HP ENVY 750-070 レビュー GeForce GT730を搭載するWindows 7マシンの性能と使い勝手をチェック
HPが販売するデスクトップPCの2015年夏モデル、HP ENVY 750-070jp/CT のレビューです。
HP ENVY 750-070jp/CT は、OSにWindows 7を標準搭載する高性能デスクトップPC。
少し前に、HP ENVY 750-080jp/CT という、Windows 8.1を搭載するENVYシリーズの高性能デスクトップPCをご紹介しましたが、今回の製品はその ENVY 750シリーズのWindows 7搭載版となります。
春以前のモデルでは、Windows 7を搭載するモデルと Windows 8.1を搭載するモデルとで選択できる構成が異なり、Windows 8.1を搭載するモデルの方によりスペックの高い構成が提供されていたのですが、新しい「HP ENVY 750-070jp/CT」と「HP ENVY 750-080jp/CT」ではスペックがほぼ統一され、違いはOSのみとなりました。
外観も、新筺体を採用する事で雰囲気が大きく変わり、よりインテリアになじみやすいモダンな製品へと生まれ変わっています。
今回は、そんな HP ENVY 750-070jp/CT の外観や使用感、性能等について詳しくレビューしてみました。
【HP ENVY 750-070jp/CT レビュー記事目次】
・HP ENVY 750-070jp/CT 筺体外観・内部構造
(新筺体の外観・インターフェース / 筐体内部の構造 / キーボード・マウス)
・構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェア)
・製品レビューのまとめ
(HP ENVY 750-070jp/CT まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP ENVY 750-070jp/CT 新筺体の外観・インターフェース
まず、HP ENVY 750-070jp/CTの筺体外観やインターフェースの内容をチェックします。
本製品の筺体は、HP ENVY 750-080jp/CTに採用の新筺体と全く同じで、サイズは幅約165mm、奥行き405mm、高さが401mmで、重量は約9.4kg。
机の上などに設置するには、少し大き過ぎると思われるサイズ感の筺体です。
フロントパネル全体の様子。
ヘアライン加工を施したアルミ素材のパネルを採用しています。
センターラインを象徴的に配置する事で都会的なデザインを実現・・と公式ページの製品説明にある通り、モダンな雰囲気を持つ洗練されたデザインです。
従来のモデルに採用されていた、クラシカルなデザインの筺体とは対照的だと感じます。
フロントパネル上部中心には鏡面仕上げのhpロゴ 光沢感が美しい
フロント中心部に設置されているドアの内部には、光学ドライブを配置
フロントパネル下部にはオーディオメーカー「Bang & Olufsen」のロゴ
背面のインターフェースをチェックします。
以下は、GeForce GT 730搭載モデルの筐体背面の様子です。
端子の内容は選択する構成によって変化します。
上部に電源、中央の拡張スロット付近にはグラフィックカードに搭載されているDVI-Iや HDMIといった映像出力端子が並び、その下にはオーディオ端子×6、USB3.0×2、USB2.0×2、LAN、デジタル音声出力端子(光)が並びます。
従来モデルと同じく、マザーボードが逆倒立となる配置です。
筺体右側面のパネルには、フロント寄りの位置に大きめの通気口を設置
筺体左側面には中央にhpのロゴ 通気口はない
底面は前方から後方にかけて傾斜するスタイル
筺体上部の様子
筺体上部に、比較的利用頻度の高い端子を搭載。
写真左からUSB3.0が2基、USB2.0が2基、ヘッドフォン出力やマイク入力のコンボ、メディアカードリーダーが並ぶ内容で、フロントパネルのすぐそばに電源ボタンを配置しています。
PCを机の上に置く場合、筺体上部だけではなくフロントパネル側にも端子があった方が使いやすいですが、この製品位の大きさの筺体だと、多分床に近い位置に設置される方が殆どではないかと思いますので、筺体上部への端子配置は便利だと言えます。
逆に机の上に設置した場合だと、USBなどの端子を利用する場合にちょっと不便かもしれません。
筐体の内部構造をチェック
次に、HP ENVY 750-070jp/CTの筐体内部の構造をチェックします。
内部の構造は旧モデルに比べて多少変化し、5.25インチベイ2基がウルトラスリムベイ1基に、また3.5インチベイが3基から4基へと増加しました。
メンテナンスのしやすい構造です。
サイドパネルはツールレスで開く事ができる 旧モデルよりも開けやすい
筐体内部全体の様子
右上から時計回りに電源ユニット、グラフィックカード、CPU、メモリ、3.5インチベイ、ウルトラスリムベイというパーツの配置です。
3.5インチベイ。
サイドパネル側からは3基しか見えませんが、フロントパネルを取り外す事でもう1基にアクセス可能です。
ウルトラスリムベイ。
以前は5.25インチベイが2基搭載されていた場所に、光学ドライブを搭載するためのウルトラスリムベイを設置しています。
本製品ではDVDスーパーマルチドライブの搭載が標準で、カスタマイズでブルーレイディスクドライブを選択できます。
電源は最大500W(80PLUS BRONZE)。
+12Vは4系統で、最大420W。
どの構成を選択しても、この電源が搭載されます。
マザーボードを拡大
グラフィックカード 搭載しているのは GeForce GT 730 最大GTX 980を選択可能
キーボードやマウス
掲載製品に同梱されていた、HP製のキーボードとマウスをご紹介いたします。
本製品に標準で同梱されるのはUSBタイプのキーボードやマウスですが、カスタマイズでワイヤレスタイプのデバイスへと変更する事ができます。
今回のモデルに同梱されていたのは、ワイヤレスタイプのキーボードやマウスでした。
キーボード全体
キーボード左半分を拡大
キーボード右半分を拡大
Windows 8 用のショートカットキーを搭載する、アイソレーションタイプのワイヤレスキーボードです。
旧モデルで用意されていたワイヤレスキーボードと全く同じ製品で、比較的コンパクト。普通に使いやすいキーボードだと思います。
Windows 8 用のショートカットキーを搭載
キートップの形状
キーボードの底面
やや底面が傾斜するスタイル チルト機能はなし
ワイヤレスマウスとUSBレシーバー
マウスはコンパクトで使いやすい
USBレシーバーは、ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウス兼用で利用します。
Bluetooth接続のキーボードやマウスなどとは異なり、接続が安定しているので使いやすいです。
HP ENVY 750-070jp/CT 構成内容とその特徴
掲載している HP ENVY 750-070jp/CTの主な構成内容と、その特徴について解説します。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP ENVY 750-070jp/CT の主な構成】
OS Windows 7 Professional 64bit
プロセッサ Core i5-4590(3.30GHz/TB時最大3.70GHz)
チップセット Z97 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GT 730(4GB)
メモリ 4GB(4GB×1/PC3-12800/4スロット/最大32GB)
ストレージ 256GB SSD(SanDisk製/SATA)+ 1TB HDD(Seagate製/7200rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(ウルトラスリム)
無線機能 なし
拡張ベイ ウルトラスリムベイ×1、3.5インチ×4
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI Express Mini Card×1、Mini SATA ×1
電源 500W(80PLUS BRONZE)
ケース ミニタワー型
サイズ 165×405×401(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約9.4kg
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年08月10日時点の情報です。
Windows 7 Professional、Core i5-4590、メモリ4GB、GeForce GT 730(4GB)、256GB SSD&1TB HDDという構成内容のモデルです。
本製品には複数の構成が提供されており、CPUはCore i5-4590をはじめ、Core i7-4790や Core i7-4790Kを選択可能、メモリは4GB~最大32GB、グラフィックスにはCPU内蔵グラフィックスやGeForce GT 730、GTX960、GTX980といったモデルの選択肢が提供されています。
また、ストレージには基本構成では1TB HDDが搭載されますが、容量の大きいHDD or SSDへの変更や、2nd HDDの追加が可能。カスタマイズではディスクの搭載は2基までとなりますが、自己カスタマイズでは最大4基までSSDやHDDを搭載する事ができるなど、容量が必要な用途にも対応できます。
今回掲載のモデルは、基本構成にいくつかのカスタマイズを施した内容でハイスペックという程ではありませんが、比較的パフォーマンスは高く、価格と構成のバランスの良い内容のマシンだと言えるでしょう。
構成によっては、キャンペーン利用で通常よりもお得に購入する事ができますので、製品購入を検討されている方は、まずキャンペーン情報に目を通されると良いでしょう。
搭載しているストレージの内容を確認します。
SSDの仕様
HDDの仕様
ディスクの内訳
SSDにはSanDisk製の「SD6SB1M-256G-100」という256GB SSDが、HDDにはSeagate製の「ST1000DM 003-1ER162」という1TB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
最近の超高速だと言われるSSDの中では速い方ではありませんが、ベンチマークのスコアは高めであり実際の動作も十分に高速です。
他、CドライブのHDDは最大3TBまで、SSDは256GBの他に512GB容量の選択も可能となっており、2ndドライブには1TB~3TBまでのHDDを追加する事ができます。
【HP ENVY 750-070jp/CT で選択できるストレージの構成】
1st: 1TB / 2TB / 3TB HDD / 256GB / 512GB SSD
2nd: なし / 1TB / 2TB / 3TB HDD
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP ENVY 750-070jp/CTで実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.6
メモリ 7.6
グラフィックス 5.5
ゲーム用グラフィックス 6.8
プライマリ ハードディスク 7.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 448.1 / 387.6
512K 329.4 / 205.2
4K 396.0 / 421.4
4K QD32 27.66 / 86.82
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
実行したテストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 55992
Cloud Gate・・・ 6308
Sky Diver・・・ 4057
Fire Strike・・・ 993
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×720 ・・・ 3445~3448
1920×1080 ・・・ 1780~1901
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1280×720(描画設定3) ・・・ 4243
1920×1080(描画設定3) ・・・ 1519
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:3029 / RANK:B
1920×1080 ・・・ SCORE:1728 / RANK:C
【FINAL FANTASY XIV】
新生エオルゼア キャラクター編
蒼天のイシュガルド(DirectX 9)
【新生エオルゼア】
1280×720(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2696 / 評価:やや快適
1920×1080(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1381 / 評価:設定変更が必要
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
1280×720(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2475 / 評価:普通
1920×1080(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1347 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(最高品質) ・・・ スコア:8482 / 評価:とても快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:3871 / 評価:普通
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 49.74fps
CPU ・・・ 529cb
Minecraft MODなしで、デフォルト設定~やや設定を高めても快適に動作
それ程負荷の高くないPCゲームなら、画質設定を調整すればプレイできる位のパフォーマンスです。
高負荷なPCゲームをサクサクと遊べるくらいの性能は必要ないけれど、CPU内蔵のグラフィックスではやや心許ない・・というような方に向く構成です。
パフォーマンスはそこそこ高くそれでいて高価ではないなど、価格と性能のバランスがよく買うにはお手頃な内容のモデルだと言えるでしょう。
重いゲームは難しいので、ゲーム目的だという場合はGTX960かGTX980の搭載モデルの選択が適当だと思います。
消費電力・温度
HP ENVY 750-070jp/CT の消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定値です。
記載の数値に、液晶の消費電力は含まれません。
アイドル時 ・・・ 24W
ベンチマーク実行時 ・・・ 57W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
グラフィックカードを搭載していますが、デスクトップPCにしては消費電力は低い方です。
HP ENVY 750-070jp/CT の筐体内パーツの温度を測定。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
高負荷な状態が続いても、全体的に低温です。
より高性能なGPUを搭載した場合、もう少し高温になると思われます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP ENVY 750-070jp/CT の再起動時間を測定。
以下は10回の再起動時間とその平均値です。
1回目 0:47
2回目 0:21
3回目 0:22
4回目 0:23
5回目 0:21
6回目 0:22
7回目 0:22
8回目 0:21
9回目 0:24
10回目 0:22
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 24秒
HP ENVY 750-070jp/CTの再起動平均時間は24秒。
これまでの測定データより、SSD搭載PCの再起動時間は大体30~40秒という結果が出ており、比較すると、掲載製品の再起動にかかる時間はかなり短めだと言えそうです。
実際、かなり速いです。
プリインストール・ソフトウェア
HP ENVY 750-070jp/CTにプリインストールされているソフトの内容を、簡単にご紹介します。
場合によっては、以下に掲載の内容とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
HP製のソフトウェアについては、PCの総合的な管理を行う「HP Support Assistant」やシリアルナンバーなどのPC情報を参照できる「HP Support infomation」、ユーザーガイドなどを参照できる「HP Documentation」、バックアップ&リカバリーツールの「HP Recovery Manager」、オーディオユーティリティ「Bang & Olufsen」などが搭載されるという内容です。
他、CyberLink製の再生ソフト「PowerDVD」やライティングソフト「Power2Go」、ファイルの圧縮・展開ソフト「7-Zip」、PDFの閲覧・編集ソフト「「Foxit PhantomPDF」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」など、あると便利なソフトウェアが数点搭載されていました。
Windows 8.1を搭載する HP ENVY 750-080jp/CTに比べると、ストアアプリがない分シンプルな内容です。
HP Support Assistant PCの総合的な状況把握や管理
HP Recovery Manager ソフトやドライバの再インストール、リカバリなどを行える
Recovery Managerでは、リカバリメディアの作成も可能
Bang & Olufsen オーディオ関連の設定調整を行うユーティリティ
HP ENVY 750-070jp/CT まとめ
HP ENVY 750-070jp/CTのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・ヘアライン加工のアルミを利用した、モダンで高級感ある印象の新筐体を採用
・Windows 7を標準搭載
・CPUはCore i5からCore i7まで、GPUはCPU内蔵グラフィックスから最大GTX980を搭載可能
・ストレージは最大4台まで搭載可能(カスタマイズでは最大2台)
・拡張性高くメンテナンスがしやすい
新デザインの筺体を採用する、Windows 7搭載のミニタワー型デスクトップPCです。
CPUはCore i5からCore i7まで、メモリは4GB~最大32GBまで、GPUにおいてはCPU内蔵のグラフィックスから、最大GTX980というハイエンドなカードの搭載も可能。
軽~少しパワーが必要な作業はもちろん、快適なゲームプレイなど非常に幅広い用途に対応できる製品です。
HDDベイを4基備えるなど拡張性も高く、さらにメンテナンスしやすい構造であるなど、後々容量を増やしたくなった場合にも容易に対応できます。
選択肢が多いという点で、自分にあった構成を考えやすい製品だと言えるでしょう。
インテリア性も高く、外観に拘る方でも満足できると思います。
同じような構成・外観の製品でWindows 8.1搭載のモデルが欲しいという方は、HP ENVY 750-080jp/CTのレビューをご参照下さい。