Dell Inspironゲーミングデスクトップ(5675)のレビュー Ryzen搭載!VRも可能な低価格ゲーミングデスクトップ
デルが販売するデスクトップPC、Inspironゲーミングデスクトップ(5675)のレビューです。
Inspironゲーミングデスクトップは、コストパフォーマンス重視のInspironシリーズから登場したゲーム向けのデスクトップPC。
CPUにAMDのRyzenを搭載する新シリーズで、VRが利用できるパワーを持ちながらも最小構成モデルは10万を切る(税抜・配送料込)など、同社の販売するALIENWAREブランドの製品などと比べると、お手頃な価格設定を特徴とする製品です。
価格抑えめながらも、クールなブルーのLEDライティングを採用するなど、ゲーミングPCらしいデザイン性の高いケースを使用しています。
価格を抑えつつも、ゲームや動画・写真編集などの用途に使えるゲーミングデスクトップPCの購入を検討しているという方には、手頃な製品ではないでしょうか。
今回は、Ryzen 7 1700Xや GTX1060(6GB)を搭載する上位モデル「New Inspiron ゲーミング デスクトップスプレマシー VR」を使用してみましたので、製品の使い勝手や性能面について詳しくご紹介いたします。
【Inspironゲーミングデスクトップ(5675) レビュー記事目次】
・Inspironゲーミングデスクトップ(5675) 筺体外観・内観をチェック
(筺体外観・インターフェース / 筺体内部の様子 / 付属のキーボード&マウス)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(Inspironゲーミングデスクトップ(5675) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspironゲーミングデスクトップ(5675) 筺体外観・インターフェース
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)の筐体外観をチェックします。
筺体左側面から正面にかけて、スリットによる流れるようなデザインを施した印象的なケースです。
スリットは通気口を兼ねるほか、内部のブルーLEDライティングが透けてみえるなど、派手とまではいかないもののゲーミングPCらしい演出が行えるようになっています。
LED点灯時の様子。
スリット部分からブルーのLEDランプの光が透けて見えるほか、フロントパネル上のDELLのロゴもブルーに光ります。
近未来的な雰囲気を感じさせる演出です。
スリットのすぐ内側には、ハニカム構造によるメッシュのフィルター。
ブルーのLEDランプは、本製品に搭載されているDellライトバーコントローラより、オンオフが可能です。
フロントパネル上部には2基の光学ドライブベイと、幾つかの端子類が並びます。
端子はヘッドセットポート、USB 3.1 Type-C、USB3.0×2、USB2.0×2、メディアカードリーダという内容です。
光学ドライブベイは上部のベイにのみ、スリムタイプのDVDドライブが備わっています。
筺体左右の様子。
正面から見ている分には気づきにくいのですが、横から見ると台形であることがわかります。
背面全体の様子です。
写真左上からPS/2端子×2基(キーボード、マウス)、USB3.0×4基、USB2.0×2基、LAN、オーディオ端子×5基が並び、中央の拡張スロット付近にはグラフィックカードに搭載されているHDMIやDisplayPort×3、DVIといった映像出力端子が並びます。
本シリーズでは今のところ(2017年6月11日現在)、グラフィックにRadeon RX 570やRX 580、GTX 1060(6GB)を搭載するモデルが提供されており、写真はGTX 1060搭載モデルの背面です。
本製品が発売されたばかりの頃は、RX 580搭載モデルは見当たらなかったのですが、後に追加されたようです。
天面には、フロント寄りの位置に電源ボタンが配置されています。
天面中央に設けられたくぼみは、小物置きとして活用できそうです。
筺体内部の様子
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)の筐体内部をチェックします。
筺体内部へアクセスするには、背面側にあるサイドパネルのネジをドライバーで取り外す必要があります。
サイドパネルのネジ 上と下の2か所にある
サイドパネルを外した図。
かなりしっかりとした頑丈な造りのパネルです。
一般的なデスクトップPCのケースのサイドパネルにみられるような、たわみなどは一切ありません。
サイドパネルの内側には、内部パーツのメンテナンス方法が描かれているため、パーツの取外しや装着も容易に行えると思います。
ユーザーに親切で良いですね。
ケース内部の様子です。
写真は右がフロントパネル側となります。
右上にスリムタイプの光学ドライブが搭載され、その下部に2.5インチのストレージベイ、そのベイからややスペースを空けた下部に3.5インチのストレージベイが2基、マザーボード上にはM.2スロットも搭載するなど、多数のストレージが搭載できるようになっています。
本製品ではデュアルストレージ(HDD + M.2 SSD)の構成も選べますが、購入後にさらにストレージを追加したいと思った場合にも、それが可能です。
さらにケース中央から背面寄りの位置にはCPUやメモリ、グラフィックカード、最下部には電源ユニットが並んでいます。
筐体のスペースには比較的余裕があり、熱がこもりにくそうです。
フロント側の光学ドライブ。
上の方に、スリムタイプのドライブが搭載されているのが見えると思います。
HDDベイ。
CPU周りの様子。
CPUの右側にメモリスロットや、M.2スロットが備わっています。
グラフィックカード。
GTX 1060(6GB)が搭載されています。
ステーでしっかりと固定されているため、運搬時も安心です。
グラフィックカードの下部です。
右側の方に、M.2スロットが備わっているのが見えます。
電源は460W。
+12Vは3系統で385Wの記載があります。
製品ページによると掲載モデルの460W電源のほか、300W、850Wというバリエーションもあるようですが、全てを選べるかは不明。
幾つかのモデルのカスタマイズ画面を見たところでは、標準搭載されるのが460W電源で、カスタマイズで850Wの電源が選べるようになっています。
850Wを選んだ場合、水冷となるようです。
460Wで、水冷タイプのシャーシを選べるモデルも存在します。
提供されている構成なら460Wで十分ですが、将来的にカスタマイズを行うような場合に容量が心許なくなる可能性があるため、そういった部分も考慮して選ぶと良いでしょう。
付属のキーボード&マウス
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)に同梱されていた、キーボード&マウスを簡単にご紹介します。
「デル マルチメディアキーボード KB216」と、「デル 光学マウス MS116」というモデルが標準で同梱されるようです。
ゲーミング用ではなく、普通のキーボードやマウスです。
デル マルチメディアキーボード KB216と、デル 光学マウス MS116。
カラーはブラック。
いずれもUSB接続です。
特に変わった機能はない、普通のキーボードです。
スタンダードなキーボードなので、日常で使いやすいと思います。
キートップは、やや湾曲する形状。
この形状のキー、押しやすいのですよね。
キーボード底面側。
チルトスタンドが備わっています。
チルトスタンドを立てた状態。
キーボード面がちょうど良い具合に傾斜するため、タイピングがしやすいです。
デル 光学マウス MS116。
2ボタンとスクロールホイールを搭載するシンプルなマウスです。
いずれも使いやすいデバイスですが、キーボードもマウスも、ワイヤレスタイプの選択肢があるとなお良いのにと思います。
Inspironゲーミングデスクトップ(5675) 構成内容とその特徴について
掲載しているInspironゲーミングデスクトップ(5675)の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【New Inspiron ゲーミング デスクトップスプレマシー VR の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Ryzen 7 1700X(3.4GHz~3.8GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 1060(6GB)
メモリ 16GB(PC4-19200 DDR4 SDRAM)
ストレージ 256GB M.2 SSD(SATA/SK hynix製) + 1TB HDD(7200rpm/Seagate製)
光学ドライブ Tray Loading デュアル Layer DVD Burner
無線機能 Qualcomm QCA61x4A 802.11acデュアルバンド 2.4&5GHz、Bluetooth 4.1
拡張スロット PCI Express x16×2、PCI Express x1×2
拡張ベイ 3.5インチ×2、2.5インチ×1
電源 460W
サイズ 216×437.53×458.86(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約13.74kg
カラー リーコンブルー
標準保証 1年間 引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年08月29日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Ryzen 7 1700X、GTX 1060(6GB)、16GBメモリ、256GB SSD&1TB HDD、DVDドライブ、無線LAN、460W電源という構成内容で、本シリーズで提供されているモデルの中では上位にあたるマシンです。
あくまでも現時点で提供されている構成となりますが、本シリーズでは主にRyzen 5やRyzen 7といったCPUが、またグラフィックスには Radeon RX 570やRX 580、GTX 1060(6GB)などのミドルクラスのモデルが提供されています。
いずれの構成も、4Kのような高解像度環境でのゲームプレイは少し難しいですが、フルHDなら大抵のゲームを高画質で遊べると思われる内容です。
ゲームだけではなく、マルチスレッド性能の高さで話題のRyzenを採用しており、CPUの処理性能を必要とする動画のエンコードなどにも向いています。
魅力なのは価格で、最小構成では割引なしでも10万を切る価格で販売されています。
デルのオンラインストアでは定期的にクーポンが提供されており、そのクーポンを利用すればさらに安くなるなど、ローコストでゲームプレイが可能なデスクトップPCをお探しの方には、本シリーズは魅力が大きいです。
8コア16スレッドのRyzen 7 1700X
Ryzen 7 1700Xは圧倒的な数のコアを持ち、かつクロックもそこそこ高く、特にCPUのパワーが必要な写真現像や動画エンコード、マルチコアの恩恵を享受できるソフトウェアを利用するような方に向いています。
本製品はゲーミングPCという位置付けのPCですが、加えてCPUのマルチスレッド性能を活かせる作業をするようなユーザーには、かなりコストパフォーマンスの高いモデルだといえるでしょう。
RyzenはインテルCPUに比べ、まだまだ周りの環境がこなれていない感はありますが、個人的にも魅力を感じずにはいられないCPUだと思っています。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
SSD&HDDの仕様
ストレージの内訳
SSDには、SK hynix製の「SC311」という256GB SSDが、HDDにはSeagate製の「ST1000DM010-2EP102」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
本製品はモデルによってストレージの構成が決まっており、現時点では以下のような構成のバリエーションが存在します。
・1TB HDD
・128GB M.2 SSD + 1TB HDD
・256GB M.2 SSD + 1TB HDD
今回のモデルは、記事作成時点で提供されている中では最大のストレージ構成である、「256GB M.2 SSD + 1TB HDD」を搭載しています。
ゲームにも、写真や動画編集などにもちょうど良いと思われる、実用的なストレージ構成です。
ストレージベイ自体には余裕があるため、購入後に容量が心許なくなった場合には、ストレージの追加を行うと良いでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているInspironゲーミングデスクトップ(5675)で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
Fire Strikeの実行結果
Fire Strike Ultraの実行結果
Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720、1920×1080、3840×2160 / 最高品質、ウィンドウモードで実行
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1920×1080(設定3)、1920×1080(設定6)
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080、3840×2160(DirectX 11/最高品質)
【CINEBENCH R15】
今回のモデルはRyzen 7 1700Xを搭載しており、マルチコアに対応のソフトウェアを利用することで、はじめてその性能が活きてきます。
というわけで、CPUのマルチコア性能を測る事ができる「CINEBENCH R15」を使用し、Core i7-7700Kを搭載するモデルと、Ryzen 7 1700Xを搭載する今回のモデルのCPU性能を比較してみました。
Ryzen 7 1700X | Core i7-7700K | |
CPU(Multi) | 1525cb | 953cb |
CPU(Single) | 149cb | 193cb |
マルチスレッド性能は、Ryzen 7 1700Xを搭載するInspironゲーミングデスクトップ(5675)の方が圧倒的に上ですが、シングルコアの性能を見ると Core i7-7700Kに劣っているようです。
このことから、今回のモデルはコアの利用が多いソフトウェアの利用は向いているものの、コアの利用が少ない作業に関しては、あまり得意ではないということがわかります。
とはいえ、体感では十分に性能は高いです。
【GTA V】
GTA Vのベンチマークテストです。
以下の2パターンの画質設定で実行しました。解像度はフルHDと4K。
【標準画質】
MSAA x4、リフレクションMSAA x4、異方性フィルタリング x16、その他多くが「高、超高」
【最高画質】
グラフィック、高度なグラフィック設定ともに、出来うる限り上限の設定(消費メモリがVRAMを超えない範囲で)
【フルHD&標準画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 9.630457 | 108.701164 | 84.077820 |
Pass 1 | 61.608036 | 128.582336 | 100.300102 |
Pass 2 | 69.095177 | 135.412323 | 97.244308 |
Pass 3 | 68.328751 | 137.977478 | 107.891708 |
Pass 4 | 27.075384 | 156.961304 | 100.237289 |
【フルHD&最高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 4.842245 | 62.882206 | 40.785244 |
Pass 1 | 15.092750 | 49.839554 | 31.763716 |
Pass 2 | 23.633686 | 141.415878 | 42.661827 |
Pass 3 | 28.149364 | 98.733276 | 47.306885 |
Pass 4 | 8.933146 | 135.973450 | 40.704540 |
【4K&標準画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 10.618967 | 76.285805 | 45.673161 |
Pass 1 | 22.346409 | 116.014992 | 44.821762 |
Pass 2 | 30.019695 | 123.415794 | 43.100964 |
Pass 3 | 11.712821 | 137.297379 | 46.209728 |
Pass 4 | 25.983849 | 118.771614 | 46.976723 |
【4K&最高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 5.351529 | 57.972996 | 19.770618 |
Pass 1 | 8.699434 | 87.412865 | 18.446188 |
Pass 2 | 14.179720 | 89.625557 | 20.300730 |
Pass 3 | 11.832170 | 145.520523 | 22.314604 |
Pass 4 | 11.676341 | 102.264458 | 20.211542 |
フルHDで標準画質設定であれば、快適にプレイできます。
最高画質だと60fpsを切ってしまうため、標準画質~若干画質をあげた程度でのプレイが適当だと思います。
4Kでのゲームプレイは、相当画質を下げなければ難しく、フルHDでのゲームプレイが無難です。
【SteamVR Performance Test】
SteamVR Performance Testの実行結果は「VRレディ」。
平均忠実度も7.9と高く、VRの利用は可能です。
今回のモデルはVRの利用をはじめ、通常のゲームプレイや動画編集、写真現像など様々な用途に適したパワーを持ちあわせているようです。
クーポンが利用できる点を考えると、価格面でもとてもお手頃な製品だといえますね。
消費電力
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)の消費電力を測定。
以下、アイドル時およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力測定結果です。
アイドル時 ・・・ 38W
ベンチマーク実行時 ・・・ 178W
※実際の値は若干上下します
ベンチマーク実行時の消費電力はやや高めですが、ゲーミングPCとしては普通です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)の再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:48
2回目 0:53
3回目 0:45
4回目 0:52
5回目 0:46
6回目 0:51
7回目 0:46
8回目 0:51
9回目 0:46
10回目 0:51
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 49秒
再起動にかかる時間は およそ49秒。
SSDを搭載しているため、HDD搭載PCに比べると起動やシャットダウンは高速です。
Inspironゲーミングデスクトップ(5675) まとめ
Inspironゲーミングデスクトップ(5675)のレビューは以上となります。
Ryzenをはじめ、Radeon RX 570、RX580、GTX 1060(6GB)といったグラフィックカードの搭載により、フルHDであれば、多くのゲームタイトルを快適にプレイできるパワーを持つゲーミングPCです。
加えてRyzenはマルチスレッド処理が得意なCPUであるため、動画エンコードや写真現像、またマルチスレッド対応のソフトウェアによる作業などで、高いパフォーマンスの発揮が期待できます。
ゲーミングPCとしてもお手頃な製品ですが、特に先にあげたような作業を行われる方にとっては、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルだといえるでしょう。
リーズナブルであるのにもかかわらず、筐体がしっかりとした作りである所や、メンテナンス性に優れている所もポイントが高いです。
クーポン利用で通常の価格よりもかなり安く買える場合があるため、購入時は必ずクーポンを利用するようにしましょう。
クーポンは、製品ページに記載されています。