HP Pavilion 23-q060jp レビュー リーズナブルな23型の「ドラゴンクエストX推奨」液晶一体型PC
HPが販売するデスクトップPC、HP Pavilion 23-q060jpのレビューです。
HP Pavilion 23-q060jpは、23型フルHDの液晶を搭載する液晶一体型のPC。
薄型設計でスタイリッシュな筐体の採用に加え、IPS方式の美しい液晶や光学ドライブ、Core i5の標準搭載など、様々な用途に快適に利用できるスペックを持ち合わせたマシンです。
そのような内容でありながらも比較的リーズナブルであり、様々な用途に使える低価格PCをお探しの方、またこれから液晶やPCを揃えようという方にはうってつけの製品だと言えるでしょう。
今回は、そんなHP Pavilion 23-q060jpの外観や使用感、性能について詳しく触れたいと思います。
【HP Pavilion 23-q060jp レビュー記事目次】
・HP Pavilion 23-q060jp 筺体外観・インターフェースをチェック
(外観・インターフェース / 液晶の品質 / キーボードやマウス)
・構成とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・標準搭載されているソフトウェア
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビュー まとめ
(HP Pavilion 23-q060jp まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Pavilion 23-q060jp 筺体外観・インターフェース
まず、HP Pavilion 23-q060jpの筺体外観をチェックします。
23型の液晶を搭載した一体型のPCであるためサイズ的に小さくはありませんが、本製品は比較的薄型に作られており、画面を最大に傾けた場合でも奥行きが210mmと、スペースにあまり余裕がないデスクにも設置しやすいです。
単に奥行きが短いというだけではなく、見た目に洗練された印象であり、インテリアとの調和を気にするような方にもおすすめできます。
23型フルHDのIPSディスプレイを採用しています。
液晶のフレームが殆どないフラットな設計であるなど、見た目にスタイリッシュな液晶一体型PCです。
パネルは半光沢という感じの光沢感で、それ程光沢が目立つわけではありませんが、パネルのサイズが大きい為、置き場所によっては光の反射などが目立つ事があります。
液晶の左上、右上には「B&O」や「Pavilion」のロゴが入る
液晶上部には約92万画素の「HP TrueVision HD Webcam」を内蔵
液晶下部にはhpのロゴ
液晶を支えるスタンド フラットな設計であり未使用時のキーボード等を置く事ができる
背面側の様子です。
見ての通り、継ぎ目が全く見当たらないユニボディを採用しています。
左右にかけて、緩やかな曲線を描いたフォルムが美しいです。
カラーはブリザードホワイト。
やや艶のあるソフト・パールコーティングを施したパネル一面に、細かなドットテクスチャーがデザインされています。
ドットテクスチャー プリントではなく凸凹とした加工がなされている
背面中央には鏡面仕上げのhpロゴ 高級感を醸し出している
ディスプレイはチルト機能のみ。
前は10°程度まで、後方には30°程度まで角度調整が可能です。
スイーベルや高さ調整機能はありません。
筺体各部にあるインターフェースの内容をチェックします。
右側面には光学ドライブ。
側面・・というよりは背面に配置されているでしょうか。
光学ドライブは、下位モデルにDVDスーパーマルチドライブ、上位モデルにブルーレイディスクドライブが搭載されます。
左側面にはなにもなし。
液晶一体型PCは大抵、左右側面にUSBやカードスロットが配置されていると思うのですが、本製品はディスプレイに厚みがない為か、筺体左右にそれらの端子は見当たりません。
ではどこにあるのかと言うと・・
ディスプレイの下部にあたる位置に配置されています。
USB等の端子類は、hpロゴが見えるあたりの下側に、そしてディスプレイ右下側には電源ボタンが配置されています。
電源ボタン。
ディスプレイ下部にはメディアカードスロットやオーディオ端子、USB3.0×2基を搭載。
USBは片側のみ、電源オフ時の外部デバイスの充電に対応しています。
PCを利用しているユーザー側からは見えない位置にある為、最初は少し使いにくいと感じるかもしれませんが、すぐに端子の配置に慣れると思います。
ディスプレイ上部には通気口。
こちらは背面側にある端子です。
セキュリティスロットに、電源コネクター、LAN、USB2.0×4基、HDMI出力が並びます。
付属の電源アダプターとケーブル 比較的コンパクト
電源アダプターの仕様は19.5V、4.62Aで90W
液晶の品質・見やすさをチェック
次に、HP Pavilion 23-q060jpに搭載されている液晶の見やすさや品質をチェックします。
実際の製品に、同じ液晶パネルが搭載されるとは限りませんので、参考程度にご覧ください。
23型ワイドフルHD(1920×1080 )、IPSディスプレイを採用しています。
23型と大画面であるため、アイコンや文字の表示サイズはやや大きめ。
細かい文字が苦手な方でも使いやすいのではと思います。
画面の視野角をチェックします。
IPS方式のパネルであるため、視野角は広いです。
どの角度から画面を見ても、色変化が殆どなく同じように見えます。
続いて、色域の測定結果を掲載。
以降、Spyder 4 Eliteによる測定結果を掲載、検証を行っています。
sRGBのカバー率は98%、AdobeRGBのカバー率は76%。
色域は広いです。見た目にも色が鮮やかです。
ガンマカーブを確認します。
左:ガンマ応答カーブとターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正カーブ
ガンマ応答カーブには若干のずれがあるものの、大きなずれはありません。
デフォルトでは若干青味が強い表示となっていますが、HPのノート製品などでよく見られるような「青すぎる」という事もなく、比較的自然な色味です。
画面の均一性を測定。
以下、色ムラや輝度ムラをチェックしています。
色ムラは高輝度時のみ、少し目立つよう。
一方で輝度ムラは殆どわからない程度です。
色鮮やかで綺麗な液晶だと思います。
23型サイズでフルHDの解像度であるため、近くで画面を見ると少し粒感が目立つような感じはありますが、写真や映像の閲覧をはじめ、写真編集なども快適に行う事ができます。
やや青味がかった液晶であるため、気になる方はディスプレイの色調整などを行うと良いでしょう。
付属のキーボードやマウス
最後に、HP Pavilion 23 シリーズに付属のキーボードやマウスについて。
本シリーズには、標準でワイヤレスタイプのキーボードやマウスが付属します。
キーボードはWindows 8 ショートカットキーが付いた、アイソレーションタイプの使いやすいキーボードです。
これらのキーボードやマウスについては、以前にも他製品のレビュー記事でご紹介していますので、詳細についてはそちらの記事をご参照ください。(HP ENVY 750-070jp/CTのワイヤレスキーボード・マウス)
Windows 8 ショートカットキーが付いた、アイソレーションタイプの使いやすいキーボード
ワイヤレスマウス 程良く小型で使いやすい
キーボードとマウスは共通のUSBレシーバーを使用
HP Pavilion 23-q060jp 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているHP Pavilion 23-q060jpの構成内容とその特徴について解説します。
【CPU-Z】
【HP Pavilion 23-q060jpスタンダードモデル の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i5-4460T(1.90GHz~2.70GHz)
チップセット H81 Express
グラフィックス インテル HD グラフィックス4600
ディスプレイ 23.0型ワイドフルHD(1920×1080)IPS、光沢
メモリ 4GB(4GB×1/PC3L-12800/2スロット/最大16GB)
ストレージ 1TB HDD(Seagate製/7200rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線機能 IEEE 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
電源 90W電源アダプター
サイズ 568×440×190~210(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約8.2kg
カラー ブリザードホワイト
キーボード・マウス ワイヤレス日本語キーボード (Windows 8 ショートカットキー付) & ワイヤレス光学スクロールマウス
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年09月03日時点のものです。
Windows 8.1、Core i5-4460T、メモリ4GB、1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブを搭載する下位モデルの構成です。
本製品にはもう1点、「HP Pavilion 23-q080jp パフォーマンスモデル」という上位のモデルが提供されており、そちらは上記の構成をベースに、メモリと光学ドライブの内容のみをそれぞれ8GB、ブルーレイディスクドライブに変更した構成内容となっています。
メモリ容量の違いにより、作業内容によっては上位と下位の構成でやや差が出る場面もあるを思いますが、性能はそれ程大きくは変わらないと考えて良いでしょう。
なお冒頭で、本モデルはドラゴンクエストXの推奨パソコンに認定(スライム級)されていると記載しましたが、参考までに、ドラクエXでの「スライム級」とは、以下のような評価となります。
評価 | 級 | ベンチスコア |
---|---|---|
すごく快適 | はぐれメタル | 10000~ |
とても快適 | キラーマシン | 7000~ |
快適 | スライムナイト | 5000~ |
普通 | スライム | 3000~ |
やや重い | ゴーレム | 2000~ |
重い | 爆弾岩 | 1000~ |
動作困難 | くさった死体 | ~999 |
「普通」という評価です。
基本ゲームには向きませんが、ドラクエX程度の負荷のゲームでグラフィック設定を軽めに設定すれば、本製品の構成でもそこそこ快適にプレイできますので、日常作業の合間にたまに軽いゲームで遊ぶ・・というような使い方もできなくはなさそうです。
本格的にゲームをプレイする為のPCを購入するのなら、もう少し性能の高いモデルをお勧めしますが、日常作業用の構成としては十分な内容の製品だと思います。
液晶はIPSで美しく、また無線LANもac対応など、低価格な液晶一体型PCとしてはコスパは高いです。
搭載されているストレージの内容を確認します。
HDDの仕様
ディスクの内訳
HDDにはSeagate製の「ST1000DM003-1ER162」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
HDDにしては高速なディスクで、SSDを搭載したPCにはかなわないまでも、そこそこ快適に作業が行えるでしょう。容量も大きく、撮影した写真や動画といったサイズの大きなファイルの保存にも向いています。
本製品で提供されているのは、このHDDのみとなります。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP Pavilion 23-q060jpで実行したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.6
メモリ 5.9
グラフィックス 4.8
ゲーム用グラフィックス 5.1
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 217.7 / 216.0
512K 2.094 / 1.762
4K 217.5 / 194.8
4K QD32 0.691 / 1.654
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
行った全てのテストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 43163
Cloud Gate・・・ 4578
Sky Diver・・・ 2612
Fire Strike・・・ 564
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1280×720(描画設定3) ・・・ 1043
1920×1080(描画設定3) ・・・ 299
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:1312 / RANK:C
1920×1080 ・・・ SCORE:720 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV】
【新生エオルゼア キャラクター編】
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
【新生エオルゼア】
1280×720(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2658 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1298 / 評価:設定変更が必要
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
1280×720(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2563 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1313 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:4470 / 評価:普通
1920×1080(標準品質) ・・・ スコア:2003 / 評価:やや重い
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 19.67fps
CPU ・・・ 348cb
Minecraft デフォルトの描画設定で快適に動作 CPUの使用率は50~60%前後
ゲームのプレイは軽負荷なもの限定ですが、日常作業用のPCとしては十分な性能を発揮できる構成です。
しつこいですが、ドラゴンクエストXのベンチマークテストでも、1280×720&標準品質の設定ではスライム級のスコアが出ており、低品質の設定であれば 1920×1080の解像度でもプレイは可能かなと思います。
消費電力・温度
HP Pavilion 23-q060jpの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
画面の輝度は50%程度に設定
アイドル時 ・・・ 23W
ベンチマーク実行時 ・・・ 53W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
23型の液晶を含めての消費電力値だという事を考慮すると、消費電力は低い方です。
続いて、HP Pavilion 23-q060jpの筐体内パーツの温度を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
全体的に低温です。
高負荷な状態が続いだとしても、CPU温度は60度台程度までしか上昇しないようです。
再起動(起動&シャットダウン)時間
PassMark Rebooterを利用し、HP Pavilion 23-q060jpの再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 1:18
2回目 1:13
3回目 1:08
4回目 1:03
5回目 1:03
6回目 1:06
7回目 1:02
8回目 1:04
9回目 1:06
10回目 1:09
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分7秒
HP Pavilion 23-q060jpの再起動にかかる平均時間は1分7秒。
HDDを搭載するPCとしては、この再起動時間は平均的です。(HDD搭載PCでは、大体1分弱~半程度かかるものが多い)
プリインストール・ソフトウェアの内容
HP Pavilion 23-q060jpにプリインストールされている、ソフトウェアの内容をご紹介します。
製品の購入時期や、選択するオプションの内容によっては、以下の内容とは異なる可能性があるため、一例としてご覧ください。
Windows標準のソフトウェアに加えて、HPやCyberLink製のソフトウェアが数点、ファイル圧縮・展開ソフト「7-Zip」、PDF編集ソフト「Foxit PhantomPDF」、セキュリティソフト「マカフィーリブセーフ」が搭載されるという内容です。
ストアアプリの方にも、「HP Connected Photo」とはじめとする幾つかの標準搭載ではないアプリが追加されていました。
HP製のソフトウェアの詳細については、PCの総合管理を行う「HP Support Assistant」やPC情報を参照できる「HP Support infomation」、ユーザーガイド等の資料を参照できる「HP Documentation」、バックアップ&リカバリツール「HP Recovery Manager」、ログオン管理の「HP SimplePass」、オーディオユーティリティ「B&O Play」が搭載されていました。
またCyberLink製のソフトウェアについては、写真編集の「PhotoDirector」、動画編集の「PowerDirector」、再生ソフト「Power Media Player」、ライティングソフト「Power2Go」、バックアップソフト「PowerBackup」等のソフトが搭載。
再生・編集・PCの管理など一通りのソフトが搭載されており、とりあえず、一般的な作業であればプリインストールされているソフトウェアで間に合うと思われる内容です。
HP Recovery Manager バックアップやリカバリの管理 リカバリメディアの作成も行える
B&O Play オーディオ関連の設定をおこなえるユーティリティ
Dropbox 25GBを6ヶ月無料で利用できる特典が付属していた(必ずしも搭載されるというものではない)
HP Pavilion 23-q060jp まとめ
HP Pavilion 23-q060jp のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・23型フルHDのIPS液晶を搭載する一体型PC
・Core i5-4460T標準搭載でそこそこ性能は高い
・スリムかつスタイリッシュなデザイン
・比較的リーズナブル
23型フルHDのIPSディスプレイを採用する、液晶一体型のPCです。
一体型の製品としては比較的スリムであり、置き場所を選びません。
継ぎ目のない一体感のあるユニボディを採用するなど、スタイリッシュなデザインである所もポイントが高いです。
少なくともデザインに関しては価格以上だと思われ、インテリアとの調和や持ち物のデザインに拘るような方にも、十分納得のいく製品だと言えます。
性能に関しては、デスクトップPCとしてはそれ程高性能だというわけではありませんが、途中にも書いたように軽いゲームであればプレイできるくらいのパワーは持ち合わせていますので、日常作業用のPCとしては使いやすいと思います。
光学ドライブも搭載しており、多くの用途に利用する事ができるでしょう。
価格についても、液晶とPCを本製品一つで賄えるという事を考えると安いです。