マウスのクリエイター向けPC「DAIV-DGZ510」シリーズのレビュー GTX 1050搭載モデルを使ってみる
マウスコンピューターが販売するデスクトップPC、DAIV-DGZ510シリーズのレビューです。
DAIV-DGZ510シリーズは、マウスのクリエイター向けブランド「DAIV」でラインアップされているデスクトップPC。
DAIVブランドと一口にいっても様々なシリーズが存在しますが、「DAIV-DGZ510」は、記事作成時点(2017年6月24日)では最新となるZ270チップセットを採用するシリーズとなります。
今回のモデルにはGeForce GTX 1050(2GB)が搭載されており、クリエイター向けのマシンとしては価格がお手頃。
多くのユーザーに人気の高い売れ筋モデルであり、制作・編集に使える性能を持ちながらもお手頃なPCをお探しの方に、おすすめのマシンです。
というわけで以下、製品の使い勝手や機能、性能面について詳しくご紹介いたします。
【DAIV-DGZ510シリーズ レビュー記事目次】
・DAIV-DGZ510シリーズ 筺体外観・内観をチェック
(筺体外観・インターフェース / 筐体内部の構造)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(DAIV-DGZ510シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
DAIV-DGZ510シリーズ 筺体外観・インターフェース
DAIV-DGZ510シリーズに採用されている筐体の特徴や、インターフェースの内容をチェックします。
上部にハンドルとして使えるフレームが付いた、一面ブラックカラーの筐体を採用しています。
デザイン的には地味ではないですが、派手さもありません。
所々にやや変わった機能や装飾が取りいれられるなど、まさにクリエイター向けのPCだと納得してしまう機能性の高い筐体です。
フロントパネル全体の様子。
最上部にUSBなどの端子類が並び、その下にはメッシュ状のパネルが2枚取り付けられているのが見えます。
フロントパネル上部にはマイク入力やヘッドフォン出力、常時給電に対応するUSB3.0×2基、インジケーターランプ、そして電源スイッチが並びます。
一見するとボリュームのようにも見えるこの電源スイッチ、右側に軽くひねることでパソコンを起動させられる仕組みであるなど、中々インパクトがあります。
電源類が並ぶ下部のメッシュパネルは、磁石でとりつけられているため、引くだけで簡単に取り外せます。
取り外した中央のメッシュパネルは、最下部に磁石で張り付けておく事ができます。
些細な事なのですが、パネル取り外した際、どこに置いたのかわからなくなった・・などという事になりにくいところが良いですね。
パネルの内側には5.25インチオープンベイが3つと、3.5インチオープンベイが1つ。
今回のモデルには何も取り付けられていませんが、カスタマイズでDVDスーパーマルチドライブやBlu-rayディスクドライブ、HDD + リムーバブルケース、マルチカードリーダーを搭載できます。
リムーバブルケースは内部のHDDを外部から抜き差しするためのもの。大容量データを気軽に持ち歩いたり、外部に移動させたい場合に便利です。
もちろん、最下部のメッシュパネルも取り外せます。
といっても内部は吸気口であるため、あまり頻繁に開けることはないと思いますが、簡単に内部へアクセスできるのは掃除の際に便利です。
吸気口の防塵フィルターも簡単に取り外せます。
埃が溜まりやすい部分であるだけに、メンテナンスがしやすいのは便利です。
筐体天面の様子です。
フロント寄りの位置にハンドルが設けられています。
内側にはラバー加工が施されており、ハンドルを握って筐体を移動させるような場合でも、手に負担がかかり難くなっています。
そして底面部。
写真は筺体底面、背面寄りの位置にある足です。
この部分の足には、オプションでキャスターを装着できるようになっています。
キャスターを装着することで、ハンドルを軽く持ち上げて引っ張るだけで筐体が移動できるようになります。
自宅で利用するのならばともかく、例えばスタジオなど、PCを移動させなくてはならない環境で利用する場合には、キャスター付きのケースを選んでおくと良いでしょう。
筺体左右の様子です。
左サイドパネルには、グラフィックカードが搭載されている付近に通気口が、右サイドパネルにはDAIVのロゴが設けられています。
筐体背面の様子です。
搭載されている端子は、上からUSB3.0×2、PS/2(キーボード/マウス)、USB3.0×2、LAN、USB2.0×2、オーディオ端子×6基が並び、中央の拡張スロット付近にはDVI-DやHDMI、DisplayPortが配置されるという内容です。
電源コネクターやスイッチは下部です。
筐体内部の様子をチェック
DAIV-DGZ510シリーズの筐体内部の様子をチェックします。
内部へアクセスするには、背面側にあるサイドパネルを固定しているネジをドライバーで取り外す必要があります。サイドパネルは左右とも、開閉可能な構造です。
筐体内部全体の様子です。
写真は左側は筐体背面、右側が筐体フロント側となります。
内部パーツの配置は、右上から時計回りに5.25インチオープンベイ×3、3.5インチオープンベイ、3.5インチシャドウベイ×5、電源ユニット、グラフィックカード、CPUやメモリが配置されるという内容です。
一般的なデスクトップPCと同じ構造ですが、特にベイの数や種類が充実しているという点が印象的です。
フロント寄りの位置にある、各種のベイの様子。
下部の3.5インチベイには、スクリューレス構造を採用するマウンタが備わっており、ドライバーを使わずにSSDやHDDを出し入れできます。
CPU周りの様子です。
CPUの右側に、メモリスロットが4基、下部にM.2スロットが設けられています。
カスタマイズではM.2スロットにNVMe規格のM.2 SSDを搭載したり、メモリは最大64GBまで搭載できます。
GTX 1050(2GB)です。
2016年6月24日現在、本シリーズではグラフィックカードに最大 GTX 1080 Ti(11GB)を搭載できるようになっています。
グラフィックカード下部の様子です。
電源の仕様。
500W(80PLUS SILVER)の電源が搭載されていました。
カスタマイズでは、より容量の大きい電源を選択可能です。
反対側のサイドパネルを開いた時の様子。
こちら側のパネルが開くケースは、ケーブルの整理がしやすく内部のメンテナンス時に便利です。
DAIV-DGZ510E1-SH2 構成内容とその特徴について
掲載しているDAIV-DGZ510E1-SH2の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
メモリは上記のモデルが4枚使われていました
【GPU-Z】
【DAIV-DGZ510E1-SH2 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-7700(3.60GHz~最大4.20GHz)
チップセット Z270 Express
グラフィックス NVIDIA Geforce GTX 1050(2GB)
メモリ 32GB(8GB×4/PC4-19200 DDR4/最大64GB)
ストレージ 240GB SSD(SATA3/ADATA製)、2TB HDD(7200rpm/Seagate製)
拡張ベイ 5.25インチオープン×3、3.5インチオープン×1、3.5インチシャドウ×5
拡張スロット PCI Express x16×2、PCI Express x1×4
電源 500W(80PLUS SILVER)
サイズ 190×490×490(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約10.7 kg
キーボード・マウス USB光学式スクロールマウス、USB日本語キーボード(102キー)
保証 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年06月24日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Z270チップセット、Core i7-7700、GTX 1050(2GB)、32GBメモリ、240GB SSD&2TB HDDという構成内容です。
これは、DAIV-DGZ510E1-SH2の基本構成を若干カスタマイズした内容であり、実際にはメモリは16GB、ストレージはHDDの方が1TBとやや容量が小さくなります。
今回のモデルに搭載されている GTX 1050(2GB)は GeForceグラフィックスの中では下位にあたるモデルですが、イラスト制作をはじめ、写真のレタッチや現像等には十分なパワーを持ちあわせています。
もちろん、何をするかによって必要な性能は大きく異なるため、場合によっては上位のグラフィックカードを搭載するモデルを選んだ方が良い場合もありますが、業務レベルの複雑な処理を行うというのでなければ、本モデルでも十分に活用できるでしょう。
必要な性能は利用されるユーザーの用途によるとして、制作・編集作業は、その作業の仕方によっては多くのメモリが必要になるため、快適に利用するためにはメモリを多く積んでおくこと、また最近は高解像度な写真や動画を扱うことが多いですから、ストレージ容量には余裕を持たせておくのがおすすめ。
ストレージはデータ用のドライブであれば後から追加することも難しくはありませんが、最初に大容量ストレージを搭載しておいた方が無駄がないと思います。
特にRAW画像や高解像度動画などを保存していくと、あっという間に容量が足りなくなりますので、思い当たる方は大容量ストレージの選択がおすすめです。
あと、DAIVシリーズ全体について触れておくと、2017年6月24日時点では、Z270を採用する最新のDAIV-DGZ510のほか、Z170を採用するDGZ500、X99を採用するDGZ700、そしてQuadroグラフィックスを採用する幾つかのシリーズが提供されています。
より高精度を求めるプロフェッショナル用途に利用する場合や、使用する編集ソフトウェアによってはQuadro採用のシリーズが適していますが、処理・描画性能は必要であってもQuadroを採用するほどではない場合には、コスパに優れたGeForce GTX グラフィックスを採用するシリーズが向いています。
特に今回のGTX 1050(2GB)を採用するモデルはリーズナブルであり、多くのユーザーにとって魅力は大きいです。
マウスの方曰くかなり売れているモデルだそうで、イラスト制作や編集などに利用するお手頃なデスクトップPCをお探しの方には、一見の価値があるのではないでしょうか。
以下、搭載ストレージの詳細です。
SSD&HDDの仕様
ストレージの内訳
起動ドライブにはADATA製の「ASP550SS7-240GM-MI-B」という240GB SSDが、2ndドライブにはSeagate製の「ST2000DM006-2DM164」という2TB HDDが搭載されていました。
先にも述べた通り、上記は若干カスタマイズが行われた内容であり、実際の基本構成では240GB SSDと1TB HDDという組み合わせになります。
ストレージは、デフォルトの構成でも使い勝手は悪くありませんが、編集作業に利用するPCの場合、ストレージの速度がコンテンツ編集時の処理速度に大きく影響してきます。
特にRAW写真や動画などを扱う場合、読み書きが遅いストレージだと読み出しや保存に時間がかかってしまうため、予算に余裕があるのならNVMe SSDのようなストレージを選んでおくと、効率よく作業がおこなえるはずです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているDAIV-DGZ510E1-SH2で実施したベンチマークテストの結果です。
ゲームプレイ用のPCではないため、ゲーム系のテストは参考情報としてご覧ください。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
上からFire Strike、Fire Strike Ultra、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(最高品質)、1920×1080(最高品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080(DirectX 11/高品質(デスクトップPC))
【CINEBENCH R15】
多くのゲームが快適に動くことはもちろん、OpenGL描画性能も高く、3D CGやCADソフトによるデジタルコンテンツ制作・編集などにも十分に適していることがわかります。
高解像度なコンテンツばかりを扱うなど、場合によってはより上位のグラフィックカードを搭載したモデルを選ぶ必要も出てきますが、今回のモデルはパワーがある割にお手頃であり、人気があるというのも頷けます。
消費電力・温度
DAIV-DGZ510E1-SH2のアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定してみました。
アイドル時 ・・・ 21W
ベンチマーク実行時 ・・・ 113W
※実際の値は若干上下します
ベンチマーク実行時はやや消費電力が増します。
といっても、ハイエンドゲーミングPCなどに比べれば低い方です。
アイドル時と、ベンチマークテスト実行時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度です。
何もしていない時に比べると、高負荷時は若干パーツの温度が上昇するものの、全体的に低温です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
DAIV-DGZ510E1-SH2の再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:36
2回目 0:35
3回目 0:34
4回目 0:35
5回目 0:35
6回目 0:35
7回目 0:35
8回目 0:33
9回目 0:34
10回目 0:35
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 34秒
再起動にかかる時間は およそ34秒。
起動ドライブにSSDを搭載しているため、起動やシャットダウンは高速です。
DAIV-DGZ510シリーズ まとめ
DAIV-DGZ510シリーズのレビューは以上となります。
デジタルコンテンツ制作や編集など、重い処理を余裕でこなせるパワーを持ち、さらに拡張性・メンテナンス性に優れた筐体を採用するなど、クリエイター向けのPCとしては十分な性能と扱いやすさを持ちあわせた製品です。
筐体に備えられたハンドルや下部のキャスターなど、制作現場を意識した作りとなっている点も、必要とするユーザーにはたまらない特徴だといえるでしょう。
今回のモデルはGTX 1050(2GB)というミドル~ロークラスのグラフィックカードを搭載する構成でしたが、パワーがある割に価格はお手頃。
標準構成でも十分に使い勝手が良いという点を考慮するとコスパは高く、多くのユーザーに手が届きやすいクリエイターPCだといえます。