HP EliteBook 725 G3 レビュー AMD A8 Pro-8600B搭載!コスパに優れた12.5型ノート
HPが販売するノートPC、HP EliteBook 725 G3のレビューです。
HP EliteBook 725 G3は、12.5型サイズでありながらも18.9mmの薄さと、約1.26kgの軽量ボディを持つモバイルノートPC。
CPUにAMD A8 Pro-8600Bを搭載し、M.2 SSDを搭載しながらも下は7万円台(税抜/2016年5月10日時点)からという低価格を実現したマシンです。
本製品は個人向け製品として販売されていますが、EliteBookという名前からもわかるとおりビジネス向けの要素をそなえたモデルであり、例えばセキュリティ系のソフトウェアが搭載されていたり、リカバリメディアが標準付属されていたり、堅牢性の高い筐体を採用していたりと高品質な内容を持ち合わせています。
そういった内容に加えて高い性能を持ちながらも、低価格を実現しているという点は本製品の大きな魅力。
使いやすく信頼性の高いモバイルノートが欲しいけれど、高価なモデルはちょっと・・というような方におすすめできる製品だと言えるでしょう。
今回は、そんなHP EliteBook 725 G3 の外観や操作性、性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【HP EliteBook 725 G3 レビュー記事目次】
・HP EliteBook 725 G3
(筐体外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 重量 / 液晶 / 主な付属品)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(HP EliteBook 725 G3 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP EliteBook 725 G3 筐体外観・インターフェース
まず、HP EliteBook 725 G3の筐体外観の様子をチェックします。
冒頭でも述べたように、本製品は12.5型サイズの液晶を搭載しながらも18.9mmの薄さと1.26kgの軽量ボディを実現しており、筐体は見た目にコンパクトな印象。
米軍調達基準 (MIL-STD-810G)をクリアする耐久性を持ちあわせており、モバイルにも最適なノートPCだと言えます。
天板はシルバーカラーの削り出し素材用いたシンプルなデザイン。
天板の中央には鏡面仕上げのhpロゴを配置しています。
HPの製品では比較的よく見かけるデザインですが、シンプルながらも上質な雰囲気を醸し出しており悪くないです。
背面から見た全体の様子。
正面から見たHP EliteBook 725 G3。
ディスプレイには12.5型HD解像度の非光沢パネルを採用しています。
解像度には好みがあるものの、非光沢タイプで作業がしやすい液晶です。
液晶上には、720p HD対応のWebカメラとマイクを内蔵。
液晶ベゼル上には、hpやBANG & OLUFSENのロゴがプリントされています。
本製品にはBang & Olufsen対応のスピーカーが搭載されており、専用のユーティリティにより高品質なサウンドの実現や、サウンドをユーザーがカスタムする事ができるようになっています。高音質・・とまではいきませんが、ノートにしては悪くないサウンド品質です。
加えて、内蔵マイクとデジタルプロセッシング技術によるノイズキャンセル機能も搭載しており、Skypeやハングアウトを利用する様な場面でも快適に使用できます。
キーボードの上部にスピーカーを内蔵
筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
左側面の様子。
セキュリティ ロック ケーブル用スロット、VGA、USB 3.0、スマートカードリーダーを搭載しています。
USBは電源オフ時の充電に対応。
右側面です。
こちら側にはUSB Type-C、DisplayPort、ヘッドフォンとマイクのコンボジャック、USB 3.0、メディアカードリーダー、LAN、電源コネクター、拡張コネクターが並びます。
拡張コネクターは、ドッキングステーションを接続するためのコネクターです。
あと、SIMスロットが搭載されていますが、日本向けの製品では利用できません。
LTE対応のモバイルノートが欲しい方は、HP Elite x2 1012 G1をご覧になってみてください。
筐体前面・背面には何もありません。
全体としてUSBは計3基搭載されており、うち1基はUSB Type-C、また薄型でありながらLANをそなえるなど、比較的インターフェースの内容は充実しています。
VGAやスマートカードリーダーが搭載されており、HDMIがない点がビジネス向けのノートと言う感じです。
筺体底面の様子。
写真は上が筐体背面側、下が前面側となります。
バッテリの取外しはできません。
背面寄りの位置にある四角形のホールは、ドッキングステーションを固定するためのホールです。
ドッキングステーションの写真。
簡単に拡張性を向上させられる点は、特に多数の周辺機器を利用される方に便利です。
付属の電源アダプターの仕様は19.5V、2.31Aで45W。
キーボード周りの外観・操作性
次に、HP EliteBook 725 G3に搭載されているキーボードやその周りの外観、操作性をチェックします。
縦横のキーピッチが18.7mm、キーストロークが1.5~1.7mmというアイソレーションタイプのキーボードを採用しています。
配列に変わった点はなく、またEnter等のキーも大きく使いやすいキーボードです。
打鍵時のキー底面のたわみも殆ど感じらず、文字入力などの作業が快適に行えるキーボードだと思います。
防滴機能が搭載されており、PC作業中に飲み物を飲まれるような場合にも安心です。
キートップの形状。
僅かにですが、キーの中央が窪んでいるように見えます。
キーボードの中央付近にはポイントスティック、タッチパッドには4つの独立型ボタンが搭載されています。
ポイントスティック、タッチパッドいずれも操作性は良いです。
特に、パッドのボタンがとても押しやすいと感じます。
タッチパッドの左上付近に小さな点がプリントされているのが見えます。
ダブルタップする事でタッチパッド機能のオンオフを切り替える事ができます。
重量
HP EliteBook 725 G3の重量を測定してみました。
PC本体の重量は1254g。
耐久性に優れた12.5型のノートとしては、軽量で持ち運びしやすいです。
電源アダプターやケーブルの重量は245g。
アダプターもまずまず軽量です。
液晶の見やすさ
HP EliteBook 725 G3に搭載されている液晶をチェックします。
12.5型ワイドHD(1366×768)の非光沢液晶を採用しています。
12.5型サイズの液晶でHDの解像度だと、コンテンツの表示サイズは結構大きめであり、小さな文字をよむのが苦手だというような方にも使いやすいと思われます。
液晶の解像度は人により好みが分かれるため、逆に使い辛いと感じられる方もおられるかもしれません。
液晶の視野角は狭いです。
画面を斜めから見ると表示内容が白っぽく色変化してしまいます。
真正面から見た場合の見え方に問題はなく、作業には支障はないでしょう。
主な付属品
本製品に同梱されていた主な付属品をご紹介いたします。
販売製品と同じ内容であるとは限りませんので、参考情報としてご覧ください。
各種のマニュアル類に、iPassのクーポンコードが書かれた用紙。
リカバリメディア一式。
通常個人向けの製品では、リカバリメディアの付属はオプションでの追加が殆どであったと思いますが、本製品は標準でリカバリメディアが付属しています。
付属品・・とは少し異なりますが、PCリサイクルラベルもついており、廃棄の際の料金負担が不要となっています。
HP EliteBook 725 G3 構成内容とその特徴
掲載している HP EliteBook 725 G3の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP EliteBook 725 G3 A8 256GB Windows 10 Homeモデル の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ AMD A8 Pro-8600B (1.6GHz~3.0GHz)
グラフィックス AMD Radeon R6 Graphics(APU内蔵)
メモリ 4GB(4GB×1/DDR3L-1600/最大16GB)
ディスプレイ 12.5型ワイドHD(1366×768)、非光沢
ストレージ 256GB M.2 SSD(SanDisk製/M.2 2280/SATA3)
無線機能 インテル Dual Band Wireless-AC 7265 802.11a/b/g/n/ac(2×2)、Bluetooth v4.0
バッテリ 3セル、44WHr、駆動時間の実測値は後の項に掲載
電源アダプター 45W
サイズ 310×219×18.9(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.26kg
主な付属品 Windows 10用リカバリメディア(ドライバDVD)他s
保証 1年間(引き取り修理サービス、パーツ保証、電話サポート)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年05月10日時点で確認の情報に基づくものです。
Windows 10 Home、12.5型ワイドHD液晶、AMD A8 Pro-8600B、メモリ4GB、256GB M.2 SSDを搭載するという構成のモデルです。
AMD A8 Pro-8600Bは、Carrizoと呼ばれる省電力系のAPU。APU統合のGPUとしてRadeon R6 グラフィックスが統合されており、本製品のような価格帯のノートとしては若干グラフィック性能は高い印象でしょうか。ものすごく性能が高いというわけではありません。
OSはWindows 10の他、Windows 7 Professional搭載のモデルも提供されており、Windows 7搭載モデルでは256GB SSDの他、128GB SSDの構成も選択可能となっているようです。
ビジネス作業用のノートとしては、十分な構成内容のマシンだと言えます。
そこそこ高い性能を持つAPUに加え、SSDを搭載しながらも7~8万円台(税抜)からという価格は、かなりコストパフォーマンスに優れていると言えます。
構成面だけでなく、堅牢性や操作性などにも配慮されており、地味にお得感の高いノートPCです。
以下、搭載されているストレージの詳細です。
SSDの詳細
ディスクの内訳
ストレージにはSanDisk製の「SD7SN6S-256G-1006」という256GB M.2 SSDが搭載されていました。
Windows 7搭載のモデルでは256GBの他、128GBのM.2 SSDも選べるようになっています。
いずれもSATA接続となりますが、十分高速な処理速度を実現しており、多くの作業をサクサクと快適に行う事ができるでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP EliteBook 725 G3で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
各テストの結果
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
標準品質(ノートPC)、DirectX 9 1280×720
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
低品質、ウィンドウモードで実行 1280×720
【CINEBENCH】
軽いゲームであれば、画質を調整すればプレイできる位の性能を持ちあわせているようです。
高性能とまではいかないと思いますが、ビジネスノートとしては十分な性能です。
標準でSSDを搭載しているという点も魅力だと言えます。
消費電力・温度
HP EliteBook 725 G3の消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(3DMark)実行時の消費電力測定値です。
ディスプレイの明るさは50%程度に設定しています。
アイドル時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 30W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
全体的に消費電力は低いです。
インテルの省電力系Core iプロセッサを搭載するようなノートと、似たような消費電力です。
次に、HP EliteBook 725 G3の筐体内パーツの温度を測定。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(3DMark)を20分以上実行)の温度測定値です。
気にする程ではありませんが、APUの温度がやや高めになりやすいようです。
さらに、高負荷時のタブレット表面の温度を測定。
キーボードの中央から左側にかけて、やや高温になりやすいようです。
キー入力を行っていると指先が微かにあたたかく感じられます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP EliteBook 725 G3の再起動にかかる時間を測定。
以下は9回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:55
2回目 0:51
3回目 0:53
4回目 0:52
5回目 0:52
6回目 0:52
7回目 0:58
8回目 0:52
9回目 0:53
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 53秒
HP EliteBook 725 G3の再起動にかかる時間は約53秒。
SSDを搭載しているため、高速です。
バッテリ駆動時間
HP EliteBook 725 G3のバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定にはbbenchを使用、ソフトウェアの設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)は60秒毎に実行されるという内容です。
画面の輝度は50%に設定しています。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は21325秒。
約6(5.92361111…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
バッテリの持ちはまずまずという印象です。
とはいえ、外出時に長時間バッテリで作業を行うというのならばともかく、短時間の作業なら十分なバッテリの持ちです。
HP EliteBook 725 G3 まとめ
HP EliteBook 725 G3のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・12.5型液晶を搭載し、厚み18.9mm、重量1.26kgという薄型軽量を実現
・米軍調達基準 (MIL-STD-810G)をクリアする耐久性を持ち合わせている
・キーボードまわりの操作性・機能性が優れている
・AMD A8 Pro-8600BやM.2 SSDの搭載でビジネス利用には十分なパフォーマンス
・ドッキングステーションを利用できる
・上質なデザイン
12.5型ワイドHDの非光沢液晶を採用する、モバイルノートPCです。
このサイズでありながら厚み18.9mm、重量1.26kgを実現するなど、モバイルに適したコンパクト・軽量な筐体を実現しています。非常に高い耐久性も備えており、安心して持ち歩く事ができます。
キーボードやタッチパッドまわりの使い勝手が良い点も、文字入力などの作業を行う事が多いユーザーには非常に便利。防滴機能も備えており、飲み物をPCの近くに置いて作業をする事が多いような方でも安心です。
性能についてはAMD A8 Pro-8600BやM.2 SSDの標準搭載により、ゲームができるほどではないものの、事務的な作業を行うには十分なパフォーマンスをそなえており、そういった作業に利用するのであれば性能不足を感じる事はないでしょう。
ドッキングステーションを接続して利用できる点も、外部モニターなど周辺機器をPCに接続して利用する事が多いユーザーにはメリットが大きいです。
上記のような内容を備えながらも7~8万円台(税抜/2016年5月10日時点)からという価格設定は、思わず間違いではないかと見直してしまったほどリーズナブルだと思います。
液晶の解像度がHDのみであるところは使う人を選びそうですが、そういった点が気にならなければ非常にお買い得なモバイルノートPCです。