Dell Inspiron デスクトップ(3668)のレビュー 省スペースながら最大GTX 1050も搭載可能なデスクトップPC
デルが販売するデスクトップPC、Inspiron デスクトップ(3668)のレビューです。
Inspiron デスクトップ(3668)は、インテルの第7世代Coreプロセッサを搭載するデスクトップPC。
Inspiron デスクトップ(3650)の後継となるモデルで、ケースは従来と同じデザインの省スペース筐体を採用、スリムPCという程ではありませんが、どこにでも設置しやすいサイズを実現しています。
省スペースでありながらSSD&HDDの構成や、最大でGTX 1050の搭載も可能となるなど(2017年4月23日現在)、ある程度の拡張性を備えている所が大きな魅力のモデルです。
価格も比較的リーズナブルであり、ビジネスアプリを利用した作業や、軽いゲーム、写真や動画編集など、日常作業を行える高性能なデスクトップPCが欲しいという方に向いています。
今回、Core i5-7400や GeForce GT 730を搭載する「Inspiron デスクトップ プレミアム・SSD」というモデルを利用してみましたので、その外観や特徴、使い勝手、性能面などについて詳しくご紹介いたします。
【Inspiron デスクトップ(3668) レビュー記事目次】
・製品の特長
(Inspiron デスクトップ(3668)の主な特長)
・Inspiron デスクトップ(3668) 筺体外観や操作性をチェック
(筐体外観・インターフェース / 筐体体内部の構造 / 付属のキーボード&マウス)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(Inspiron デスクトップ(3668) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Inspiron デスクトップ(3668)の主な特長
以下、Inspiron デスクトップ(3668)の主な特長です。
構成は時期によって変化する可能性があります。
・省スペース設計ながら最大 GTX 1050を搭載可能
・第7世代Core プロセッサ搭載
・SSD&HDDの構成も選べる
・無線LANを標準搭載
・お手頃価格
幅15.4cm、奥行き約30㎝ほどの、省スペースタイプのデスクトップPCです。
スリムPCと呼べるほどではありませんが、本製品くらいコンパクトであれば机の下はもちろん、机の上などどこにでも設置しやすいです。
そのような省スペースPCでありながら、グラフィックスにはCPU内蔵グラフィックのほか、GT730(2GB)や GTX 1050(2GB)の搭載も可能となるなど、パワーが必要な作業にも対応できるだけの拡張性を備えています。
もちろん光学ドライブも搭載。
ストレージはHDD単体のほか、SSD&HDDの構成も選べます。
例えばネットやストリーミングサービスの閲覧、オフィスアプリによる作業、写真や動画編集を行う方や、ゲームはするけれど高額なゲームPCを買うほどではない、なんて方に向いた製品だといえるでしょう。
価格もお手頃であり、気軽に購入できます。
筺体外観・インターフェース
Inspiron デスクトップ(3668)の筐体外観をチェックします。
冒頭で、旧モデルであるInspiron デスクトップ(3650)と同じデザインのケースを採用していると述べましたが、その言葉通り、前のケースとほぼ同じだと思われます。
シルバーの縁取りをアクセントとする、ブラックカラーベースの光沢フロントパネルを採用したシンプルなケースです。
フロントパネルです。
中央付近にスリムタイプの光学ドライブを、その右側に電源ボタンやSDカードリーダー(5in1)、マイク入力とヘッドフォン出力のコンボジャック、USB3.0×2を備えます。
頻繁に利用する端子がアクセスしやすいフロント側にあるというのは、使い勝手が良いですね。
フロントパネル左上にはInspironの文字
フロントパネル中央にはDELLのロゴを配置
フロントパネル下部です。
吸気が行えるよう、メッシュ状の構造が用いられていることがわかります。
背面全体の様子です。
端子は、左上からマイク入力、ライン入力、ライン出力、VGA、HDMI、USB2.0×4、LANが並び、中央の拡張スロット付近にはGT 730に搭載のDVI、HDMI、VGA端子が、最下部に電源コネクターが配置されるという内容です。
なお、左上にあるVGAや HDMI端子は、CPU内蔵グラフィックスの構成選択時に利用するためのもので、グラフィックカードを搭載する構成を選択した場合には、背面中央付近に並ぶ映像出力端子を利用します。
左側面のパネルです。(正面側から見て左)
下の方にメッシュ構造の通気口が設けられています。
単に空気を通すためのメッシュ構造、といったものではなく、デザイン性を意識している所がお洒落です。
右側面のパネル。
こちら側には何もありません。
天面にも何もなし。
フロントパネルのすぐ近くに、保証を受ける際に必要となる、サービスタグやエクスプレスサービスコードが記載されたシールが貼られています。
筐体内部の構造をチェック
Inspiron デスクトップ(3668)の筺体内部へのアクセスの仕方や、内部構造について解説します。
内部へアクセスするには、背面側にあるサイドパネルのネジを2か所、ドライバーを用いて取り外す必要があります。
背面側にあるサイドパネルネジを外す ドライバーが必要
サイドパネルを外したところ。
サイドパネルの内側に、各パーツへのアクセス方法が詳しく掲載されている
内部へアクセスするには、さらにフロントパネルを取り外します。
フロントパネルは本体に爪で引っ掛けてあるだけであるため、外すのは容易です。
フロントパネルを外し、開口部を塞いでいるドア全体を開くことで、内部パーツへアクセスできるようになります。
内部の様子。
主なパーツの配置は左上にCPUやメモリ、その下部にグラフィックカードや無線LANカード、さらに下部には電源ユニットが配置され、右側のドアには3.5インチベイや光学ドライブ、2.5インチベイが配置されるという内容です。
省スペースではあっても、全てのパーツにアクセスしやすい構造です。
マザーボード上の様子。
CPUの左下にDELLのロゴがプリントされているのが見えます。
電源は240W。
これ以外の選択肢はありません。
開閉したドアの上部には、スリムタイプのDVDドライブと3.5インチベイ。
3.5インチベイには、HDDが搭載されています。
ドアの下部には、2基の2.5インチベイが配置されています。
見たところ、SSDを2基搭載できるのかと思ってしまいますが、もう一方の2.5インチベイにはマウンタが用意されていないため、もう1基、自分でSSDを追加するというのは難しいと思われます。
※2017年4月23日現在、カスタマイズで提供されているのは最大でSSD×1基 & HDD×1基。
標準付属のキーボード&マウスをチェック
Inspiron デスクトップ(3668)に標準付属している、キーボードやマウスをご紹介します。
「Dell KB216」と呼ばれる有線タイプの日本語キーボードと、「Dell MS116」という有線タイプの光学マウスです。
「Dell KB216 マルチメディアキーボード」と「Dell 光学マウス MS116」
特に変わったところはない、USB接続タイプの日本語キーボードです。
キーボード全体の重さは、軽ぎすぎず重すぎずといったところでしょうか。
ゆとりある配置でストロークにも深さがあるため、使いやすいです。
緩やかなカーブを描く形状のキートップ。
指先のなじみがよくタイピングしやすいです。
キーボード底面の様子。
底面には、背面寄りの位置にチルトスタンドが設けられており、キーボード面に若干の傾斜をつけることができるようになっています。
チルトスタンドを立てたところ
Dell MS116と呼ばれる、USB接続の光学マウスです。
上部に2ボタンとスクロールホイールを搭載。
使い心地は普通です。
有線タイプのキーボードやマウスは、ケーブルが机周りに散らかってしまう所が難点。特にこだわりがないのならばともかく、スッキリとした環境で作業を行いたい方は、ワイヤレスタイプのキーボードやマウスを導入すると良いでしょう。
本製品はデスクトップPCですが、標準構成でBluetoothに対応しているため、Bluetooth接続のデバイスも利用できます。
Inspiron デスクトップ(3668) 構成内容とその特徴について
掲載しているInspiron デスクトップ(3668)の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【Inspiron デスクトップ プレミアム・SSD の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-7400(3.00GHz~3.50GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce GT730(2GB DDR3)
メモリ 8GB(DDR4 2400MHz/2スロット)
ストレージ 128GB SSD(SATA/SanDisk製) + 1TB HDD(7200rpm/Seagate製)
光学ドライブ DVD RW 光学ドライブ
無線機能 Dell Wireless 1707(802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0、1×1)
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×2
拡張ベイ 3.5インチ×1、2.5インチ×2、ODD×1
電源 240W
サイズ 154×303×352.9(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約5.9kg
ソフトウェア マカフィー リブセーフ (12ヶ月間更新サービス)、Microsoft Office Personal プレミアム ソフトウェアイメージ
標準保証 1年間 引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年04月23日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、Core i5-7400、メモリ8GB、GT730(2GB)、128GB SSD&1TB HDD、DVDドライブ、無線LAN、240W電源を搭載する、「Inspiron デスクトップ プレミアム・SSD」という名称のモデルです。
主にCPUには第7世代のCore i5やCore i7を、グラフィックスにはCPU内蔵グラフィックスをはじめ、GT730(2GB)、GTX 1050(2GB)といったグラフィックカードを搭載するモデルも提供し、ストレージにおいてはHDD単体のほか、SSD&HDDといった2ドライブ構成のモデルも提供されるなど、小型である割にパワーのある構成を選べるようになっています。
軽い用途向けのデスクトップPCとしてはもちろん、ライトなタイトルならゲームプレイも可能ですし、写真や動画編集用のデスクトップPCにも向いています。
無線LANが標準で搭載されているという点も、何気に魅力です。
以下、記事作成時点で提供されている主な構成です。
あくまでも提供されている構成を書き出しているだけであり、以下のパーツを自由に組み合わせられるわけではないため、ご注意ください。
また構成内容は変更なる可能性があるため、正確な内容は製品ページにてご確認ください。
OS | Windows 10 Home 64ビット 日本語 Windows 10 Pro 64ビット 日本語 |
CPU | Core i5-7400(3.00GHz~3.50GHz) Core i7-7700(3.60GHz~4.20GHz) |
メモリ | 8GB(DDR4 2400MHz/2スロット) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 630 NVIDIA GeForce GT730(2GB DDR3) NVIDIA GeForce GTX 1050(2GB GDDR5) |
ストレージ | 1TB HDD(7200rpm) 128GB SSD + 1TB HDD(7200rpm) |
光学ドライブ | DVD RW 光学ドライブ |
無線LAN | Dell Wireless 1707(802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0、1×1) |
電源 | 240W |
サイズ | 154×303×352.9(幅×奥行き×高さ/mm) |
重量 | 5.9kg |
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
SSD&HDDの仕様
ストレージの内訳
SSDにはSanDisk製の「X400」という128GB SSD(SATA)が、HDDにはSeagate製の「ST1000DM003-1SB102」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
SSDは書込み速度が読み込みに比べて若干劣るものの、高速なモデルです。HDDもノートPCに搭載されるようなHDDに比べると、読み書きともに高速。速度と保存容量を兼ね備えた、理想のストレージ構成です。
ほか、1TB HDD単体の構成も選択できます。
ただし、1TB HDD単体のストレージ構成を選んだ場合に、SSD用のマウンタが標準付属するかどうかは不明です。
ベンチマークテストの結果
掲載している「Inspiron デスクトップ プレミアム・SSD」で実施した、ベンチマークテストの結果です。ベンチマークは全て、以下の電源プラン(デフォルト設定)を適用した状態で実施しています。
Dellという独自の電源プランが適用された状態 この設定が本製品のデフォルト
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用 左がSSD、右がHDDのスコア
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
上から1280×720、1920×1080(DirectX 9/標準品質(デスクトップPC))
【Minecraft】
MODなしの状態 画質を上げてもサクサクとした動作でプレイできる
【CINEBENCH R15】
GTX 730(2GB)が搭載されているため、CPU内蔵グラフィックを利用する構成のPCよりも若干性能は高め。ドラクエXのような軽いゲームタイトルであれば、標準画質でプレイできるくらいのパワーは出せるようです。
とはいっても GTX 730(2GB)はゲームには少々力不足であり、ゲーム目的の方には向きませんが、CPU内蔵のグラフィックスでは少し心許ないかもしれない場合に選んでおくと、様々な作業でパワーアップの恩恵を感じられると思います。
安価であるため、とりあえず選んでおいて損はないでしょう。
軽いゲームタイトルのプレイや、やや複雑な写真や動画編集など、高負荷な用途への利用をお考えの場合は GTX 1050(2GB)の構成をお選びください。
消費電力・温度
以下、Inspiron デスクトップ(3668)のアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力です。
アイドル時 ・・・ 21W
ベンチマーク実行時 ・・・ 56W
※実際の値は若干上下します
外部グラフィックスを搭載していますが、省電力なローエンドグラフィックカードであるため、全体的に消費電力は低いです。
アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度を測定です。
全体的に低温です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
Inspiron デスクトップ(3668)の再起動時間を測定してみました。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:59
2回目 0:52
3回目 0:52
4回目 0:53
5回目 0:52
6回目 0:53
7回目 0:52
8回目 0:50
9回目 0:51
10回目 0:52
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 52秒
Inspiron デスクトップ(3668)の再起動時間は およそ52秒。
SSD搭載であるため、起動やシャットダウンにかかる時間は短いです。
Inspiron デスクトップ(3668) まとめ
Inspiron デスクトップ(3668)のレビューは以上となります。
幅15.4cm、奥行き約30㎝ほどの省スペース設計ながら、GT 730(2GB)や GTX 1050(2GB)の搭載も可能(2017年4月23日現在)なデスクトップPCです。
スリムPCほどコンパクトではないものの、設置しやすいサイズでありつつも拡張性を持ち合わせていること、また光学ドライブや無線LANといった便利な機能も備えるなど、多くの用途に活用しやすいマシンです。
本製品ほどの拡張性を備えていれば、それで十分に事足りるというユーザーが殆どでしょうから、現在デスクトップPCの購入を検討されている方の候補としては、悪くない製品だと思います。
全体的に価格が抑えられているところも魅力です。
例えば、自宅でネットやストリーミングサービスに利用できるPCが欲しい方、ビジネスアプリの利用や写真・動画編集、ライトなゲームタイトルのプレイを考えられている方におすすめ。
具体的な価格は製品ページでご確認いただきたいのですが、クーポンコードが利用できるタイミングを狙えば、上位モデルでもかなり安く購入できるはずです。