板の中央に、デルのロゴが入るデザインを採用しています。
ゴールドとはいっても主張しない感じのライトなゴールドであり、派手さはありません。ビジネスノートに相応しい、落ち着いた雰囲気のデザインだと思います。
補足として、現時点では標準はグレーカラーであり、ゴールドカラーは有料オプションとなります。
ただ、有料とはいってもプラス1,000円程度と安価。
個人的には、グレーよりも今回のゴールドカラーが好みです。
筐体側面や底面部分にもゴールドカラーが施されており、一体感がある
筐体背面、正面側の様子です。
見て分かると思いますが、ディスプレイがとても薄くスタイリッシュなシルエットです。
ディスプレイには、14型ワイドHD非光沢パネルを搭載。
このパネルの他に、14型ワイドフルHDの非光沢パネルの選択肢も提供されています。
ただし、どのモデルでも自由にフルHDパネルを選べるというものではなく、フルHDを搭載したモデルが予め決まっているため、構成を選択する際にはご注意ください。
液晶上部にはHD 720p対応のウェブカメラと、カメラの左右にはマイクを内蔵
液晶下部にはデルのロゴ
ディスプレイの最大開閉角度は135度前後。
液晶面の角度調整がしやすいです。
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面の様子。
電源コネクター、LAN、HDMI、USB3.0×2基、ヘッドセットポートが並びます。
LAN端子は、カバーを押し下げてケーブルを接続するタイプです。
右側面の様子。
メディアカードスロット、USB3.0、VGA、セキュリティーケーブル用のスロットが並びます。
正面側には中央に電源のステータスランプ、背面には何もありません。
LAN端子をはじめ、映像出力にはHDMI端子に加えてVGAを搭載している点など、ビジネスノートらしいインターフェイスの内容だと思います。
なお、本製品は光学ドライブを搭載していないため、必要な方はご注意ください。
筐体底面の様子です。
写真は上が筐体正面側、下が背面側となります。
バッテリーは完全に内蔵されており、着脱はできません。
中央に、Vostroのロゴが入るシンプルなデザインです。
一面に天板と同じゴールドカラーが施されるなど、デザインにこだわりがあると感じます。
ボストロのロゴはプリントなどではなく、型押しによるもの
底面左右には、Waves MaxxAudio Pro対応のステレオスピーカーを内蔵
Waves MaxxAudio Proのユーティリティを使用し、サウンドのカスタマイズが行えます
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブル
電源アダプターは19.5V、2.31Aで45W。
なお、今回のモデルはCPU内蔵のグラフィックスを利用する構成であるため、45Wの電源アダプタが付属していましたが、外部グラフィックスを搭載する構成では、65Wのアダプタが付属するようです。
キーボードの操作性
Vostro 14 5000(5468)に搭載されている、キーボードの操作性をチェックします。
やや角に丸みのあるキーを採用する、アイソレーションタイプの日本語キーボードです。
よくある、上からはめ込んで固定してあるタイプのキーボードではなく、あらかじめキーの形状にあわせて成型されたプレートからキーの頭だけが見えているキーボードで、デザインに一体感があって美しいです。
キーボード自体は、デルの製品でよく見かける BackspaceやEnterキーの幅が狭いタイプで、使い慣れていないとやや違和感があるかもしれません。
このタイプのキーボードは、右にテンキーを搭載していた場合に誤操作をしてしまいやすいのですが、本製品はテンキーを搭載しないため、BackspaceやEnterキーを押す際に発生しやすいキーの打ち間違いが起こりません。
さらに、BackspaceやEnterキーを隣のキーとつなげるなど、幅の狭いキーの打ちにくさを軽減するような工夫が取り入れられており、実際に操作性は悪くないです。
右側のBackspaceやEnter、Shift、手前のSpaceキーなどが若干変わった形状となっている
キートップは完全に平らな形状
白色のバックライトが内蔵されています
キーボード面全体に、ヘアラインのようなデザインが施されています。
指紋などの汚れが目立ちにくく、美しいデザインです。
タッチパッドはボタン一体型。
パームレストの素材とは異なり、石の表面のようなサラサラとした質感のタッチパッドです。
ボタンの押し心地は柔らかく、スムーズに作業が行えます。
自宅で利用するならマウスを利用したいですが、タッチパッドでもそこそこ快適に作業が行えます。
側面の加工が美しいです。光のあたる角度によって、パッドの側面がキラキラ光ります
液晶の見やすさ
Vostro 14 5000(5468)に搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
14型ワイドHD(1366×768)の非光沢パネルが搭載されています。
初期時の画面のスケーリングは100%に設定されている状態でした。
アイコンや文字サイズが大きく、細かい文字を読むのが苦手な方にもみやすいです。
特別きれいだと思えるような液晶ではありませんが、非光沢で周囲の風景の映り込みなどが起こりにくく、作業がしやすいです。
本製品ではこのHD非光沢パネルの他、フルHDの光沢パネルを搭載したモデルも提供されています。
視野角は狭いです。
角度をつけて閲覧した状態だと色変化が大きく、画面の内容を読み取ることは難しいです。
ただ、正面から閲覧する分には問題のない表示です。
作業にも支障はありません。
重量
Vostro 14 5000(5468)の重量を測定してみました。
PC本体の重さは1668g。
最小重量の1.59kgという数字に比べるとやや重いですが、14型ノートにしてはかなり軽いです。
電源アダプターやケーブルをあわせた重さは274g。
こちらも軽量です。
Vostro 14 5000(5468) 構成内容とその特徴について
掲載しているVostro 14 5000(5468)の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【Vostro 14 5000(5468)ベーシックモデル の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i3-7100U(2.40GHz)
ディスプレイ 14.0型ワイドHD(1366×768)、非光沢
グラフィックス HD グラフィックス 620
メモリ 4GB(DDR4 2400MHz)
ストレージ 500GB HDD (5400rpm/東芝製)
無線機能 インテルWireless-AC 3160(IEEE 802.11 ac/a/b/g/n)Bluetooth v4.2、2.4&5GHz,1×1
バッテリ 42WHr
サイズ 340×240×18.5(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.59kg(最小)
ソフトウェア マカフィー スモール ビジネス セキュリティ (12ヶ月間更新サービス)他
標準保証 1年間 オンサイトサービス (6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説は、記事を作成した2017年01月23日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、14.0型ワイドHD 非光沢液晶、Core i3-7100U、メモリ4GB、500GB HDDという構成内容のモデルです。光学ドライブは搭載されていませんので、必要な方はご注意ください。
Vostro 14 5000(5468)シリーズで提供されている構成の中では、ライトな用途向けのモデルです。といっても、ネットや動画閲覧、ビジネス文書の作成、簡単な写真加工を行える程度のパワーはあります。
さらにパワーが必要な方は、第7世代のCore i5やi7、GeForce 940MX(4GB)を搭載したモデルを選択するとよいでしょう。また高解像度液晶が好みの方は、フルHD液晶を搭載したモデルを選んでください。
いずれのモデルも、カスタマイズオプションで指紋認証リーダーを選ぶことができるため、必要な方は忘れずに追加しましょう。
以下、本製品で提供されている主なパーツです。
各パーツを自由に組み合わせられるというものではなく、モデルによって選べる構成が決まっているため、詳細については製品ページのモデル一覧をご覧ください。
OS | Windows 10 Home (64ビット) Windows 10 Pro (64ビット) |
液晶 | 14.0型ワイド HD (1366 x 768) 非光沢 14.0型ワイド FHD (1920 x 1080) 非光沢 |
CPU | 第6世代 Core i3-6006U(最大 2.00 GHz) 第7世代 Core i3-7100U(最大 2.40GHz) 第7世代 Core i5-7200U(最大 3.1GHz) 第7世代 Core i7-7500U(最大 3.5GHz) |
メモリ | 4GB(DDR4 2400MHz/4GBx1) 8GB(DDR4 2400MHz/8GBx1) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 520 インテル HD グラフィックス 620 NVIDIA GeForce 940MX(4GB GDDR5) |
ストレージ | 500GB HDD(5400rpm) 1TB HDD(5400rpm) 256GB SSD |
無線LAN | インテルWireless-AC 3160(IEEE 802.11 ac/a/b/g/n)Bluetooth v4.2、2.4&5GHz,1×1 |
バッテリ | 42Wh |
カラー | ジングル・ゴールド エラ・グレー(メタリック) |
以下、搭載ストレージの詳細です。
HDDの仕様
ストレージの内訳
HDDには、東芝製の「MQ01ABF050」という500GB HDD(5400rpm)が搭載されていました。
特にコメントを付けるような特徴はないと思われる、いたって普通の性能を持つHDDです。HDDとしては遅すぎず、しかし速いといえるほどでもありません。
容量が必要な方や、サクサクと快適な速度で作業を行いたい方は、本製品で提供されている1TB HDDや、256GB SSDを搭載したモデルをお選びください。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している Vostro 14 5000(5468)ベーシックモデルで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からFire Strike、Fire Strike Ultra、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
1280×720(DirectX 9/標準品質(ノートPC))
【Minecraft】
デフォルトの画質設定では快適に動作
【CINEBENCH R15】
下位のCore i3搭載モデルとはいえ、軽いゲームをほどほどの画質でプレイできるくらいのパワーは持ち合わせているようです。
ストレージがHDDであるため、SSD搭載モデルのようなレスポンスの速さは期待できませんが、本モデルくらいの性能があれば、ネットや動画の閲覧をはじめ、ビジネス文書を利用した事務作業なども快適にこなす事ができるでしょう。
価格の安さを考えると、悪くないと思います。
パワーが必要な方は、上位モデルをご選択ください。
消費電力・温度
Vostro 14 5000(5468)の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時、ベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力値です。
測定時、画面の輝度は50%に設定。(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 28W
※実際の値は若干上下します
アイドル時、高負荷時ともに低消費電力です。
そこそこの性能を持っているのにもかかわらず、最近のノートPCは本当に消費電力が低くなったと思います。
次に、アイドル時とベンチマークテスト(3DMarkのFire Strike)を20分以上実行したあとのCPU温度です。今回、Speccyというソフトウェアを利用しています。
アイドル時
ベンチマークテスト実行時
高負荷時はやや温度が高くなりますが、他のノートPCと比較して特別高くはないです。
さらに、高負荷時のキーボード表面温度を測定。
高負荷な状態が続いた場合に、キーボード中央付近がやや温かくなりますが、キーボード中央とはいっても温度が高くなるのは上寄りの位置であるため、タイピングを行っていてもあまり気になりません。
再起動時間
Vostro 14 5000(5468)の再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterというソフトウェアの実行結果です。
1回目 1:57
2回目 2:00
3回目 1:51
4回目 1:48
5回目 1:59
6回目 2:01
7回目 2:03
8回目 2:07
9回目 1:49
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分57秒
Vostro 14 5000(5468)の再起動にかかる時間は およそ1分57秒。
HDDであるため、やや時間がかかる印象です。
サクサクとした使い心地を好まれる方は、SSD搭載モデルをお選びください。
バッテリ駆動時間
Vostro 14 5000(5468)のバッテリ駆動時間を、bbenchというソフトウェアを使用して測定しました。
ソフトの設定は、キーストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は38279秒。
約10.6(10.6330555…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
ネット閲覧や簡単な文字入力といった軽い作業では、バッテリはかなり持つようです。
複雑な作業を行った場合、多少バッテリの持ちは短くなると思われますが、それでもバッテリのみで長く利用できるでしょう。
電源のない場所でも充電を気にしなくて済むというのは、気分的に楽です。
Vostro 14 5000(5468) まとめ
Vostro 14 5000(5468)のレビューは以上となります。
14型とやや大きめの画面サイズでありながら、最小1.59kgと軽量なビジネスノートです。
画面サイズの大きいノートの方が当然使いやすいですが、重すぎるPCは移動しづらいですし、かといって小型のモバイルノートだと操作性の面で難があります。本製品は、操作性と携帯性両方を重視するユーザーに向くノートPCだと言えるでしょう。
性能面に関しては、第6世代のCore i3、第7世代のCore i3 ~Core i7をはじめ、GeForce 940MX(4GB)搭載モデルや、ストレージにSSDを採用する構成も提供されるなど、ライトな用途から、比較的パワーが必要な用途にも対応できるラインアップとなっています。
液晶にはHDとフルHDの解像度を提供しており、使いやすい環境を選ぶことが可能。いずれも非光沢パネルであるため、作業がしやすいです。
ビジネスノートはコンシューマー向けのノートに比べると、その性質上価格が高くなりがちですが、本シリーズはビジネスノートでありながらも価格が抑えられており、気軽に買いやすい点が魅力的。加えて、ゴールドやグレーのカラーバリエーションが提供されるなど、ビジネスモデルながらデザイン性を意識している所は、最近のニーズにマッチしていると思います。
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