Latitude 12 7000(E7250)シリーズレビュー ビジネス向けの12.5型スリムモバイルノート
デルが販売するノートPC、Latitude 12 7000(E7250)シリーズのレビューです。
Latitude 12 7000(E7250)は、12.5型HDの液晶を搭載するビジネス向けのモバイルノート。
最小重量は約1.25kg、厚みは最小19.4mmと薄くコンパクトな製品で、CPUにはインテルの第5世代Core iプロセッサを搭載しています。
高い耐久性やセキュリティ機能、操作性、オプションの充実などビジネス向け製品ならではの要素を備えており、機能性の高いノートPCをお探しの方におすすめ。デザインはやや地味ですが、さすがビジネス向けの製品だけあってとても使いやすいです。
今回は、そんなLatitude 12 7000(E7250)の外観や使用感、性能等について詳しく触れたいと思います。
【Latitude 12 7000 (E7250)シリーズ レビュー記事目次】
・Latitude 12 7000 (E7250) 筐体外観・液晶・使用感など
(筺体外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 筺体底面と内部構造 / 重量 / 液晶の品質)
・構成内容・特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビューのまとめ
(Latitude 12 7000 (E7250) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Latitude 12 7000 (E7250) 外観・インターフェースの内容をチェック
まず、Latitude 12 7000 (E7250)の筺体外観やインターフェースの内容をチェックします。
筐体サイズは幅310.5mm、奥行き211mm、厚みは19.4mmで、重量は最小1.25㎏。
モバイルノートととしては「軽量」という程ではありませんが、なんでも米国の軍用規格(MIL-STD 810G)に適合する耐久性を持ち合わせているそうで、筺体の耐久性が高くしっかりとした作り事を思うと十分にコンパクトで軽いです。
バランスよく操作性や剛性、携帯性を両立したマシンだと思います。
天板はさらっとした触り心地の良い質感 指紋が付きにくい
天板中央にはDELLのロゴ
筺体のカラーはブラック。
剛性の高い素材が使われているとの事ですが、天板表面にはコーティングがなされているのか、見た目柔らかい感じで手触りもソフト。
手で触れても指紋汚れが付きにくく、扱いやすいマシンだと思います。
本体もディスプレイも見るからに薄い
ディスプレイには12.5型HD(1366×768)の非光沢パネルを採用。
仕様を見る限りでは、フルHDのタッチパネルも提供されるとの事ですが、現時点(2015年7月29日)ではHDのパネルのみの選択肢となっているようです。
幅のあるベゼルでデザイン的には地味な印象を受けるディスプレイですが、その分薄くても撓みなどが出ずしっかりとした作りであり、安心できる使用感です。
液晶上部にはカメラを内蔵、下部にはDELLのロゴを配置
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面。
排気口以外何もないように見えますが、右の方にスマートカードリーダーが搭載されています。
右側面にはメディアカードリーダー、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボ、USB3.0、mini DisplayPort、セキュリティスロットを搭載。
筐体前面には何もなし。
やや下に入った部分に2基のスピーカーを内蔵しています。
背面。
左からLAN、HDMI、USB3.0、PowerShare(電源オフ時の充電)対応のUSB3.0、電源コネクターが並びます。
背面に多くの端子が並んでおり、電源ケーブルや外部機器の接続時にもそのケーブルが邪魔にならないようなインターフェースの配置です。
良く利用すると思われる端子のみ、側面の邪魔にならない位置に配置されており、とても使いやすいです。
ディスプレイの最大開閉角度はほぼ180度。
液晶の角度調整などが行いやすいです。
こういった構造は、複数人で画面を閲覧するような場合や、外部ディスプレイを接続するような場合にもかなり便利。
PC本体と付属の電源アダプター&ケーブル
電源アダプターのコネクターの形状はミッキー型
電源アダプターの仕様は19.5V、3.34Aで65W
キーボードやタッチパッドの操作性
次に、Latitude 12 7000(E7250)のキーボードやタッチパッドの外観、使用感をチェックします。
キーボード全体の様子
キーボード左半分を拡大
キーボード右半分を拡大
アイソレーションタイプのキーボードです。
ビジネス向けだけあって防滴仕様。オプションで指紋認証リーダーを搭載可能となっています。
テンキーを搭載しないためキーのピッチは余裕があり、ストロークも薄型タイプのノートのキーボードの割には深さがあって打ち心地が良いです。
気になるのがEnterやBackSpace等のキーの幅が極端に狭い部分ですが、本製品は右側にテンキーを搭載していないため、それ程操作に影響する事はないです。
やや中央が窪む形状のキートップ 指先へのフィット感が良い
タッチパッドはボタン独立型。
モバイルタイプのノートだと、タッチパッドを利用して操作を行う機会が結構あるのではと思いますが、本製品のタッチパッドはとても使いやすいです。
ボタンも適度に柔らかく、パッド面の操作もしやすいです。
なお、ジェスチャーや感度といったタッチパッドの機能については「DELL ポインティングデバイス」より詳細な設定が可能です。
タスクトレイ内にある、タッチパッド状のアイコンより起動できます。
筺体底面からアクセスできる内部の構造
Latitude 12 7000(E7250)の筺体底面の様子と、底面からアクセス可能な内部構造をチェックします。
底面全体 写真は上が背面側、下が前面側となる
一瞬、バッテリは完全に内蔵されてしまっているのかと思いますが、写真手前側に搭載されており取外しが可能です。
奥の方に見える端子はドッキングオプションを接続するためのもの
バッテリは、底面中央にあるラッチを右にスライドさせる事で簡単に取り外しできます。
薄っぺらい形状のバッテリです。
搭載バッテリの仕様は7.6V、52Wh
内部へも簡単にアクセスできます。
底面にある左右2本のネジを緩める事で、写真奥側のパネルの取外しが可能。
メンテナンスしやすい構造です。
WWAN用のスロットが見える カードは搭載されていないもののアンテナは提供されている
メモリスロット
メモリの右にはmSATAスロット
重量
Latitude 12 7000(E7250)の重量を測定してみました。
本体の重量は1336g。
最小重量は約1.25 kgとの記載がありましたが、それは3セルバッテリを搭載した場合で、今回掲載の製品には4セルのバッテリが搭載されているため、少し重いです。
とはいえ、持ち運べない事はない重さです。
電源アダプターやケーブルの重量は301g。
PC本体と一緒に持った場合、1600g強の重さです。
出張や旅行時ならばともかく、本製品はバッテリの持ちが良い為、電源アダプターやケーブルなどを持っていかなくてはならない機会はそれほどないのではと思います。
液晶の品質・見やすさをチェック
Latitude 12 7000(E7250)に搭載されている液晶の品質、および見やすさをチェックします。
実際の製品に同じパネルが搭載されるとは限りませんので、参考程度にご覧ください。
12.5型ワイドHD(1366×768)の非光沢液晶を搭載。
非光沢で映り込みや光の反射が少なく、見やすいです。光沢パネルに比べて目が疲れにくいため、長時間の利用にも適しています。
なお仕様によると、フルHDのタッチ液晶も選択できるような事が書かれていますが、現時点(2015年7月29日)では実際に提供されているのはHDの非光沢液晶のみとなっているようです。
TN方式のパネルが搭載されているようで、視野角は狭いです。
正面から見る分には明るく見やすい表示であり、本製品の用途では特に問題のないパネルだと思います。
次に、色域の測定結果を掲載します。
これより以降、Spyder 4 Eliteによる測定結果を掲載しています。
sRGBのカバー率は62%、AdobeRGBのカバー率は47%と言う結果。
色域は狭いです。
ガンマカーブを確認します。
左:ガンマ応答カーブとガンマ2.2のカーブ / 右:ガンマ補正カーブ
ガンマ応答カーブにはバラつきが見られる状態です。
デフォルトでは青と緑がやや強めの表示となっているようで、見た目にもやや青っぽく見えると思います。
さらに、画面の均一性を測定してみました。
色ムラや輝度ムラのチェックです。
色ムラも輝度ムラもややあるものの、どちらもあまり目立ちません。
普通に見ただけではわからないと思います。
表示にはこれといった特徴のないパネルですが、ビジネス作業を行う液晶としては利用しやすいと思います。
非光沢で見やすい為、長時間の作業にも適しています。
Latitude 12 7000(E7250)の外観や使用感については以上となります。
次記事では、掲載モデルの構成特徴や性能、搭載ソフトについて詳しく触れたいと思います。
次: Latitude 12 7000 (E7250)のベンチマーク結果 Core i5-5300Uを搭載する12.5型ビジネスノートの性能チェック