HP ENVY 700-560jp/CT のベンチマーク結果 GeForce GTX 980搭載モデルのパフォーマンスをチェック
前記事(HP ENVY 700-560jp/CT レビュー 最大GTX980を搭載可能な高性能デスクトップPC)に続き、今回はHP ENVY 700-560jp/CT の構成と性能面について。
掲載のモデルはWindows 8.1、Core i7-4790K、メモリ16GB、GeForce GTX 980(4GB)、512GB SSD&1TB HDDという構成内容を持つマシン。
「GeForce GTX 980」のようなハイエンドグラフィックカードを搭載できるというのは、メーカー製のPCにしては珍しいと思います。非常に高いグラフィック性能を発揮できる構成で、重いゲームを高画質設定でプレイしたいというようなユーザーに向いています。
今回は、そんなHP ENVY 700-560jp/CTの構成特徴や、実際の性能面について詳しく触れてみました。
【HP ENVY 700-560jp/CT レビュー記事目次】
・HP ENVY 700-560jp/CT 筐体外観・内部構造
(筺体外観 / 筺体内部の構造 / 標準キーボード&マウス)
・GeForce GTX 980を搭載するモデルの構成特徴・性能をチェック
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・プリインストール・ソフトウェアについて
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品のまとめ
(HP ENVY 700-560jp/CT まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP ENVY 700-560jp/CT 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているHP ENVY 700-560jp/CTの構成内容とその特徴について解説します。
以下はCPU-ZやGPU-Zの実行結果と、掲載モデルの構成内容です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP ENVY 700-560jp/CT の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i7-4790K(4.00GHz/TB時最大4.40GHz)
チップセット Z97 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 980(4GB)
メモリ 16GB(8GB×2/PC3-12800/4スロット/最大32GB)
ストレージ 512GB SSD(SanDisk製)+ 1TB HDD(7200rpm/Seagate製)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線機能 なし
TV機能 なし
拡張ベイ 5.25インチ×2、3.5インチ×3
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI Express Mini Card×1、Mini SATA ×1
BeatsAudio 対応
電源 500W(80PLUS BRONZE)
サイズ 175×415×412(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約10.2kg
キーボード・マウス USB日本語キーボード(Windows 8ショートカットキー付)、USB光学スクロールマウス
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年02月20日時点のものです。
Windows 8.1、Core i7-4790K、メモリ16GB、GeForce GTX 980(4GB)、512GB SSDと1TB HDDを搭載するという内容のモデルです。
冒頭でも述べた通り、ハイエンドグラフィックカードのGeForce GTX 980(4GB)や高性能なCore i7-4790Kを搭載しており、動画や写真編集などの高負荷な作業はもちろん、負荷の高いゲームも快適に行える性能を持ち合わせています。
HP ENVY 700シリーズはゲーム向けを謳った製品ではありませんが、HPの製品の一つである ENVY Phoenixという水冷のゲーミングシリーズと比較して、主要なパーツはほぼ遜色ない内容であり、ゲームユーザーにもお勧め。
構成を細かくカスタマイズでき、また購入後のメンテナンスもしやすいなど、扱いやすいPCだと思います。
カスタマイズの内容について簡単に説明すると、CPUは今回のCore i7-4790Kの他、Core i5や、KのつかないCore i7-4790も選択可能。グラフィックスはGTX 980の他、GTX 760やGTX 770、AMD Radeon R7 240といったモデルの選択も可能です。
メモリは最大32GBまで、ストレージにおいては1台目にHDDやSSDを選択できるほか、2台目、3台目にはそれぞれ1~3TBのHDDをオプションで追加する事が可能。
光学ドライブにおいても、1台目にDVDドライブやブルーレイドライブを選択できるほか、2台目の光学ドライブとしてブルーレイドライブを追加したり、TVチューナーや ac対応の無線LANの追加も可能となるなど、カスタマイズの幅がとても広いです。
今回の製品は内容が内容なだけに価格はやや高めとなりますが、下位構成のモデルでは9~10万円台(税込)のモデルも提供されるなど、内容の割に比較的リーズナブルな価格での購入が可能です。
搭載されているストレージの内容について詳しくみてみます。
SSDの仕様
HDDの仕様
ディスクの内訳
起動ドライブとして搭載されているのは、SanDisk製の「SD7SB2Q-512G-1006」という512GBのSSD。そして2台めのドライブには、Seagate製の「ST1000DM003-1ER162」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
SSDが高速である事はもちろん、HDDを組み合わせることで十分な容量を確保したストレージ構成です。
今回掲載のモデルには、512GBという容量の大きなSSDが起動ドライブとして搭載されていましたが、SSDは他に128GBや256GBを、HDDは1TB、2TB、3TBの容量を選択する事が可能です。
ストレージは計3台、HDDなら最大9TBまで搭載する事ができますので、動画のようなサイズの大きなファイルの保存や、TVを録画するような用途にも十分対応できます。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP ENVY 700-560jp/CTで行ったベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.5
メモリ 8.5
グラフィックス 8.8
ゲーム用グラフィックス 8.8
プライマリ ハードディスク 8.15
【CrystalDiskMark】
Seq 446.8 / 395.0
512K 282.9 / 340.2
4K 24.82 / 108.0
4K QD32 368.0 / 288.9
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
行った全テストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 171881
Cloud Gate・・・ 27632
Sky Diver・・・ 26622
Fire Strike・・・ 10764
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ 50712~51689
1920×1080 ・・・ 27641~27724
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
左:1280×720 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高画質)
1360×768(描画設定3) ・・・ 210242
1920×1080(描画設定3) ・・・ 158380
1920×1080(描画設定5) ・・・ 94988
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ SCORE:22709 / RANK:S
1920×1080 ・・・ SCORE:17664 / RANK:S
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
1360×768(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:22270 / 評価:非常に快適
1920×1080(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:16578 / 評価:非常に快適
1920×1080(最高品質) ・・・ SCORE:15663 / 評価:非常に快適
3840×2160(最高品質) ・・・ SCORE:5409 / 評価:とても快適
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左:1280×720 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高品質)
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:18750 / 評価:すごく快適
1920×1080(標準品質) ・・・ スコア:18669 / 評価:すごく快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:18653 / 評価:すごく快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 138.95fps
CPU ・・・ 839cb
非常に高い性能です。
大抵のゲームを最高画質で快適にプレイできると思われます。
4K液晶など、解像度を大幅に上げた設定ではやや性能が落ちますが、それでも快適に遊ぶ事ができるでしょう。
GTX980は性能の割に消費電力が低く、またコストパフォーマンスも高いです。今回のモデルは、BF4のような負荷の高いゲームをプレイしたい、というような方にもお勧めの構成です。
消費電力・温度
HP ENVY 700-560jp/CT の消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
PC本体のみの電力であり、液晶の電力は含みません。
アイドル時 ・・・ 35W
ベンチマーク実行時 ・・・ 270W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
さすがに、GPUが性能の割に低消費電力とは言っても、高負荷時の消費電力は高いです。
アイドル時の電力は、性能の割には低めだと思います。
筐体内のパーツ温度を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の筐体内温度測定値です。
軽く暖房をかけた室内で測定しています。
GPUの温度はやや高くなりますが、数値は一般的な範囲内です。
なお、上記は今回掲載しているモデルのデータです。
構成が変わると消費電力や温度は変化しますので、ご注意ください。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP ENVY 700-560jp/CTの再起動時間を測定してみました。
以下は10回の測定時間と、その平均値です。
1回目 0:34
2回目 0:24
3回目 0:22
4回目 0:23
5回目 0:24
6回目 0:23
7回目 0:24
8回目 0:23
9回目 0:24
10回目 0:28
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 24秒
HP ENVY 700-560jp/CTの再起動にかかる時間は24秒。
SSDを搭載するPCの多くが再起動に大体30~40秒かかるという事を考えると、本製品のOS起動やシャットダウンはかなり速いです。
実際、起動もシャットダウンもあっという間です。
プリンストール・ソフトウェアの内容
HP ENVY 700-560jp/CTにプリインストールされているソフトウェアの内容をご紹介します。
以下はデスクトップ画面やスタート画面、アプリ一覧画面の様子です。
製品の購入時期や、選択する構成・オプションによっては、以下とは内容が異なる可能性があります。
搭載ソフトは上記の通り。
主にWindows 8.1標準のソフトに加え、HP製の各種管理ツールや CyberLink製のソフトウェア、グラフィックスやゲームの管理を行う「NVIDIA GeForce Experience」、PDF作成・編集の「Foxit PhantomPDF」、圧縮・展開ソフトの「7-Zip」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」などが搭載されていました。
上記はデスクトップ向けのソフトで、ストアアプリとしては「HP Connected Photo」や「The Weather Channel」、「Windows 8入門」他、幾つかの標準ではないアプリが搭載されているという内容です。
HP製のツールについては、PCの総合管理を行う「HP Support Assistant」や、シリアルナンバーなどのPC情報を確認できる「HP support information」、リカバリーツールの「HP Recovery Manager」、ユーザーガイドなどを参照できる「HP Documentation」、指紋認証情報などログオンをを管理する「HP SimplePass」、オーディオユーティリティ「Beats Audio」が搭載されていました。
また、CyberLink製のソフトウェアについては、写真編集の「PhotoDirector」や動画編集の「PowerDirector」、写真やビデオの管理・変換を行える「MediaEspresso」、再生ソフトの「Power Media Player」、ライティングソフトの「Power2Go」、バックアップソフトの「PowerBackup」などが搭載。
その他、ソフトウェアとは少し異なりますが、現時点ではDropbox 25GBを6か月間無償で利用できるという特典も付属しているようです。(製品の購入時期によっては搭載されない可能性があります)
全体として、とりあえずあると便利なものが一通り揃っていると思われる内容です。
製品購入時のカスタマイズでは、Officeや写真・動画編集ソフトなど、幾つかのソフトウェアを有料で追加する事ができますので、利用するソフトがある場合はついでに購入しておくと良いと思います。
HP Support Assistant PCの状態把握などシステムの管理を行えるツール
HP Recovery Manager リカバリやバックアップの作成ツール
HP Recovery Managerを利用してリカバリメディアを作成できる
Dropbox 25GBを6か月間無料で利用できる特典が付属
CyberLink Media Suite 搭載されているCyberLink製の各種ソフトウェアにアクセスできる
HP ENVY 700-560jp/CT まとめ
HP ENVY 700-560jp/CTのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・CPUは最大Core i7-4790Kを搭載可能
・グラフィックカードは最大でGeForce GTX980を搭載可能
・HDDは最大3TB×3基、SSDは最大512GB SSDを搭載可能
・東京生産フルカスタマイズに対応
・デザインよくメンテナンスのしやすい筐体
CPUは最大Core i7-4790Kを、グラフィックカードは最大でGeForce GTX980を搭載可能なミニタワー型のデスクトップPCです。
フルカスタマイズに対応しており、細かな構成のカスタマイズが行えることはもちろん、メンテナンス性にも優れているため、メーカー製のPCにしては扱いやすい製品だと思います。
東京生産であるという点も、安心できる要素の一つです。
構成的な面だけを見ると、特に高負荷な作業を行われる方やゲームをプレイされる方に向いた製品ですが、性能と同じくらいデザインを重視されるという方にもお勧め。
ゲーム向けのデスクトップPCのケースは、どちらかというと男性的なイメージのデザインを持つケースを用いたものが多いように思うのですが、本製品のケースはシャープかつ綺麗め路線とも取れるデザインを採用しており、男性はもちろんですが女性にも受け入れられやすいと思います。
光沢感とケース全体ののラインが美しく、インテリアにも映えるデザインです。
下は税込で9万円台(2015年2月20日時点)からと、お求めやすい価格も魅力的です。