HP Slimline 260シリーズレビュー 基本機能を備えたリーズナブルなスリムデスクトップPC
HPが販売するデスクトップPC、HP Slimline 260シリーズのレビューです。
HP Slimline 260シリーズは、幅10cmのスリム筐体を採用するデスクトップPC。
光学ドライブや無線LANなど基本機能を標準搭載するマシンで、Celeron G3900T、 Core i3-6100T、Core i5-6400Tを搭載するモデルをラインアップしています。
グラフィックカードを搭載するような構成は提供されていませんが、上位モデルだとそれなりに性能は高く、幅広いユーザーに向くデスクトップPCだと言えるでしょう。
価格の安さも魅力です。
今回は、Core i5-6400Tやメモリ4GB、1TB HDDを搭載する上位のスタンダードモデルを使用してみましたので、その特徴や使用感、性能面などについて詳しくご紹介したいと思います。
【HP Slimline 260 レビュー記事目次】
・HP Slimline 260 筐体外観・内部の構造をチェック
(外観・インターフェース / 筐体内部の構造 / キーボード・マウス)
・掲載モデルの構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成内容と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・製品のまとめ
(HP Slimline 260シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Slimline 260 筺体外観・インターフェースの内容をチェック
まず、HP Slimline 260シリーズに採用されている筐体をチェックします。
光沢感のあるピアノブラックカラーをベースに、控えめなドットテクスチャーを重ねたシンプルなデザインを採用する小型筐体です。
幅が10cmと狭く、高さも27.7cmと一般的なサイズのデスクトップPCに比べるとかなりサイズが抑えられており、机の上や棚など様々な場所に設置する事ができます。
小さいと持ち運びが楽であることはもちろんですが、見た目に圧迫感がないなど、インテリア的な面でもメリットがあります。
フロントパネル全体の様子。
ドットテクスチャーが可愛らしい雰囲気を醸し出しつつも、上品な印象を受けるデザインです。
光沢パネルですので、指紋痕はややつきやすいですが、模様のせいかあまり目立ちません。
フロントパネルの左側には光学ドライブや、ヘッドフォン出力&マイク入力のコンボポート、メディアカードスロット、USB2.0端子が2基並んでおり、机の上に置いた場合などに使い勝手が良いです。
ドットテクスチャーは触れるとやや凸凹感が感じられます
背面全体の様子です。
上からVGA、HDMI、USB3.0×2、USB2.0×2、LAN、オーディオ端子が3基、下部に電源コネクターというインターフェースの配置です。
小型ではあるものの十分な数の端子が備わっており、利用していて不便だと感じるような事はまずないと思います。
筐体右側面の様子です。
サイドパネルのやや左上付近に、メッシュ状の通気口が設けられています。
内部にCPUがあるあたりです。
筐体左側面の様子。
こちら側には何もありません。
天面の様子です。
メッシュ状の通気口が設けられています。
フロントパネルの上部には電源ボタン
筺体内部の構造
続いて、筐体内部の構造を確認します。
背面にあるサイドパネルのネジを取り外す事で、内部へ簡単にアクセスできるようになっています。
ネジはよほどきつく締めなければ、ドライバーなしで緩められると思います。
ドライバーを使わずに開く事が出来るのは、結構便利ですね。
まあ、それほど頻繁に開く事はないと思いますが・・
筐体内部全体の様子です。
写真は左側が筐体背面、右側がフロントパネル側となります。
パーツは右上から時計回りに、光学ドライブやHDDベイ、電源ユニット、CPUやメモリなどが並ぶといった具合です。小さいだけに容量はそれ程大きくはないですが、メンテナンスはしやすいと思います。
スリムタイプの光学ドライブの奥に、HDDベイが並んでいます。
アクセスするにはフロントパネルを外す必要がありますが、手間はさほどかかりません。
写真では見えませんが、メモリスロットの奥(右)にM.2スロットが配置されており、無線LANが搭載されています。
電源は180W。
本製品で提供されているのはこれのみです。
付属のキーボードやマウスをチェック
キーボードやマウスなどの付属品を簡単にご紹介いたします。
USBタイプのキーボードです。
本製品で選択できるのこれのみで、ワイヤレスタイプのデバイスなどは選択できません。
チルトスタンドなどは搭載されていませんが、デフォルトでキーボード面がやや傾斜するスタイルです。
USBマウス。
キーボードとおなじく、ワイヤレスタイプは選択できません。
こちらは「速攻!HPパソコンナビ特別版」。
Windows 10の操作方法を解説する入門書です。
標準で付属しています。
HP Slimline 260シリーズ 構成内容と特徴について
掲載している HP Slimline 260シリーズの構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【HP Slimline 260-p050jp の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i5-6400T (2.20GHz/TB時最大2.80GHz)
チップセット H170 Express
グラフィックス HDグラフィックス 530
メモリ 4GB(4GB×1/PC4-17000/2スロット/最大16GB)
ストレージ 1TB HDD(Western Digital製/7200rpm/SATA)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(ウルトラスリム)
LAN 10/100/1000 Mbps
無線機能 IEEE802.11b/g/n、 Bluetooth 4.0
拡張ベイ ウルトラスリムベイ×1、3.5インチ×1
拡張スロット PCI Express x16×1、M.2×1
電源 180W
サイズ 100×325×277(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約4.0kg
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年10月18日時点のものです。
Windows 10 Home、H170、Core i5-6400T、メモリ4GB(DDR4)、1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、無線LANを搭載するという構成のモデルです。
HP Slimline 260シリーズで提供されている中では、上位構成にあたる「60-p050jp スタンダードモデル」というモデルで、他にCeleron G3900Tを搭載する「260-p010jp ベーシックモデル」、Core i3-6100Tを搭載する「260-p030jp エントリーモデル」がラインアップされています。
どのモデルもメモリをアップグレードする事は可能ですが、それ以外の構成は固定されており、細かいカスタマイズは行えません。
その代り全体的に価格が安いです。
2016年10月18日時点で提供されているキャンペーンモデルにおいては、Core i3のモデルにモニターを付属しながら6万円台(税抜)の価格で販売されるなど、非常にリーズナブル。
キャンペ―ンモデルは時期によってない場合や、内容が変化する可能性もありますが、価格の安いデスクトップPCをお探しの方にはチェックする価値のあるモデルだと言えるでしょう。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
SSDの仕様
ディスクの内訳
ストレージには、Western Digital製の「WD10EZEX-60WN4A0」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
本シリーズは下位モデルに500GB HDDが、Core i3とCore i5のモデルには1TB HDDが搭載されるという2パターンのストレージ構成が提供されており、容量が必要な方は上位モデルを選択すると良いでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、 HP Slimline 260-p050jpで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
標準品質、ウィンドウ 1280×720/1920×1080
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
標準品質(ノートPC)、DirectX 9 1280×720/1920×1080
標準品質(ノートPC)で実行しましたが、標準(デスクトップPC)だともう少しスコアは下がると思います。
【Minecraft】
標準の画質設定で快適に動作
【CINEBENCH】
ゲーム向けの構成ではありませんが、軽いゲームなら画質を調整すればプレイできるくらいの性能は持ち合わせています。
搭載されているのは省電力版のCPUですが、性能はそこそこ高く、ライトなゲームのプレイをはじめ、簡単な写真編集くらいなら行えるのではと思います。
重い用途に利用するというのでなければ、かなり快適な使い心地です。
それこそ、ネットや動画を閲覧するなどのライトな用途にしか利用しないのなら、下位モデルでも十分です。
消費電力・温度
HP Slimline 260-p050jpの消費電力を測定。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力測定値です。
液晶の電力は含んでいません。
アイドル時 ・・・ 16W
ベンチマーク実行時 ・・・ 36W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
デスクトップPCにしては低消費電力です。
ベンチマークテスト(3DMark)を10分以上実行させた後の、筐体内パーツ温度です。
負荷をかけると若干温度は上昇するものの、低温です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
HP Slimline 260-p050jpの再起動にかかる時間を測定。
PassMark Rebooterを利用し、10回の再起動時間を測定してみました。
1回目 1:21
2回目 1:13
3回目 1:13
4回目 1:11
5回目 1:12
6回目 1:27
7回目 1:26
8回目 1:10
9回目 1:02
10回目 1:02
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分13秒
HP Slimline 260-p050jpの再起動にかかる時間は およそ1分13秒。
SSDを搭載するようなPCに比べると、起動やシャットダウンにはやや時間がかかる印象ですが、ものすごく遅いかというとそういうわけでもありません。
ただ個人的には、SSDの選択肢が欲しかったかなと思います。
HP Slimline 260シリーズ まとめ
HP Slimline 260シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・幅10cmの省スペースなスリム筐体を採用
・Celeron、Core i3、Core i5の構成を選べる
・光学ドライブや無線LANを標準搭載
・デザイン性に優れている
・価格が安い
幅10cmというスリムな筐体を採用するデスクトップPCです。
最近は、本当にPCかと思ってしまうような小型サイズのPCもよく見かけますが、省スペースにとことんこだわりたいというのでなければ、本製品程度のスリムPCが機能面、メンテナンス性などの面で都合がよいと言えるでしょう。
Celeron、Core i3、Core i5の構成が提供されており、用途によって構成を選択しやすいです。
光学ドライブや無線LANを標準搭載しているという点も、何気に便利だと思います。特に無線LANがあると煩わしいケーブルの配線が1つ減るので、机周りをすっきりと保ちたい方にはメリットが大きいです。
HPの製品だけあって、デザインが美しい所も○。
インテリアを気にするような方にもおすすめです。
途中にも書いたように、SSDの構成が提供されていない点が残念ですが、価格はとても安く(特にキャンペーンモデル)、できるだけ安くて機能を備えたPCが欲しいという方には魅力の大きい製品だと言えるでしょう。