G-Tune NEXTGEAR i640「ダブル水冷モデル」のベンチマーク結果 水冷無しのモデルと比較して冷却性能は高い
前記事(NEXTGEAR i640「ダブル水冷モデル」レビュー ラジエータ1基でのダブル水冷を実現した冷却性能抜群のモデル)に続き、今回は NEXTGEAR i640シリーズ「ダブル水冷モデル」の構成と性能について。
掲載しているのはWindows 8.1、Core i7-4790K、メモリ16GB、GeForce GTX 970(4GB)、1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブという構成内容を持つ「NEXTGEAR シリーズ i640GA6-DL」と言うモデル。
CPUとGPUに簡易式の水冷クーラーを採用する、冷却性能の高さを売りにしたゲーミングデスクトップPCです。
NEXTGEAR i640シリーズでは現在(2015年8月25日時点)、GTX 970もしくは GTX 980搭載のモデルにダブル水冷を採用した構成をラインアップ。
水冷を採用しないモデルと比較して 2万円程価格が上乗せされているようですが、CPUとGPU両方に水冷を採用するモデルの価格としては十分安価だと言えるでしょう。
もちろん冷却性能は高く、長時間のゲームプレイ・・それこそ24時間連続でゲームをプレイする事もあるというような方に特におすすめしたいモデルだと言えます。
今回は、そんなダブル水冷モデルの構成特徴や実際の性能について詳しく触れてみました。
【NEXTGEAR i640(ダブル水冷モデル) レビュー記事目次】
・NEXTGEAR i640 シリーズ ダブル水冷モデルの外観と内部構造をチェック
(NEXTGEARオリジナルのケースを採用 / ケース内部の構造 / キーボードやマウス 付属品等 )
・ダブル水冷モデルの構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力 / 温度 / 再起動時間)
・プリインストール・ソフトウェア
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビューのまとめ
(NEXTGEAR i640(ダブル水冷モデル) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
NEXTGEAR i640 ダブル水冷モデル 構成内容とその特徴について
まず、掲載している「NEXTGEAR i640GA6-DL」の構成内容とその特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【NEXTGEAR i640GA6-DL 主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i7-4790K(4.00GHz/TB時最大4.40GHz)
CPU FAN 水冷CPUクーラー
チップセット Z97 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 970(4GB/水冷GPUクーラー)
メモリ 16GB(8GB×2/PC3-12800 DDR3/4スロット/最大32GB)
ストレージ 1TB HDD(7200rpm/Western Digital製)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
拡張ベイ 3.5インチオープン×1/シャドウ×4、5.25インチオープン×2
拡張スロット PCI Express x16×2、PCI Express x1×4
電源 500W(80PLUS SILVER)
キーボード・マウス G-Tuneオリジナル「Accurate Keyboard」、G-Tuneオリジナル オプティカル6ボタンマウス
サイズ 190×543×450(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約11.1kg
保証 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年08月25日時点のものです。
Windows 8.1、Core i7-4790K、メモリ16GB、GeForce GTX 970(4GB)、1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、500W電源(80PLUS SILVER)を採用する「NEXTGEAR i640GA6-DL」と言うモデルの構成です。
何度も述べている通り、本モデルにはCPUとGPUに簡易式の水冷クーラーを導入しており、空冷式のPCよりも冷却性能に期待できるという特長を持っています。CPUとGPUに水冷を採用していても、ケースフロント側に標準でファンを搭載していますので、マザーボードやメモリ周りのエアフローは問題ありません。
メンテナンスの手間なく冷却性能にも優れ、音も無音ではないものの比較的静かであるなど、長時間高負荷な状態でPCを稼働させる事があるというユーザーにおすすめのモデルです。
なお、本モデルはGeForce GTX 970標準搭載となりますが、NEXTGEAR i640シリーズでは他に GTX 980を搭載するダブル水冷のモデルも提供。
いずれのモデルも水冷を採用しない同構成のモデルに比べると2万円程高いようですが、ダブル水冷でその価格差であれば十分コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
もちろん、保証期間や内容も水冷採用ではないPCと変わりません。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
HDDの仕様
HDDにはWestern Digital製の「WD10EZEX-00BN5A0」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。標準構成のHDDです。
HDDにしては比較的高速なモデルであり、普段からHDD構成のPCをお使いの方ならこのままでも快適に利用できるのではないかと思います。
もっとも、必ずしも上記のHDDが販売製品に搭載されるとは限りませんので、速度重視の方はSSDへ変更するか、HDD&SSDの構成などをご選択ください。
製品購入時のカスタマイズでは、最大3台までのHDDもしくはSSDを搭載する事が可能。(製品に備えられているHDDベイは計4基)
オープンベイにHDD用のリムーバブルケースを追加する事も可能です。
ベンチマークテストの結果
以下、NEXTGEAR i640GA6-DL(ダブル水冷モデル)で実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.5
メモリ 8.5
グラフィックス 8.7
ゲーム用グラフィックス 8.7
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 185.8 / 173.4
512K 2.296 / 2.129
4K 184.9 / 174.1
4K QD32 0.707 / 2.148
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
実行したテストの結果
Fire Strikeの詳細
Fire Strike Ultraの詳細
Ice Storm・・・ 165055
Cloud Gate・・・ 26815
Sky Diver・・・ 25625
Fire Strike・・・ 9712
Fire Strike Ultra・・・ 2555
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1920×1080(描画設定3) ・・・ 138141
1920×1080(描画設定5) ・・・ 70403
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:22497 / RANK:S
1920×1080 ・・・ SCORE:15844 / RANK:S
【FINAL FANTASY XIV】
新生エオルゼア キャラクター編
蒼天のイシュガルド DirectX 11で実行
【新生エオルゼア】
1280×720(最高品質) ・・・ SCORE:21147 / 評価:非常に快適
1920×1080(最高品質) ・・・ SCORE:14477 / 評価:非常に快適
3840×2160(最高品質) ・・・ SCORE:4713 / 評価:快適
【蒼天のイシュガルド(DirectX 11)】
1280×720(最高品質) ・・・ SCORE:16728 / 評価:非常に快適
1920×1080(最高品質) ・・・ SCORE:11057 / 評価:非常に快適
3840×2160(最高品質) ・・・ SCORE:3348 / 評価:やや快適
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(最高品質) ・・・ スコア:18973 / 評価:すごく快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:18605 / 評価:すごく快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 145.01fps
CPU ・・・ 843cb
【Tomb Raider】
1920×1080(NORMAL) ・・・ MIN:208.0 / MAX:294.0 / AVERAGE:252.6
1920×1080(HIGH) ・・・ MIN:142.0 / MAX:208.0 / AVERAGE:175.3
1920×1080(ULTRA) ・・・ MIN:110.0 / MAX:160.0 / AVERAGE:136.4
1920×1080(ULTIMATE) ・・・ MIN:66.0 / MAX:110.0 / AVERAGE:88.7
1920×1080(ULTIMATE/手動で最高設定) ・・・ MIN:32.0 / MAX:62.0 / AVERAGE:46.5
METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES フルHD解像度なら最高画質でも余裕
GTX970を搭載するゲーミングPCの性能については、過去の記事でも何度か掲載していますので、性能の高さは想定内ではありますが、何度試しても変わらないパフォーマンスの高さです。
4K環境でゲームをプレイしたいというユーザーにもおすすめできます。
4Kの環境だとゲームによっては画質を調整する必要があるかもしれませんが、概ね快適にプレイできると思われます。
音も水冷ならではの音が聞こえはするものの、空冷ファンをCPUやGPUに採用するPCに比べると静かです。ゲーム中はサウンドが流れている事が多い為、ファンの音などはあまり気になりませんが、一般の作業時に思ったよりも静かだと実感できるでしょう。
肝心の冷却効果については、後に掲載している「温度」の項をご参照ください。
消費電力
NEXTGEAR i640GA6-DLの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
液晶の電力は含みません。
アイドル時 ・・・ 82W
ベンチマーク実行時 ・・・ 262W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
想定していたよりもアイドル時の消費電力が少し高めに出ました。
測定ミスだと思い、時間を置いて何度か試してみたのですが、再度の測定でも大体70~80Wという結果です。
比較的省電力だと言われる簡易式の水冷を採用しているため、消費電力には大きく影響しないのではと思いますが、簡易式でもダブルだと、それなりに消費電力は上がってしまうのかもしれません。過去にダブル水冷を採用するPCの消費電力を測定した事がなく、比較できるデータがない為何とも言えず。
ちなみに、過去に測定した「水冷を採用しないGTX970搭載モデル」のアイドル時の消費電力は53W程度でした。
ベンチマーク実行の消費電力は、水冷でないモデル(ほぼ同構成)と殆ど変わらないようです。
温度 - 非常に高い冷却性能
次に「HWMonitor PRO」を利用し、NEXTGEAR i640GA6-DLの筐体内にあるパーツのアイドル時、ベンチマーク実行時の温度を測定してみました。
大抵の場合、ベンチマーク実行時の温度は「BIOHAZARD 6を20分以上実行」した後の温度を掲載しているのですが、
今回は様々なベンチマークプログラムをかなり長めに実行(多分2時間以上)し、その際に記録した最高値を掲載しています。
マザーボード周りやストレージ、CPUはハイエンドなゲーミングデスクトップPC並か低い位の温度だと思います。
一方で、グラフィックカードの温度はかなり低く抑えられています。
CPUは高負荷な状態が続くと比較的早くに温度が上昇し、それ以後数値が動かない傾向があったのですが、グラフィックカードに関してはジワジワ温度が上昇していくといった感じで、中々温度が上がりませんでした。
これだけでは温度の程度がわかり難いと思いますので、水冷を採用しないNEXTGEAR i640の温度も掲載してみます。
水冷なしのモデルの主な構成はCore i7-4790K、メモリ16GB、GTX 970(4GB)、2TB HDD、700W電源・・と、ストレージや電源の内容がやや異なるものの、今回掲載しているダブル水冷モデルと似たような構成です。
以下、ベンチマーク実行時の温度は「BIOHAZARD 6を20分以上実行」した後に測定したものとなりますので、今回の「ダブル水冷モデル」に比べると、やや測定条件は緩いと言えるでしょう。
水冷ありと無しのモデルの温度を簡単に比較してみると、マザーボード周りやストレージの温度は、「ダブル水冷モデル」の方が水冷なしのモデルよりも少し高いようです。
空冷ファンがない為とも取れますが(水冷はMB周りの空気の動きが鈍くなるため、MB周辺の温度が上がりやすい)、両モデルではベンチマークを回している時間が全く異なりますので、多分その差によるものではないかと思います。
そしてCPUですが、こちらは「ダブル水冷モデル」の温度の方が水冷なしのモデルよりもやや低いようです。負荷をかけ続けたのにもかかわらず、これ以上温度上昇する事はなさそうでしたので、水冷なしのモデルに比べると冷却性能は高いとみて良いでしょう。
なお、ゲーム系のベンチだと負荷がGPUに偏ってしまいがちになる為、ベンチマーク中にCINEBENCHを数回実行し、レンタリングによる高い負荷(100%近い)をCPUにもかけてみましたが、それでもこれ以上CPU温度が上がる事はなさそうでした。
そしてグラフィックカードですが、こちらはかなり数値が低いです。
水冷なしのモデルと比較して30度強程度、温度が低いようです。
これだけ温度差があると、水冷なしのモデルに比べ、ダブル水冷モデルの冷却性能は確実に優れていると言っても過言ではないと思います。
もちろん、環境が異なれば数値などは変わる可能性がありますが、特に、重いゲームを長時間プレイし続けるような環境には非常におすすめできるモデルだと言えます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用しNEXTGEAR i640GA6-DLの再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 1:03
2回目 0:49
3回目 0:48
4回目 0:50
5回目 0:51
6回目 1:03
7回目 1:04
8回目 1:04
9回目 1:07
10回目 1:04
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 58秒
NEXTGEAR i640GA6-DL の再起動にかかる時間はおよそ58秒という結果です。
HDDにしては速いと思います。HDDを搭載するPCでは、大体1分弱から1分半程度再起動に時間がかかる事が多いです。
とはいえ、SSD程の速度ではないため、速度重視の方はSSDの選択をお勧めします。
プリインストール・ソフトウェアの内容
NEXTGEAR i640GA6-DL にプリインストールされているソフトウェアの内容を簡単にご紹介します。
製品の購入時期や選択オプションの内容によっては、掲載の内容とは異なる可能性がありますので一例としてご覧下さい。
標準搭載のソフトウェアはWindows 8.1標準のソフトに加え、CyberLink製のソフトウェアや「NVIDIA GeForce Experience」などのNVIDIA系のツール、「Embedded Lockdown Manager」、「マカフィー リブセーフ」、オーディオユーティリティ「Realtek HD オーディオマネージャ」などが搭載されるという内容で、ストアアプリにも標準搭載ではないアプリが複数搭載されていました。
CyberLink製のソフトウェアについては、「PowerDirector」や「PhotoDirector」、「MediaShow」、「PowerBackup」、「Power2Go」、「PowerDVD」、「LabelPrint」が搭載。
とりあえず、標準ソフトで一通りの作業を行う事ができそうな内容です。
あとソフトウェアではありませんが、本製品にはオンラインバックアップサービスの「AOSBOX cool」を90日間無料で体験できるという特典が付属しており、設定を行う事で利用する事ができるようになっていました。(特典であり、販売製品に必ずしも搭載されるというものではありません)
NEXTGEAR i640 ダブル水冷モデル まとめ
CPUとGPUのダブル水冷を採用する NEXTGEAR i640 シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・ラジエーター1基でCPUとGPUを同時に冷却する水冷システムを採用
・GeForce GTX 970(4GB)を搭載しておりパフォーマンスが高い
・空冷のモデルに比べると冷却性能が高く、音も比較的静か
・G-tuneオリジナルのケースを採用
ラジエーター1基で、CPUとGPU両方の冷却を行う「ダブル水冷」採用のゲーミングデスクトップPCです。
通常、CPUとGPUそれぞれに水冷クーラーを使用した場合、水冷専用に設計されたケース、もしくはシステムを収められるだけの容量を持った大型のケースが必要となりますが、本モデルはダブル水冷の構成を採用しながらも、比較的コンパクトなNEXTGEAR専用のオリジナルケースを使用。
価格もダブル水冷の構成にしては抑えられており、気軽に水冷のゲーミングデスクトップPCを導入する事が可能です。
現在(2015年8月25日時点)、NEXTGEAR i640 シリーズではGTX 970を搭載する本モデルと、GTX 980を搭載するモデルにダブル水冷の構成が提供されています。
実際に使用したところでは水冷による冷却の効果はかなり高いという印象であり、たとえ高負荷な状態が続いたとしても、パーツの温度を抑える事で高いパフォーマンスを保つ事ができますし、高温によるシステムトラブルの発生やパーツの故障なども軽減させる事ができるのではないかと思います。
重いPCゲームを長時間プレイし続けるようなユーザーには、うってつけのモデルだと言えるでしょう。
水冷なしの構成に比べるとややお値段は上がりますが、それ以上の効果を実感できるモデルです。