Dell Latitude 12 5000 2-in-1(5289)のレビュー 頑丈・長時間バッテリ・高速な12.5型の2in1ビジネスノート
デルが販売するノートPC、Latitude 12 5000 2-in-1(5289)のレビューです。
Latitude 12 5000 2-in-1(5289)は、12.5型フルHDのタッチパネルを採用する2in1タイプのビジネスノート。
デルが提供するビジネス向けのノートブランドの中でも、特にセキュリティ機能や堅牢性を重視した、いわばプロフェッショナル向けともいえるLatitude 5000シリーズのマシンです。
主にCPUには第7世代Core i3~i7を、メモリは最大16GB、ストレージにはM.2 SSDを採用するなど、一般的なビジネス作業向けのノートとしてはハイパフォーマンスな構成内容を持ちあわせています。
また公称で最長17時間という長時間バッテリを実現、また重さも1.345kgと比較的軽量であるなど、特にモバイルノートユーザーには扱いやすい製品だといえるでしょう。
2in1構造を採用しており、シーンにあわせてフレキシブルにスタイルを変えられるところも魅力です。
今回は、Core i5-7200Uや256GB M.2 SSDを採用する「Latitude 12 5000 2-in-1(5289) プレミアムモデル」を使用してみましたので、その特徴や使用感、性能面について詳しくご紹介いたします。
※以降、文中では「Latitude 5289 2in1」と記載します。
【Latitude 12 5000 2-in-1(5289) レビュー記事目次】
・製品の特長
(4つのスタイルで利用できる2in1構造を採用)
・Latitude 12 5000 2-in-1(5289) 筺体外観や操作性をチェック
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(Latitude 12 5000 2-in-1(5289) まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
4つのスタイルで利用できる2in1構造を採用
Latitude 5289 2in1は、ディスプレイを360度回転させることで様々なスタイルで利用することができる、2in1構造を採用したノートPCです。
通常の作業時はノートPCで、資料やウェブサイトなど閲覧作業が中心の場合にはテントやスタンドスタイル、タブレットスタイルなど、シーンに応じてスタイルを使い分けられます。
ノートPCスタイル
スタンドスタイル
テントスタイル
タブレットスタイル
タブレットだと複数人で画面を閲覧しやすいため、ミーティング等にも便利ですね。
Latitude 12 5000 2-in-1(5289) 筺体外観・インターフェース
Latitude 5289 2in1の筐体外観をチェックします。
素材には軽く頑丈なマグネシウム合金を採用した、ビジネスモデルらしいシンプルなデザインの天板です。
中央にはデルのロゴを配置。
シンプルではあっても地味とはまた異なる、洗練された雰囲気を持つ筐体だと思います。
筺体表面は、さらっとした石のような質感
背面側、正面側から見た筺体全体の様子です。
見た目薄型の筐体ですが、実際に触ってみると薄くてもしっかりとしたつくりで、ヒンジなどにも安定感があります。
ディスプレイには、12.5型フルHDのタッチパネルを採用。
光沢パネルであるため、外光が入り込むような場所ではやや映り込みが目立つ感じではあるのですが、液晶自体が明るめであるため操作には支障はありません。
なお、オプションではデル製アクティブペン(PN557W)を追加できるようです。
仕様によると、最大2,048段階の筆圧感知が可能なペンで、バッテリ持続時間は12か月とあります。
Latitude 5289 2in1の本体にペンスロットは備わっていませんが、ペンのマグネットでノートパソコンに固定しておけるようです。
ディスプレイの上部にはウェブカメラを内蔵、下部にはデルのロゴを配置
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面にはUSB Type-C(DisplayPort)×2、HDMI、USB3.0が並びます。
今回のモデルに搭載されていませんが、スマートカードリーダーをオプションで追加できるようです。
右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、ヘッドフォンとマイクのコンボジャック、MicroSDカードスロット、SIMスロット、USB3.0、セキュリティーケーブル用のロックスロットが並びます。
本製品はWWANに対応しており、オプションにてWWANの構成を選べるようになっています。
筐体前後には何もありません。
筐体底面の様子。
写真は上が背面側、下が正面側となります。
底面カバーの素材には、天板と同じマグネシウム合金を採用。
天板、底面共にデザインに一体感があり、垢抜けた雰囲気を感じさせます。
バッテリは完全に内蔵されており、取外しは不可。
下位モデルと上位モデルとではバッテリの容量が異なり、掲載モデルには45Whのバッテリが内蔵されていますが、上位モデルには60Whのバッテリが内蔵されるようです。
正面寄りの位置に、2基のスピーカーを内蔵。
サウンドに関しては、プリインストールされているWaves MaxxAudio Proを使用し、サウンドに関する様々な調整を行います。
プリインストールされているサウンドユーティリティ「Waves MaxxAudio Pro」
PC本体と、付属の電源アダプター&ケーブルです。
電源アダプターは、USB Type-C端子に対応。
筺体左側面にあるType-C端子に接続し、機器を充電します。
電源の仕様は20V、2.5Aで45W。
キーボードの操作性
Latitude 5289 2in1に搭載されている、キーボードの操作性をチェックします。
アイソレーションタイプのキーを採用する、日本語キーボードです。
特に変わったキー配列は見当たらず、また指なじみの良い形状のキートップを採用しているため、タイピングがしやすいです。
ただ、キーボード右側に配置されているBackspaceやEnterキーの幅が他のキーと比較してやや狭く、その点を気にする方はおられるかもしれません。よく利用するキーなだけに、BackspaceやEnterキーのサイズが小さいと押しづらい場合があるのですよね。
このタイプのキーは、特にテンキーを搭載するノートPCの場合に利用しづらかったりするのですが、本製品のキーボードにはテンキーが搭載されていないため、BackspaceやEnterキー付近の操作も特に問題はありません。
総合的に考えて、打ちやすいキーボードだと思います。
キートップの様子。
わずかに湾曲する形状のキーを採用しています。
タイピングがしやすいです。
明るさ調整が可能な、白色のキーボードバックライトを内蔵しています。
独立型のボタンを採用するタッチパッドを搭載。
さすがビジネス向けのモデルだけあって、使いやすいタッチパッドを搭載しています。
パッド面は指すべりが良く、また手前のボタンは適度な硬さのクリック感があり、スムーズな操作が可能。外出時にマウスがなかったとしても、快適に操作が行えると思います。
タッチパッドの機能をカスタマイズできる、Dellのタッチパッドユーティリティ。
ボタンやジェスチャーなどの機能カスタマイズが行えるほか、タッチパッドの感度調整も行えます。
液晶のみやすさ
Latitude 5289 2in1に搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
12.5型フルHDのタッチパネルを採用。
12.5型と画面サイズは小さめなものの高解像度であるため、一度に表示できる情報量が多く作業がはかどります。
表面にCorningのGorilla Glassを採用しており、頑丈かつ傷が付きにくいという点も魅力。安心してタッチパネルの操作が行えます。
光沢感がややきつめであるため、外光が入るような場所で利用した場合に光の反射が目立ちやすいのですが、液晶の輝度をあげれば視認性には問題はない感じです。
屋外でもスムーズに操作が行えます。
液晶の視野角は広いです。
上下左右から見ても問題なく、画面の表示内容を読み取ることができます。
複数人で作業を行うこともあるビジネスノートでは、特に便利な仕様なのではないでしょうか。
重量
Latitude 5289 2in1の重さをはかってみました。
PC本体の重さは1365g。
製品ページに記載されている最小重量(1.345kg)と、ほぼ同じ重さです。
ものすごく軽いというわけではありませんが、12.5型のビジネスノートとしては比較的軽め。この程度の重さなら持ち運びしやすいのではと思います。
電源アダプターやケーブルをあわせた重さは252g
こちらも軽いです。
ただ、本製品はバッテリーの持ちがとても良いため、日常的に電源アダプターやケーブルを持ち運ぶようなことはあまりないと思います。
旅行や出張などで携帯する場合に、電源アダプターが軽量であるのは便利ですね。
Latitude 12 5000 2-in-1(5289) 構成内容とその特徴について
掲載しているLatitude 12 5000 2-in-1(5289)の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【Latitude 12 5000 2-in-1(5289)プレミアム の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-7200U(2.50GHz~最大3.1GHz)
ディスプレイ 12.5型ワイドフルHD(1,920×1,080)、タッチパネル
グラフィックス インテル HD グラフィックス 620
メモリ 8GB(LPDDR3 1866MHz)
ストレージ 256GB SSD(SATA/SK hynix製)
無線機能 Qualcomm QCA61x4A 802.11ac (2×2)、Bluetooth 4.1
バッテリ 45Wh、3セル バッテリ
サイズ 304.8×210×12.03~18.45(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.345kg(最小重量)
標準保証 3年間 ProSupport:翌営業日対応オンサイト保守サービス(6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年07月30日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、12.5型フルHDのタッチパネル、Core i5-7200U、メモリ8GB、256GB SSDという構成内容のモデルです。
現時点で提供されている構成の中では、ちょうど中間的な構成内容を持つモデルで、より下位のモデルにはCore i3-7100Uや4GBメモリ、128GB SSDが、上位モデルにはCore i7-7600Uや16GBメモリ、256GB SSDを搭載したモデルが提供されるなど、幅広い構成の中から選べるようになっています。
さらに上位モデルのプラチナモデルには、60Whの4セルバッテリを内蔵。
プラチナモデルでは、採用されているワイヤレスLANアダプターの内容も下位モデルとは異なっているようです。
標準保証が「3年間 ProSupport」となっているところや、指紋認証リーダーや接触型スマートカードリーダー、NFC、WWANなど、オプションが充実している点はビジネスモデルならでは。
特にサポートやソフトウェア系のオプションについては、多種多様な中からカスタマイズが行えるようになっており、そういった点を重視する方には魅力は大きいでしょう。
なお、構成やオプションは時間の経過によって変更となる場合があるため、正確な構成や選べるオプションの内容については、製品ページにてご確認ください。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
SSDの仕様
ストレージの内訳
SSDには、SK hynix製の「SC311」と呼ばれる256GB SSDが搭載されていました。
M.2規格(SATA)のSSDです。
今回と同様のストレージが搭載されるとは限りませんが、上位のプラチナモデルにも 256GB M.2 SSDが搭載されるようです。
一方で、下位のベーシックモデルには128GB M.2 SSDを搭載。
ストレージの内容を自由にカスタマイズすることはできないため、容量が必要な方は 256GB SSDを採用する上位モデルを選びましょう。
ベンチマークテストの結果
以下、Latitude 5289 2in1で実行したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
上から1280×720(DirectX 11/標準品質(ノートPC))
【CINEBENCH R15】
一般的なビジネス用途に利用するノートの性能としては、高い方だと思います。
ゲームに向くような構成のPCではありませんが、標準画質であればライトなゲームタイトルのプレイも可能であるなど、パフォーマンスは高いです。
SSDを搭載しており、常にサクサク作業が行えるという点も魅力。
ライトな用途にしかPCを利用しないのなら Core i3-7100Uのモデルを、より性能を重視するような場合にはCore i7-7600U搭載のモデルを選ぶと良いでしょう。
消費電力・温度
アイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)のLatitude 12 5000 2-in-1(5289)の消費電力を測定。
画面の輝度は50%に、バックライトキーボードはオフに設定した上で測定しています。(以降、全てこの設定を適用)
アイドル時 ・・・ 5W
ベンチマーク実行時 ・・・ 33W
※実際の値は若干上下します
全体的に低消費電力ですが、特にアイドル時の消費電力が低いです。
比較的パフォーマンスは高いのにもかかわらず低消費電力であるのは、特にモバイルユーザーにとって大きなメリットがあるといえますね。
消費電力が低いと、バッテリが長持ちしやすいです。
アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度を測定してみました。
高負荷時、CPUの温度が高くなりやすいようです。
が、本製品で重いゲームのベンチマークテストのようなプログラムを長時間利用することはないと思われ、あまり気にしなくても良いでしょう。
高負荷な状態が続いた場合の、キーボード表面温度を測定してみました。
キーボード左側から中央にかけて、温度が高くなりやすいようです。
タイピング作業時にやや指先が温かく感じられはするものの、パームレスト付近が低温であることと、エアコンをかけた部屋で利用していたため、それほど気にはなりませんでした。
夏場などに気温の高い場所で利用した場合だと、また感じ方は違ってくると思います。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
Latitude 12 5000 2-in-1(5289)の再起動時間を測定してみました。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:45
2回目 0:42
3回目 0:42
4回目 0:41
5回目 0:50
6回目 0:41
7回目 0:42
8回目 0:43
9回目 0:49
10回目 0:46
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 44秒
再起動時間は およそ44秒。
SSDを搭載しているため、起動やシャットダウンは高速です。
バッテリ駆動時間
bbenchを利用し、Latitude 12 5000 2-in-1(5289)のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から3%に減少するまでの時間は45493秒。
約12.6(12.63694444…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
上記はかなり軽めの作業時におけるバッテリ駆動時間ですが、やや負荷のかかる作業を行ったとしても、バッテリは相当に持つと思われます。
外出中の作業時、バッテリ残量をいちいち気にしなくても済むところが良いです。
Latitude 12 5000 2-in-1(5289) まとめ
Latitude 12 5000 2-in-1(5289)のレビューは以上となります。
12.5型フルHDのタッチパネルを採用する、2in1構造のビジネスノートです。
場面に合わせ、4つのスタイルで利用できる使い勝手の良さと、ビジネス向け製品ならではの堅牢性やセキュリティ機能を持ちあわせた、いつでもどこでも安心して利用できるマシンです。
特にモバイルノートは、携帯時の揺れや衝撃によるトラブルに見舞われやすいですが、一般的なノートよりも頑丈に設計されているビジネスノートであれば、安心して持ち運べます。
保証期間も標準で3年と長く、使いやすい製品をできるだけ長く使い続けたいというユーザーには最適なノートPCです。
どの構成を選んでもSSD搭載でパフォーマンスが高い点、指紋センサーやNFC、スマートカードリーダー、サポートなどオプションが豊富に提供されている点も本製品の大きな魅力。
モバイルノートは数多く存在しますが、Latitude 5289 2in1はペンが使える扱いやすいモバイルノートが欲しい方、また高機能かつ長く使えるモバイルノートが欲しい方にとって、特に選ぶ価値のあるノートPCだといえるでしょう。
必要のない方には必要のない製品ですが、ノートPCで仕事をよくするという方にはおすすめできる製品です。