HP Pavilion Power 15のレビュー GTX 1050を搭載するリーズナブルな15.6型ノート
HPが販売するノートPC、HP Pavilion Power 15-cb000のレビューです。
HP Pavilion Power 15-cb000は、15.6型フルHD、もしくは4K液晶を採用するノートPC。
グラフィックスにGTX 1050(4GB)を搭載しており、ゲームプレイはもちろん写真や動画編集など、負荷のかかる用途にも向いた高性能なマシンです。
Pavilionというと、スタンダードに位置づけられるシリーズの名称ですが、HP Pavilion Power 15はその中でも性能を重視するシリーズであり、ゲーミングPCに匹敵するパワーを提供します。
そのような高性能なマシンでありながらも、いかにもゲーミングPCという感じの製品ではないため、ゲームをしない方でも利用しやすいです。
価格も安く、気軽に購入できると思います。
今回は、Core i5やGTX 1050(4GB)、フルHD液晶を採用するモデルを利用してみましたので、その使用感や性能面について詳しくご紹介いたします。
【HP Pavilion Power 15-cb000 レビュー記事目次】
・HP Pavilion Power 15 筺体外観や操作性をチェック
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(HP Pavilion Power 15 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Pavilion Power 15 筺体外観・インターフェース
HP Pavilion Power 15の筺体外観をチェックします。
シャドウブラックのクールなカラーリングを採用する筺体です。
マットな質感を持つ天板の中央には、鏡面仕上げのHPロゴを配置。
ブラック一色の筺体は、ともすれば地味な感じにも見えてしまいやすいですが、さすがHPの製品だけあり、どことなく洗練された雰囲気を感じさせます。
筐体背面、正面側の様子。
外部グラフィックスを搭載する高性能なノートですが、比較的薄くコンパクトな印象を受けます。
ディスプレイには、15.6型フルHDの非光沢液晶を採用。
IPS方式のパネルです。
本製品ではフルHDのほか、4K液晶を採用したモデルもラインアップされています。
ディスプレイ上部には HP Wide Vision HD Webcam(約92万画素のWebカメラ)を、カメラの左右にはマイクを内蔵しています。
ディスプレイの最大開閉角度は約140度。
標準的な範囲内の開閉角度で、利用しやすいです。
※一般的なノートのディスプレイの最大開閉角度は、135~140度程度。
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面の様子です。
左からセキュリティーケーブル用のスロット、USB3.1×2基、ヘッドフォン出力やマイク入力のコンボポートが並びます。
右側面。
左からSDカードスロット、USB3.1 Type-C、USB3.1、HDMI、LAN、電源コネクタが並んでいます。
端子の内容は比較的充実していますが、光学ドライブは非搭載です。
筺体正面、背面側には何もありません。
背面中央部に、PAVILIONの文字が小さく印字されています。
筐体底面の様子です。
写真は上が筐体背面側、下が正面側となります。
一枚板のすっきりとした構造を採用しています。
バッテリーは完全に内蔵されており、取り外しはできません。
PC本体と、付属の電源アダプターやケーブルです。
やや丸みのある形状の電源アダプターを採用しています。
電源アダプターの仕様は、19.5V、7.7Aで150W。
全モデルにこの電源アダプターが付属します。
キーボードの操作性
HP Pavilion Power 15に搭載されている、キーボードの外観や使用感をチェックします。
アイソレーションタイプのキーを採用する、日本語キーボードです。
右側にはテンキーを搭載しています。
キーピッチは縦横ともに約18.6mm、ストロークは約1.8mmと、HPのノートのキーボードにしてはそこそこ深さがあるキーを採用しています。
特に気になるキー配列もなく、タイピングがしやすいキーボードだと思います。
最上部のファンクションキーは、単独押しでは輝度や音量の調整といった、メディア関連の機能が動作する仕様です。本来のファンクションキーの機能を利用する場合は、Fnとファンクションキーを同時に押します。
キートップの様子。
フラットな形状です。
白色のバックライトキーボードを内蔵しています。
パームレストには、ヘアライン加工を施したアルミ素材を採用。
高級な雰囲気です。
キーボードの上部には、B&O Playに対応のデュアルスピーカーを内蔵。
プリインストールされているサウンドユーティリティーを使用し、サウンドの細かな調整が行えます。
プリインストールされているB&O AUDIO
タッチパッドはボタン一体型。
縁にダイヤモンドカット加工を施した、上質感漂う美しいタッチパッドです。
使用感は普通。
使いやすいとは言えませんが、特に使いづらいという事もありませんでした。
液晶のみやすさ
HP Pavilion Power 15に搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
15.6型フルHD(1920×1080)の非光沢液晶です。
IPS方式に対応しており、複数人でも見やすい視野角の広さを実現しています。
本製品では最上位モデルのみ、4Kの非光沢液晶が搭載されます。
個人的には15.6型サイズのディスプレイでは、フルHDくらいの解像度が実用性が高いと感じますが、高精細な表示を好まれる方は、4K液晶を採用したモデルを選ぶと良いでしょう。
IPS方式の液晶であるため、視野角は広いです。
視野角の狭い液晶であっても、正面から閲覧する分には視認性には問題のないことがほとんどですが、どちらかというとIPSパネルの方が全体的に明るくて見やすいように感じます。
ゲームはもちろんですが、写真や動画の編集作業も行いやすい液晶です。
重量
HP Pavilion Power 15の重さを測ってみました。
PC本体の重さは2294g。
外部グラフィックスを搭載する15.6型ノートとしては、とても軽いです。
本製品くらいのサイズ、重さであれば部屋の移動も簡単に行えます。
最近は15.6型ノートであっても、本製品くらいのサイズ感のノートPCがデフォルトという感じですね。逆に、分厚い製品はまったく見かけなくなりました。
付属の電源アダプターや、ケーブルをあわせた重さは428g。
外部グラフィックスを搭載するノートの電源アダプターであるため、そうでないノートのそれと比較すると少し重いでしょうか。
HP Pavilion Power 15-cb000 構成内容とその特徴について
以下、HP Pavilion Power 15-cb000の構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP Pavilion Power 15-cb000 の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-7300HQ(2.50GHz~最大3.50GHz)
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1,920×1,080)、非光沢、IPS
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 1050(4GB)
メモリ 8GB(8GB×1/DDR4-2400MHz)
ストレージ 1TB HDD(7200rpm/HGST製)
無線機能 IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
バッテリ リチウムイオンバッテリ(4セル)、約10時間(公称値)
サイズ 378×254×22~27(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.29kg
カラー シャドウブラック
標準保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年08月08日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、15.6型フルHD非光沢液晶、Core i5-7300HQ、GTX 1050(4GB)、8GBメモリ、1TB HDDという構成内容のモデルです。
本製品には大きく分けて3種類のモデルが提供されており、上記は最小構成にあたるマシン。
上位モデルでは、 Core i7-7700HQや16GBメモリ、4K解像度の液晶、NVMe規格のSSDやHDDの2ドライブ構成を採用したモデルがラインアップされています。
グラフィックスは GTX 1050(4GB)のみの提供です。
掲載モデルに搭載されているストレージは以下の通り。
HDDの仕様
ストレージの内訳
HGST製の「HTS721010A9E630」という、1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
体感では、HDDにしてはサクサクとした動作であるように感じましたが、待たされる場面もありました。高速なSSDに慣れた方だと、遅く感じられるかもしれません。
本製品ではほかに、128GB SSD(NVMe)&1TB HDD、もしくは256GB SSD(NVMe)&1TB HDDのストレージ構成を持つモデルがラインアップされています。
速度重視の方には、最初からSSDを搭載した上位モデルの構成がおすすめです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP Pavilion Power 15-cb000で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からFire Strike、Fire Strike Ultra、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720、1920×1080(標準品質)、1920×1080(最高品質)/ウィンドウモードで実行
最高品質の設定であっても、フルHDの解像度で快適にプレイできるようです。
【ファンタシースターオンライン2 EP4】
1920×1080(設定3)、1920×1080(設定6)
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720、1920×1080(DirectX 11/高品質(ノートPC))
【CINEBENCH R15】
フルHDで標準画質程度の設定であれば、多くのゲームを快適にプレイできる性能です。画質にこだわりがあるような方でなければ、このクラスのノートでも性能は十分という感じですね。
最上位モデルにのみ4Kパネルが搭載されていますが、さすがに4Kでのゲームプレイは難しいと思われます。
15.6型と画面が大きいため、ゲームだけではなく写真や動画編集をするような方にもおすすめ。ストレージの容量も大きく、ファイルの保存などにも不便はないと思います。
消費電力・温度
アイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)のHP Pavilion Power 15-cb000の消費電力を測定してみました。
画面の輝度は50%に設定、バックライトキーボードはオフに、グラフィックスの設定はGPUが切り替わる設定(Optimusが有効の状態)にした上で測定しています。(以降、全てこの設定を適用)
アイドル時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 58W
※実際の値は若干上下します
ベンチマーク実行時の消費電力はやや上昇しますが、アイドル時の消費電力は、外部グラフィックスを搭載しないノート並に低いです。
アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度を測定してみました。
高負荷時でも70度台後半と、ゲーミングノートなどと比較した場合、温度は普通~やや低い方だと思います。
高負荷な状態が続いた場合の、キーボード表面温度を測定してみました。
キーボード右側の温度が上がりやすいようですが、その他は比較的低い温度であり、快適にタイピングが行えます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
HP Pavilion Power 15-cb000の再起動時間を測定。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 1:42
2回目 1:33
3回目 1:25
4回目 1:28
5回目 1:25
6回目 1:29
7回目 1:27
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分30秒
再起動にかかる時間は およそ1分30秒。
HDDとしては、標準的な範囲の速度だと思いますが、SSDを搭載するようなPCと比較した場合、やや時間がかかるようです。
バッテリ駆動時間
bbenchを使用し、HP Pavilion Power 15-cb000のバッテリ駆動時間を測定してみました。
ソフトウェアの設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から7%に減少するまでの時間は44938秒。
約12.5(12.48277777777778…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
外部グラフィックスを搭載するノートPCでありながら、Optimus機能が効いているせいか、バッテリの持ちは非常に良いです。
負荷をかけた使い方をした場合、もう少しバッテリの持ちが短くなる可能性はありますが、ゲームだけではなく、軽い用途にも利用しやすいPCだと思います。
HP Pavilion Power 15 まとめ
HP Pavilion Power 15のレビューは以上となります。
第7世代のCore iプロセッサや GTX 1050(4GB)を搭載する、やや重めの作業もこなせる15.6型ノートです。
標準画質であれば多くのゲームを快適にこなせるため、ゲームプレイが目的の方はもちろんですが、写真や動画編集などに使える高性能ノートが欲しいという方にも向いています。
GTX 1050を搭載するゲーミングPCは数多く存在しますが、いかにもゲーミングPCという製品が苦手な方にとっては使いづらいもの。
しかし本製品はゲームが可能な性能を持ちながらも、ゲーミングというカテゴリにこだわった製品ではないため、多くの方に受け入れられやすいのではと思います。
フルHDと4K液晶のモデルが提供されている点も、高精細な液晶が欲しいという方には魅力が大きいです。
パワーのあるノートが欲しいという方、また普段の作業にも使えてゲームで遊ぶこともできるオールマイティーなノートPCが欲しいという方は、ぜひ本製品をチェックしてみてください。
キャンペーンなどを利用すれば、結構お手頃な価格で買えます。