dynabook VZ のレビュー 軽い、頑丈、タイピングしやすい!バッテリ約17時間の12.5型 2in1モバイルノート
東芝が販売するノートPC、dynabook VZシリーズのレビューです。
dynabook VZは、360度画面回転が可能な12.5型モバイルノート。
量販店で販売されている「dynabook Vシリーズ」の、Webモデルにあたる製品です。
重く厚くなりがちな2in1タイプのノートでありながら、厚み15.4mm、約1099gという薄型軽量の筐体を採用しており、加えて約17時間というバッテリ駆動時間を実現するなど、モバイルノートには嬉しい仕様のマシンです。
筐体が薄く軽いと、カバンの中で破損してしまわないかが気になりますが、本製品は100kgf面加圧や、76cm落下にも耐える堅牢性を持ちあわせており、安心して持ち運べます。
また、タイピングしやすいキーボードを搭載しており、入力の操作性にこだわる方にも使いやすい製品です。
構成は第7世代のCoreプロセッサに、8GBメモリやSSDを搭載するなど、どのモデルを選択してもハイパフォーマンス。上位モデルにはアクティブ静電ペンが付属します。
携帯性、操作性、性能など、総じてクオリティが高く、とにかく使い勝手のよいモバイルノートをお探しの方に向く製品だといえるでしょう。
今回は、Core i7-7500Uを搭載する上位モデルを利用してみましたので、その特徴や外観、使い勝手、性能面について詳しくご紹介いたします。
【dynabook VZ レビュー記事目次】
・製品の特長
(dynabook VZの主な特長)
・dynabook VZ 筺体外観や操作性をチェック
(ノートPCやタブレットスタイルで使える / 外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ / 重量 / ペンが付属)
・プリインストール ソフトウェア
(サポート系のソフトウェアが充実)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(dynabook VZ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
dynabook VZの主な特長
以下、dynabook VZの主な特長です。
・12.5型フルHDの非光沢液晶を採用
・タブレットやノートPCスタイルで使える
・厚み約15.4mm、重量約1099gと薄型軽量ながら、頑丈
・インテルの第7世代Coreプロセッサを搭載
・バッテリ駆動時間は約17時間、「お急ぎ30分チャージ(急速充電)」が可能
・使いやすいキーボード
・指紋認証や顔認証に対応
・手書き機能に対応(ペン付属モデルあり)
・herman/karbon対応のバスレフ型ステレオスピーカーを搭載
軽く頑丈、優れた操作性、長時間バッテリ、高性能..etc.. モバイルノートPCに欲しい機能を全て備えたモデルです。
薄くても頑丈である点や、キーボードの操作性にこだわっている点は、個人的にも大きな魅力に思えます。
ノートPCやタブレットスタイルで使える
dynabook VZには、360度の回転が可能なディスプレイが搭載されており、ノートPCスタイルをはじめ、スタンドやタブレットなど様々なスタイルで利用できるようになっています。
本体が小さく軽いため、画面回転などの操作が楽に行えるところが良いです。
ディスプレイにたわみなどはみられず、画面回転時のヒンジには安定感があり、安心して利用できます。
ノートPC
スタンド
テント
タブレット
タブレットスタイルは、手書き入力を行う場合に特に便利なスタイルです。
本製品にはWindows 10のInk機能や、手書きノートアプリ「TruNote」がプリインストールされており、ちょっとしたメモも気軽にとることができます。
ペンに関しては、上位モデルにはアクティブ静電結合方式の ワコム製デジタイザペンが標準付属。下位モデルはオプションによる選択となります。
外観・インターフェース
dynabook VZの外観をチェックします。
天板の様子。
オニキスメタリックカラーの落ち着いたデザインを採用しています。
天板の隅には、dynabookのロゴを配置。
シンプルではあるけれど、地味とはまたちょっと違う上品なデザインで、ビジネス用のノートとしてはもちろん、個人的なPCとしても利用しやすいです。
筐体背面、正面側から見たところ。
ディスプレイ、本体共に薄いのがよくわかります。
薄くても、100kgf面加圧や76cm落下にも耐える高い堅牢性を実現しており、安心して持ち運べます。
ディスプレイには、12.5型フルHDの非光沢タッチパネルを採用。
タッチタイプのパネルは光沢が多い中、本製品は作業がしやすい非光沢タイプです。
光の反射や風景の映り込みなどが気になりにくく、屋外でも快適に作業が行えます。
液晶の上部には、ウェブカメラやデュアルマイクを内蔵。
顔認証センサーの搭載は一部のモデルのみとなります。
また製品ページを見る限り、Web向けのモデルには顔認証センサーは搭載されていないようです。
ディスプレイの左下には、東芝のロゴ
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面にはThunderbolt 3(USB Type-C)、ヘッドフォンとマイクのオーディオ端子が並びます。
右側面には電源ボタン、USB3.0(Type-A)が並びます。
筐体の正面側、背面側には何もありません。
端子の種類は少なく、LANや映像出力端子はありませんが、本製品にはUSB Type-Cに対応する機能拡張用のアダプターが付属しており、そのアダプターを接続することでLANやHDMI、VGAなどの端子を利用できるようになります。
USB Type-C対応のアダプター
dynabook VZの左側面に搭載されている、USB Type-C端子に接続します
アダプターの側面。
左からLAN、USB3.0、HDMI、VGA端子が並びます。
これだけ色々揃っていれば利用には十分ですが、カードスロットがない点が、個人的には不便でしょうか。
アダプター利用時のPCの充電は、アダプターの側面に搭載されている充電用の端子を利用します。
筐体底面側の様子です。
写真が上が筐体背面側、下が筐体正面側となります。
1枚板のシンプルな構造です。
バッテリーは完全に内蔵されており、取り外せません。
正面寄りの位置に、herman/karbonのバスレフ型ステレオスピーカーを搭載。
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブルです。
電源は45W。
コンパクトなアダプターです。
キーボードの操作性
次に、dynabook VZのキーボードをチェックします。
フルサイズの日本語キーボードを搭載しています。
キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmと、筐体の薄さのわりにキーには深さがあり、タイピングがしやすいです。
また、各キーの配置もよく考えられていると思います。
例えば、ファンクションキー間にいくつかのスペースが設けられている点や、BackspaceやEnterキーがやや大きめに設計されている点、カーソルキーの独立した配置など、自然なキー操作が可能です。
キー打鍵時のたわみもありません。
ファンクションキーは、所々(F4とF5の間や、F8とF9の間など)に適度なスペースが設けられている
中央が0.2mmへこむ形状のキートップを採用 指を置きやすいです
白色のバックライトを内蔵 バックライトのボタンの位置が少しわかりにくかったです
タッチパッドはボタン一体型 左上には指紋認証センサー
指紋認証センサーは、全てのモデルに標準搭載されています。
Windows10の機能「Windows Hello」と、指紋センサーの組み合わせによるログインが可能です。
液晶の見やすさ
dynabook VZに搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
12.5型フルHD(1,920×1,080)の、非光沢タッチパネルが搭載されています。
初期時の画面のスケーリングは125%と、やや大きく表示される設定でした。
明るく、非光沢にしては鮮やかな表示が美しい液晶です。
光の反射などが気にならないため、作業に集中しやすいです。
外光の入る明るい場所であっても見やすく、外出時の作業に向いています。
画面の視野角は広いです。
どの角度からみても色が大きく変わらないため、複数人での画面の閲覧もしやすいと思います。
重量
dynabook VZの重量を測定してみました。
PC本体の重さは1020g。
仕様の約1099gと比べると、少し軽いです。
実際、手に持ってもカバンに入れて持ってみても、とても軽いと感じます。この位の重さなら、毎日の持ち運びも苦にならないです。
電源アダプターとケーブルをあわせた重さは237g。
こちらもPC本体と同様、軽いです。
ペンが付属
dynabook VZシリーズには、上位モデルのみ、2,048段階の筆圧検地に対応するワコム製デジタイザペンが標準付属します。
下位モデルは、オプションによる選択となります。
頭の部分にはクリップつき。
TOSIHBAのロゴがプリントされています。
ペンは、単6の乾電池で動作します。
ペンの側面には2つのボタン。
消しゴムやクリックなど、様々な機能を割り当てられるようになっています。
ペン先を覆うキャップ付き。
PCにインストールされているワコムペンのツールにより、様々な設定を行えます
実際の使用感は、製品ページでの謳い文句とおり、本当に紙の上に書いているような書き心地です。
どちらかというと、ツルツルとした書き心地のパネルとペンの組み合わせが多い中、dynabook VZはやや抵抗感のある書き心地であり、細かい描写も難なく行えます。
パネルやペンの材質が滑りやすいと、細かい描写を行う際に手や指に力が入るため、長く使っていると腕がだるくなってくるのですが、本製品ではそれがありません。
ちょっとしたメモにも役立ちますし、細かいイラストを描くのにもよさそうです。
サポート系のソフトウェアが充実
dynabook VZには、標準で様々なソフトウェアがインストールされています。
特にサポート系のソフトウェアが充実しているため、PCやソフトウェアの操作が苦手な方にも使いやすいです。
おたすけナビ 基本操作やソフトウェアの使い方などを調べることができる
上画像は、基本操作やソフトウェアの使い方などを調べることができる「おたすけナビ」というソフト。
他にもパスワードユーティリティやバックアップナビ、PC引越しナビ、タッチ操作の練習が行える「ぱらちゃんカフェ」他、数多くの便利なソフトが搭載されています。
東芝製パソコンではおなじみの、アザラシのキャラクター「ぱらちゃん」を利用したデスクトップアクセサリ等も搭載されていました。
ぱらちゃん Version 2 たまにお父さんやお母さんが登場することも
dynabook VZ 構成と特徴
掲載している dynabook VZ72/Bの構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【dynabook VZ72/B の主な構成】
OS Windows 10 Home 64ビット(Anniversary Update 適用済)
プロセッサ Core i7-7500U(2.70GHz/TB時最大3.50GHz)
ディスプレイ 12.5型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢
グラフィックス インテル HD グラフィックス 620
メモリ 8GB(LPDDR3-1600)
ストレージ 512GB SSD(SATA/TOSHIBA製)
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth v4.1
バッテリ 公称の駆動時間:約17.0時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver2.0)
サイズ 299.0×219.0×15.4(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1,099g
カラー オニキスメタリック
主な付属品 アクティブ静電ペン、USB Type-C アダプター、ACアダプター
標準保証 引き取り修理・海外保証〈制限付〉1年
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年01月09日時点の情報に基付く内容となります。
主に Windows 10 Home、12.5型フルHDタッチパネル、Core i7-7500U、メモリ8GB、512GB SSDという構成内容のモデルです。
直販の東芝ダイレクトでは「dynabook VZ72/B」という名称で販売されている、上位構成のモデルです。他、大きく分けて2種のモデルが提供されています。
以下、Web向けのモデルで提供されている主な構成です。
dynabook VZ72/B | dynabook VZ62/B | dynabook VZ42/B | |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
||
ディスプレイ | 12.5型ワイドフルHD、タッチパネル(Corning Gorilla Glass4採用) | ||
CPU | Core i7-7500U | Core i3-7100U | |
メモリ | 8GB(LPDDR3-1600) | ||
ストレージ | 256GB SSD / 512GB SSD | 128GB SSD | |
デジタイザペン | アクティブ静電ペン | なし(別売り) | |
セキュリティ機能 | 指紋センサー |
特徴は、インテルの第7世代Coreプロセッサを搭載しているという点、また8GBのメモリやSSDの搭載が標準である点などで、どの構成を選択してもパフォーマンスは高いと言えます。
指紋センサーは、全モデルで標準搭載。
ワコム製のアクティブ静電ペンは、上位モデルのみ標準で付属しますが、下位モデルではオプションとなります。
以下、搭載ストレージの詳細です。
SSDの仕様
ストレージの内訳
SSDには東芝製の「THNSNK512GVN8」という512GB SSDが搭載されていました。
SATA規格のモデルで、ベンチマークでは書込みのスコアが読み込みに比べてやや低かったのですが、十分に高速だといえるSSDです。容量が大きく、使いやすいと思います。
他に、128GB、256GBのSSDを搭載したモデルが提供されています。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している dynabook VZ72/Bで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strikeの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
上から1280×720、1980×1080(DirectX 9/標準品質(ノートPC))
【Minecraft】
デフォルト画質で快適に動作
【CINEBENCH R15】
ゲームをプレイするような製品ではありませんが、ライトなゲームなら、画質を落とせば快適にプレイできるくらいのパワーはあります。
ネットや動画の閲覧、ビジネスソフトの利用、簡単な写真編集には十分な性能を持つモデルです。
消費電力・温度
dynabook VZのアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定。
画面の明るさは50%、バックライトキーボードはオフに設定した上で、消費電力を測定しています。(以降のテストは、すべてこの設定で実行)
アイドル時 ・・・ 6W
ベンチマーク実行時 ・・・ 27W
※実際の値は若干上下します
非常に低消費電力です。
低消費電力でありながら、ハイパフォーマンスであるという点が魅力です。
高負荷時のキーボード表面温度を測定してみました。
パームレスト~キーボード表面の温度は低いです。
負荷のかかる作業時であっても、快適にタイピングが行えます。
再起動時間
dynabook VZの再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:52
2回目 0:46
3回目 0:46
4回目 0:46
5回目 0:45
6回目 0:44
7回目 0:44
8回目 0:45
9回目 0:45
10回目 0:49
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 46秒
dynabook VZの再起動にかかる時間は およそ46秒。
SSDを搭載しているため、比較的高速です。
バッテリ駆動時間
dynabook VZのバッテリ駆動時間を測定。
駆動時間の測定にはバッテリーのベンチマークソフト「bbench」を使用、設定はストロークの実行が10秒毎に、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から2%に減少するまでの時間は58329秒。
約16(16.2025)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
実は、製品説明にある「約17時間」というバッテリ駆動時間は言い過ぎではないかと疑っていたのですが、バッテリの持ちは本当に良いようです。
あくまでも、文字入力やウェブの閲覧といった軽い作業時の結果であり、負荷をかけた使い方をすれば、またバッテリの持ちは大幅に変わってくると思われますが、たとえ負荷をかけた使い方をしたとしても、長時間作業が行えるのではないでしょうか。
これだけバッテリが持てば、外出先でのPC作業が長い方でも、バッテリの電力残量を気にせずに済みます。
dynabook VZ まとめ
dynabook VZ シリーズのレビューは以上となります。
薄く軽く持ち運びやすいことに加えて、安心して持ち運べる頑丈なモバイルノートです。
本体が薄いと、特にキーボードの使い勝手が悪くなりやすいのですが、本製品は薄さの割に深さのあるキーボードを採用しており、またキートップの形状の工夫やたわまない設計の採用など、快適なタイピングのための環境がそなわっています。
加えて、約17時間(実測値16時間)ものバッテリ駆動が可能な点など、モバイルノートに欲しい要素をすべて備えた製品だといえるでしょう。
ノートPCだけではなく、手書き入力がしやすいタブレットへと変形できる点も魅力が大きいです。
性能面に関しては、第7世代Coreプロセッサに、8GBのメモリやSSDを標準搭載するなど、メインPCとしての利用に遜色ない高いパフォーマンスをそなえています。ゲームができるようなパワーはありませんが、ビジネスソフトの利用や簡単な写真編集など、日常作業なら難なくこなせるはずです。
気軽なサブノートや、コスト重視のノートPCでも構わないというような方にはオーバースペックであること、またカードスロットがない点が残念ではあるのですが(私自身が頻繁に利用するため)、メインPCとして様々な場面で利用できるモバイルノートが欲しい方には、dynabook VZはうってつけのモデルだといえるでしょう。
なお、本製品は東芝直販の「Room1048会員」に登録すると、会員価格で購入できるようになります。
会員になれば即、割引価格での購入が可能となるため、製品を購入される場合はまず会員登録(Room1048会員)を行うことをおすすめいたします。