Latitude 15 5000 (E5550)の構成と性能は? Core i3-5010Uを搭載する最小構成モデルの性能を検証
前記事(Latitude 15 5000 (E5550)レビュー 長時間の操作も快適に行えるビジネス向けの15.6型ノート)に続き、今回はLatitude 15 5000 (E5550)の構成と性能について。
記事に掲載のモデルは、Windows 8.1やCore i3-5010U、メモリ4GB、500GB HDD、15.6型HD液晶を搭載するという内容のモデル。
本製品で提供されている中では最小構成にあたるマシンで、余り負荷のかかる作業を行わないという方向けの構成です。他、フルHD液晶やCore i5を搭載するモデルなども提供されています。
個人の方ではそれ程重視されない方が多いのではと思いますが、ビジネス向けのモデルだけあってサポートや保証オプションも充実している事に加え、ドッキングステーションなど個人向けのモデルにはないオプションも用意されていたりと、PCの利用環境に拘る方や、自宅で仕事を行っている方などにはとても便利な製品です。
今回はそんなLatitude 15 5000 (E5550)の構成面での特徴と、実際の性能について詳しく触れてみました。
【Latitude 15 5000 (E5550)シリーズ レビュー記事目次】
・Latitude 15 5000 (E5550) 筐体外観・使用感をチェック
(筺体外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ)
・構成と特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載ソフトウェアの内容について
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビューのまとめ
(Latitude 15 5000 (E5550) まとめ)
Latitude 15 5000 (E5550) 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているLatitude 15 5000 (E5550)の構成内容とその特徴について解説します。
【CPU-Z】
【Latitude 15 5000 (E5550) の主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i3-5010U (2.1GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 5500
メモリ 4GB(4GB×1/DDR3 1600MHz)
ストレージ 500GB HDD(HGST製/SATA3/7200rpm)
ディスプレイ 15.6型HD(1366×768)、非光沢、カメラ付き
無線機能 Intel Dual Band Wireless-AC 7265(802.11ac/a/b/g/n)、2×2、Bluetooth 4.0 LE
バッテリ 4セル(51WHr/駆動時間の実測値は後に掲載)
電源アダプター 65W
サイズ 376.9×255.2×23.45(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.14kg
保証 3年間翌営業日対応オンサイト保守サービス(6営業日9-17時)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年07月15日時点のものです。
Windows 8.1、Core i3-5010U、メモリ4GB、500GB HDD、15.6型HDの非光沢液晶を搭載する下位モデルの構成です。
先の記事でも述べた通り、Latitude 15 5000 (E5550) では液晶にHDとフルHDの解像度を持つ構成が提供されており、Core i3搭載モデルではHD液晶のみとなりますが、Core i5搭載モデルではHDとフルHD液晶搭載のモデルを選択する事ができます。
またCore i5を搭載する構成ではメモリ8GBや指紋認証、スマートカードリーダーの搭載に加え、ページを見る限りではWWANのオプション等もカスタマイズで選択できるようです。
あと、Latitude 15 5000 (E5550) ではオプション品として販売されているドッキングステーションの利用が可能ですが、接続にはPC側にドック対応のコネクターを搭載している必要があります。
構成よってはコネクター非搭載となりますので、ドッキングステーションを利用される予定の方はドック対応のコネクターを搭載した構成をご選択ください。
その他、本製品には標準で「3年間翌営業日対応オンサイト保守サービス」が付属。
ビジネス向けのモデルだけあって、そういった保守サービス等は非常に充実していますので、必要なものを選択しておくと良いでしょう。
1点だけ、本製品の価格にはPCのリサイクル料が含まれません。
その分お安くなっていると思うのですが、後に廃棄処分する場合などにリサイクル料がかかってきますので、その点だけご留意下さい。
搭載されているストレージの内容をチェックします。
HDDの詳細
ディスクの内訳
HGST製の「HTS725050A7E630」という500GB HDD(7200rpm)が搭載されていました。
HDDとしてはまだ性能は高い方ではと思います。
見る限り、選択できるストレージは500GB HDDのみとなっているようです(2015年7月17日現在)。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているLatitude 15 5000 (E5550)のベンチマーク結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7
メモリ 5.9
グラフィックス 4.7
ゲーム用グラフィックス 5
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 124.2 / 125.3
512K 1.127 / 1.010
4K 125.0 / 123.1
4K QD32 0.465 / 1.001
数値は左がRead、右がWrite/上記はランダムの値
【3DMark】
実行したテストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 39789
Cloud Gate・・・ 4097
Sky Diver・・・ 2361
Fire Strike・・・ 559
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×720 ・・・ 1822~1844
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1280×720(描画設定3) ・・・ 1006
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:1928 / RANK:C
【FINAL FANTASY XIV】
新生エオルゼア キャラクター編
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
【新生エオルゼア】
1280×720(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:2510 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:1307 / 評価:設定変更が必要
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
1280×720(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:2367 / 評価:普通
1920×1080(標準品質/ノートPC) ・・・ SCORE:1320 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(低品質) ・・・ スコア:4383 / 評価:普通
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:3903 / 評価:普通
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 15.08fps
CPU ・・・ 214cb
省電力タイプのCore i3という構成であるため、ベンチマークスコアは全体的に低い値ですが、軽い作業なら快適に行える性能です。
もう少し性能が高い方が良いという方は、Core i5を搭載する上位モデルをご選択下さい。上位モデルではフルHD液晶等、下位モデルよりも柔軟な構成の選択が可能です。
消費電力・温度
Latitude 15 5000(E5550)の消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定値です。
画面の輝度は50%程度に設定。
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 29W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
いずれの場合も消費電力値は低いです。
その分、バッテリが長く持つと思われます。
続いて、Latitude 15 5000(E5550)の筐体内パーツの温度を測定。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定結果です。
計らずとも構成から想像できますが、全体的に低温です。
さらに、高負荷な状態が続いた場合のキーボード表面の温度について。
キーボード表面の温度も上がりにくいようです。
ただ、排気口付近の温度は高めでした。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、Latitude 15 5000(E5550)の再起動にかかる時間を測定。
以下は9回の再起動時間と、その平均値です。
1回目 1:22
2回目 1:02
3回目 1:01
4回目 1:03
5回目 1:05
6回目 1:28
7回目 1:29
8回目 1:25
9回目 1:23
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分15秒
Latitude 15 5000(E5550)の再起動にかかる時間は、約1分15秒という結果です。
HDDを搭載するPCの再起動時間には1分~1分半といった結果が多く出ており、本製品の再起動にかかる時間はHDD搭載のPCとしては標準的だと言えます。
バッテリ駆動時間
Latitude 15 5000(E5550)のバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎に、無線LANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に行われるよう設定。
画面の輝度は50%に設定しています。
バッテリの電力残量が100%から5%に減少するまでの時間は27623秒。
約7.7(7.673055555…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
15.6型のノートとしてはやや長めのバッテリ駆動時間です。
やや負荷のかかる作業を行った場合、上記よりももう少し駆動時間が短くなりますが、消費電力がそれ程高くなるような構成ではないため、大抵の作業においてバッテリの持ちは良いと思われます。
屋内オンリーでの利用であっても、バッテリの持ちが良いとコンセントの有無にとらわれずに様々な場所で作業が行えるため、便利です。
プリインストール・ソフトウェアの内容
Latitude 15 5000(E5550)にプリインスト-ルされているソフトウェアについて、簡単にご紹介いたします。
製品の購入時期や、選択するオプション等の内容によっては、以下とは内容が異なる可能性がありまのでご注意ください。
搭載されているソフトウェアは上記の通り。
多くが、デル製のソフトウェアです。
特徴的なものとしては、PCの総合的な管理を行える「My Dell」やバックアップやリカバリーを管理できる「Dell Backup and Recovery」、電源管理の「Dell Command Power Manager」、システムを最新に保つ「Dell Command Update」、オーディオユーティリティの「Dell Audio」、購入したソフトウェアをクラウド上からダウンロード・インストールできる「Dell Degital Delivery」、セキュリティツールの「Dell Data Protection | Security Tools」などがあげられます。
セキュリティ系のソフトウェアやサービスについては、非常に多くの選択肢が提供されているため、詳しくは製品のカスタマイズ画面にてご確認下さい。
なお、上記のソフトウェアのうち、「My Dell」や「Dell Data Protection | Security Tools」、そして「MacAfee Security Center(30 Days)」についてはPCをネットに接続した後、「Dell Degital Delivery」を利用してダウンロードする形での提供となりますので、初回起動時の製品には搭載されていません。
あと「Dell Degital Delivery」で管理するソフトウェアの内容は、製品購入時のオプション選択の内容によって異なってきます。上記は掲載モデルの内容となりますので、ご注意ください。
My Dell PCの総合的な管理を行うソフトウェア
Dell Backup and Recovery バックアップやリカバリーを管理
Dell Command Power Manager 電源管理ツール
Dell Command Update システムを最新に保つソフトウェア
Dell Degital Deliveryによるソフトウェアのダウンロード&インストール ダウンロードしない事も可能
Latitude 15 5000 (E5550) まとめ
Latitude 15 5000 (E5550)のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・ビジネス向けの15.6型ノートPC
・選択できる主な構成は第5世代のCore i3、Core i5
・HDの非光沢液晶とフルHDの非光沢液晶を選択可能
・キーボード周りの操作性が非常に良い
・剛性の高い筐体や防水キーボードの採用など、ビジネス向けのモデルならではの安心要素を備えている
・製品ページを見る限り、ストレージは500GB HDDのみ(2015年7月15日時点)
15.6型の液晶を搭載するビジネス向けのノートPCです。
CPUには第5世代のCore i3やCore i5を選択可能となっており、構成的に負荷の高い作業には向きませんが、一般的な事務作業程度の用途になら快適に利用できる性能を持ち合わせています。
また液晶にはHDとフルHDの非光沢パネルを選択する事ができるなど、用途によって適当な構成を選択する事が可能です。
個人的にも良いと感じたのがキーボード周りの操作性で、タッチパッド周りなども使いやすくできており、特にキーボード入力などの操作が多い方にはとても使いやすい製品だと思います。
剛性の高いボディなど、日常で扱いやすい所も安心の要素です。
今の所ストレージに選択できるのが500GB HDD(※)のみである点、また光学ドライブ非搭載である点などやや気になる所が幾つかありはするものの、その辺が気にならなければ問題ないでしょう。 ※ある程度スキルがあるのならストレージの換装を行うのもありだと思いますが、保証の面でどうなるかわかりませんので注意が必要です。多分企業向けに提供する場合には、予算や環境にあわせてもう少しフレキシブルに構成を変更したりするのだと思います。
質が高い割に、比較的価格が抑えめである所も魅力。
自宅などでPCを使って長時間仕事をされる方、またPCの操作性に拘りがあるという方には非常におすすめできる製品です。