HP Pavilion x2 10-j000 のベンチマーク結果 バッテリの持ちがかなり優秀
前記事(HP Pavilion x2 10-j000 レビュー 約930gのリーズナブルな10.1型ハイブリッドPC)に続き、今回はHP Pavilion x2 10-j000の構成と性能面について。
掲載のマシンはOSにWindows 8.1(32bit)、プロセッサにAtom Z3745D、メモリ2GB、ストレージには32GB eMMCを搭載するという構成内容を持つモデル。
最近のWindowsタブレットに多い構成です。
ストレージの容量が小さく、人によっては使い辛い可能性もありますが、性能はタブレットとしては悪くはなく、日常の一般的な作業であれば大抵は快適に行えるでしょう。
今回は、上記構成を持つ HP Pavilion x2 10-j000 の構成や特徴、実際の性能面について触れてみたいと思います。
【HP Pavilion x2 10-j000 レビュー記事目次】
・HP Pavilion x2 10-j000 タブレット外観や付属のキーボードをチェック
(タブレットの外観 / キーボードの外観 / ノートPCスタイル時の様子 / キーボードの操作性 / 重量 / 付属品(「速効!HPパソコンナビ特別版」が標準付属) / 液晶の品質)
・掲載モデルの構成と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容について解説
(プリンストール・ソフトウェアの内容について)
・製品のまとめ
(HP Pavilion x2 10-j000 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Pavilion x2 10-j000 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているHP Pavilion x2 10-j000 の構成内容と特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果と主な構成内容です。
【CPU-Z】
【HP Pavilion x2 10-j021TU の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 32bit
プロセッサ Atom Z3745D(1.33GHz~1.83GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 4400
メモリ 2GB(2GB×1/DDR3L 1333MHz/ オンボード)
ディスプレイ 10.1型ワイドHD(1280×800)、IPS、タッチ、光沢
ストレージ 32GB eMMC(SK hynix社製)
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth v4.0
センサー 加速度センサー、ジャイロスコープ、デジタルコンパス、周辺光センサ
バッテリ 駆動時間:約11時間45分(2セル/実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 15W
サイズ タブレット:264×170×9.6/キーボード合体時:264×175×15.5~18.4(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 タブレット:約600g/キーボード合体時:約930g
カラー タブレット:アッシュシルバー/ソフトカバーキーボード:ムーンストーングレー
付属品 速効!HPパソコンナビ特別版他
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年12月18日時点のものです。
掲載モデル構成は上記の通り。
Windows 8.1(32bit)にAtom Z3745D、メモリ2GB、32GB eMMCと、最近出回るWindowsタブレットの構成そのものと言った感じの内容で、構成のカスタマイズは行えません。
ストレージの容量が32GBとかなり少なめであるため、多数のプログラムをインストールするなどといった使い方は難しいですが、性能はWindowsタブレットとしてはそれなりに高く、高負荷でない作業であれば快適に操作する事ができるでしょう。
構成面ではそれ程特筆すべき点はないのですが、本製品はバッテリ駆動時間がかなり長め。
同じような構成のタブレットは多いものの、バッテリの持ちは製品によってまちまちであるため、ここは本製品の長所と言っても良いでしょう。
実測でも、軽い作業であればキーボードを装着した状態でも10時間以上は軽く使えるという結果が出ており、バッテリの持ちが良いタブレットやノートPCをお探しの方にお勧めできる製品だと言えます。
搭載されているストレージの内容について詳しく触れます。
搭載されているストレージ
ディスクの内訳
実際の空き容量
今回の製品には、SKハイニックス社製の「Hynix HBG4e」という32GB eMMCが搭載されていました。
他製品にも搭載されているのをたまに見かけるeMMCで、速度は当然SSDに比べると劣りますが、最近の製品に搭載されるeMMCの中では比較的高速なモデルだと思います。
容量に関しては上でも述べた通り、32GBとかなり少なめであるため、何も考えずに利用しているとあっという間に容量不足に陥ってしまう可能性があります。
具体的には、初期状態でのCドライブの容量が21GB弱であり、そのうちユーザーが利用できる容量が約18GB。回復ドライブ(リカバリメディア)を作成した上で、回復パーティションを削除すれば利用できる容量は若干増えますが、いずれにせよあまり大胆な使い方はできないと思われます。
とはいえ、あれこれインストールするような使い方でなければ、特に不便を感じるような事はないでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、HP Pavilion x2 10-j000で行ったベンチマークテストの結果です
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 6.3
メモリ 5.5
グラフィックス 4.1
ゲーム用グラフィックス 4.2
プライマリ ハードディスク 6.6
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 145.2 / 46.06
512K 121.3 / 45.76
4K 9.545 / 5.385
4K QD32 15.61 / 5.975
いずれも数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMark 各テストの実行結果
Ice Storm・・・ 18092
Cloud Gate・・・ 1372
Sky Diver・・・ 525
Fire Strike・・・ 0
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×800
1280×800 ・・・ 771~829
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1360×768
1360×768 ・・・ 169
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×800
1360×768 ・・・ SCORE:631 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
1360×768(高品質(ノートPC))
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:712 / 評価:動作困難
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:1237 / 評価:重い
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 6.51fps
CPU ・・・ 1.24pts
構成内容なりの性能で、特にゲーム系のベンチマークテストのスコアは総じて低いですが、ネット閲覧や入力作業など、軽い作業に利用するのであれば悪くはないパフォーマンスです。
例えば量販店などに置かれている、最近のAtom搭載Windowsタブレットに幾つか触れてみて、それなりに使えると感じるのであれば、本製品の利用も問題ないと思われます。
消費電力・温度
HP Pavilion x2 10-j000の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOAZARD 6)の消費電力測定結果です。
画面の輝度は60%強程度に設定。
アイドル時 ・・・ 4W
ベンチマーク実行時 ・・・ 13W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
いずれの場合の消費電力も低いです。
輝度を落とせば、より消費電力を小さく抑える事ができるでしょう。本製品は輝度30~40%程度でも結構明るく、その明るさでも屋内では快適に利用できると思います。
次に、本、体内のパーツ温度について。
以下、アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6を20分以上実行)実行時のパーツ温度測定結果です。
高い負荷が続くとCPU温度がやや高くなるようですが、気になるほどではありません。
さらに、高負荷時のタブレット背面の温度を測定してみました。
写真では、タブレット左下側の温度がやや高くなるよう。
手で触れると、やや熱いと感じる位の温度です。
極端に高いわけではありませんが、タブレットスタイルでの利用時、高負荷な作業を長時間行った場合は熱さが気になる事があるかもしれません。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP Pavilion x2 10-j000の再起動にかかる時間を測定してみました。
以下は10回の再起動測定時間と、その平均値です。
1回目 1:04
2回目 0:56
3回目 0:56
4回目 0:55
5回目 0:57
6回目 0:57
7回目 0:56
8回目 0:58
9回目 0:54
10回目 0:56
再起動の平均時間 ・・・ 56秒
HP Pavilion x2 10-j000の再起動にかかる平均時間は56秒。
SSD搭載のPCよりは遅いですが、HDDを搭載するPCよりはやや早いという程度の時間です。
体感でも、起動やシャットダウンはそこそこ速いと感じます。
とはいえ、毎回完全にシャットダウンを行うという使い方をする方は、それ程多くはないのではと思われます。
バッテリ駆動時間
HP Pavilion x2 10-j000のバッテリ駆動時間を測定しました。
ソフトウェアにはbbenchを利用。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎に、ネットへのアクセス(ブラウザへのアクセス)が60秒毎という内容で、画面の輝度は50%程度に設定して測定しました。
バッテリの残量が100%から5%に減少するまでの時間は58096秒。
約16時間弱もの間、バッテリ駆動で利用できるという結果です。
かなり負荷軽めの環境での測定ですが、それでもバッテリの持ちはかなり優秀。
複数のソフトを起動して利用するなど、それなりに負荷の高い状態で使用したとしても、長い時間利用できるのではと思います。
軽い使い方であれば、毎日充電する必要はなさそうです。
プリインストール・ソフトウェアの内容
HP Pavilion x2 10-j000に標準で搭載されているソフトウェアの内容を確認・解説します。
以下は初期時のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。
製品購入時のカスタマイズ(ソフトなど)内容によっては、以下とは異なる可能性がありますので、参考程度にご覧下さい。
プリインストールされているソフトの内容は、Windows 8.1標準のソフトに加え、HP製の各種ツール群や圧縮・展開ソフトの「7-Zip」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」、そしてオーディオ設定を行うユーティリティ「DTS Studio Sound」という内容でした。
上記のソフトウェアの他に、ストアアプリとして「HP Connected Photo」や「Box」、「The Weather Channel for HP」、「TripAdvisor」他、複数のアプリが搭載されているという状態です。
HP製のツールに関しては、PCに搭載されているHP製のソフトを参照できる「HP Utility Center」や、リカバリ&バックアップの「HP Recovery Manager」、システムの全般的な管理を行える「HP Support Assistant」、指紋管理などを行う認証ソフト「HP SimplePass」、ユーザーガイドなどの資料にアクセスできる「HP Documentation」という内容で、他のHPの個人向けノート製品と比較して特に変わったものはありません。
その他、製品購入時に行えるカスタマイズオプションとして、KINGSOFT Officeやパソコン移行ソフト、ハガキソフトなどを追加できるようですが、ストレージの容量が元々少ないという事を考えると、ソフトウェアを幾つも追加するのは難しいと思われます。
HP Utility Center 他のHP製ツールを参照・起動できる
HP Support Assistant PCの状態把握など、管理を行うためのソフトウェア
HP Recovery Manager システムの更新やリカバリを行ったり、リカバリメディアの作成等も行える
Recovery Managerからリカバリメディアの作成を行おうとすると、Windowsの回復ドライブの作成が起動する
HP Pavilion x2 10-j000 まとめ
HP Pavilion x2 10-j000のレビューについては以上となります。
最後にまとめると・・
・タブレットとしてもノートPCとしても使える2 in 1の構造
・ノートPCの状態でも約930gと軽量
・4万円台と安価
・バッテリの持ちがとても良い
・ストレージは32GBと少な目
タブレットとしてもノートPCとしても利用できる、2 in 1の構造を持つマシンです。
ノートPCの状態でも約930gと軽く、またバッテリの持ちが非常に良い為、頻繁に持ち歩けるノートPCやWindowsタブレットの購入をされている方には最適な製品です。
CPUにAtom Z3745Dを搭載しており、高性能とまでは言えないもののそこそこ快適なパフォーマンスを実現している事、またフルサイズのUSB3.0を搭載するなど、インターフェースもタブレット寄りの製品にしては充実しており、快適に利用する事ができるでしょう。
お値段がリーズナブルなところも魅力です。
唯一、ストレージの容量が32GBと少な目ではありますが、容量が少ないとは言ってもギリギリの状態ではないため、多数の大きなファイルやソフトウェアを追加するなどといった使い方をしなければ、特に不便を感じる事はないと思います。
バッテリの持ちや軽さなど、総合的にみてモバイルデバイスとしては使いやすい部類の製品です。
タブレットや軽いノートPCの購入を検討されている方は、是非製品をチェックしてみてください。