iiyama PC「LEVEL-R027-i7K-XNA」のレビュー GTX 1080Ti搭載の超高性能ゲーミングPC
パソコン工房が販売するiiyama PCブランドのデスクトップPC、LEVEL-R027-i7K-XNAのレビューです。
LEVEL-R027-i7K-XNAは、ミドルタワーケースを採用するLEVEL∞(レベルインフィニティ) R-ClassのゲーミングデスクトップPC。
チップセットにはZ270を、CPUにはCore i7-7700Kを搭載し、グラフィックカードは GTX 1080Ti(11GB)、ストレージにはSSD&HDDの2ドライブ構成を、さらに電源には80PLUS GOLD認証の700W電源を標準で採用するという、非常に高性能なマシンです。
4Kのような高解像度環境でのゲームプレイはもちろん、VRの利用や、高解像度写真や動画の編集といった作業など、幅広い用途で活用できます。
標準でこれだけの構成内容であれば、カスタマイズをせずとも快適に利用できるでしょう。もちろんメモリやストレージ他、いくつかのパーツは変更出来るようになっているため、ユーザー好みの構成を組むことも可能です。
今回は、そんなLEVEL-R027-i7K-XNAを使用してみましたので、製品の外観や使用感、実際の性能について詳しくご紹介いたします。
【LEVEL-R027-i7K-XNA レビュー記事目次】
・LEVEL-R027-i7K-XNA 筺体外観や操作性をチェック
(外観・インターフェース / 筺体内部の構造)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(LEVEL-R027-i7K-XNA まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
LEVEL-R027-i7K-XNA ケース外観・インターフェース
LEVEL-R027-i7K-XNAに用いられている、ミドルタワーケースの外観をチェックします。
ゲーミングデスクトップPCとしては、適度な拡張性、サイズで使用しやすいATXケースです。製品のカスタマイズページに記載の内容によると、InWinの「BWR146」と呼ばれるケースをベースに使用しているよう。
小型のケースに比べると少し大きめではありますが、外装が無駄に凸凹としていないため、どこにでも設置しやすく、また部屋のインテリアにもマッチしやすいと感じます。
黒ベースの筐体に赤のアクセントが入るという、ゲーミングデバイスを彷彿とさせるカラーリングも中々格好良いです。
フロントパネルは、最上部に光学ドライブ用のベイが搭載されるのみとシンプルです。
パネルの中央と下部には、レベルインフィニティとiiyamaのロゴを配置。
吸気用の通気口は、フロントパネルの側面にあります。
最上部の光学ドライブベイ。
標準でDVDスーパーマルチドライブが搭載されています。
カスタマイズにより、ブルーレイドライブへの変更も可能です。
レベルインフィニティのロゴ
背面全体の様子です。
上からUSB3.0×2、PS/2(キーボード、マウス)端子、USB3.0×2、USB2.0×2、LAN(1000BASE-T)、オーディオ端子×6(ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、サイド出力)が並び、中央付近にはグラフィクカードに搭載されるHDMIや、DisplayPortが3基並びます。
電源コネクターやスイッチは最下部です。
ケース左右側面の様子。
左側のサイドパネルにのみ、通気口が設けられています。
記事作成時点で提供されているカスタマイズでは、サイドパネルにアクリルウィンドウを利用したケースも選べるようです。
天面の様子です。
通気口などはありません。
フロントパネルの上部に、USB3.0が1基、USB2.0が2基、オーディオ端子が2基搭載されているのが見えます。カードリーダーはないようです。
電源ボタンは、フロントパネル上部の端の方にあります。
ケース内部の構造
ケース内部の構造をチェックします。
サイドパネルを固定している背面のネジを取り外すことで、内部へアクセスできます。
ケース内部全体の様子。
写真は左が背面、右が正面側になります。
右上から時計回りに、5.25インチベイが1基、3.5&2.5インチ兼用のベイが4基、電源ユニット、グラフィックカード、CPUやメモリ、CPU用の水冷クーラーが配置されるという構造です。
フロント側上部に設置されているベイは、複数の光学ドライブやパーツを搭載できそうな構造となってはいますが、ケースが最上部の5.25インチオープンベイしか利用できない構造なんですよね。
光学ドライブの下部に、カードリーダーのようなデバイスを置くのは難しそうです。
フロント側の光学ドライブベイと、その下部にあるストレージベイとの間にはスペースが設けられており、空気の通りは良さそうです。
吸気した冷たい空気を、発熱の大きい後部のパーツに直接あてることができます。
ストレージベイは計4基と豊富であるため、保存データ量が多い方でも安心して利用できます。
CPU回りの様子。
CPUには、水冷クーラーが用いられています。
この水冷クーラーはキャンペーンにて無料搭載されているものであり、標準構成は水冷ではありません。
グラフィックカードと、カード下部の様子。
グラフィックカードには、標準でGTX 1080Ti(11GB)が搭載されています。
圧倒的な性能とコスパの高さで、性能を求める方には非常におすすめのカードです。
LEVEL-R027-i7K-XNA 構成内容とその特徴について
以下、掲載している>LEVEL-R027-i7K-XNAの構成内容と、その特徴についての解説です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【LEVEL-R027-i7K-XNA [Windows 10 Home] の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-7700K(3.60GHz/TB時最大4.20GHz)
CPUクーラ 12cmラジエーターファン水冷CPUクーラー
チップセット インテル Z270 Express
グラフィックス NVIDIA Geforce 1080Ti(11GB)
メモリ 16GB(8GB×2/DDR4-2400 DIMM/4スロット)
ストレージ 480GB SSD(SATA /SanDisk製)、2TB HDD(Seagate製)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
拡張ベイ 5.25インチ×1、3.5/2.5インチ兼用×4
拡張スロット PCI Express3.0 x16×1、PCI Express3.0 x16×1(※x4動作)、PCI Express3.0 x1×4
電源 700W(80PLUS GOLD/ATX電源)
サイズ 190×477×432(幅×奥行き×高さ/mm/突起物除く)
保証 1年間無償保証
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年10月29日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Z270チップセット、Core i7-7700K、Geforce 1080Ti、16GBメモリ、480GB SSD&2TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、700W電源(80PLUS GOLD)という構成内容のモデルです。
利用したモデルには水冷CPUクーラーが採用されていましたが、こちらは期間限定のキャンペーンによって搭載されているものであり、通常は水冷ではない標準のCPUクーラーが搭載されます。
カードリーダーはないものの、基本構成であっても利用には十分だと思われる構成のパーツが採用されるなど、非常にハイスペックなモデルです。
Geforce 1080Tiを搭載しており、ゲーミングPCとしては最上位クラスの製品であるため、価格は20万円台前半(税込/2017年10月29日時点)と安いとは言えません。
が、構成や性能を考慮すれば決して高いとはいえない、むしろコストパフォーマンスが良いとすらいえるのではないでしょうか。
プレイするゲームが決まっており、本製品ほどのパワーは必要ないというのならばともかく、高解像度環境で様々なゲームをプレイしたい、VRを利用したい、また長く通用するゲーミングPCが欲しいという方にはぴったりの構成を持つ製品だといえるしょう。
搭載ストレージの詳細をチェックします。
SSD・HDDの仕様(販売製品に搭載されるモデルとは異なる可能性があります)
ストレージの内訳
起動ドライブであるSSDには、SanDisk製の「SDSSDA480G」という480GB SSD(SATA)が、HDDにはSeagate製の「ST2000DM006-2DM164」というモデルが搭載されていました。
SSDはSATA規格のモデルで、爆速といえるほどの性能を持つSSDではありませんが、それでも十分に高速。容量にも余裕があり、複数のゲームをインストールするというような場合にも困りません。
加えて容量の大きいHDDが搭載されるなど、動画のようなサイズの大きいファイルの保存にも便利です。
本製品はストレージのカスタマイズの選択肢が豊富で、もともと搭載されているSSDやHDDの変更はもちろん、M.2 SSDの追加や、2~3台目のHDDの追加も可能。
購入時に好みのストレージ構成にしてしまえる、という点が便利だと思います。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているLEVEL-R027-i7K-XNAで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
Fire Strikeの実行結果
Fire Strike Ultraの実行結果
Time spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1920×1080(最高品質)、3840×2160(最高品質)/ウィンドウモードで実行
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1920×1080(設定3)、1920×1080(設定6)
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080、3840×2160(DirectX 11/最高品質)
【CINEBENCH R15】
【GTA V】
GTA Vのベンチマークテストを実行。
以下の2パターンの画質に設定した上で実行しました。
画面解像度はフルHD(1920×1080)と4K(3840×2160)です。
【標準画質】
MSAA x4、リフレクションMSAA x4、異方性フィルタリング x16、その他多くが「高、超高」
【最高画質】
グラフィック、高度なグラフィック設定ともに、出来うる限り上限の設定
【フルHD&標準画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 10.429599 | 146.072327 | 126.970253 |
Pass 1 | 75.450508 | 179.845871 | 148.568222 |
Pass 2 | 95.186005 | 208.784180 | 148.783966 |
Pass 3 | 6.634872 | 259.658447 | 169.715195 |
Pass 4 | 8.189878 | 309.856079 | 148.196014 |
【フルHD&最高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 7.292877 | 105.036354 | 86.014481 |
Pass 1 | 22.582602 | 98.337654 | 65.402176 |
Pass 2 | 26.387484 | 145.926819 | 90.372406 |
Pass 3 | 58.057171 | 161.765533 | 106.220314 |
Pass 4 | 11.336083 | 167.828674 | 84.954163 |
【4K&標準画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 8.080201 | 148.548294 | 107.923996 |
Pass 1 | 32.859325 | 166.567856 | 102.415817 |
Pass 2 | 15.179856 | 238.089432 | 100.343544 |
Pass 3 | 38.608433 | 218.180054 | 111.467575 |
Pass 4 | 29.414564 | 234.952576 | 110.093590 |
【4K&最高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 5.354093 | 69.299614 | 31.773165 |
Pass 1 | 11.571343 | 76.193398 | 26.887657 |
Pass 2 | 17.486067 | 130.531693 | 32.819141 |
Pass 3 | 8.410520 | 127.476814 | 36.632923 |
Pass 4 | 13.582111 | 108.103821 | 32.926655 |
さすがに、4K解像度で最高画質でのプレイは難しいようですが、4Kであっても標準画質程度の設定であれば、快適にプレイできるようです。
標準画質よりも、もう少し画質をあげても余裕があるくらいでしょうか。
GTX 1080Tiより下位のグラフィックカードであっても、画質を調整すれば超高解像度環境でのゲームプレイは可能ですが、最初から4K以上の解像度でプレイすることが目的であるのなら、GTX 1080Tiのようなグラフィックカードを選んでおくべきだと思います。
【SteamVR Performance Test】
VRの利用も余裕です。
フルHD解像度なら多くのゲームを最高画質で、4Kのような超高解像度環境であってもまずまず余裕でプレイできるなど、不安を感じさせないパワーを持った構成のモデルです。
標準でSSDを搭載しているため、ゲームのロードも速く、使っていてストレスを感じません。
性能の高いゲーミングPCを買おうと考えているのなら、本製品くらいの高いスペックを持ったPCを選びたいところです。
消費電力・温度
LEVEL-R027-i7K-XNAの消費電力を測定。
以下、アイドル時およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力測定結果です。
液晶の電力は含みません。
アイドル時 ・・・ 36W
ベンチマーク実行時 ・・・ 322W
※実際の値は若干上下します
アイドル時の消費電力は、下位のグラフィックカードを搭載するデスクトップPCと変わらない位ですが、ベンチマーク実行時の消費電力は高いです。
とはいえ、性能を考えれば妥当な消費電力です。
次に、高負荷時のパーツ温度を測定。
以下は、ベンチマークテスト(3DMarkのFire Strike)を20分以上実行した後のパーツ温度です。
高負荷な状態が続くとグラフィックカードの温度は上昇しますが、他のゲーミングデスクトップPC同等程度の温度です。
CPUの温度も上がりますが、水冷クーラーを使用しているためか、本製品の性能にしてはやや低い温度です。
ゲームのプレイはもちろんですが、特にCPUに負荷がかかりやすい(=温度が上がりやすい)動画エンコード等の作業にも向いています。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
LEVEL-R027-i7K-XNAの再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:48
2回目 0:38
3回目 0:36
4回目 0:36
5回目 0:37
6回目 0:37
7回目 0:35
8回目 0:36
9回目 0:37
10回目 0:36
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 37秒
再起動にかかる時間は およそ37秒。
起動ドライブにSSDを搭載しているため、非常に高速です。
LEVEL-R027-i7K-XNA まとめ
LEVEL-R027-i7K-XNAのレビューは以上となります。
Geforce 1080Tiを搭載しており、シングルGPUを採用するPCとしては最上位クラスに位置づけられるゲーミングデスクトップPCです。
グラフィックカードだけではなく、CPUにはパフォーマンスの高いCore i7-7700Kを搭載していますし、メモリは16GB、ストレージにはSSD&HDDを採用するなど、基本構成で十分すぎる性能を備えたマシンです。
超高解像度環境でのゲームプレイはもちろん、VRの利用など、ハイエンドPCでなくては難しいと思われる用途にも幅広く活用できます。
プレイするゲームが決まっており、本製品ほどのハイスペックなPCは必要ないというのならばともかく、性能の高いゲーミングPCを買おうと考えているのなら、本製品くらいのスペックを持ったPCを選びたいところ。
これから先、長く通用するゲーミングPCが欲しいという方にもおすすめの一台です。