OMEN by HP 17-w100 レビュー GTX 1070 (8GB)搭載!G-SYNC対応の17.3型フルHDゲーミングノート
HPが販売するノートPC、OMEN by HP 17-w100のレビューです。
OMEN by HP 17-w100は、17.3型フルHDのIPS非光沢液晶を搭載するゲーミングノートPC。
以前掲載した、OMEN by HP 17-w000というモデルの後継となる製品です。
旧モデルには GTX 965Mが採用されていましたが、今回のモデルには GTX 1060(6GB)やGTX 1070(8GB)が採用され、さらに液晶がG-SYNC対応となりました。
GTX 1060(6GB)やGTX 1070(8GB)などのハイエンドGPUに加えて、いずれのモデルにも16GBのDDR4メモリや 256GB NVMe SSD、1TB HDDが搭載されるなど、非常にハイスペックなマシンです。
GTX 1060や GTX 1070位のグラフィックカードを搭載するモデルなら、VRの推奨スペックも十分に満たしていますし、高負荷なゲームであっても高画質で快適にプレイできるなど、ゲームをするうえで不便を感じることは殆どないでしょう。
G-SYNC対応というところで価格が若干高くなってしまうものの、それだけの価値があるモデルです。
今回は、GTX 1070(8GB)を搭載する OMEN by HP 17-w100を使用してみましたので、その特徴や使用感、性能面などを詳しくご紹介したいと思います。
【OMEN by HP 17シリーズ レビュー記事目次】
・製品の主な特徴
(OMEN by HP 17-w100 の特徴)
・OMEN by HP 17-w100 筐体外観と操作性をチェック
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 筐体底面内部 / 液晶の見やすさ / 速効!HPパソコンナビ特別版が付属)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(OMEN by HP 17-w100 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
OMEN by HP 17-w100-w100 の特徴
以下、掲載しているOMEN by HP 17-w100の主な特徴です。
【OMEN by HP 17-w100】
・NVIDIA G-SYNC対応の フルHD(1920×1080)非光沢パネルを採用
・GTX 1060(6GB)、GTX 1070(8GB)を搭載
・質量約3.28kg
・大型ファンを2つ搭載、さらに2本の銅製ヒートパイプとプレートで強力に冷却
・HDMI 2.0 出力、Mini DisplayPort、USB3.1×3、RJ45、ヘッドフォン出力、マイク入力を搭載
・Bang & Olufsenのクアッドスピーカーと専用のソフトウェアを採用
GTX 960MやGTX 965Mを搭載する前モデルと比較して、デザインは全く変わっていませんが、搭載グラフィックカードがGTX 1060やGTX 1070へとグレードアップされた他、機能などにも変化が見られるようです。
例えばディスプレイがG-SYNC対応対応となった点。
G-SYNCは、ディスプレイのリフレッシュレートを GPUに同期させる技術で、G-SYNC対応のディスプレイとGPUをそなえた環境では、Vsync有効時や無効時に起こりやすいカクつきやテアリングが生じるのを防ぎ、スムーズに映像を表示させることができます。
最近、ゲーミングノートでも対応のモデルをちらほら見かけるようになりましたが、今回の製品もそのG-SYNCに対応しています。
G-SYNC対応のモデルは価格がやや高くなってしまう点が難点ですが、様々なゲームをプレイするというのなら、価格以上の価値があると言っても良いでしょう。
インタフェースなどにも変化が見られるようで、以前のモデルにはUSB3.0やUSB2.0が搭載されていましたが、今回のモデルにはUSB3.1端子が3基搭載され、Mini DisplayPortが追加されています。
加えて光学ドライブ非搭載となったようです。
光学ドライブが必要・・というのならばともかく、以前と比較して内容はグンと良くなっており、これからゲーミングノートを買おうとお考えの方には非常に魅力的な候補の製品だと言えるしょう。
OMEN by HP 17-w100 筐体外観をチェック
OMEN by HP 17-w100の筐体外観をチェックします。
先にも書いた通り、筐体のカラーリングやデザインは旧モデルと殆ど変っていませんが、筐体の厚みが若干増しているようです。
ただ流線型のデザインを取り入れているためか、サイズの割にはスリムな印象を受けます。
前と変わらず、トゥインクルブラックをベースにシャドウメッシュパターンが入るデザインを採用しています。
スムースでマットな質感がきれいな天板です。
天板中央にはVoodoo PCのロゴを配置 光沢感が美しいです
背面、正面側から見た筐体。
17.3型液晶搭載であるため、サイズはそこそこ大きいです。
ディスプレイには17.3型フルHDのIPS、非光沢パネルを採用。
今回、製品の価格が少し高めではないかと思っていたのですが、液晶がG-SYNC対応だったというわけです。
G-SYNC対応の製品は価格がやや高くなってしまいやすいのですが、マシンの性能の高さなどに関係なく起こリ得る、カクつきなどによる入力遅延を最小限に抑えることができるため、本製品のような高性能なモデルでは特に魅力が大きいです。
液晶上部にはHP Wide Vision HD Webcam 約92万画素のWebカメラです
液晶下部には小さなhpのロゴ
ディスプレイの最大開閉角度は約135度。
ノートPCのディスプレイとしては標準的な可動域で、角度の調整が行いやすいです。
筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
左側面の様子。
左からセキュリティスロット、USB3.1、ヘッドフォン出力、マイク入力が並びます。
右側面にはSDカードスロット、Mini DisplayPort、USB3.1×2基、HDMI 2.0、LAN×1、電源コネクターが搭載されています。
筐体正面や背面側には何もありません。
背面中央に付近には、小さなOMENの文字がプリントされています。
ノートPC本体と、付属の電源アダプターやケーブル。
電源アダプターは19.5V、11.8Aで230W。
ノートにしてはやや大きめですね。
キーボードの操作性
OMEN by HP 17-w100に搭載されているキーボードの操作性をチェックします。
キーボードは旧モデルと同じものだと思います。
右側にテンキーを搭載する、アイソレーションタイプの日本語キーボードです。
主要なキーのピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmと、HPのノートのキーボードとしては標準的なサイズ。
ファンクションキーはデフォルトで音量調整などが動作する仕様となっています。
なんとなくゲーミングPCらしい、宇宙的なものを彷彿とさせるようなフォントが印象的です。
タイピング時のキー底面のたわみもなく、キー配列も標準的で使いやすいキーボードだと思います。
キートップは僅かに中央が窪んでいるようにも見えますが、ほぼ平らです。
キーサイドのカラーが赤く、見た目に格好良いです。
キーボードバックライトを点灯させると、赤く光ります。
キーボード上側には電源ボタンと、Bang & Olufsenのサウンドテクノロジーに対応のクアッドスピーカーを内蔵。
確か旧モデルにはデュアルスピーカーが搭載されていたはずですが、今回のモデルにはさりげなくクアッドスピーカーが採用されています。
ボタン一体型のタッチパッドを採用しています。
使い勝手はまあまあという感じ。少しボタンが硬めでしょうか。
ただ、本製品ではマウスを使って操作をされる方が大半だと思いますので、あまり気にする部分ではないと思います。
なお、本製品はオプションとして専用のゲーミングデバイスを選択する事が出来るようになっているのですが、そのデバイスを管理するツールがインストールされていました。
SteelSeriesのデバイスを管理するためのユーティリティ「SteelSeries Engine」
この「SteelSeries Engine」、今回のモデルには搭載されていましたが、デバイスを購入することによってインストールされるのか、もともとインストールされているものなのかは不明です。
筐体底面からアクセスできる内部の様子
OMEN by HP 17-w100の筐体底面の様子をチェックします。
底面。
写真は上が筐体背面側、下が正面側となります。
旧モデルはバッテリの着脱が行えましたが、今回のモデルは完全に内蔵されてしまっているようです。
あと旧モデルにはなかった、底面内部へアクセスするための開閉パネルが中央付近に配置されているのが見えます。
中にはメモリスロットが搭載されていました。
メモリのみ、簡単にアクセスできるようです。
液晶の見やすさ
OMEN by HP 17-w100に搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
17.3型フルHD(1920×1080)のIPS、非光沢液晶を搭載しています。
初期時の画面のスケーリングは100%。
17.3型の大画面にフルHDの解像度ですので、表示されているコンテンツが閲覧しやすいです。
ノートの画面は15.6~17.3型でフルHD位の解像度が、もっとも実用的で使いやすいですね。
メニュー表示の多い、写真や動画編集ソフトなども利用しやすいと思います。
IPS方式のパネルであるため、視野角は広いです。
斜めからも表示内容がはっきりと見えます。
家庭用のPCで、液晶を斜めから閲覧することなんてあまりないと思いますが、例えば複数人で動画や映画観賞、ゲームをプレイする場合などには使いやすい液晶です。
速効!HPパソコンナビ特別版が付属
本製品にはWindows 10の操作の参考となる、「速効!HPパソコンナビ特別版」が無償付属しています。
邪魔にならないコンパクトサイズの本です。
Wdinwos 10の操作に不慣れな方には、役立つ内容の本だと思います。
OMEN by HP 17-w100 構成内容とその特徴について
以下、掲載しているOMEN by HP 17-w100の構成内容とその特徴です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【OMEN by HP 17-w100(17-w105TX)の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-6700HQ(2.60GHz/TB時最大3.50GHz)
ディスプレイ 17.3型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢、IPS、NVIDIA G-SYNC対応
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 1070(8GB)
メモリ 16GB(8GB×2/DDR4-2133MHz)
ストレージ 256GB SSD(PCIe NVMe M.2/Samsung製)+ 1TB HDD (7200rpm/HGST製)
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth v4.2
バッテリ 公称の駆動時間:約9時間
サイズ 418×287×32.5~33(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約3.28kg
カラー トゥインクルブラック/シャドウメッシュパターン
標準保証 1年間(引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年12月08日時点のものです。
主にWindows 10 Home、G-SYNC対応の17.3型フルHD非光沢液晶、Core i7-6700HQ、GTX 1070(8GB)、16GBメモリ(DDR4)、256GB SSD&1TB HDDを搭載する構成内容のモデルです。
OMEN by HP 17-w100にはGTX 1060(6GB)を搭載する構成と、GTX 1070(8GB)を搭載する構成の2モデルが提供されており、掲載製品は後者の上位モデルとなります。
主に2モデルの違いはグラフィックスのみで、その他の構成は同じ。
基本的に主要な構成のカスタマイズはできませんが、最初からハイパフォーマンスなCore i7や16GBものメモリ、SSDとHDDの2ドライブ構成を採用するなど、カスタマイズの必要性がない位ハイスペックな内容であるため、全く問題はないでしょう。
GTX 1060やGTX 1070を搭載するゲーミングデスクトップPCに近いパフォーマンスでゲームがプレイできる、ゲーマーには非常に魅力の大きいノートPCです。
掲載モデルに搭載されているストレージの詳細を確認します。
搭載SSDとHDD
ストレージの内訳
SSDにはSamsung製の「MZVLV256」という256GB SSDが、HDDにはHGST製の「HTS721010A9E630」という1TB HDDが搭載されていました。
SSDはNVMe規格の高速なモデルです。
加えて容量の大きいHDDを搭載しており、ゲーム数多くプレイするユーザーをはじめ、写真や動画ファイルなどを扱うような方には使いやすいストレージ構成だと思います。
本製品で提供されているストレージは、上記のみとなります。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているOMEN by HP 17-w100で実施した、ベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
上からFire Strike、Fire Strike Ultra(4K)、Time Spyのスコア
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(最高品質)、1920×1080(最高品質)/Windowsモードで実行
【ドラゴンズドグマ オンライン】
1980×1080 / 最高品質
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1920×1080(設定3)、1920×1080(設定6)
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
上から1280×720、1980×1080、3840×2160(DirectX 11/最高品質)
【CINEBENCH R15】
【GTA V】
GTA Vのベンチマークテストを行ってみました。
フルHD&標準画質(デフォルトの画質設定)、フルHD&最高画質の2パターンでベンチマークテストを実行。
以下、各テストの詳細なスコアです。
上がフルHD&標準画質、下がフルHD&最高画質
【フルHD&標準画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 10.908851 | 143.445877 | 84.665672 |
Pass 1 | 55.983677 | 112.399910 | 92.590149 |
Pass 2 | 30.452909 | 137.724899 | 96.070534 |
Pass 3 | 71.050522 | 142.196838 | 113.537582 |
Pass 4 | 28.102474 | 153.585693 | 98.236549 |
【フルHD&最高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 6.590207 | 107.758446 | 50.058708 |
Pass 1 | 17.753286 | 54.779388 | 40.332623 |
Pass 2 | 34.520912 | 86.052902 | 54.458408 |
Pass 3 | 36.861553 | 96.026016 | 62.789230 |
Pass 4 | 19.779222 | 115.592560 | 51.428242 |
フルHDで標準画質(デフォルトの画質)設定なら、プレイは余裕です。
一方でフルHDで最高画質に設定した場合だと、プレイできないという事はありませんが、フレームレートが60fpsを切ってしまう場面が多くなるため、動きの速い場面や登場人物が増える場面ではカクツキが目立ちやすくなります。
最高画質よりも少し設定を落としたくらいの画質だと、快適にプレイできます。
【SteamVR Performance Test】
SteamVRのパフォーマンステストは、VRレディという結果です。
ノートPCでありながら、VR余裕のパフォーマンスを持ち合わせているというところがすごいですね。
消費電力・温度
様々な場面での OMEN by HP 17-w100の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力値です。
画面の輝度は50%、バックライトキーボードはオフに設定した上で測定を行っています。以降のテストでは、全てこの設定です。
アイドル時 ・・・ 34W
ベンチマーク実行時 ・・・ 159W
※実際の値は若干上下します
さすがに性能が高いため、若干消費電力は高めとなるようです。
次に、高負荷時のパーツ温度の測定結果です。
繰り返し、ベンチマークテスト(3DMarkのFire Strike)を20分以上実行した後に測定しました。
高負荷な状態が続くとグラフィックスは70度前後、CPは80度弱程度まで温度が上がりました。
やや高めの温度ですが、ゲーミングノートPCのパーツ温度としては普通です。
さらに、高負荷時のキーボード表面温度を測定。
キーボード中央がやや温かくなるようです。
とはいえ、PCを使用しているあいだじゅう触れているわけではないこと、またパームレスト付近はひんやりとしているため、あまり気にはなりません。
キーボード操作時に、やや温かいかなと感じるくらいです。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
OMEN by HP 17-w100の再起動時間を測定してみました。
以下、PassMark Rebooterによる測定結果です。
1回目 0:39
2回目 0:41
3回目 0:39
4回目 0:41
5回目 0:42
6回目 0:43
7回目 0:38
8回目 0:39
9回目 0:39
10回目 0:40
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 40秒
OMEN by HP 17-w100の再起動にかかる時間は およそ40秒。
起動ドライブがSSDであるため、非常に高速です。
ストレージがSSDだとゲームのロードなども高速になるため、特にRPGなどのロードの多いゲームなどをプレイする場合にはメリットが大きいです。
バッテリ駆動時間
OMEN by HP 17-w100のバッテリ駆動時間を測定。
測定にはbbenchというソフトウェアを使用、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANを利用したネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から7%に減少するまでの時間は23852秒。
約6.6(6.625555…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
ハイエンドなゲーミングノートにしては、バッテリはかなり持つ方ではないでしょうか。
もちろん軽い作業を行った場合の駆動時間であり、ゲームなどをすれば大幅に駆動時間は短くなりますが、ネットを観たり文字入力を行ったりという作業では、電源なしの状態でも不便しなさそうです。
OMEN by HP 17-w100 まとめ
OMEN by HP 17-w100のレビューは以上となります。
17.3型フルHDの液晶がG-SYNC対応である点や、ハイパフォーマンスなGTX 1060(6GB)、GTX 1070(8GB)が搭載されているところなど、旧モデルと比較して大幅に機能や性能がアップしたゲーミングノートPCです。
その分、以前のモデルよりも価格が大幅にアップしましたが、本格的にゲームをプレイしたいという方には中途半端な構成よりも、本製品位のパワーを持ったPCが相応しいといえます。
今回のマシンに採用されているグラフィックスは、ハイエンドゲーミングデスクトップ並のパワーを持ち合わせていますので、ノートであっても性能には十分に満足できることでしょう。
筐体デザインも性能相応に洗練されているため、性能が高いだけではなくデザイン性に優れたゲームPCを持ちたいというユーザーにもおすすめできます。
できるだけ安いゲーミングノートが欲しいという方には向きませんが、高性能なマシンを今買うなら、GTX 1000番台のグラフィックスを搭載した本製品くらいのゲーミングノートが最良だと言えるでしょう。
ゲーミングPCの購入を検討されている方には、要チェックのモデルです。