Lev-C011-LCi7-RNR レビュー GTX 1060(6GB)搭載!水冷CPU採用のコンパクトゲーミングPC
パソコン工房が販売するiiyama PCブランドのデスクトップPC、Lev-C011-LCi7-RNRのレビューです。
Lev-C011-LCi7-RNRは、Mini-ITXのコンパクトケースを採用するゲーミングデスクトップPC。
小型ながらもグラフィック性能の高い GTX 1060(6GB)を標準搭載しており、数多くのゲームを高い画質設定でプレイする事ができます。カスタマイズでは GTX 1070やGTX 1080を選択する事も可能です。
CPUには標準で水冷式のクーラーを採用しているため、負荷をかけた状態であっても比較的静かであり、加えて高温になりにくいなどのメリットがあります。
高性能でありながら、価格が安い所も魅力。
今回は、そんな Lev-C011-LCi7-RNRの外観や特徴、性能面について詳しくご紹介したいと思います。
【Lev-C011-LCi7-RNR レビュー記事目次】
・Lev-C011-LCi7-RNR 筺体外観をチェック
(外観・インターフェース / 筐体内部の構造)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力 / 水冷の効果は? / 再起動時間)
・製品のまとめ
(Lev-C011-LCi7-RNR まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Lev-C011-LCi7-RNR 筺体外観・インターフェースの内容をチェック
まず、Lev-C011-LCi7-RNRの筐体外観をチェックします。
Mini ITX規格のフォームファクタを採用するなど、非常にコンパクトな筐体です。
ユニットコムと同グループの某社が販売する製品「LITTLE・・・(ハンドル付きのPC)」とベースは同じものを使用していると思いますが、上部にハンドルがない分高さが抑えられているため、より設置しやすいです。
フロントパネルの様子。
中央付近にはレベルインフィニティのロゴ、下部にはiiyamaのロゴが配置されています。
スッキリとしたきれいなデザインです。
ケース上部の様子。
木目調っぽい加工を一面に施したデザインで、落ち着いた印象を受けます。
指紋や埃汚れなどが目立ち難いところが良いです。
このケース上部のパネルは、後方へスライドさせる事が可能です。
後方にスライドさせると、内側の光学ドライブへアクセスすることができます。
ケース左側面の様子です。
サイドパネルには大きなメッシュパネルが取り付けられており、風通しが良さそうです。
フロントパネルの側面に、幾つかの端子が搭載されているのがみえます。
上から電源ボタン、USB3.0×2、オーディオ端子が2基という内容です。
机の下などに筐体を設置するよりも、上に設置した方が便利だと思われるインターフェースの配置ですね。
ケース右側面の様子。
こちら側の再度パネルにも、大きなメッシュ状のパネルが用いられています。
背面の様子です。
上の方からUSB2.0×4、PS/2端子、USB3.0×2、LAN、オーディオ端子×3が並び、下部の拡張スロット付近には、搭載されているGTX 1060(6GB)から提供されるMini DisplayPort×3、HDMI、DVI端子などが並びます。
背面下部から、ケース底面の通気口に設置されている防塵フィルターを取り出す事ができます。
底面の通気口は埃が溜まりやすい部分だけに、メンテナンスがしやすくなっているというのは便利です。
筐体内部の構造
筐体内の構造を確認します。
今回CPUに水冷クーラーが採用されており、そのラジエーターが取り付けられている位置の関係より、完全に内部までは覗いていないのですが、大体のパーツの配置を解説します。
内部へアクセスするには、背面にあるサイドパネルのネジを外します。
ネジがきつく締めてある場合は、ドライバーが必要です。
サイドパネルを開きました。
その内側にもパネルのようなものが設置されており、パーツへアクセスするにはこのパネルを開く必要があります。
ただ今回のモデルは、内部パネルの内側に水冷クーラーのラジエーターが取り付けられており、チューブなどが連結されていてちょっとややこしかったので、内部のパネルを取り外す事はしませんでした。
このパネルの内側に、水冷クーラーのラジエーターが取り付けられています。
大体のパーツの配置を解説します。
パネルの内側には水冷クーラーのラジエーター、その右側にストレージベイ(3.5インチ、2.5インチ)が取り付けられています。
パネルを取り外すと、ラジエーターの奥にはCPUやメモリ(2基)、マザーボードが搭載され、その下部にはグラフィクカード、そしてフロントパネル上部寄りの位置に電源ユニット、光学ドライブベイが搭載されるという配置となっています。
Mini ITX採用のモデルですが、電源にはATX規格の製品が採用されるなど、小型ながら効率的にスペースを利用した製品です。
さきほどとは反対側のサイドパネルも開く事ができます。
CPUの裏側の少し下あたりにM.2スロットが搭載されています。(ちょうど見えない位置にあります)
ただカスタマイズなどでは、このスロットを使用するオプションは提供されていないようです。各種の2.5インチSSDを選択できるようになっています。
Lev-C011-LCi7-RNR 構成内容とその特徴について
掲載している Lev-C011-LCi7-RNRの構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【Lev-C011-LCi7-RNRの主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-6700(3.4GHz/TB時最大4.0GHz)
チップセット H110 Express
グラフィックス NVIDIA Geforce GTX 1060(6GB)
メモリ 8GB(4GB×2/DDR3L-1600 DIMM/2スロット)
ストレージ 240GB SSD(SATA /Samsung製)、1TB HDD(Seagate製)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
拡張ベイ 3.5インチ×1、2.5インチ×4
拡張スロット PCI Express x16×1
電源 500W(80PLUS SILVER/ATX電源)
サイズ 178×384×292(幅×奥行き×高さ/mm)
保証 1年間無償保証
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年10月13日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、H110、Core i7-6700(水冷)、メモリ8GB、240GB SSD& 1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、500WのATX電源を搭載するという構成内容のモデルです。
本製品で提供されている、基本構成そのままの内容です。
カスタマイズでは、CPUをore i7-6700Kへとアップグレードしたり、グラフィックカードをGTX 1070やGTX 1080へアップグレードする事もできます。
小型ながら、ハイエンド構成を選択できるという点が魅力の製品です。
内容の割に価格が安い所も良いですね。
大きいデスクトップPCは邪魔になるので置きたくないけれど、ハイエンドなPCが欲しいという方にお勧めです。
以下、搭載ストレージの詳細です。
SSDの仕様
HDDの仕様
起動ドライブにはSamsung製の「750 EVO」という250GB SSDが、データドライブにはSeagate製の「ST1000DM003-1SB102」という1TB HDDが搭載されていました。
デフォルトでSSDとHDDの2ドライブ構成を採用するなど、カスタマイズ無しでも十分便利だと思われるストレージの構成です。
SSDの性能も高いです。
もちろん、SSDやHDDはアップグレードが可能となっており、より大容量のモデルを選択する事ができます。
ベンチマークテストの結果
以下、Lev-C011-LCi7-RNRで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左が250GB SSD、右が1TB HDD
【3DMark】
Fire Strikeの実行結果
Fire Strike Ultraの実行結果
Time spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
最高品質、ウィンドウモードで実行 1280×720 / 1920×1080 / 3840×2160
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1980×1080、左が描画設定3 右が描画設定6
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
DirectX 11、最高品質、上から1280×720、1920×1080、3840×2160
【CINEBENCH R15】
【GTA V】
GTA Vは、フルHDの解像度で標準画質(デフォルトの画質)&最高画質、また4Kの各解像度で標準画質&ほぼ最高画質という、計4通りの設定でベンチマークを実行してみました。
フルHD&標準画質
フルHD&最高画質
4K&標準画質
4K&最高画質
各ベンチマークの詳細は以下の通りです。
【フルHD&標準設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 16.405312 | 115.986931 | 99.102287 |
Pass 1 | 64.899849 | 150.880814 | 119.805710 |
Pass 2 | 27.769354 | 152.268341 | 109.893585 |
Pass 3 | 84.964111 | 164.856796 | 129.650314 |
Pass 4 | 35.643761 | 175.896042 | 116.224541 |
【4K&標準設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 21.958282 | 106.766617 | 85.146339 |
Pass 1 | 48.034657 | 124.290588 | 88.107208 |
Pass 2 | 56.607571 | 132.352234 | 84.864197 |
Pass 3 | 58.616524 | 155.034668 | 91.152748 |
Pass 4 | 29.672522 | 144.049911 | 91.447906 |
【フルHD&高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 8.822826 | 69.341797 | 42.544575 |
Pass 1 | 16.374720 | 62.345531 | 32.743324 |
Pass 2 | 9.639487 | 94.867142 | 43.580330 |
Pass 3 | 12.226419 | 142.118423 | 49.346088 |
Pass 4 | 9.827782 | 72.711029 | 91.447906 |
【4K解像度&高画質設定】
Frames Per Second (Higher is better) | Min | Max | Avg |
---|---|---|---|
Pass 0 | 12.267701 | 81.697945 | 28.909096 |
Pass 1 | 12.637329 | 83.749695 | 26.560493 |
Pass 2 | 12.281145 | 110.170120 | 29.825932 |
Pass 3 | 8.310184 | 147.132141 | 33.365879 |
Pass 4 | 13.644627 | 105.044632 | 31.613552 |
最高画質に設定すると、フルHDであってもやや動きが重いかなと感じられましたが、標準画質ならフルHDはもちろん、4Kでもそこそこ快適にプレイできる性能です。
【SteamVR Performance Test】
SteamVR Performance Testは、VRレディという結果です。
GTX 1070やGTX 1080と比較した場合、若干クオリティが落ちる場面もあるようですが、VR用途にも十分な性能を持ちあわせていると言えるでしょう。
4Kなどの超高解像度環境でのゲームプレイは、画質を落とさなくては難しいですが、そのような環境で無ければ、本製品位のパワーがあれば性能不足を感じるような事はないでしょう。
より性能を求めるのなら、GTX 1070やGTX 1080の選択もおすすめです。
消費電力
Lev-C011-LCi7-RNRの消費電力を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク(3DMark)実行時の消費電力測定値です。
以下に、液晶の消費電力は含まれていません。
アイドル時 ・・・ 29W
ベンチマーク実行時 ・・・ 179W
高負荷時は、それなりに高い消費電力となるようですが、性能の割には低い印象です。
水冷クーラーの効果は?
Lev-C011-LCi7-RNRのCPUには標準で水冷クーラーが採用されており、空冷を採用した場合よりも静音性が高く、またCPUの温度も上昇しにくくなっています。
以下の、筐体内パーツの温度測定結果をご覧ください。
アイドル時、ベンチマーク実行時(3DMarkを20分以上実行)のパーツ温度
負荷をかけるとCPUの温度は上昇するものの、一般的なゲーミングデスクトップPCのCPU温度と比較すると、若干低温だと思います。
特に本製品は筐体のサイズが小さく、容量のあるデスクトップPCに比べると熱がこもりやすいのではないかと思われるため、水冷の採用は安心です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、Lev-C011-LCi7-RNRの再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:46
2回目 0:48
3回目 0:45
4回目 0:45
5回目 0:45
6回目 0:45
7回目 0:47
8回目 0:51
9回目 0:46
10回目 0:45
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 46秒
掲載している Lev-C011-LCi7-RNRの再起動にかかる時間は約46秒。
起動ドライブがSSDであるため、高速です。
Lev-C011-LCi7-RNR まとめ
Lev-C011-LCi7-RNRのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・設置しやすいコンパクトサイズのケースを採用
・第6世代のCore i7に水冷クーラーを採用
・GTX 1060(6GB)を標準搭載、カスタマイズではGTX 1070、GTX 1080も選べる
・小型ながら拡張性はそこそこ高い
・リーズナブル
ゲーミングPCとしてはかなりコンパクトなケースを採用する、ゲーミングデスクトップPCです。
小型ながら高性能なGTX 1060(6GB)をはじめ、カスタマイズではGTX 1070や GTX 1080も選択できるなど、非常にハイパフォーマンスな製品です。
ストレージを複数搭載可能となるなど、サイズの割に拡張性は高く、一般的なPCの使い方で不便を感じるような事はあまりないと思われます。
CPUに水冷クーラーを採用しているため、高負荷な作業を行ってもCPUは比較的低温であり、音も静かです。ゲームにも良いですが、CPUの温度が高くなりやすい動画エンコードやRAW現像などにも適しています。
メモリが最大16GBという点に物足りなさを感じる方はおられるかもしれませんが、大抵の用途では十分な容量だと思います。
内容の割にリーズナブルだという点なども、大きな魅力です。