Dell Latitude 12 7000(7280)のレビュー SIMフリーも選べる 12.5型のビジネスモバイルノート
デルが販売するノートPC、Latitude 12 7000(7280)のレビューです。
Latitude 12 7000(7280)は、12.5型液晶を搭載するビジネス向けのモバイルノート。
Latitudeシリーズの中でも、上位に位置づけられる7000シリーズの12.5型ノートで、高い堅牢性と薄型軽量の筐体を両立しています。
低価格よりも高いパフォーマンスや管理性、セキュリティ機能を重視する層に向く製品ですが、単に丈夫で使い勝手の良いビジネスノートをお探しの方や、SIMフリーモデルが提供されているため、そういった機能が必要な方にもおすすめです。
今回は、Latitude 12 7000(7280)から提供されているいちモデル、フルHD液晶やCore i5-7300U、256GB SSDを搭載するマシンを使用してみましたので、その特徴や使用感、性能面について詳しくご紹介いたします。
なお、今回のLatitude 12 7000(7280)には第6~7世代のCoreプロセッサが採用されていますが、後継機であるLatitude 12 7000(7290)には第8世代のCPUを搭載したモデルが提供されています。
第7よりも第8世代のCPUのほうがやや性能が高いこと、またLatitude 12 7000(7290)のほうが端子の内容が最新寄りであるため、今選ぶのなら新モデルの方がメリットは大きいのではと思われます。
両モデルの写真やサイズなどを見る限り、ベースは新旧モデルとも同じ筐体を使用していると思われ、以下のレビューは新モデルの参考にもしていただけるはずです。
・New Latitude 12 7000 (7290)
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【Latitude 12 7000(7280) レビュー記事目次】
Latitude 12 7000(7280) 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・ Latitude 12 7000(7280) まとめ
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Latitude 12 7000(7280) 筺体外観・インターフェース
Latitude 12 7000(7280)の筐体外観をチェックします。
ビジネスモデルらしい、堅実なデザインを採用した筐体です。
個人向けの製品に見られるような華やかさはありませんが、質感高く、また薄く、スタイリッシュな雰囲気を持ちあわせています。
最近は薄型のノートも珍しくはなく、そういったものと比較して特別薄いわけではありませんが、堅牢性を重視するビジネス向けのノートとしては十分に薄くコンパクトです。
控えめなパールによる艶感を持つ、ブラックカラーの天板を採用しています。
表面に樹脂素材によるコーティングを施しているようで、やや弾力のあるソフトな触り心地ですが、ベースに使われている素材は頑丈そうな印象。
ディスプレイを動かした際にもたわみが起りづらく、安定感があります。
背面側からみた筐体の様子。
正面側から見た筐体の様子。
上が電源オフ時、下が電源オン時です。
ディスプレイ、本体共にとてもスリムであるのがわかると思います。
ディスプレイには12.5型フルHDの非光沢液晶を採用。
フルHDのほか、HDの解像度も選べます。
見た目はいかにもビジネスモデルっぽい感じのデザインですが、非光沢で光の反射が少なく作業がしやすいこと、また自分にあった解像度が選べるのは良いですね。
視野角は広いです。
製品ページにIPSの記載はありませんが、IPS方式の液晶だと思われます。
どの角度から見ても、くっきりと見やすいです。
ディスプレイの上部にはWebカメラ、下部には鏡面仕上げのDELLのロゴが配置されています。
掲載モデルに搭載されているのは普通のWebカメラですが、赤外線カメラを搭載したモデルも選べます。(IR カメラ付きとあるもの)
Windows Helloによる顔認証ログインを利用したい場合は、赤外線カメラを選びましょう。
ディスプレイは180度の位置まで、完全開ききることが可能です。
ディスプレイを使いやすい位置にまで角度調整しやすく、特に様々な場所で利用するモバイルノートにはメリットが大きいです。
私自身も、このタイプのディスプレイが好みです。
筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
左側面です。
左から電源コネクター、USB Type-C、HDMI、USB3.0 Type-Aが並んでいます。
今回のモデルにはありませんが、スマートカードやThunderbolt 3付きのUSB Type-Cを搭載できるようです。
右側面にはオーディオのコンボポート、microSDスロット、SIMスロット、USB3.0、LAN、セキュリティケーブル用のロックスロットが並びます。
正面、背面側には何もありません。
薄型ノートながら、多彩な端子を搭載しています。
何を選べるのかがちょっとわかりづらく、その点がマイナスではありますが、小型のモバイルノートで色々選べるという仕様は便利です。
ちなみに最新のLatitude 12 7000(7290)に関しては、今回の旧モデルと内容が似てはいるのですが、USB3.0がUSB3.1へと変更されていたりといった、若干の違いがあります。
筺体底面の様子です。
写真は上が筺体背面側、下が正面側となります。
継ぎ目が見当たらない、一枚板の底面カバーを採用。すっきりとした外観です。
底面中央付近には、Latitude 7280のロゴをプリント。
正面寄りの位置に、WAVES MaxxAudio Pro対応のスピーカーを配置しています。
個人向けノートと同じく、プリインストールされているWAVES MaxxAudio Proのサウンドユーティリティによって、サウンドのカスタマイズが行えます。
WAVES MaxxAudio Proのサウンドユーティリティを搭載
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブルです。
電源アダプターは65W。
オプションでは、90Wのアダプターも選べるようです。
キーボードの操作性
Latitude 12 7000(7280)に搭載されている、キーボードまわりの外観や使用感をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用。
オプションでは、US配列のキーボードも選べるようです。
デルの他のノートと同じような配列のキーボードですが、ビジネス向けの上位シリーズだけあって、たわみが出づらく、またキーのタッチ感も悪くないです。
BackSpaceやEnterといったキーの幅が狭いのは相変わらずですが、テンキーを搭載しないモデルであるため、特に操作時に不都合はありません。
総合的に見て、使いやすいキーボードだと感じます。
キートップは、端から中央にかけてやや湾曲した形状を採用しており、指先へのなじみが良いです。
パームレスト左側には、Latitudeの文字をプリント。
今回のモデルにはありませんが、右側のパームレスト上に、指紋センサーやNFCセンサーをオプションで搭載できるようです。
電源ボタンは、deleteキーの右付近に配置。
タッチパッドはボタン独立型。
最近、個人向けノートではほとんど目にしなくなったタイプのタッチパッドです。
見た目的にはボタン一体型の方が良いんでしょうけれど、使い勝手は圧倒的に、本製品にあるようなボタン独立型の方が使いやすいです。
特にモバイルノートは、タッチパッドで操作を行うことが多いため、このタイプのタッチパッドの搭載は嬉しいところです。
タッチパッドの細かな動作は、プリンストールされているDELLのタッチパッドユーティリティにて設定可能です。
重量
Latitude 12 7000(7280)の重さをはかってみました。
PC本体の重さは1242g。
最小重量の約1.18kgよりも、わずかに重いようです。
選ぶ構成によっては、もう少し軽くなるのだと思われます。
約1.2㎏前後の重さは、モバイルノートとしてはものすごく軽いというわけではありませんが、十分に軽いです。
軽さに加えて高い堅牢性を持ち合わせており、外出が多い方でも安心して持ち運べます。
電源アダプターやケーブルの重さは300g。
こちらも本体と同様に軽いですが、Latitude 7280はバッテリの持ちが良い製品であるため、日常的に電源アダプターを携帯するようなことはあまりないと思われます。
Latitude 12 7000(7280) 構成内容とその特徴について
掲載しているLatitude 12 7000(7280)の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【Latitude 12 7000(7280) の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-7300U(2.60GHz~3.50GHz)
ディスプレイ 12.5型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢
グラフィックス インテル HD グラフィックス 620
メモリ 8GB(8GB×1/DDR4)
ストレージ 256GB SSD(M.2 SATA/インテル製)
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2(2×2)
バッテリ 60Wh、4セルバッテリ
サイズ 304.8×207.9×17.05(幅×奥行き×高さ/タッチ非対応/mm)
重量 約1.18kg(最小重量)
標準保証 3年間 ProSupport: 翌営業日対応オンサイト保守サービス(6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年03月26日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、12.5型フルHDの非光沢液晶、Core i5-7300U、8GBメモリ、256GB SSDという構成内容のモデルです。
本製品では主に第6世代のCore i5、i7、また第7世代のCore i3、i5、i7が選べることに加えて、メモリは最大16GB、ストレージにはSSDを選択できるようです。
構成のバリエーションが多彩すぎて書き出すのが難しいのですが、例えばストレージにおいては、小容量~大容量SSDに加えて、暗号化タイプのモデルを選べたりと、ビジネス向けならではの細かいカスタマイズが多数提供されています。
標準で3年の保守が付属していますが、さらに細かくサポート系のオプションを選べるところが、個人向け製品とは異なる点です。(とはいっても、個人向け製品でも多種多様な保証のオプションが選べるのですが)
ちなみに先にも述べた通り、新モデルのLatitude 12 7000(7290)には第8世代のCoreプロセッサを搭載したモデルが提供されています。
大差があるわけではありませんが、第7世代よりも第8世代の方が性能が高く省電力性能にも優れているため、そういった点を重視する方には新モデルの方がメリットが大きいかもしれません。
今回のモデル、DW5814e WWANモジュールが搭載されていました。
オプションにて搭載することで、モバイル通信が行えるようになります。
WWANを選べないモデルもあるため、必要な方はご注意下さい。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
ストレージの内訳
インテル製の「SSDSCKKF256G8」という、256GB M.2 SSD(SATA)が搭載されていました。
提供されているモデルやカスタマイズ内容などを見る限り、記事作成時点ではSSDしか提供されていないようですが、その種類が豊富。
SATAのほかNVMe規格のモデルや、暗号化モデルを選べたり、容量も最大では1TBものSSDを選べるようです。
モデルによって選べるストレージの種類に差があり、何が選べるのかが分かりづらいのですが、ストレージの選択肢の幅が広いのはユーザーにとってメリットが大きいです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているLatitude 12 7000(7280)で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strikeの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
1280×720(DirectX 11/標準品質(ノートPC))
【CINEBENCH R15】
日常用途向けのノートや、ビジネス作業用のノートとしては十分な性能を備えていることがわかります。
ストレージにSSDを搭載しているため、常にサクサクとした使い心地で快適に作業が行えるところが良いですね。
上記はCore i5を選んだ場合のベンチマークスコアですが、Core i3、Core i7と幅広く選べるため、用途にあった構成をえらびやすいです。
消費電力・温度
Latitude 12 7000(7280)のアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度を50%に設定にした上で測定しています。
(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 5W
ベンチマーク実行時 ・・・ 30W
※実際の値は若干上下します
特にアイドル時の消費電力が低いです。
使い方によっては、相当長い時間バッテリを持たせられると思います。
以下、アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
高負荷な状態が続くと、キーボードがやや温かくなるようですが、パーツ温度はノートPCとしては標準的です。
そもそも、ゲームのような高負荷な用途に用いる製品ではないため、温度はあまり気にする必要はないと思います。
バッテリ駆動時間
バッテリのベンチマークソフト「bbench」を利用し、Latitude 12 7000(7280)のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
今回、あまりにも長くバッテリが持ちすぎるようであったため、バッテリの残容量が20%を切ったところで切り上げました。
バッテリの電力が100%から20%に減少するまでの時間は63047秒。
約17.5(17.5130555555…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
上記は軽めの作業時のバッテリ駆動時間ですが、やや負荷をかけた使い方をしたとしても、電源なしで長時間作業が行えると思われます。
バッテリの持ちが良いのは、モバイルノートを利用する上では大きなメリットです。
先でバッテリが劣化してくることを考慮したとしても、長期間安心して利用できるモデルだといえるでしょう。
Latitude 12 7000(7280) まとめ
Latitude 12 7000(7280)のレビューは以上となります。
Latitudeシリーズの中でも、上位にあたる7000シリーズのモバイルノートだけあって、薄型軽量でも堅牢性高く、またバッテリの持ちもとても良く、安心して毎日持ち運べるマシンです。
CPUの種類やストレージの容量を幅広く選べるところや、多数のオプションが提供されているところも、細かい仕様にこだわる方にはメリットが大きいと思います。
特にWWANモジュールを選択できるのは、外出時の利用が多い方には非常に利便性が高いです。
あらゆるところにこだわった製品であるため、価格がやや高めではあるものの、表示価格は3年の長期保守を含めた数字であること、また長く使いやすいという点を考慮すれば、コスパは全く悪くはありません。
唯一欠点をあげるとすれば、製品ページのわかりづらさでしょうか。
本製品にはじまったことではありませんが、一体どのようなオプションが選べるのかがわかりづらく、選択に漏れがないか、購入の際に不安を感じます。
企業向けの製品であり、ウェイトは個人ユーザーよりもそちらの方が確実に大きいため、製品ページのわかりづらさは問題ではないのかもしれませんが、良い製品であるだけにもったいないことだと感じます。
なお、途中でも何度か述べた通り、今回掲載したLatitude 12 7000(7280)には、後継のLatitude 12 7000(7290)というモデルが登場しています。
新モデルは第8世代のCoreプロセッサを搭載していること、またインターフェースの内容が最新寄りになっており、特に理由がないのなら、新モデルを選んだ方が性能面でのメリットが大きいです。
記事作成時点(2018年3月26日)では、第8世代のモデルにはCore i3の選択肢がないため、下位モデルや第6世代のCPUを搭載したモデルを選びたい場合に、旧モデルのLatitude 12 7000(7280)を選ぶと良いでしょう。