Dell ALIENWARE 15 R2 レビュー 第6世代CoreやGTX 980Mを搭載する15.6型ゲーミングノートを掲載
デルが販売するノートPC、ALIENWARE 15 R2のレビューです。
ALIENWARE 15 R2は、15.6型サイズの液晶を搭載するALIENWAREブランドのゲーミングノートPC。
過去にも ALIENWARE 15 R2という名の製品が登場していますが、今回掲載するのは第6世代のCoreプロセッサを搭載するALIENWARE 15となります。
剛性高く高級感あるボディの採用に加え、マクロキーやイルミネーション機能、Killer LANを採用するなど、ゲーミング製品らしい機能を多数備えた製品です。
CPUには最大Core i7-6820HKを、またグラフィックスにおいては最大GTX 980M(8GB)を搭載可能と、最新の重いゲームタイトルを高い画質で遊びたい・・というユーザーにも対応可能な構成を提供しています。
今回は、Core i7-6820HKや GTX 980M(8GB)、16GBのDDR4メモリ、256GB M.2 SSD&1TB HDDを搭載する最上位モデルのスプレマシーを利用してみましたので、その使用感や性能等をご紹介したいと思います。
【ALIENWARE 15 R2 レビュー記事目次】
・ALIENWARE 15 R2 筺体外観・インターフェース・操作性
(外観・インターフェース / キーボード周りの操作性 / 底面内部の構造 / 液晶)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・ALIENWAREのソフトウェア
(ALIENWARE 独自のソフトウェアを搭載)
・製品のまとめ
(ALIENWARE 15 R2 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
ALIENWARE 15 R2 筐体外観・インターフェースの内容
まず、ALIENWARE 15 R2の外観やインターフェースの内容について解説します。
筐体サイズは幅385.8mm、奥行き270.2mm、高さは23.9~34.0mm、重さは3.207㎏と、ハイエンドゲーミングマシンだけあってサイズはそこそこ大きく、重量もあります。
そこにあるだけで強い存在感が感じられる、特徴的なデザインを施したノートPCです。
天板の様子です。カラーはエピックシルバー。
アルマイト処理を施したアルミの質感と、天板端のカッティングが美しい印象のデザインです。
ALIENWAREではおなじみとなる、エイリアンのモチーフが配置されています。
背面から見た ALIENWARE 15。
電源オン時、エイリアンモチーフや天板のラインが光る仕様となっています。カラーは変更可能。
ディスプレイには15.6型フルHD(1920 x 1080)のIPS、非光沢パネルが搭載されています。
本製品では他に、15.6型4K(3840×2160)のIGZOパネルが選択可能です。
個人的には、15.6型なら普段の作業はフルHD液晶の方が扱いやすいのですが、ゲームの映像や写真・動画の高精細な美しさは4Kパネルの方に軍配が上がるでしょう。
液晶上には200万画素のWebカメラと、デジタルマイクが内蔵されています。
液晶下部にはALIENWAREのロゴ。
設定にもよりますが、このロゴは電源オン時LEDが点灯します。
ディスプレイの最大開閉角度は135度前後。
ノートのディスプレイとしては標準的な可動域です。
筐体側面のインターフェースの内容をチェックします。
筐体左側の様子です。
電源コネクター、セキュリティスロット、USB3.0×2基、マイク入力、ヘッドセットポートを搭載。
USB3.0端子は片側のみ、電源オフ時の給電が行えるPowerShare機能付きです。
右側面にはメディアカードスロット、USB Type-C(Thunderbolt)、USB3.0、LANポートが並びます。
正面側には何もなし。
背面には左右に1つずつ排熱口が配置され、その間にAlienware Graphics Amplifier接続用のポート、HDMI(2.0)出力が並びます。
USB Type-C等も搭載されるなど、充実した端子の内容です。
ケーブルを差しっぱなしにする事が多い、Graphics Amplifier用のポートや HDMIなどが背面に配置されている点も使い勝手が良いです。
どうせなら、電源コネクターも背面にあると良かったです。
ALIENWARE 15本体と、付属の電源アダプター&ケーブル。
電源アダプターのサイズが大きい事はもちろんなのですが、やや平べったい形状です。
ケーブルの右側にある小さい部品は、3ピンのプラグを2ピンに変換するためのアダプターです。
電源アダプターの仕様は19.5V、12.3Aで240W。
キーボード周りの様子や操作性をチェック
ALIENWARE 15に搭載されているキーボード周りの様子と、それらの操作性をチェックします。
板チョコレートのような形のキーボードです。
テンキーは搭載していませんが、左側にマクロなどを登録しておけるプログラマブルキーが搭載されており、ゲーム用のノートPCとしては使いやすいと思います。
打鍵感もそこそこ良く、キー入力もストレスなくおこなえます。
カーソルキーが独立した配置である所も使いやすいです。
プログラマブルキー。
Alienware Command Center内のツール、Alienware TactXを利用して設定を行う事ができます。
一見すると、WASDキーには何の装飾もされていないように見えるのですが、Sキーに小さな突起が設けられており、ゲーム中のキャラクターの操作時などには結構重宝します。
キーボードの上側には、エイリアンモチーフの電源ボタン。
キートップは僅かに湾曲する形状で、指を置きやすいです。
電源オン時、キーボードバックライトや電源ボタン、ALIENWAREのロゴなどが点灯します。
Alienware Command Centerの AlienFXというツールより、細かなイルミネーション機能の設定を行う事が可能です。
AlienFX。
キーボードや電源ボタン、ALIENWAREのロゴ、筺体前面側のライト、背面のライト、タッチパッドのカラー等を自由に設定する事ができます。
LEDが点灯しない設定も可能です。
暗い場所でLEDを点灯させると、幻想的な雰囲気です。
私自身はバックライトを点灯させた状態だと気が散ってしまうため、何かの作業時やゲームプレイ時はオフにした状態の方が操作がしやすいのですが、暗い場所での利用には便利な機能です。
タッチパッドはボタン独立型。
ボタンは柔らかく、また押しやすくとても使いやすいタッチパッドです。
ボタン独立型のタッチパッドは、一体型のデバイスよりも使いやすいものが多いですが、ボタン独立型と一口に言っても様々なタッチパッドがあり、やはり使いやすいものと使いにくいものが存在します。
本製品のタッチパッドは、ボタン独立型のタッチパッドのなかでも特に使いやすく、長時間の作業も苦になりません。
とはいえ、15.6型のゲームノートでタッチパッドを使って操作を行う・・という方は少数派かもしれません。
なお、タッチパッドのオンオフや感度の調整など細かい機能については、タスクトレイよりアクセス可能な「ポインティングデバイス」より設定が可能です。
ポインティングデバイスの設定画面。
パッドの感度など細かい調整を行う事ができます。
筺体底面からアクセスできる内部の構造
ALIENWARE 15の筺体底面からアクセスできる、内部の構造をチェックします。
筺体底面全体の様子です。
写真は上側が筐体背面、下側が筺体正面側となります。
バッテリは内蔵タイプで脱着できない構造です。
内部パーツへは、底面中央から手前付近に見えるカバーを開く事でアクセスできるようになっています。
カバーはネジを外したら簡単に外れる・・と思っていましたが、さらに爪で引っ掛けてあったため結構固かったです。
写真左下にはM.2スロットが2基、その右上には無線LANカードが見えます。
手前にはHDDベイ、そしてその上にはメモリスロットが搭載されるというパーツの配置です。
HDDベイの上に、キーボード等のケーブルが飛び出ている所がちょっとおかしいですが、パーツの追加や換装が容易に行えそうな便利な構造です。
液晶の見やすさ
ALIENWARE 15に搭載されている液晶をチェックします。
本製品はフルHDと4KのIGZO液晶を選択できるようになっており、掲載製品にはフルHD液晶が搭載されています。
以下、その液晶の詳細です。
販売製品に必ずしも同じパネルが搭載されるとは限りませんので、参考程度にご覧ください。
15.6型フルHD(1920×1080)のIPS、非光沢タイプの液晶です。
初期時の画面のスケーリングは100%に設定されており、アイコンや文字は程良く見やすいサイズです。
非光沢タイプのパネルであるため、光の反射や自分の姿が映り込んでしまうような事もなく使いやすいです。
IPS方式のパネルを採用しているため、視野角は広いです。
画面を斜めから見ても内容をはっきり読み取ることができます。
明るく色の発色なども良く、ゲームプレイはもちろん、写真や動画編集など様々な用途に使いやすい液晶だと思います。
ALIENWARE 15 R2 構成内容とその特徴について
掲載しているALIENWARE 15 R2の構成内容とその特徴を解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【ALIENWARE 15 R2 スプレマシ― の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core i7-6820HK (2.7GHz/TB時最大3.6GHz)
グラフィックス GeForce GTX 980M(4GB)/ インテル HD グラフィックス 530
メモリ 16GB(8GB×2/DDR4 2133MHz)
ストレージ 512GB PCIe SSD(Sumsung製) + 1TB HDD(HGST製/7200rpm)
ディスプレイ 15.6型 フルHD(1920×1080)、IPS、非光沢
無線機能 Killer 1535(802.11ac 2×2)+ Bluetooth 4.1
バッテリ 92WHr(実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 240W
サイズ 385.8×270.2×23.9~34.0(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約3.207kg(構成により異なる)
ソフトウェア Alienware Command Center
保証 1年間引き取り修理サービス
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2016年02月17日時点の情報に基づくものです。
Windows 10、15.6型フルHDのIPS液晶、Core i7-6820HK、メモリはDDR4規格のモデルを16GB、ストレージには512GBのM.2 SSDと1TB HDDを搭載する構成のモデルです。
この構成は、現時点(2016年2月17日時点)では最上位モデルとして販売されている「スプレマシー」にあたるモデルであり、CPUにはオーバークロック版であるCore i7-6820HKが、GPUにはGTX 980M(4GB)が搭載されるなど、見るからにハイスペックな内容となっています。
その他に選択できる構成としては、CPUにはCore i5-6300HQや Core i7-6700HQを、またGPUにはGeForce GTX965MやGTX970Mなどを搭載する構成も提供されており、液晶はフルHDの他、4KのIGZOパネルも選択可となるなど、マシンの用途や予算、普段プレイするゲームの重さなどに合わせた内容のモデルを選択可能。
ALIENWAREならではのソフトウェア「Alienware Command Center」の搭載や、LANにもゲーム向けとされるKiller LANなどが搭載されるなど、ゲーミングPCとして細部までこだわった内容となっています。
構成的な面だけを見ると、一般的なPCと比較してやや高めではありますが、ALIENWAREブランドが好きな方、またPCの細かい部分に拘りたい方には、これ以上にない魅力ある製品だと言えるでしょう。
搭載されているストレージの内容を確認します。
搭載されているSSDとHDD
搭載されているHDDの仕様
ディスクの内訳
起動ドライブにはSumsung製の「PM951シリーズ」である512GB M.2 SSDが、データドライブとしてHGST製の1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
SSDは PCIe接続の非常に高速なモデルです。
加えてデータドライブとしてのHDDも十分な容量であり、ノートのストレージ構成としては理想的な内容だと言えるでしょう。
本製品では他に HDDのみの構成や、256GB~最大1TBまでのPCIe SSDとHDDのドライブ構成を選択可能。
使い心地に拘るのなら、SSD&HDDの構成選択がお勧めです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているALIENWARE 15 R2で行ったベンチマークテストの結果です。
NVIDIAコントロールパネルの3D設定の管理より、GTX980Mに固定した状態でテストを実行しています。
CPUのオーバークロック等は試していません。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
各テストの結果
Fire Strikeの詳細 / FireStrike Ultraの詳細
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1920×1080(描画設定3) / 1920×1080(描画設定5)
【BIOHAZARD 6】
1280×720 / 1920×1080
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
上から1280×720、1980×1080/ DirectX 11、最高品質で実行
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720、1980×1080 / 最高品質、Windowsモードで実行
【CINEBENCH】
文句なしの性能です。
フルHDの解像度であれば、高画質~最高画質設定であっても大抵のゲームを快適にプレイする事ができるでしょう。
重いゲームの場合、フルHDはともかく4K解像度に設定した場合だと画質を調整する必要が出てきますが、プレイは可能だと思われます。
本製品程のパワーは必要がないという場合は、下位のGTX 965Mや GTX 970Mを搭載したモデルを選択すると良いでしょう。
消費電力・温度
ALIENWARE 15 R2 の消費電力を測定。
以下はアイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力値です。
画面の輝度は50%に、グラフィックスの3D設定は「自動選択」に設定しています。
アイドル時 ・・・ 13W
ベンチマーク実行時 ・・・ 143W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
低負荷時は外部グラフィックスの利用が控えられるためか、構成の割に低消費電力ですが、高負荷時の消費電力は高めです。
続いて、ALIENWARE 15 R2 のパーツ温度を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
高負荷な状態が続くとCPUが高温になります。
一方でグラフィックスの温度は思ったよりも低温でした。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。
キーボード中央から右側にかけて熱くなりやすいようです。
触れるとやや熱さを感じます。
ゲームの操作時に手を置きっぱなしにする事が多い、WASDキーの付近の温度は普通です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、ALIENWARE 15 R2の再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 0:48
2回目 0:48
3回目 0:50
4回目 0:49
5回目 0:49
6回目 0:48
7回目 0:50
8回目 0:49
9回目 0:49
10回目 0:53
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 49秒
ALIENWARE 15 R2の再起動にかかる時間は約49秒。
起動ドライブにSSDを搭載しており、起動やシャットダウンは高速です。
バッテリ駆動時間
ALIENWARE 15 R2のバッテリ駆動時間を測定。
測定用のソフトウェアにはbbenchを使用、設定内容はストロークの実行が10秒毎に、無線LANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)は60秒毎に実行されるという内容です。
画面の輝度は50%に、グラフィックスは「自動選択」に設定した上で測定を行っています。
バッテリの電力が100%から3%に減少するまでの時間は25961秒。
約7.2(7.21138888…)時間もの間、バッテリ駆動が可能という結果です。
Optimus機能が効いているとはいえ、構成内容の割りにバッテリの持ちは良い印象です。
ゲームなど負荷をかけた使い方では、大幅にバッテリの持ちは悪くなると思われますが、軽い用途では電源なしの状態でもある程度の時間作業が行えそうです。
ALIENWARE独自のソフトウェアを搭載
ALIENWARE 15 R2には、ALIENWAREブランド独自のソフトウェアである「Alienware Command Center」が標準搭載されており、「AlienFX」や「AlienFusion」、「AlienAdrenaline」、「Alienware TactX」などの各種機能を利用する事ができるようになっています。
AlienFXは、ALIENWARE 15 R2の本体に搭載されているイルミネーション機能の詳細設定を行うためのツール。
各ゾーンのカラーや点灯パターンなどを設定する事ができます。
なお、イルミネーション・カラーの変更や点灯・消灯は、タスクトレイ内にある「AlienFX Editor」より簡易的に設定する事が可能です。
Alienware AlienFX Editorによるカラーの変更画面
AlienFusion 電源プランの作成や詳細な設定を行うためのツール
AlienTactX キーボードに左側に設置されているプログラマブルキーの設定を行うためのツール
プログラマブルキーは、マクロなどの機能の他にもいろいろ設定できる
AlienAdrenaline システム設定や様々なアクションの実行を、予めプロファイルとして作成できるツール
ALIENWARE 15 R2 まとめ
ALIENWARE 15 R2のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・・
・15.6型フルHD、もしくは4KのIGZO液晶を選択可能
・CPUには第6世代のCore i5や、最大ではOC対応のCore i7-6820HKも選択可能
・GPUには GTX965M、GTX970M、GTX980Mを選択できる
・最大1TB PCIe SSDやHDDといった 2ドライブ構成を選択できる
・イルミネーション機能他、ゲーミングPC向けの機能が充実
・Alienware Graphics Amplifierに対応しており、外部GPUを接続可能
15.6型フルHD、もしくは4KのIGZO液晶を搭載可能なゲーミングノートPCです。
CPUには最大で第6世代のCore i7-6820HKを、GPUにはGTX 980M(4GB)を選択できるなど、ゲーミングノートとしては非常にハイエンドな構成の選択肢を提供しています。
構成が充実しているだけではなく、筐体のイルミネーション機能やプログラマブルキーの搭載などゲーミング向けの機能が充実しており、性能だけではなく演出や機能を重視する方にも魅力の大きい製品です。
外部グラフィックカードを接続できる「Alienware Graphics Amplifier」にも対応しているため、将来的にスペックアップをしたいと思った場合にも、PCを買い替える事なくグラフィック性能を向上させる事が可能です。
ゲーミングPCの中ではやや価格の高い製品ではありますが、性能や機能、また操作性や液晶の美しさなど、その値段相応の価値を持ちあわせたノートPCだと言えるでしょう。